あれもこれも

灰原中心二次創作サイトの創作人によるあれこれ日記。何かありましたら「拍手」からどうぞ。お礼は名探偵コナンの小ネタ三種類。

劇場版Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-後編Paladin; Agateram』を見てきましたよ

2021-05-15 23:39:01 | 感想(その他)
ついに公開しました 劇場版Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-後編Paladin; Agateram』を見てきました。2018年の夏のFGOフェスで発表されてからずっと楽しみにしていたベディビエール卿の旅の終わりを見届けてきました。


以下は初見の暑苦しい暴走とネタバレ満載の感想です。


 前編公開から五か月、当初の予定から一週間遅れ、そして今なお色々な状況の制約の中にあって、公開された映画でした。始まる前に席に着いた時から期待と緊張に心臓がドキドキする、映画でこんな経験は本当に久しぶりでした。
劇場によっては終局特異点のPVが流れたらしいですが、私の見ていた映画館ではありませんでした。でも終局のPVを初めて見る精神状態で後編はどうなっていたかと思うので、なくて良かったのかもしれません。

 さてアニプレのロゴの後、始まったのは森の木立の中、SNからお馴染みのエクスカリバーの返還のシーンからのスタートです。
 冒頭はここか、六章Zeroだろうなと思っていたので、予想通りといえば予想通り、とはいえ聞こえてくる王の声が、当たり前ですが、獅子王じゃなくて騎士王アーサーの声なんですよ。私が初めて見たDEEN版のあの最終話の、聞き慣れた川澄さんのセイバーのあの最後のシーンの声。もうね、ここですでに泣きそう。というかちょっと泣けてました。
 聖剣の返還をベディに命じる騎士王、この時の王はもう聖杯探索を終え答えを得た存在であり、後は全て遠き理想郷で眠るだけなんですけど、当然ベディはそんなことは知らない。そしてついに決定的な裏切りをしてしまい……で、これは夢で見せていたのは山の翁という展開で、一気に前編と繋いできたというのはお見事な展開でした。時間的に制約があるあれこれを一気に短縮して、聖都への総攻撃に全力を注ぐという構成に持っていく力技に見えますが、前編でしっかりと状況説明をしてくれているので、唐突感はありませんでした。

 この映画は前編が丁寧な分、後編は一気に突っ走っていくスタイルでしたね。前編の時から「この映画は後編を見たら評価は絶対にひっくり返る!!この映画は化ける!!!」と言いつづけてきましたが、間違いなく化けた、まさに前編と後編の二本で一作な映画だったと思います。

 ベディの苦悩とマシュの英霊判明を美しい山嶺をバックに行われた後は一転して今度は太陽王の神殿へ。そこで唐突に始まるマシュVSランスロットの親子バトル。コミカルなシーンでもあるんですけど、私ここのシーンめちゃくちゃ好きなんですよ。
 ランスロットの騎士道を問いただしながら盾で殴打し、盾を投擲し、盾の新たな格闘の可能性を余すところなく見せつける戦闘シーンもすごいんですが、ギャラハッドたるマシュのセリフが凄く良いんですよ。
  それでも騎士王が最も敬愛した騎士か、と
  獅子王のやり方が間違っているならば、それを糺せ、と。
  万民を守り救い続ける騎士の理想を捨てるな、と。
  誰に気づかれなくても、認められなくても、それを貫こうとした騎士がいただろう、と。
 だってこれ、そのままその善性によって円卓に迎えられた円卓の騎士ギャラハッドが、我が王たる騎士王をどうみていたのかっていう告白じゃないですか。騎士王の理想を、夢を、願いを、その王道を分かってくれていた騎士が円卓にいたんだという、このギャラハッドのセリフには泣けました。アーサー王は騎士たちの輝ける星で、そして最高の王だったんだと当人たちからここまではっきり音声で聞かせてもらったら、セイバーとして出会った頃の彼女の苦悩から20年、彼女を応援してきた私としては感無量でした。もうこれは、泣くしかないでしょう。(ただ、ちょっとだけ。ちょっとだけ、そういうのは生前に本人に言ってあげて欲しかった!!!という円卓間のコミュニケーションについてはモノ申したくはありますが)

 始まるまでキャストの皆さんからずっと「これは円卓の物語だ」と言われていましたが、本当に今回は円卓と王の物語なんだとこの辺りで得心するとともに、この映画終わるまで私のメンタル持つかなって心配になりましたよね。

 騎士王が獅子王になぜなったか会議を目の前で聞くという私だったら胃に穴開いて大量吐血必至な状況で気を失ったベディを連れて、寝取りならぬ寝返りランスロットと共に彼の軍勢と合流して、翌日には聖都突入と決まった夜。
 相変わらず感情的になると完全に目が曇るランスロットと、冷静に人を見ている三蔵ちゃんというこの対比が面白かったです。人間であるが故の感情を前面に出すある意味円卓の中で最も人間らしいのがランスロットであり、正見と正思惟という八正道という仏教的観点から事象を見極める三蔵法師というのは中々に含蓄ある組み合わせだったと思います。やっぱり三蔵ちゃんはえらいお坊様ですよ。
 一方ベディは再び夢にうなされています。繰り返し思い出すのはあの夕暮れのキャメロット。ベディと王の原風景。でも何度夢に出ても王の表情もわからないし笑顔も見られない。キャメロットの中であのシーンが最も好きだった私としてももどかしくそして辛い演出でした。でもね、後から考えるとこれが最高の伏線だったんですよねえ。

 そしていよいよ聖都突入。ここからは最後までもう圧巻でしかなかったです。すごかった。ずっとジェットコースター載ってるみたいな、息もつかせぬシーンの連続でした。いやもう、百の言葉を尽くしても描写なんて無理だと思う、そんな凄まじいものを見ました。ファラオたちやダ・ヴィンチちゃんとか言いたいことはたくさんあるけど、今回の感想はとにかく円卓の騎士たちです。

 バトルシーンもすごいんですが、その中で描かれていく円卓の騎士たちの思いもすごい、つらい、苦しい、そして美しい。
 六章Zeroで同胞を手にかける騎士たち、それを無表情で見ている獅子王ってもう、ティザーで見たし、予告で見たし、絶対あるのは分かってたけど、およそ考えられる一番きついところで抉ってきました。
 自ら目をつぶすトリスタンや、ガレスちゃんを手にかけるガウェイン、もうみんな引けないところまで来ているんですよね。
 みんながみんな乱戦になっていく中での、アグラヴェインVSランスロット。執拗に「今回も裏切ったのか」と何度も繰り返すアグラヴェインの言葉一つ一つ重いんですよ。アグラヴェインは絶対にランスロットを許せないし、許さない。その感情が安元さんの叫びからガンガン伝わってきます。円卓最強のランスロットに凄い形相でどうみても人間やめてる戦い方で向かっていくアグラヴェインに、息を飲むしかありませんでした。
 それからモードレット。前編で「今度こそ最後まで父上の騎士として」といっていたモーさんの本音が痛い。苦しい。ここの親子はもうね、どうしたら良いんでしょうね。しかも今回の父上は女神ですし、モーさんの嘆きが届くはずがないんですが、それはそれとしてモーさんの声が本当につらかったです。そのモーさんを最後に包んで止めてくれて、柔らかな笑顔で看取ってくれた三蔵ちゃんには感謝しかありません。
 ガウェインとベディの戦いの中で突き付けられるガウェインの苦悩とベディの覚悟。その思いと思いの激突に決着をつけたのはアーラシュの短刀という、もう何回目かになるそこでこうくるか!!!!ですよ。

 この辺からはひたすら泣けて仕方なかったです。もうね、正直なところ心身ともに疲れました。

 ついに物語はクライマックスへ。マシュがロンゴミニアドをロード・キャメロットで受けるエモい展開からのベディの登場。ついにアガートラムの真実を明らかにして聖剣を返還しに行くベディ。
 ベディの正体を見てはじめて表情が歪む獅子王。ここからも川澄さんがとにかくすごかったです。セイバーをアルトリアを20年以上演じてこられた川澄さんの獅子王と騎士王の演じ分け、完璧でした。素晴らしかった。
 
 そしてここでついについにあのシーンが、私がキャメロットで最も好きな屋上のシーンですよ。ここで!!!まさかの!!!音声と映像付きで!!!!夕暮れのキャメロットで話すと騎士王とベディビエール。優しく、ベディを励ます騎士王の声。ゆっくりと振り返る在りし日の騎士王。時間を止めてしまった少年王の顔で、穏やかに微笑むあの記憶の中の笑顔ですよ。
 
 ……私はここで涙腺の切れる音を聞いたような気がしました。

 聖剣を返還するベディが言うのはもちろんあのセリフ。私がキャメロットプレイ時に最も泣いた
  あの暗い時代を貴方だけに背負わせた あの素晴らしい円卓を貴方だけが知らなかった
 
 ……私はここで涙腺が決壊する音を聞いたような気がします。

 でね、この後の聖剣を受け取った獅子王の顔ですよ。いや、あれは獅子王じゃないですよね、ベディの騎士王の顔でした。穏やかで優しい、ベディが好きだった見たかった王の笑顔ですよ。

 ……私はここで涙腺が涸れ果てる音を聞きました。

 エンドロールが終わり、玉座に佇む獅子王に近づく影。ランスロットに勝ったアグラヴェインが獅子王のもとに帰ってきてのエンディングはゲームと同じでした。
 やってくれると思ってました。この作品の最後は絶対これじゃなきゃと信じてました。そしてそこで締めてくれたということに改めて感謝しかありません。


 というわけで劇場版神聖円卓領域キャメロット後編。いい映画でした。最高の映画でした。見たいものを全部見せてもらいました。
 またすぐ見に行くけど。というか、何回行くんだろう、私。

 
 




  

 BDは絶対買うんですが、家に届いたら間違いなく何回も再生するんだろうなっていうくらい良いシーンでした。
 
 
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