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日本海海戦(21)

 原本はイギリス人、Shippen Edwardにより書かれた「Naval battles of the world: from Salamis to Japan Sea」(1905年刊)で、サラミスの戦いから日本海海戦までの歴史的な海戦を紹介している。 日本は周囲を海に囲まれてはいるが、とても海洋国家とはいえない。日本人がはるかなる海に眼を向けたのは、室町や明治のほんの一時期にすぎない。世界では海の支配をめぐり、いくたびかの戦いが繰り広げられた。それを垣間見ることにより、歴史の舞台では忘れられがちな部分にスポットを当ててみよう。

Battle of the Japan Sea (21)
[by Sydney Tyler]
 “During the manoeuvre the Russian flagship appeared to the southward, at 1.45 o’clock. The Russians steamed up in double column. The fleet was numerous, but no living being was visible. The Russian ships seemed to be in good order. Our ships hoisted the flag of action, the Mikasa signaling: ‘The defense of our empire depends upon this action. You are expected to do your utmost.’ Our men seemed to silently weigh the significance of this signal.”

 “Our first and second divisions turned to the Russians’ starboard, while the third division kept in close touch with the preceding two divisions. With the Japanese ships proceeding in this order, it was 2.13 o’clock when the Russians opened fire. The first two shots fell short of our line, and it was some minutes later before we commenced firing.”

 “Then the battle was on, with firing from both sides. Our destroyers kept on the port side of the main squadron, and in this formation we pressed the Russians against the coast of Kiushiu, and they were obliged to change their course to the east.”

日本海海戦(21)
[シドニー・タイラー著]
 “機動の間、ロシア旗艦は1時45分、南側に現れた。  ロシア艦隊は2縦列で突進してきた。  艦船は多数見えたが人の姿は見えなかった。  ロシア艦隊は規律がとれているように見えた。  我が艦隊は戦闘旗を揚げ、旗艦三笠は次の信号を送った。  「皇国の興廃この一戦にあり。各員一層奮励努力せよ。」  我が兵士はこの信号の意味するところを静かに重く受けとめているように思えた。”

 “我が第1戦隊と第2戦隊はロシア艦隊の右舷へと回頭し、第3戦隊は前の2戦隊に付き従った。  日本艦隊がこの命令を行っているとき、ロシア艦隊は砲火を開いた。  まさに2時13分だった。  最初の2弾は我が艦列の近くに落下した。  その何分か後、我が方も砲撃を始めた。”

 “こうして両艦隊は砲火を交えながら戦闘は続いた。  我が駆逐艦は本隊の左舷に位置し、このフォーメーションで我々はロシア艦隊を九州の海岸よりに圧迫した。  このため、ロシア艦隊は東にコースを変えざるを得なかった。”

(ひとこと)
 このときの戦力比を見てみよう。  バルチック艦隊は戦艦8、装甲巡洋艦3、巡洋艦6、駆逐艦9隻より成っていた。  対する日本艦隊は戦艦4、装甲巡洋艦9、巡洋艦15、駆逐艦25隻だった。  戦艦の数ではロシア側が勝っていたが、中小型艦では日本側が圧倒的に多く、接近戦になれば日本艦隊が有利である。  ロシアは本来が陸軍国であり、その艦隊も一つのバランスのとれた遠洋艦隊ではなく、局地戦向きの艦隊の混成であったといえよう。
     
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