月例ネット句会臨時ブログ(旧 俳句日記/高橋信之)

高橋信之(愛媛大学名誉教授・俳句雑誌「花冠」創刊者)

3月31日(木)

2011-03-31 07:15:11 | 今日の俳句
★春灯へ丸い口開けている湯呑   信之
春になり、湯呑みの醸し出す風情も移ろいます。湯呑みと言えば丸いものですが、春灯に向かって口をあけているという見方が楽しいです。(高橋秀之)

○今日の俳句
桜舞う天保山に船が入る/高橋秀之
作者は、大阪に生まれ、大阪で育ったので、大阪の良さを身に付けている。その俳句にも人間らしい暖かさがある。職場は、大阪港で、そこは、海の彼方へと大きな世界が広がっている。(高橋信之)

◇季節の花「きぶし・クリスマスローズ・すいせん」(横浜日吉本町)
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3月30日(水)

2011-03-30 07:14:13 | 今日の俳句
★仰ぎ見る樹があって空があって春   信之
陽光に満ちた蒼い空、間もなく芽吹きが訪れるであろう高木の樹冠。仰ぎ見る頭上はもうすっかり春の気配です。(河野啓一)

○今日の俳句
抜きたての大根ずしりと土の匂い/藤田裕子
句歴四十数年の作者だが、その作句態度が些かも揺るがない。句のすべてが明らかで、言葉に偽りがない。(高橋信之)

◇季節の花「馬酔木・れんぎょう・からすのえんどう」(横浜日吉本町)
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3月29日(火)

2011-03-29 07:13:04 | 今日の俳句
★桃咲くや日を昇らせている丘に   信之
桃の花は太陽が似合う。昇った日にかがやく桃の花がことに丘を明るくして、桃源郷のようである。(高橋正子)

○今日の俳句
遠ざかる風船は今空のもの/藤田洋子
俳句生活十七年を経て、その成長は明らかである。感性のみずみずしさは、作者生来のものであって、実家の父母を看取るという悲しい体験によって、作者内面の深みが加わった。(高橋信之)

◇季節の花「はくれん・雪柳・たんぽぽ」(横浜日吉本町)

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3月28日(月)

2011-03-28 07:08:11 | 今日の俳句
★芽吹く樹へつぎつぎ心遊ばせる   信之
雲ひとつない青空。やさしい陽ざしが降り注ぐ日に、ふと空を仰ぐと樹の枝に新しい芽吹きがあるのを見つけます。この句から自然に対する畏敬の念と命あるものに対する賛歌を感じ、自然と一体になっている作者の心情を読み取ることができます。(井上治代)

○今日の俳句
春の蕗提げしわれにも風が付く/高橋正子
正子さんの俳句の基本を指導したのは、川本臥風で、その先生が臼田亜浪なので、その影響を素直に受けた。自由であって、ものの本質を見ることを学んだ。さわさわと吹く風に深さを感じ取るように、句がさわさわとして深いのは、その成果なのである。(高橋信之)

◇季節の花「スズラン水仙・木瓜(ぼけ)・蕗の花」(横浜日吉本町)

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