レジュメへ意見⑨ 図書館の絵本収集方針

 読み聞かせボランティア講座レジュメへ意見⑨  図書館の絵本収集方針

図書館がどういった物差しで本を選んで集めるかということが書かれた「収集方針」だったかな、そういった文章が図書館HPのどこかにあったと思って探しましたが、見つからないので記憶で書きます。

絵本の収集方針に、「幅広く収集」と「読み継がれたものを収集」が、二つあったような記憶があります。
「幅広く」はいいんだけど「読み継がれたもの」というところに、新潟市の特徴があったように思います。それから、収集は図書館がするのだから、図書館の職員が物差しにすればいいだけなのに、これが「図書館ボランティア」への教育に大きく影響しているように思うのです。

私は「長く読まれるうちに本が傷むだろうから買い換えますよ、と念押しして説明されているんだろう」と思ってましたが、どうもこれが拡大解釈されてまかり通っているように思います。読み解く上で、二つのポイントがあります。

①「収集」という言葉が拡大解釈されている。
 図書館が買い集めることを収集というのだろうと思っていましたが、 いつのまにか、「ボランティアにも良書をPRさせて、図書館が買い足しやすい状況を作る」ことまで拡大している。 図書館が収集したいがために、貸出実績を作る必要があったのではないか。これでは本末転倒です。
 私は元図書館長が言うのを聞いたことがある。「新しい本が出てくるとこういった本は地味だから読まれなくなってしまう。だからボランティアの力が必要だ。そのために働いてくれる人が必要だ」などという発言です。これはちょっとおかしいですね。これでは何らかの情報操作になってしまいます。特に、短大非常勤講師や図書館協議会委員にそういう人が就いてくれれば、「市民の意見」「市民活動」としてまかり通ることになります。
 新潟市の図書館は、貸出数が多いと言っても、「一部の、カードを持っている人が頻繁に本を借りている」状態であるということは、広く知られています。絵本のことに限って言えば、図書館に奉仕するように教育されたボランティアや、たまたま良書に趣味が合う人が、頻繁かつ大量に借りている状態ではないでしょうか。または、良書に興味のない大勢の市民を視野に入れることを怖れているのではないかと思います。
 付け加えて、大勢の職員が、「教育とは良い物を与えること」という古い教育観のままで、「情報を集めて考えて応用する人を育てる」という教育観を理解していないことにも問題があると思います。


②「読み継がれた」ということが拡大解釈されている。
一般的には、「読み継ぐ」というのは、継続的に貸出数が多いか、途切れることなく増刷されているか、どちらかでしょう。
 でも、いつのまにか「読み継がれたもの」というのは、「買うことができる状態にあるもの」という解釈になっています。買うことができる状態は、それは出版社の都合で決まることです。市民が読み継いたかどうかは関係ないですね。

 また、このブログの別ページにも書きましたが、図書館では「出版年が古い良書」を躊躇なく「子どもに読み継がれている」というタイトルのリストに載せているのが現状です。よく考えると「子どもに愛された」かどうかは、まったく別の研究・調査分野ではないでしょうか。「読み継がれて成人式を迎えた本」などと紹介されることも多いですが、実際は、「読まれ絶えて20年という逆成人式」と言ってもいい。

 

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