会場:日本橋高島屋 会期:2013年6月24日まで
個人コレクションからの出品でユトリロの画風の変遷を通覧しています。
ユトリロの作品をまとめて観るのは初めてで,色彩の時代の作品の変貌ぶりに驚きました。
白の時代は,建物,特に壁に対する親愛の情が全面に出ながらも,自閉なりの一定の精神的均衡を感じるのですが,色彩の時代以降は,なんというか精神的にはじけた感じで,時に現れるあまりに生々しい色遣いは,好みの分かれるところだと思います。
いつも同じパターンの後ろ姿で現れる,記号化された通行人の存在からは,いつも依存する対象を欲しがっているゴッホと違い,人に対する突き放した姿勢が画面に出ている気がします。
その分,客体としての風景ではなく,意味ある他者として建物と街角の肖像を描き続けたのでしょう。
2013年6月15日観覧
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