長尾景虎の戯言

読んだり聞いたりして面白かった物語やお噺等についてや感じたこと等を、その折々の気分で口調を変えて語っています。

山本一力著【牛天神・損料屋喜八郎始末控え】

2020-10-20 22:21:50 | 本と雑誌


お馴染みの人気シリーズ(累計65万部)で、今回で番外編も含め五作目となる。
「損料屋喜八郎始末控え」「赤絵の桜」「粗茶を一服」「(番外編)梅咲きぬ」
深川人情にあふれる物語。

頭脳と男っぷり!あの男が帰ってきた!
不況の嵐が吹き荒れる江戸…同心を辞し、庶民相手に鍋釜や小銭を貸す「損料屋」として暮らす喜八郎(きはちろう)。
与力や仲間たちと力を合わせ、巨大な敵と渡り合う!

『うしお汁』
喜八郎が営む損料屋とは通りを挟んで向かい合わせにある、質屋の小島屋の跡取り息子・与一郎(よいちろう)は、遊郭通いが止まない。
当代の当主五代目善三郎(ぜんざぶろう)は、そのことに深く悩んでいた。
ある日こと、喜八郎は善三郎に呼び出され、自分は今年限りで隠居するので、小島屋六代目を引き受けてもらいたい、その上で息子の与一郎は、喜八郎の下で鍛えてやって欲しいと願うのだが…。

『つけのぼせ』
両替商の大店近江屋の三番番頭・以蔵(いぞう)は、喜八郎の損料屋の番頭・嘉介(かすけ)と懇意であった。
ある日、嘉介が日課である朝の散歩に出て、黒船稲荷に参ろうと、黒船橋を渡ろうとした時に以蔵を見かけた。
いつもなら気さくに声を掛けるのだが、どうもそれは憚れるようだった。
以蔵は何やら様子がおかしい、何か余程の屈託を抱えているように嘉介は感じた…。

『仲町のおぼろ月』
人情の町に巨大安売り市場がやってくる…。
二千坪の土地を牛耳る黒幕の目的は?
危機感をつのらせる深川の住人たち…。
喜八郎がいる深川に、手強い敵・鬼右衛門(おにえもん)の魔の手が忍び寄る、さぁこの難局を深川衆はどうやって乗り切るのか…。

『にごり酒』
深川で手痛い大敗を喫してしまった鬼右衛門は、どう意趣返しをしようかと思案する。
やがて、手練れの配下の者たちに、深川で画策した主謀者を探らせ、損料屋の喜八郎に辿り着く。
鬼右衛門の敵は、喜八郎と炙り出されていた…。
そして今度の標的を江戸屋に絞った…。

『牛天神(うし・てんじん)』
江戸屋の仲居頭・すずよは、五日連続で小石川の牛天神へ願掛け参りにいくことを決意した。
鬼右衛門の魔の手が、今度は江戸屋に伸びようとしている、そのための願掛け参りであった。
しかし、このすずよの牛天神詣でが、意外にも鬼右衛門の復讐に燃える、荒み切った心を揺るがすのだった…。



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