後悔先に立たず・・・思い出せば何故・・・風が強いのでその計算もし、刃物も簡単に食い込み、倒した方向も想定どおり、順調な滑り出しで事が進んだのだ。一人での引っ張り出しには多少の無理があったとしても・・・直径七センチ程の竹の切り残しが凶器になるとは、只、鉈の様な刃物で切り口が鋭角に切り落とされていたら・・・こんな怪我では・・・不注意と慣れが主要因か・・・それとも天罰か・・・
流れ星への願いは届かなかった。二億円という言葉は発することは出来たが、〆のお願いします。の一言が足りなかったかも知れない。それにしても怪我は自分もちだが、今は咳や痰をきるのも痛い。良寛かんさんの、災難を逃れる妙法までの心境には、まだまだ程遠い。痛いの痛いの飛んで行け・・・との子供騙しも・・・・・不知足者は卑しいばかりか貧しい。
ドンドン焼きの心棒の選別を終え、切り倒した後の運びだしも計算し、周りの倒れた竹や邪魔な細い竹も整理し準備までは万端だった。昨夜の雨は予想外であったが、失態の原因は不注意そのもの。孟宗竹の重さと粘土質の土壌に足をとられ、バランスを崩し、昨日切り倒し、根元から五十センチほど残し置いた細竹の先端に、思い切り左脇腹を打ち付けてしまった。結果、第七番目の肋骨にヒビが入り全治五週間の不覚をとった。鋭角な切り口でなかったことが不幸中の幸いだ。