マンションを将来どうしたいのか?長期修繕計画を策定すると同時に、長期的な
視点からみた戦略を練る必要があります。
★今はとりあえず35年間程度の長期修繕計画を作成していますが、その先を
見通して計画的に行動しないといけないのでしょうね。
ともあれ、
★住民の年齢状況(住民の年金、住宅ローン残高、所得水準)、経済動向(消費税、
不動産関連税制)、不動産行政、区分所有法、賃貸率、修繕積立金残高、修繕
工法の進歩とそのコスト予測・・・・考える要素は限りなくあります。
★うぅうぅ~ん頭が痛い・・・・
しかし、25年後に今の住民はどのくらいの割合で残っているのでしょう。売却し
て一戸建てに引っ越したり、故郷にかえったり、病院や老人ホームに移ったり、
子供に譲ったりして、今の区分所有者とその配偶者は、1割も残っていないかも知
れません。
★マンションを終の住家として、終える人は本当にどのくらいなのでしょうか??
■ここに4つの方法があります。★★皆さんも考えて見てください★★
1.終了
2.建替
3.修繕
4.改変
1.終了
建物自体が住めない環境になった場合、建物を取り壊して土地を売り払って残
った代金を皆で分けるという、区分所有関係の終了が一番いいのかもしれませ
ん。その時に運悪く生き残っている人は、賃借先を探せばいいでしょう。
ただし、当然そのころには年金生活者になっているでしょうから、粗悪な物件
の選択しかないでしょうが・・・。
2.建替
新しいマンションに建て替えるのも困難です。
業者も容積率を目いっぱい使っていますから、昔の公団住宅のように容積率が
少なく、居住者の負担が少額で建て替えることができるものはほとんどありま
せん。
結局は新しいマンションを建てるのですから、修繕とは比較にならないほど多
額のお金が必要になってきます。1 世帯当たり、1,000 万円から 2,500 万円程
度は必要になります。長期修繕計画は 30年程度で、せいぜい 600 万円ほどし
か集めていないのです。
建て替えが必要な数十年先には収入がほとんどないはずですから、今から大規
模修繕とは別に、建替積立金を積み立て始めていなければいけません。そうで
なければ、とても建て替えは成功しません。
つまりこれを行うためには、例えば 50年で新築するという計画を当初から決め、
その間はコツコツと修繕をする。これとは別に建替積立金も積み立てる。また、
この方針を各区分所有者に事前に知らせておく必要があります。知らせていな
いと、「大金をかけてリフォームをしたのに・・・」という苦情が殺到します。
建替計画中には大規模修繕は進まないことが多いので、「廃墟化」がさらに進
みます。事前の「マンション生涯運営計画」があるかないかが、成功の決め手
です。
別の方法としては、隣接の不動産を取得するのも有効です。
お金が少なくても建て替え可能となるのが「容積率」のマジックです。
----------------------------------------------------------------------
◆ 容積率
----------------------------------------------------------------------
建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合のこと。地域(用途地域)によって、
その割合が各行政により決められています。(建築基準法第 52 条)一般的な
第 2 種住居地域であれば、200 %が多いでしょう。
デベロッパーも商売ですから容積率いっぱいにマンションを作っていますが、
総合設計制度によって容積率を割り増しすることが可能です。制度が変更され
た部分がありますから、建て替え時期が近づいているマンションでは一度確認
してみてもいいでしょう。
総合設計制度(昭和45年創設)
市街地住宅総合設計制度(昭和58年創設)
都心居住型総合設計制度(平成7年創設)
敷地規模型総合設計制度(平成9年創設)
また最近景気が良くなってきたため、容積率の更なる緩和がしきりに叫ばれてい
ます。長期的には、容積率の緩和は実現されるかもしれません。それを受動的
に待つだけではなく、隣に空いている土地があれば積極的にそれを購入してい
く努力が必要です。当分使う必要がなければ、駐車場として貸すこともできま
す。
不動産の購入をするためには、管理組合法人になる必要があります。最近の法
改正で、以前は 30 人以上必要であった人数要件がなくなり、法人化しやすく
なりました。
3.修繕
普通に何も考えずにただ漫然と大規模修繕を繰り返していたら、40年くらいで
寿命を迎えます。建物の耐久性能は、「躯体の質」と「鉄筋の健全性」によっ
て決まります。「躯体の質」にあたるマンションのコンクリートの品質は、一
般にブラックボックスであるといわれています。
それは打ち放しの土木用と比べ、長期的視点が欠落しているからです。
最初に「最低 60年間は、絶対このマンションをもたせるんだ!」という強い決
意をすることが必要です。
次に大規模修繕工事の 2~ 3年前から長期修繕委員会を立ち上げ、躯体コンク
リート内へ水も空気も炭酸ガスも入れない塗料や施工方法を決め、長持ちさせ
る修繕計画の立案に徹することです。
また、★長期の資金計画もキッチリと練る必要があります。
4.改変
建て替えは資金的に難しいが、不都合を何とかしたいということであれば、改
変がいいかもしれません。エレベーターを新規に付けたり、狭すぎる部屋 2 つ
を 1 つにくっつける方法等があります。
リノベーションとして最近注目されているものですが、これも結局、そのため
の資金問題に行き着きます。
視点からみた戦略を練る必要があります。
★今はとりあえず35年間程度の長期修繕計画を作成していますが、その先を
見通して計画的に行動しないといけないのでしょうね。
ともあれ、
★住民の年齢状況(住民の年金、住宅ローン残高、所得水準)、経済動向(消費税、
不動産関連税制)、不動産行政、区分所有法、賃貸率、修繕積立金残高、修繕
工法の進歩とそのコスト予測・・・・考える要素は限りなくあります。
★うぅうぅ~ん頭が痛い・・・・
しかし、25年後に今の住民はどのくらいの割合で残っているのでしょう。売却し
て一戸建てに引っ越したり、故郷にかえったり、病院や老人ホームに移ったり、
子供に譲ったりして、今の区分所有者とその配偶者は、1割も残っていないかも知
れません。
★マンションを終の住家として、終える人は本当にどのくらいなのでしょうか??
■ここに4つの方法があります。★★皆さんも考えて見てください★★
1.終了
2.建替
3.修繕
4.改変
1.終了
建物自体が住めない環境になった場合、建物を取り壊して土地を売り払って残
った代金を皆で分けるという、区分所有関係の終了が一番いいのかもしれませ
ん。その時に運悪く生き残っている人は、賃借先を探せばいいでしょう。
ただし、当然そのころには年金生活者になっているでしょうから、粗悪な物件
の選択しかないでしょうが・・・。
2.建替
新しいマンションに建て替えるのも困難です。
業者も容積率を目いっぱい使っていますから、昔の公団住宅のように容積率が
少なく、居住者の負担が少額で建て替えることができるものはほとんどありま
せん。
結局は新しいマンションを建てるのですから、修繕とは比較にならないほど多
額のお金が必要になってきます。1 世帯当たり、1,000 万円から 2,500 万円程
度は必要になります。長期修繕計画は 30年程度で、せいぜい 600 万円ほどし
か集めていないのです。
建て替えが必要な数十年先には収入がほとんどないはずですから、今から大規
模修繕とは別に、建替積立金を積み立て始めていなければいけません。そうで
なければ、とても建て替えは成功しません。
つまりこれを行うためには、例えば 50年で新築するという計画を当初から決め、
その間はコツコツと修繕をする。これとは別に建替積立金も積み立てる。また、
この方針を各区分所有者に事前に知らせておく必要があります。知らせていな
いと、「大金をかけてリフォームをしたのに・・・」という苦情が殺到します。
建替計画中には大規模修繕は進まないことが多いので、「廃墟化」がさらに進
みます。事前の「マンション生涯運営計画」があるかないかが、成功の決め手
です。
別の方法としては、隣接の不動産を取得するのも有効です。
お金が少なくても建て替え可能となるのが「容積率」のマジックです。
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◆ 容積率
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建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合のこと。地域(用途地域)によって、
その割合が各行政により決められています。(建築基準法第 52 条)一般的な
第 2 種住居地域であれば、200 %が多いでしょう。
デベロッパーも商売ですから容積率いっぱいにマンションを作っていますが、
総合設計制度によって容積率を割り増しすることが可能です。制度が変更され
た部分がありますから、建て替え時期が近づいているマンションでは一度確認
してみてもいいでしょう。
総合設計制度(昭和45年創設)
市街地住宅総合設計制度(昭和58年創設)
都心居住型総合設計制度(平成7年創設)
敷地規模型総合設計制度(平成9年創設)
また最近景気が良くなってきたため、容積率の更なる緩和がしきりに叫ばれてい
ます。長期的には、容積率の緩和は実現されるかもしれません。それを受動的
に待つだけではなく、隣に空いている土地があれば積極的にそれを購入してい
く努力が必要です。当分使う必要がなければ、駐車場として貸すこともできま
す。
不動産の購入をするためには、管理組合法人になる必要があります。最近の法
改正で、以前は 30 人以上必要であった人数要件がなくなり、法人化しやすく
なりました。
3.修繕
普通に何も考えずにただ漫然と大規模修繕を繰り返していたら、40年くらいで
寿命を迎えます。建物の耐久性能は、「躯体の質」と「鉄筋の健全性」によっ
て決まります。「躯体の質」にあたるマンションのコンクリートの品質は、一
般にブラックボックスであるといわれています。
それは打ち放しの土木用と比べ、長期的視点が欠落しているからです。
最初に「最低 60年間は、絶対このマンションをもたせるんだ!」という強い決
意をすることが必要です。
次に大規模修繕工事の 2~ 3年前から長期修繕委員会を立ち上げ、躯体コンク
リート内へ水も空気も炭酸ガスも入れない塗料や施工方法を決め、長持ちさせ
る修繕計画の立案に徹することです。
また、★長期の資金計画もキッチリと練る必要があります。
4.改変
建て替えは資金的に難しいが、不都合を何とかしたいということであれば、改
変がいいかもしれません。エレベーターを新規に付けたり、狭すぎる部屋 2 つ
を 1 つにくっつける方法等があります。
リノベーションとして最近注目されているものですが、これも結局、そのため
の資金問題に行き着きます。