俳句日記/高橋信之

高橋信之(愛媛大学名誉教授・俳句雑誌「花冠」創刊者)

花冠7月号掲載の作品と後記

2009-04-07 15:11:39 | 花冠掲載の俳句
はるかな空よ
       高橋信之

 横浜四季の森公園七句
藤房のふくらみを入れ空の青
藤房を垂らして昼餉の刻となる
はるかな空よ藤房のうす紫に
空があり水があり黄菖蒲の黄に
新緑の中へ木道まっすぐに
たんぽぽの絮球形に発つを待つ
草若葉と静かな刻をともに居る
 城ヶ島二句
黒揚羽を真昼の磯に見失う
青芒立つその向こうの空と海
 横浜動物園ズーラシア
アカシアの甘き匂いの流れに会う



★今月号は、古田敬二さんの特集としました。
敬二さんは、ネット上の俳句掲示板を開設し
て間も無くの平成十年一月に私達の俳句仲間
となっていただき、ネットからの入会者では、
最古参の同人です。日本で生まれた俳句とア
メリカで生まれたパソコンやネットは、お互
いに相容れないところがあって、パソコンや
ネットでの俳句は、長続きはしないであろう
し、パソコンやネットでの俳句は、育たない
であろうと思っていましたが、予想に反して
の成果が挙がりました。その例が敬二さんの
俳句です。日常の精進を忘れなければ、この
世に不可能といったことは、殆ど無いものだ
と思い、嬉しくなってきます。敬二さんの俳
句をお楽しみください。
★雑誌編集やネット制作管理を一人でするよ
うになって何かと負担が軽くなり、空いた時
間を遠出の吟行に正子先生と二人で出かけま
す。近くの日吉駅からは、三浦半島の三崎口
へ、一駅の乗り換えで一時間二十分です。白
秋歌碑のある城ヶ島までは、二時間ほどです。
城ヶ島では、美味しいひじきと天草を買って
帰りました。横浜は、首都圏といっても里山
が残され、そこへは地下鉄などがあり、俳句
吟行を楽しむことが出来ます。都心へは、乗
り換え無しの地下鉄が何本かあり、東京駅へ
は、片道五十分ほどなので、便利です。誌友
の皆さまも戸外での嘱目吟をお楽しみくださ
い。              (信之)

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