みなさ~ん、こんにちはー お留守番の昼猫で~す。
釣りの師匠と40年ぶりの再会のお話、始まりますよー。
千夢は風の便りで師匠の様子はうっすらと聞いていたそうだ。
恩を忘れた訳ではないが、日常の生活の中では日々の忙しさもあって師匠の
存在は千夢の世界には映っていなかったようだ。
再会の日は昨年の暮れ、突然にやってきた。
千夢が工房で制作に励んでいると、低音の地響きを立てながらパールのレクサス
SCが駐車場に停まった。
颯爽と車から降りてきたのは、真っ白のジャージ姿で髪はシルバーグレー、スポーツ刈りのちょい悪親父だ。
「俺だい、元気そうだなぁー」 あれー 師匠・・・? 師匠じゃあないですかー !
千夢はびっくりしたやら、嬉しいやらで ご無沙汰しています。の挨拶も程々に早速工房に招き入れお茶を入れた。
当時のお礼も言う間も無いく、釣りの話や愛車の話やらで会話が弾んだ。
千夢は今年から蜜蜂を飼い始めたと自慢げに話すと、師匠は養蜂20年の
キャリアを持っていた。
それならばと、千夢が得意のワカサギ釣りの話をすると、師匠は赤城の大沼で
俺を知らない者はもぐりだと薄ら笑いをした。
お恥ずかしい話ですが、千夢は赤城の大沼は大の苦手。
赤城の氷上のワカサギ穴釣りには過去3回ほど行ったが、一度もいい思いを
したことが無かった。
氷の湖上で友達と2人用のテントを張っていると突風が拭いてテントに捉まったまま
50mも氷上を引きずられてしまった。
防寒着は破れ顔は擦り傷、寒くて痛くて釣りどころではなかったそうだ。
だが気を取り直して、夜明けとともに釣り始め日が暮れるまで頑張って釣ったのが
たったの12匹。
居眠りをして電動リールを氷の穴に落としてしまったりと散々な目に遭った。
それ以来2度と赤城には行かなくなった。
何の話しをしても勝ち目がなさそうなので、寺泊の乗合船の船釣りの話を
持ちかけてみたそうです。
すると師匠は、へー そして何を釣りに行くんだいと聞いてきました。
千夢は自慢げに、夜のイカ釣りや真鯛釣りの話を得意そうに話してあげました。
すると、師匠は真鯛の大きさは?、釣果は?と聞いてきました。
ちょっとオーバーに50cm級の鯛を釣りあげたり、イカなら40~50杯は釣るよ。
どうだい参ったか!と得意そうに師匠の顔を見ました。
すると、師匠は 昔と変わってねえなー、そんな素人の遊びなんかしているんじゃねえよ。
今度、釣りに行くときは連絡してやるから一緒に行こう、と誘ってくれた。
それから師匠は2度ほど工房に顔を出してくれました。
聞く所によると、師匠は自分の釣り船を持っており、いい食材を手に入れると
最高の料理を作って食べる、だから自分の厨房も持っているのだそうです。
そんな話を聞かされた千夢は闘争心に火がついてしまったようです。
船舶の免許を取りに行ったり、工房の大改造をして厨房も作るなどと気合いが
入り師匠に近づこうと思っているようです。

無理 むり 器が違いすぎると思いますよ、でもまぁー ほっときましょう。
そして、今年の5月、いよいよ二人は直江津港で待ち合わせ鯛釣りに行く話になります。
きょうはこの辺で。・・・勇気ある撤退 と 師匠の誘いを断れない理由
まだまだ続きます・・・つづく・・・