いろいろな場所で
人と話していて違和感がずっとあったのだが、
近頃は、深く違和感を感じるようになった。
そんなとき、ふと思ったことは、
「いったい、おれは最近、人間と話しているのだろうか?」
自分に対する問いの答えとしては、
「話していない」である。
おれ自身が話す場面だけではなく、巷間から聞こえてくる声
にも、人間同士が話しているとはどうにも思えない。
なんとか、人間の話があるとすれば、
建設現場の職工の間の話であるとか、博打場の話であるとか、
この都会の中でわずかである。ちかごろは場末の酒場でさえも
人間の会話が都会的という言葉に汚染されつつある。
人間がいるのに、人間の会話がない状況がどんな状況かを
喩えてみた。
それは
それぞれの人が、自分の指人形で相手と話ている
指人形を通して相手と話している
なぜ、そんなことをしようとするのか
自分の気持ちを伝えずに
みんなにかわいがってもらいやすい
かわいい指人形をつかって話すのだ
指人形は、みんなに受け入れてもらうことを話し、
指人形は、子供のような言葉を使って話し、
後ろにいる人間は無表情のまま取り残されて
後ろにいる人間は指人形が自分だと思いだし、
指人形に自分を乗っ取られる
指人形とは、誰がつくったものか
それは世間がつくったものである
しかも
わかりやすく、親しみやすく
危険ではないもの
現実を避けるもの
後ろの人間は、指人形との分裂のなかで
深い人間疎外と孤独に苦しむ
指人形で得られた共同体は、
指人形のための共同体でしかないため
後ろの人間は絶望的な孤独に陥る
後ろの人間に意識がないために
指人形が暗躍したのだろうが、
その指人形を指から外したとき、
後ろの人間の陰鬱な幼稚な顔と
己を作ってこなかった
ガランドウな人間が現れる
あなたの指には、指人形がはまっていないか
その指人形を使い分けるのではなく
指人形があなたになっていないか
指人形を外す勇気があるか
しかし指人形を外さなければ
人間としての旅は始まらない
人と話していて違和感がずっとあったのだが、
近頃は、深く違和感を感じるようになった。
そんなとき、ふと思ったことは、
「いったい、おれは最近、人間と話しているのだろうか?」
自分に対する問いの答えとしては、
「話していない」である。
おれ自身が話す場面だけではなく、巷間から聞こえてくる声
にも、人間同士が話しているとはどうにも思えない。
なんとか、人間の話があるとすれば、
建設現場の職工の間の話であるとか、博打場の話であるとか、
この都会の中でわずかである。ちかごろは場末の酒場でさえも
人間の会話が都会的という言葉に汚染されつつある。
人間がいるのに、人間の会話がない状況がどんな状況かを
喩えてみた。
それは
それぞれの人が、自分の指人形で相手と話ている
指人形を通して相手と話している
なぜ、そんなことをしようとするのか
自分の気持ちを伝えずに
みんなにかわいがってもらいやすい
かわいい指人形をつかって話すのだ
指人形は、みんなに受け入れてもらうことを話し、
指人形は、子供のような言葉を使って話し、
後ろにいる人間は無表情のまま取り残されて
後ろにいる人間は指人形が自分だと思いだし、
指人形に自分を乗っ取られる
指人形とは、誰がつくったものか
それは世間がつくったものである
しかも
わかりやすく、親しみやすく
危険ではないもの
現実を避けるもの
後ろの人間は、指人形との分裂のなかで
深い人間疎外と孤独に苦しむ
指人形で得られた共同体は、
指人形のための共同体でしかないため
後ろの人間は絶望的な孤独に陥る
後ろの人間に意識がないために
指人形が暗躍したのだろうが、
その指人形を指から外したとき、
後ろの人間の陰鬱な幼稚な顔と
己を作ってこなかった
ガランドウな人間が現れる
あなたの指には、指人形がはまっていないか
その指人形を使い分けるのではなく
指人形があなたになっていないか
指人形を外す勇気があるか
しかし指人形を外さなければ
人間としての旅は始まらない