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ハリケーンの名前

2005年10月24日 | Science Scene
本日、無事にケーブルテレビが入りました。
これで時代劇もCNNも見放題~!
地上波デジタルにもばっちり対応してます。

で、さっそくCNNを見ていたら、ハリケーン・ウィルマのニュースで持ちきり。
メキシコのカンクンに上陸したようで、警報発令。避難命令が出てるそうです。

ところで、アメリカではハリケーン、日本では台風と呼び名が違っているけれど、これはみんな同じもの。巨大な熱帯低気圧の渦です。
違いは、その渦が発生した場所。
大西洋ならハリケーン、太平洋や東シナ海なら台風(もしくはタイフーン)、オーストラリア北東の太平洋上ならウィリーウィリー、インド洋ならサイクロン・・・といった具合。
まだいろいろ種類を聞いたような気がするのだけれど、興味のある方は調べてみてください。

・・・閑話休題。
アメリカのハリケーン、今回はウィルマ(Wilma)。
「あれ、もうWまできたの?」と驚いた人も少なくないと思います。この間のカトリーナはKatrinaで、Kだったのに。

ハリケーンにはそれぞれ人の名前がついていて、頭文字はアルファベット順に並んでいます。そのイニシャルを見れば、今年何番目に出来たハリケーンかがわかるという仕組み。使われる名前はリストで決まっています。

本日付のヤフーニュースによれば、
大西洋海域のハリケーン(最大風速約33.1メートル以上)や熱帯暴風雨(同約17.4メートル以上)については、アルファベット順(名前の頭文字としては少ないQ、U、X、Y、Zを除く)に毎年21の男女名が6年分、計126個用意されている。これを発生順にAから割り振る。

Zで始まる名前がない・・・ということは、今年の人名シリーズはこれで打ち止め。
このあとにハリケーンが出来るとどうなるかというと、ギリシャ文字のアルファベットが当てられることになる。
つまり、ウィルマのあとは「アルファ」、そのあとは「ベータ」という具合。
いきなり手え抜きすぎじゃない?(笑)

ちなみに、大きな被害をもたらしたハリケーンの名称は、名前リストから除外され、新名称に置き換わるそう。
あの「カトリーナ」も外されることになりそうだ。
てことは、「あの大きなハリケーン」ということで、カトリーナは歴史に名前が残っちゃうわけね・・・。殿堂入り、じゃないけど・・・。

こういったハリケーンの名称は、オーストラリアの気象学者、クレメント・ラグ氏(1852~1922)がきっかけ。この人が知人の名前や嫌いな政治家の名前をハリケーンにつけて呼んでいたのをきいた米航空会社の気象観測担当者が社内で採用。第二次大戦中は米海軍や航空隊にも広まった。当時はもちろん非公式のものだったが、53年、当時の米気象局が正式に採用した。最初は何故か女性名ばかりだったが、「災害に女性名ばかり使っているのはおかしい!」と、そのうち男性名も交互に使われるようになった。

2005年のハリケーンの名前は以下のとおり。
1 アーリーン Arlene
2 ブレット Bret
3 シンディ Cindy
4 デニス Dennis
5 エミリー Emily
6 フランクリン Franklin
7 ガート Gert
8 ハーベイ Harvey
9 イレーネ Irene
10 ホセ Jose
11 カトリーナ Katrina
12 リー Lee
13 マリア Maria
14 ネイト Nate
15 オフィーリア Ophelia
16 フィリップ Philippe
17 リタ Rita
18 スタン Stan
19 タミー Tammy
20 ビンス Vince
21 ウィルマ Wilma

他の年のハリケーン名は、こちらをご参照ください。
それにしても、今年はハリケーンの当たり年ですね。

11番目のカトリーナで壊滅的な被害をうけたニューオリンズは、なかなか復興の兆しが見えないようで、市役所の役人を大量解雇・・・なんてニュースもありました。
あのハリケーンが来襲したとき、お金のある人はさっさと逃げられましたが、低所得者は最後まで残らざるを得なかった。足も逃げる先もないから。それで死者が増えた・・・なんて悲しい事情もあったようで。

災害救助に当たるのはアメリカの場合は軍隊ですが、これも一週間ぐらい来なかった。その結果、ニューオリンズでは略奪が横行するような事態に。

あれほどまでにニューオリンズの被害が拡大したのは、川の堤防があっさり決壊したことにありました。聞いてみたら、カテゴリー3のハリケーンまでしか耐えられないようにつくってあったとか。カトリーナの強さはカテゴリー4。

手抜き工事だったわけではないのですが、エンジニアいわく、「予算に見合ったものしかつくれないから。だから、カテゴリー4や5用の堤防は造れなかった」。

・・・ええ~?

加えて、今回の対応のまずさにたいする責任を、国、州、市の行政でなすりつけあってる状態だったそうです。
なんだかあきれるばかりの事態です。
責任追求の前に、支援のほうが先なんじゃあ?と首を傾げました。
中には車も仕事も失って、途方に暮れて街を捨てる人もいるというのに。
あれから一ヶ月以上経ってますけど、事態は良くなったんですかね・・・。情報が入ってこないんでわからないのですが。

何にせよ、ここまで対応が遅れるのは、災害慣れしてないお国柄のせいなんでしょうか。ハリケーンに関しては、そんなことないと思うんですけどね。

ともかく、一日も早い復興を願います。

地震も多い昨今、私たちも災害に対する備えをしなくては・・・ね。

秋のひまわり

2005年10月21日 | Science Scene
10月も半ばだというのに、ひまわりが満開のところが近所にあります。
5本くらいひまわりが元気に咲いているんですが、「おいおい、この寒いのに大丈夫か?」と毎日心配で眺めてます。
日当たりがいいのでまだ咲いてるのかもしれませんが、なんか季節に取り残されたっぽい感じが寂しいです。

ひまわりといえば、太陽を追いかけて花が回ると言われていることから名前が来ているそうですが、あれは成長段階だけの話で、花が形成される頃には成長も止まるため、実際は全く動いてないそうです。
てことは、つぼみは動いてるのかな~。

ところで、ひまわりつながりで、気象衛星「ひまわり」。
太陽を見ているひまわりのごとく、いつも地球の方をみているということと、一日一回地球の周りを回る、ということで「ひまわり」とつけられたんだとか。
「日回り」・・・ですかい。

1977年から使用を開始して、早や6代目。
その衛星画像は日本のみならず、東アジア、太平洋地域の各国でも使用されてるのはご存知でしょうか。結構いろんな国でお役立ちなんですよね。

先代のひまわり5号は、耐用年数の5年をはるかに過ぎても使われてましたね。
H-IIロケット打ち上げの失敗がたたって、変えたくても変えられなかったので。
それでもしつこく使ってましたが、制御スラスターと呼ばれる部分(人口衛星の姿勢を保つところ)の燃料切れで、とうとう2003年の5月に気象衛星としての運用を終えました。
その後は米国のGOES-9という制止気象衛星のバックアップを受けてたそうです。
全然気付かなかったなー。観測には支障がなかったっぽいですからね。

その後、2005年2月にH-IIAロケットが打ち上げに成功し、6月にようやく「ひまわり6号」が正式稼動となりました。
この「ひまわり6号」のおかげで、北半球の観測感覚が30分になったそうです。

そういや、「クレヨンしんちゃん」でおなじみ、野原しんのすけ氏の妹も、「ひまわり」ちゃんでしたね。テレビで名前を公募したんだっけな。


「日本の気象衛星のあゆみ」はこちら

heavy rain

2005年07月03日 | Science Scene


もうほとんど死語と化している英語の表現に、"It's raining cats and dogs."なんてイディオムがありますが、直訳すると「犬も猫も降ってくる」なんて感じでしょうか?
現代の言葉に言い直すと、普通に"It's pouring down with rain."ですかね。詳しくは、のちほどHPの英語のコーナーで詳しく解説しますけど。 

犬も猫もヒバゴンも降ってきてはいませんが、一昨日の晩あたりから、ものすごい量の雨が降ってきています。それも雷を伴って。昨夜はずっとピカピカしてましたよ。雷様も降ってきそうな勢い(降るっていうか、落ちるっていうか)。中国地方は交通機関も麻痺してるようですね。

梅雨というのは、実は2種類あります。
毎日しとしと、じめじめしているのは「陰性梅雨」といいます。私たちが「梅雨」ときいて思い浮かべるイメージは、恐らくこちらのほうではないかと。梅雨冷がひどいのもこのパターン。

逆に晴れの日が続くわりに、降るときは集中的に強い雨が降るような場合は、「陽性梅雨」と言います。なので、今年の西日本のように、空梅雨だったのにいきなり集中豪雨になるようなケースは、異常気象ではなく、ごく普通の梅雨の天気なんだそうです。

このあたりは梅雨前線の強さや動き、位置によって左右されますが、梅雨前線が南にあるときは陰性梅雨、梅雨前線が近づいて通過するときは陽性梅雨になる、と言われています。

梅雨のメカニズムとは、北側からやってくる冷たいオホーツク海高気圧と、南側の温暖湿潤な太平洋高気圧がぶつかって、雨雲を発生する・・・というのは皆さんご存知の通りですが、この梅雨前線の南側では、温暖で湿っぽい空気が活発に入ってくるため、積乱雲が発生しやすく、雷を伴った集中豪雨が発生しやすい。逆に前線の北側では、オホーツク海高気圧から寒気がくるため、雲が広がって天気がぐずつき、陰性梅雨となるそうです。

そういえば、今年の梅雨前線は、ずっと北のほうで停滞していたような気がします。
特に今年は南側からの高気圧の後押しが強力だったようで、梅雨前線が西のほうまでなかなか下がらず、関東から東ではぐずつき、西のほうは渇水が懸念されるほどの空梅雨、なんてことになったらしい。

一般的に、西日本はこの「陽性梅雨」が見られやすく、特に梅雨の後半は集中豪雨というパターンが多い。
逆に東~北日本は前半が陰性梅雨、後半に陽性というのが多いようです。でも、福島じゃ後半にそんな陽性梅雨なんて来たことないぞ? じめじめした陰性梅雨がずーっと続いて、6月だというのに梅雨冷えのせいで暖房器具がしまえないのが、福島の梅雨でした。

だから、こんな雷を伴った豪雨は、東日本では晩夏の典型的な天気。「夏の終わりみたいだね」とダンナといっていたんですが、これ、西日本では梅雨の終わりの典型的なパターンなのでしょうか?(今年は特に極端な形で現れたような気はしますが)

ところで梅雨明けというのは、オホーツク海高気圧の勢力が弱まるとともに、この太平洋高気圧が北上し、梅雨前線を北のほうに押し上げることを指します。
北海道には梅雨がないと言いますが、実際のところ、太平洋高気圧が北上するときに梅雨前線は北海道を通過しています。ただしこの頃には、オホーツク海高気圧の勢力もすっかり弱まってますので、雨量もさほどではありません。そういう状態を「梅雨」と呼ばないだけなんだそうです。

沖縄はすでに梅雨明けしたらしいので、九州はもうそろそろでしょうか?
そうしたら、きっと中国地方ももうすぐ梅雨明け。
暑いの好きなので、夏の訪れが楽しみです。