gooブログはじめました!

第3話(3)

 仏陀の教え(3)

 玄奘は天竺中原を越え、目的の地、天竺東部のナーランダーに着いた。

 唐の長安を発ってから、3年の月日が流れていた。

 ナーランダーには5世紀に創設された仏教大学があり、仏教の学問的研究と教育がなされていた。
立派な校舎と図書館、十余の寺院があり、数千人の僧が研鑽を積んでいる。

 玄奘は数多くの仏典の原本を見て、身体が震えた。
「さあ、これで真の仏陀の教えに近づくことができるぞ。」

 玄奘は寝る間も惜しんで、仏典を読みふけった。
また、多くの僧とその内容について議論する。

 大学の高僧、シーラバドラは玄奘に唯識思想を伝える。
「一切の存在は心の変現したものー深層意識によって認識され、意識上に現れ出るものーで、心が唯一の実在である。


 玄奘はナーランダーで5年間、仏教を学んだ。
そして657部もの経典を、唐に持ち帰る。

 帰国後、玄奘はそれらサンスクリット原本を忠実に翻訳して、世に出した。

 “これで、少しは御仏のご意志を行うことができた----------”

 参考図:「図説 三蔵法師の道」、松本栄一他、河出書房新社、1999
     
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「大西洋」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事