久しぶりに「ひろしま美術館」に行って絵を見てきました。
広島城に程近いこの美術館、結構常設展も充実しているのですが、特別展もなかなか面白いのが多いです。
今回は「描かれた禁断の果実 りんごの秘密」ということで、りんごが描かれた絵ばかりを集めた特別展示をやってました。
りんご・・・というと、やはり真っ先に思いつくのが「アダムとイブ」ですが、確かに展示点数も多かったですね。
それと同時に多かった題材が、ギリシャ神話に出てくる
「パリスの審判」。これ、かのトロイ戦争の元になったと言われる「黄金のリンゴ」のエピソードですが、美男子の羊飼い・パリスの前で美を競う三人の女神(ヘラ、アフロディーテ、アテネ)の図というのが、割といろんな画家に好まれたようで。ルノワールの描いた「パリスの審判」なんかもありました。(これは常設展にある絵なので、特別展が終わっても、ひろしま美術館で見れるんですけどね)
「アダムとイブ」も「パリスの審判」も、どちらもトラブルの元が「リンゴ」っていうのが不思議ですね。
その他にも、「リンゴ」にまつわるエピソードが出てくる話といえば、ギリシャ神話の
「アタランテ」や「ダフニスとクロエ」ですね。それらの絵もありました。
「ダフニスとクロエ」では、ダフニスが艱難辛苦の末に結ばれることになったクロエに対し、「アフロディーテのように美しい君に、このりんごをあげよう・・・(中略)パリスは羊飼い、僕は山羊飼いだからね」とかなんとか言ったそうで・・・。先ほどの「パリスの審判」になぞらえた愛のセリフですねー。
あと有名どころだと、セザンヌのおいしそうなリンゴもありました。
日本画壇では「りんごといえばセザンヌ、ひまわりといえばゴッホ」なんて感じで、強い衝撃を受けた人がたくさんいたみたいです。日本人画家の描いたりんごがたくさんありました。どういうわけか、「りんご+食器」という組み合わせの静物画が多いような気がしましたが・・・何か理由があるのかしら(笑)
それで意外だったのが、「麗子像」で有名な岸田劉生が、多くりんごの絵を描いていたこと。
セザンヌの「りんご」にかなり大きな影響を受けたこともあり、結核を患って入院している間に、かなりの点数を描いてます。あと、彼自身がキリスト教徒で、罪の象徴である「りんご」に、何かひかれるものがあったみたいですね。
「ほにゃらら美術館展」とか、ある画家の絵ばかりを集めた展示会ではないので、ちょっとインパクトにかけるものはありましたが、こういったアイディア勝負の企画展も面白かったです。
たかが林檎、されど林檎。西洋人のアイデンティティの中で大きな位置を占めているリンゴは、日本画壇にもかなり大きなものを与えたような気がします。