７．その後　　〇冷戦下、米ソを中心とした核兵器開発競争は際限なく拡大する。　　・より強力な水素爆弾の開発　　・ICBMやSLBMの大量配備　　・宇宙空間の軍事利用 　　人類を含む...

６．セオドア・ホールの動機　 　ホールのソ連への原爆情報提供は、上からの指令によるものではなく、 自分の信念に基づく、自主的なものだった。 　従って、情報の対価は受け取ってい...

５．ソ連の原爆開発計画　 　懸念されていたナチス・ドイツによる原爆開発計画は、初期段階で止まっていた。 1943年、ヒトラーが原爆開発よりロケット兵器開発を優先させたためだ。 ...

４．原爆の起爆方法　 　爆弾として使用するためには、核分裂物質に高い衝撃圧を加え、 核分裂の連鎖を起こして、爆発を生じさせなければならない。 　　 　　2つの方式が試みられ...

３．原爆の材料　 　　天然ウランは二つの同位体、ウラン238とウラン235から成る。 　核分裂を起こすのはウラン235で、含有量は天然ウランの0.7％に過ぎない。 ...

２．マンハッタン計画　 　　1930年代、各国の科学者により、ウラン235に中性子を照射すると、 　ウラン235が核分裂を起こすことが発見される。 　そして、その核分裂の時、...

１．1944年春　 　　セオドア・ホールは1925年、ニューヨークのユダヤ系家庭で生まれた。 　彼は、数学と物理学に特異な才能を持っており、ハーバード大学を 　飛び級、飛び級...

　はじめに 　原子力は人類が手にした水力、火力、電気力につぐ未来の夢のエネルギーでした。 しかし、同時に核兵器という人類を滅ぼしかねない怪物を生み出しました。 ...