改装に７００万円かかるというので

築４３年の大阪市内のマンションを７００万円引きで売り出した。

すぐに買い手がついたが、
現在残っている家具その他をそのままにしておいてもいいという条件で、
さらに１００万円の値引き交渉されて、その金額で売った。

買ったのは不動産業者だった。

改装して、売り出すのだろう。

大阪万博開催が決まった現在、築４３年でも、いい値で売れるかもしれない。

マンションは築年数が経っていても、リフォームすれば新築と変わらなくなるから。

昨年も一軒先の部屋がいい値段で売れた。

ということで売ったが、部屋の中には捨てるにはもったいないものもある。

数年間独り暮らしをしていた次男のものも、まだまだある。

結婚してからも、昨年春まで住んでいたから、お嫁さんのものもある。

日曜日に次男夫婦も来て、車で運んだが、また残っている。

昨日も夫がそれらとそれら以外のものも川西の自宅に運んできた。

そうでなくてもいっぱいの我が家がますますいっぱいになる。

が、昭和生まれというか、敗戦前後に生まれた私たちは捨てることができない。

冷蔵庫も、次男夫婦が買って２年間ほどしか使っていないから、
これはマンションの管理組合長に連絡して、ほしい人を探してもらうことにした。

我が家の冷蔵庫は昨年買い替えたばかりで要らないし。

とにかく誰かが使ってくれたら嬉しい。

部屋を買った不動産屋は、新しい冷蔵庫でも捨ててしまうだろうから。

洗濯機も、まだ新しいが、これも我が家の車には乗せることができないので、
処分してもらう。

我が家は、洗面所には全自動洗濯機を置いているが、
夏場は、家の北側においてある二層式洗濯機で洗う。

二層式洗濯機は排水を植木の水やりに使えるから。

マンションの洗濯機は全自動だから、現在の古い二層式のほうが役に立つ。

まあ、そんなこんなで、私も夫も多忙である。

が、マンションが売れてよかったと思っている。

持っていれば月々、管理費、駐車場代で４～５万かかる。

これから年金で暮らして行こうとしている身には大金である。

貸すことも考えたが、築４３年では７００万円かけて改装しても何年貸せるかわからない。

しかし
子供たち３人を育て上げた思い出の部屋を売るのは身を削られるような心境であることは確かだ。

*

★三人の子を育てるには狭かりし３LDKいま手放さむとす

★入居せしときに長女は三歳で長男一歳四か月なりき

★三人目次男は長女十歳で長男九歳なりしときに生まれき

★それからは狭さと闘ふ日々なりき３LDKの五人家族は
　
★長女嫁（い）き長男結婚してのちに次男遊学すれば空つぽ

★母われは空きの巣症候群となり鬱となりたり五十歳ごろ

★五十歳すぎてパソコン独学し朝昼晩とパソコン覗く

★難聴のわれのバリアを取り除くパソコンわれを虜にしたり

★パソコンがあれば満足して部屋に籠りてゐたり更年期のころ

★更年期すぎて心臓弁膜症手術受けたり五十五歳で

★手術後に義母の介護に川西に来てからずつと川西に住む

★大阪のマンション内に家具布団その他もろもろ置きしまま来し

★マンションを売らむとすれば猶予なく片付けなければならぬ諸々