俳句日記/高橋信之

高橋信之(愛媛大学名誉教授・俳句雑誌「花冠」創刊者)

6月18日(日)

2017-06-21 13:43:50 | 今日の俳句
★沙羅の花みずみずしくて落ちている  正子
白く可憐な姿のままに落ちている沙羅の花。辺りは清浄な空気が漂っているようです。落ちてなおみずみずしさを留める花びらに、儚くも美しい沙羅の花の命を思います。(藤田洋子)

○今日の俳句
蛍飛ぶ後ろ大きな山の闇/藤田洋子
大きな山を後ろに闇を乱舞する蛍の火。山間の清流を舞う蛍火の見事さを「山の闇」で的確に表現した。(高橋正子)

鶴見川源流の泉を正子と訪ねた。私が若い頃に一人で訪ねたことがあるが、あまり記憶には残っていない。



 信之作品3句
源流が近くにあって植田なる
谷戸植田空を近くに引き寄せて
源流に蟻が這いいる吾といる

正子作品3句
源流の泉のかたち丸くあり
「泉のかたち」を「丸く」とした素直な表現は、率直な表現であるが、まさに的確な表現である、といってよい。丸く、とは完結を意味する丸い円のことでもある。ものの初めは丸い。(高橋信之)

源流の泉一羽の鴨が住み
源流を流れ出し水植田まで

○矢車草

[矢車草/横浜日吉本町]