ボチボチ走っています/鉄欠乏対策

2014年11月13日 | 食事
気が付けば更新を一週間以上怠っていました。

とは言え、その間もボチボチと走っていました。

【今朝の朝稽古】
内容     :LSDラン
走行時間   :1時間15分10秒
走行距離   :13.2km(月間累計:
102.5km
消費エネルギー:769kcal(月間累計:
5,571kcal

そろそろ、寒さと闘う季節です…。

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持久力系競技を嗜む人にとって大切な「鉄」に関する、Competitor Running誌の記事です。

日本でテフ(を原料とするパン)を入手するのは非現実的ですが、全粒粉パンで代替するのは可能です。
とは言え、鉄にはヘム鉄(肉類や魚に多い)と非ヘム鉄(野菜や大豆に多い)があり、ヘム鉄の方が吸収率が高い(ヘム鉄:15~35%、非ヘム鉄:2~5%)を考えると、肉類もそこそこは摂取する必要があります。

結局は「好き嫌いのない食事」がベストでしょう。


エチオピア人ランナーの秘密、それは「鉄分が多い食事」かも
by Matt Fitzgerald


 世界中で最も多く見られる栄養不足は「鉄不足」である。鉄不足は貧困地域で特に顕著である。というのも、最も優れた鉄供給源である赤身肉が高価過ぎて、滅多に食べられないからである。しかし鉄不足は、トレーニング量の多い持久力系アスリート(特に女性)でも多く見られる現象である。アスリートの場合、主たる原因は食事でなく、有酸素運動それ自体である。しかしそれでも、解決法は食事にある。

 練習量の多いアスリートは、それに見合った多量の赤身肉を食べなければならないのだろうか?。赤身肉(特に加工されたもの)を多量に摂取する食生活は、長期的には健康状態に良くないと考えられている。しかし有難いことに、赤身肉を多量に摂取しなくとも、持久力系アスリートの体内鉄分状態を改善する方法があることが最近の研究で明らかになっている。

 持久力系競技のアスリートの間で鉄欠乏状態が蔓延している理由について、様々な仮説が提唱されている。その中で最も確からしいのが、炎症によるものという仮説である。強度の高い有酸素運動を長期間行うことで筋肉が損傷し、その修復が始まる際に炎症反応が発生する。その反応においては様々な生化学的変化が発生するが、その中にヘプシジン(hepcidin)というタンパク質の生成量の増加がある。このヘプシジンは、鉄代謝を調節する因子である。
 
 ヘプシジン濃度が高い場合、小腸からの鉄の吸収が阻害される。ヘプシジン濃度が慢性的に高い状態は発生しないことが研究を通じて明らかにされているが、トレーニング後にヘプシジン濃度が一時的に高くなることで、鉄の総吸収量が低くなり、その結果として慢性的な鉄欠乏状態に陥ることが確認されている。

 持久力系競技のアスリートにおける鉄欠乏状態と聞いて、貧血を連想する人は多いだろう。貧血とは、血中の赤血球数が不足し、身体が正常に機能しない状態を指す。赤血球は筋肉に酸素を供給する役割を担っているので、鉄欠乏性貧血になると有酸素運動能力が著しく低下する。しかし、鉄欠乏性貧血にならなくとも、鉄欠乏状態に陥るだけで同様の結果に至り得る。というのも、鉄は赤血球の構成成分というだけでなく、それ自体がミトコンドリア(細胞内で酸素を取り込んで筋肉が必要とするエネルギーを産生する器官)に於いて酸素の代謝に直接関与しているからである。

 2011年にコーネル大学のグループが、ボート選手を対象に鉄欠乏状態と運動能力の関連を調査した。女子ボート選手(大学生)165名を被験者とし、彼女達の鉄状態を調べた。その結果、
①鉄欠乏性貧血である…16名
②貧血ではないものの、鉄欠乏状態である…30名
であった。一方で全員を対象に、過去3ヶ月間における2,000mタイムトライアルの成績を調べた。その平均値で見ると、身体の鉄状態に問題が無い選手に比べ②に該当する選手では約21秒遅かった。統計的には有意差は認められなかったものの、身体の鉄状態と成績の間には強い関連がある可能性が示唆された。有酸素トレーニング後半にやる気の低下を覚える場合、その原因は鉄欠乏(貧血の有無に関わらず)である可能性が考えられる。

 上記の調査結果から認められるもう一つの事実は、「①+②=全体の約30%」ということである。一般的に、鉄欠乏状態にある者の割合は、男性の方が低い。この性差は、運動をする/しないに余り関係しない。女性の場合、生理時の出血を考慮すると、鉄分を男性に比べより多く摂取する必要があると考えられているが、実際には男性に比べ鉄分の摂取量が少ないので、その結果鉄欠乏状態に陥りやすいとされている。更に問題なのは、女性アスリートは運動しない女性に比べ、赤身肉の摂取量が少ないことである。約40%の女性アスリートが「健康上の理由」から赤身肉の摂取を控えている、という調査結果も報告されている。

 赤身肉(特に加工されたもの)の摂取を出来る限り控える、という考え自体は悪いものではない。加工された赤身肉の摂取量が多い人は平均余命が短い、という調査結果もある。しかし他方、赤身肉の摂取量が少ない女性アスリートでは身体の鉄含有濃度が低い、という調査結果も複数報告されている。では、赤身肉を多量に摂取することに伴う健康上のリスクを避けつつ、鉄欠乏状態に伴う身体能力の低下という悪影響を避けることは可能であろうか?。

 結論から言えば「可能」である。サプリメントによる鉄の補給は対処方法の一つである。しかしそれも必須ではない。赤身肉は優れた鉄分の供給源であるが、鉄分を多く含む食品は他にも存在する。その一つは、エチオピア人の主食である「テフ(teff)」である。テフは小麦全粒粉に比べ鉄分を50%多く含む。そして言うまでもなく、エチオピアはケニアと並ぶ長距離走王国である。

 Manchester Metropolitan University(英国)の研究グループは、11名の女性ランナーを被験者とした調査を行った。最初に被験者の食事内容を調べたところ、鉄分摂取量(平均値)は10.7mg/日であった。この数値は、閉経前の女性に対する推奨摂取量である15mg/日を下回っている。そして被験者の内4名は鉄欠乏状態であった。

 次に被験者が普段食べているパンを、テフを原料としたパン(エチオピアでは"Injera"と称されている)に置き換えた。その結果、鉄分摂取量は18.5mg/日に増加した。またそれに伴い、身体の組織に対する鉄供給量も有意に増加した。

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