皆無斎残日録

徒然なるままに、日々のよしなし事を・・・・・

勢力としての組織

2010年10月10日 07時45分33秒 | 随想

個々人の自尊心が高く、社会的地位もあり、経済的にも豊かな人間はいくら集まっても結束した集団としての勢力にはなり得ない。仲間への侮辱が己への侮辱と感じられるか、仲間の不遇が己の不遇と感じられるか。団結した一勢力となり得るかどうかはこの一点にかかる。


今の社会的勢力となっている組織は、本来信仰という心でつながっているはずの宗教的組織であれ、利権が生み出す利益の配分によって保持されているにすぎぬ。利権を失えばあっという間に雲散霧消する。


組織が外的要因によって揺らぐことのない社会的勢力となるその為には封建的規範と封建的情念が血肉となっている必要がある。厳しい自己規律と捨身の自己犠牲の精神が必要とされる。すなわち忠義心が必要となるのである。


藩しかり、軍隊しかり、国家しかりなのである。私心の集まりは真の勢力とはなり得ぬ、公心の集まりが真の勢力となるのである。


人間には、当てになる人間、当てにならぬ人間、頼りになる人間、頼りにならぬ人間、当てにはなるが頼りにならぬ人間、当てにはならぬが頼りになる人間、当てにも頼りにもならぬ人間、当てにもなり頼りにもなる人間。当てになる、ならぬ、頼りになる、ならぬも、又私心、公心の問題である。



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