こんちわー留守番の昼猫で~す。今回も話が長いので顔は出しませんよー
18 話 (新しい家路に向かう)
私を乗せた車は家路を急いでいた。お嬢さんが、私のことをお母さんに相談した
のは数日前のようだった。
あのねお母さん、猫ちゃん飼って欲しいの 実はね、一昨日、動物病院から
連絡が来て治療が終わったので引取りに来て欲しいと言われたの。
もう何ヶ月も前の話で猫ちゃんのことはすっかり忘れていたので驚いちゃった。
それで、慌てて相談したわけなのよ。
じつは 数か月前の事だったわ、高校生のときのお友達と、お別れ会をしようと
数人で町に出かけたの。
すると歩道のすみの電柱の影にうずくまっていた、真っ黒けな猫が目に入ったの。
車にひかれたらしく身体が不自然によじれ とても苦しそうだったのよ。
どうしても放っておけなくて動物病院に運んだの。
先生は、「この猫ちゃん助かったら、あなた達が責任持って飼ってあげられる?」
約束してくれるなら治療するけど、そうじゃなければ保健所に送るしかないよ。」と
言われたの。
私達は相談して「飼います だから治療をして下さい、助けて下さい」と頼んだの。
先生は、「わかった治療費は要らないよ、治ったら連絡しましょう」と言ってくれたのよ。
そして代表で私の携帯の番号を書いてきたの。
すると数か月後の一昨日、病院から「脊髄損傷で一生下半身不随」です。
誠に残念ですが、治療は終わったので迎えに来て欲しいと連絡が来たの。
慌てて友達と相談したんだけど、誰も引き取れないって言うのよ。
だから困ってお母さんに相談したわけなの、ごめんなさい。
そうだったのと不安げな顔して、お母さんはうなずいた。
だけどねぇ うちにも猫が2匹いるでしょう、まして下半身不随の猫なんて
面倒見れないと思うのよ。
困ってお父さんに相談してみたら、最初はお父さんも無理だろうと言っていたの。
でも、先生との約束だろう、引き取って面倒見るしかないだろう、と言う訳で
飼う事が決まったのよ。
でも困ったわー、こんなに大きくて汚い猫でしょう。想像していた猫と
全然違うんだもの、もっと可愛らしい猫かと思ったわよ。
何歳くらいでしょうねー、見れば見るほど化け猫みたい、ああ~怖いわーどうしよう。
私が乗っているのに何て気に触る会話をしてるんだろう。
それにしてもまだ家に着かないのかなー
この先は、ちょっと違う家族風に話してみます。
母ちゃん:冗談じゃないよ、こんな汚い猫は家に連れて行けないよ。おめえ達が
拾った猫だっぺー、友達ともう一度話し合って何とかしろよ。
娘 :だってみんな無理だって言うじゃん、仕方ねえだろう。
母ちゃん:だったらおめえが東京にでも何処にでも一緒に連れて行きゃあいいだろう。
娘 :なにいってん、先生の前じゃあ、はいはい分かりました、何てよそ行き
の声出して格好つけてやがってよー たっくー。
母ちゃん:こんな汚い猫を連れて帰ったら、それこそ父ちゃんが怒るよ。母ちゃん
知らねえよ、おめえのせいだよ。
娘 :分かったよー うっせえなー、家に着くまでに何とかすりゃあいいんだろう。
母ちゃん:おっ、でかい口をたたくねー、どうせお前の考えなんか分かってらー。
娘 :へーじゃあ何を考えているか言ってみな、当たったら誉めてやらー。
母ちゃん:帰り道、烏川の橋の上から流してしまえ、な~んて魂胆なんだろう?
娘 :母ちゃんすげー、超すげー、その通りだよ母ちゃん、やっぱすげー
母ちゃん:当たり前だよ、お前の親だもの、考えは同じさ。
娘 : かあちゃんも捨てようと思ったんだ、気が合うじゃーんそうすべ!
母ちゃん:まだ早過ぎるんだよー、黒い猫だから真っ暗になってから捨てれば誰にも
気付かれないよ。この先の店でラーメンでも食べていれば暗くなるよ。。
娘 :母ちゃん超頭いいー!やっぱ尊敬しちゃうよ。
母ちゃん:いいかい、これだけ言っておくよ、お前はこんな親にはなっちゃいけないよ。
娘 :うっせえなーそんな事わかってらー、心配すんじゃねえよ、餓鬼の頃から
絶対に母ちゃんみたいにはなりたくねぇと決めてんの。
母ちゃん:へー、やっぱ母ちゃんに似て頭のいい子だ。
:すみま~ん、もうやめますよー、えっあきれて開いた口がふさがらない。
ですよねー ではまた・・・つづく・・・