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『御子柴くんの甘味と捜査』 若竹七海

2024年05月31日 22時31分08秒 | ■読書
若竹七海の連作ミステリ短篇集『御子柴くんの甘味と捜査』を読みました。
ここのところ、若竹七海の作品が続いています。

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長野県警から警視庁捜査共助課へ出向した御子柴刑事。
甘党の上司や同僚からなにかしらスイーツを要求されるが、日々起こる事件は、ビターなものばかり。
上田市の山中で不審死体が発見されると身元を探り(「哀愁のくるみ餅事件」)、軽井沢の教会で逃亡犯を待ち受ける(「不審なプリン事件」)。
傑作ミステリー・葉村晶シリーズ第一弾『プレゼント』に登場した御子柴くんが主役の、スイーツ&ビターなミステリー短篇集。
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2014年(平成26年)に刊行された御子柴くんシリーズの第1作です。

 ■哀愁のくるみ餅事件
 ■根こそぎの酒饅頭事件
 ■不審なプリン事件
 ■忘れじの信州味噌ピッツァ事件
 ■謀略のあめせんべい事件
 ■あとがき

長野県警から警視庁捜査共助課へ出向した御子柴刑事……甘党の上司や同僚からなにかしらスイーツを要求されるが、日々起こる事件は甘くない、、、

長野の名菓が数々登場する「おいしい」ミステリ……文庫オリジナル短篇集。

長野県から警視庁へ出向した御子柴刑事が主人公なのですが、謎解きの中心は御子柴刑事の元上司で長野県警の小林警部補……御子柴刑事との電話のやりとりの中で、事件の核心を突く推理を披露し、その推理をもとに御子柴刑事が日々の事件を解決していくという展開、、、

長野県の美味しいお菓子やスイーツがふんだんに紹介されており、ミステリと甘味が絶妙のバランスで組み合わされている感じです……事件の真相がダークでビターなものが多かったところに若竹七海の作品らしさを感じました。

そんな中で印象に残ったのは、

7年間も逃げ回っている殺人事件の犯人・須崎が娘の結婚式現れるのではないかとのことで、御子柴刑事等は結婚式が行われる軽井沢の教会に張り込むが……ドタバタで進行する展開と小林警部補のひと言でそのドタバタ自体の意味が一変する『不審なプリン事件』、

御子柴刑事が右膝を壊す原因になった窃盗犯・岡章二が死体で見つかった……御子柴刑事が怪我をした過去のエピソードが回想スタイルで詳しく描かれる『謀略のあめせんべい事件』、

の2篇かな……小林警部補の推理で、事件の様相が大きく変わる展開が愉しめましたね。

御子柴くんシリーズの在庫は本作だけなんですよね……次は、若竹七海の別な作品を読んでみようと思います。
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