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かこぶろ。

ロード・オブ・ウォー(2005)

今年鑑賞一作目の映画でした。
オープニングの銃丸の一生(一枚真鍮の製造過程からアフリカに輸送され一人の人間に撃ち込まれる瞬間まで)から目は釘付け。
これがチョコなら「チャーリーとチョコレート工場」オープニング(笑)
<原題>「LORD OF WAR」
<公開時コピー>「――史上最強の武器商人と呼ばれた男――
弾丸(タマ)の数だけ、札束(カネ)が舞う――。」
史上最強の“武器商人”と呼ばれた一人の男の実像をシニカルなタッチで描き、主演はニコラス・ケイジ(製作の一人でもあり)。
監督×脚本は「ガタカ」「シモーヌ」のアンドリュー・ニコル。
共演に「トレーニング・デイ」のイーサン・ホーク。
この映画が描く真の武器ディーラーは、超大国アメリカそのもの。
闇世界の武器供給の裏には、予告でもあるようにアメリカが国家として動いている事実が。
「アメリカでの資金調達は、イラク戦争勃発の1週間前に脚本が提出されたというタイミングによってさらに困難なものとなった」と監督。
ハリウッド・ビジネスとしては実現が難しいこの企画は結果的に、真実と脚本力、物語の正当性には、カナダのライオンズ・ゲート(『華氏911』を配給)が配給に名乗りを挙げ、アメリカ&ハリウッドを離れて、アメリカの資本がまったく入っていない“インディペンデント系の大作”として製作されることに。
映画の中で登場している50台の戦車やAK47カラシニコフなどの銃器の一部を、本物の武器商人たちから買ったり借りたりしたというエピソードも(偽者作るより安いらしい)。
 「イエローページには載っていないが、武器商人にコンタクトを取るのは、それほど大変ではなかった」
 「武器商人の多くは、自分たちのこと「死の商人」ではなくビジネスマンだと思っている。」
 「武器商人たちは、自分が引き金を引いているわけではないので責任感や葛藤は感じない。」
と映画のシーンさながらな監督のお言葉。
 「平和を願いながら、戦争が絶えない人間の矛盾がここにある。
  特に巻末のスタッフからのメッセージは秀逸である。」
新聞に掲載された関口宏さんのお言葉
13日までの劇場公開、多くの方に観ていただきたい一作です。

<あらすじ> ソビエト連邦崩壊前のウクライナに生まれ、少年時代に家族とともにアメリカに渡ったユーリー・オルロフ。
やがてニューヨークにレストランを開いた両親を手伝い、そこで働くユーリーはある時、ギャング同士の銃撃戦を目撃する。
この時彼は、食事を提供するレストランと同じように、
いまの世の中では武器を必要としている人に武器を提供する仕事が求められていると気づき、
弟のヴィタリーと2人で武器売買の事業を始める。
危険と隣り合わせの裏社会で天性の才覚を発揮し、世界有数の武器商人へと成長していくユーリー。
しかし、そんな彼にインターポール(国際刑事警察機構)のバレンタイン刑事が迫ってゆく。。。

ニコラス・ケイジ Nicolas Cage ・・・・・・・・・・・ユーリー・オルロフ
イーサン・ホーク Ethan Hawke ・・・・・・・・・・・ジャック・バレンタイン
ブリジット・モイナハン Bridget Moynahan ・・・エヴァ・フォンテーン
ジャレッド・レトー Jared Leto ・・・・・・・・・・・・ヴィタリー・オルロフ
イアン・ホルム Ian Holm ・・・・・・・・・・・・・・・・シメオン・ワイズ
ドナルド・サザーランド Donald Sutherland
サミ・ロティビ Sammi Rotibi
イーモン・ウォーカー Eamonn Walker
□HP http://www.lord-of-war.jp/index2.html
ケイジの眉毛は感情のバロメーター
公式ブログ
「アメリカン*WAR*ビジネス」「アメリカン*ビジネス」「武器商人ユーリ・オロノフ」「戦場のビジネスマン」。。。
邦題が決まるまで様々なものなど見られます。
監督の猛反対にあい「ロード・オブ・ウォー」(戦争の王)に落ち着いたとか。。。
(↓ 注:以下ネタばれあり) ★★★★☆

銃を撃つ度にレジの開く音がするのも商売的にわかりやすくて面白い表現でした。
「ランボーが使ってた銃をくれ。」「1、2、3。。。どれ?」
「1しか観てない」「じゃ、M60だ。」とかね。
冷戦終結によって膨大な数の武器・兵器が旧ソ連から開発途上国へ流出、
裏でそれを売りさばいて資金力と存在感を増した武器商人、その実在する5人をモデルにしただけに、
映画というフィクションながら現実を見せ付けられているようで悲観したせいか、ラストには涙が出てしまった。
彼に気付かれて笑われてしまいました。
銃によって人が死ぬ、戦争が続く、という重さをあっけなくサラリと描いていたので、
“主人公は自分の商才に気付き、才能を開花させて成功した”
とよくあるサクセスストーリーには集中して見ることが出来ました。
ただ現実を見せ、各々で何かを感じ取ってもらうというような良質のドキュメンタリー映画でした。
武器商人ということで両親から絶縁、妻と子も去る結果になってしまったけれど、
「仕事だから」と理解することは私も出来ません。
イーサン・ホーク演じるバレンタイン刑事がユーリーに言うラストの
「地獄に落ちろと言ってやりたいが、お前はもうそこにいるらしい。」
とズバリ切り込んだ台詞が良かった。
インターポールと聞くと銭形警部が出てきてしまう(笑)
ユーリー妻エヴァにブリジット・モイナハンさん、
見たことあるなぁと思っていたら「SEX and the CITY」ミスター・ビッグの妻であり「セレンディピティ」「リクルート」「アイ,ロボット」など数多く見てました。
名前が覚えられない~~~。
誘惑に溺れて繊細で良心に正直でというユーリー弟ヴィタリー、演じるジャレッド・レトーさんの瞳が透き通るような美しさでした。
同じLORDでも「LOTR」、フロド叔父のイアン・ホルムさんも渋く良かった。
それから赤ちゃんが泣いてしまうので監督は自分の赤ちゃんを撮影に使ったり(泣かないらしい)、
ニコラス・ケイジさんの息子(13歳)もヘリコプターの整備士役で出演したようです。知っていてもたぶん気付かなかったかも。。。
冒頭とラストのこのシーンは好き。

2006年1月5日(木)MOVIX三郷
お正月明け平日のレイトショーのせいか、駐車しやすかったしガラガラでした。
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