虫歯

２、３週間前から奥歯が痛みだしたのだ。
抗癌剤で、口内炎になったりするので、抗癌剤のせいだろうと考えていたが、
剤の投与が終わった後も、いつまでも痛む。
実は、虫歯だった。
それで、２日前、神経取られて、今日は２回目で、上にかぶせるのかと、なんとなく思い、
朝１０時の予約でいったところ、神経取った跡に、薬を埋め込むのらしいが、説明は無く、台にねかされ、口をあけろ！の命令のあと、ガリガリガリ、
時々、神経に当たるのか、飛び上がるように、痛い。

スイマセン、と、口をあけてください！の言葉以外、説明はなく、ぶつぶつ、いう。（聞いてるこちらは不安になる）
奥歯でしにくいらしい。

ファイブポイントをとって！
と、ついている、助手に命令、無い？

聞いているこちらは、不安になる。

然るに、問い合わせようにも、こちらは、あー、うー　以外言葉にならず、我慢の一手しかないのだった。

昼からソフトバンクと横浜のオープン戦見に行くことになっているのだが、終わりそうに無い。
１時間半経過した頃、尋ねるとあと２０分位との答え。

近くの台で、赤ん坊が、ずーと泣く。
うるさい。

何で、親は優しい、言葉ひとつも、掛けず、泣くがままにしているのだろう。
自分が、苦しいので、余計に、いらだつ。

やれやれ、やっと、おわって、会計のところで、待っていると、泣き虫もおわったらしく、若い母親が二人の子供つれて、戻ってきた。こまいほうが、待合室でも、まだ、エーンエーン泣き続けるのである。
母親は泣くに、まかせ、何もいわぬ。

俺が、赤ん坊に言う。(　乳幼児というべきか、）
もう、すんだよ！
泣かんでいいが。

赤ん坊が、不思議そうな顔をしつつ、次第に泣き止む。
俺は、口を足す。
もう、大丈夫！
頑張ったねー！

ずっと、黙っていた母親がはじめて、ものを言った。
歯の治療したのは、私です。