会場:そごう美術館 会期:2015年1月25日まで
少なくない日本人が印象派やピカソのしょうもない凡作(はっきり言えば駄作)を買いあさっていた頃,一筋通った審美眼で形成された,「こうであってほしい」コレクション!
教会音楽が聞こえてくるようなムリーリョ「悲しみの聖母」,観る者に元気を与えてくれるブーグロー「いとしの小鳥」,絶望感と運命の重圧を画布に込めたカバネル「デズデモーナ」の3点だけでも足を運ぶ価値あり。
後藤コレクションの凄さは,マイナー作家でも,これはという優品を揃えている点。サッソフェラートの「祈りの聖母」,パリエイの「夜会」,リボの「ざくろのある静物」などなど。美的センスの良さに脱帽する。
また,更に2点あるカバネルの下絵が後代の作家の本画よりきちんと描かれているのには,絵画市場のありようについて考えこまざるをえない。