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5月末までに終わるのか? 日本オーチスの点検!

2007-04-30 16:13:12 | 事件・事故
   (写真は共同通信Webニュースより)

 六本木ヒルズで、発火事故を起こしたエレベータの事故の続き・・・

 日本オーチスが、自ら保守管理する全国約5万6000基の緊急点検を4月29日から始めたという。
 NHKニュースではこの点検作業を5月末までに終わらせる予定と言う。
 土日やゴールデンウィークを全部出たとしても、実質33日しかない。
単純計算では、一日1700台のペースで点検してようやく追いつくことになる。

 そんなことができるはずが無いではないか?
いったい、日本オーチスには、昇降機の点検資格者が何人居るというのだろう。

 ワイヤーの点検と言っても、手近な数mを見れば済むというものではない。昇降行程全長に亘って検査しなければならず、複数のワイヤーで吊っているので、1台当たり数百mにもおよぶであろう。巻き取りドラムへの定着部と昇降カゴやウエイトへの定着部の状態の確認も重要である。

 このような大きな問題が発生し、他でも起こりうるという状況で、これまでのような、おざなりな点検で済ます訳には行かない

 1台を1-2時間ほどで済ませるというような簡易点検ではダメだ。
(この下に引用した讀賣の記事では1時間半で済ませたらしいがとんでもない!)
この際、制御系も含め全体的な細部に亘る点検を行なってもらいたい。
そうすれば、1台に半日位は掛かるであろう。
 『ワイヤーに問題が発生したらワイヤーしか調べない』というのでは「予防処置」には、ならない。とりわけ、この事故では制御盤の中まで錆や埃まみれであったことがTV映像で全国に知れ渡っているくらいなのだから!

 ならば、一日1700台点検するには、一日1チームで2台点検するとすれば、850チーム必要だ。
 そのうえ、実際には休日返上で点検をすれば、疲れから見落としや点検中の二次災害が起こりかねない
適切な休養を取りながら点検を進めるためには、1400チーム位必要(週5日稼動の場合)であろう。

 そのような人材が日本オーチスに居るのだろうか?
アルバイトで済ませられるようなものでは無い。
必ず1チームに一人は昇降機に関する資格者が必要である。

本当にできるのか?
拙速はさらなる事故を誘発しかねないことを強調しておく。

 この際、日本オーチスは、同業他社(ライバル社)に『恥を忍んで』応援を求めるべきではないのだろうか?

    2007 Apr 30 JUNSKY(ISO品質システム審査員補)

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六本木ヒルズ火災で日本オーチス、全国5万基超を緊急点検(読売新聞) - goo ニュース

六本木ヒルズ火災で日本オーチス
  全国5万基超を緊急点検

2007年4月29日(日)18:59        讀賣新聞Web

 東京都港区の六本木ヒルズ「森タワー」で今月4日、エレベーターのワイヤロープが原因で火事が発生したことから、事故機を管理する「日本オーチス・エレベータ」(東京都中央区)は29日、同社が保守管理する全国約5万6000基の緊急点検を始めた。

 東京都杉並区内の雑居ビル(4階建て)では同日昼、2人の同社員がエレベーターのかごの上部に乗り込み、2本のメーンロープに破断や傷がないか、油が行き渡っているかどうかを1時間半にわたって調べた。

 今回の火事では、国土交通省が、事故機のずさんな管理が火事の一因として、同社に対し、管理する全エレベーターの点検を指示していた。同社では1日最大2000基を点検できる態勢を取り、5月中にすべての緊急点検を終わらせたいとしている。

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エレベーター5万6千基の緊急点検開始 日本オーチス(朝日新聞) - goo ニュース


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