感泣亭

愛の詩人 小山正孝を紹介すると共に、感泣亭に集う方々についての情報を提供するブログです。

詩 ある花によせて

2013年01月08日 | 日記

小山正孝全詩集を出版することが今年のひとつの目標である。
そこで、正孝の作品をワープロで打っている。データ化すれば、出版に近づくからだ。
それを出版まで寝かせておくのももったいない話だ。
このブログの中でも、そうしてデータ化した作品の一部を紹介していくことにしたい。

これは、発表された作品ではないが、正孝の中学時代からの親友の山崎郷太郎さんのはがきに記さていた「詩」である。
確か、何回目かの感泣亭例会の際にお持ちくださったものだ。山崎さんは、資料が頭の中にも、戸棚にも実に良く整理されて入っいる。恐るべき方だ。


 


ある花によせて    よみびとしらず  (小山正孝)

お前は夜に笑ひ 午前にねむり
午後に化粧する
お前をなぞらへるに
天使 宝石 ルビー 花
もえる声
もえる恋
口にいくたびか ためいきを いつわりにもらす
みたされたものと
ふみにじられたお前と
日にいくたびか別離のあいさつ
日がたてば弱ることもある
お前のからだ お前のこころ
都会の一部にそびえ立つ塔
はねかへす鋼鉄の塔
もえる肉体をひやすために
都会のさびしい生活の夢をお前にささげて
帰つて行く男たち
ああ 夜に笑ふものよ
あかるく輝くものよ
そびえ立つ 人格のない素晴しい空しいものよ