ニーチェの馬
'11:ハンガリ-,フランス,スイス,ドイツ
'11:ハンガリ-,フランス,スイス,ドイツ
◆原題:A TORINOI LO/THE TURIN HORSE
◆監督:タル・ベーラ「倫敦から来た男」
◆出演:ボーク・エリカ、デルジ・ヤーノシュ
◆STORY◆暴風の中を荷馬車が行く。荒れ狂う馬も手綱を引く男も喘ぎながら前進しようとする。男の家には娘がいる。娘は毎日井戸に水を汲みに行く。目を開けるのも立っているのもやっとなほどの強風の中を。日々、男の着替えを手伝い、唯一の食事であるジャガイモを茹で、手掴みで黙々と口に運ぶ。あたかもそれが生きるために課せられた義務であるかのように。そして台所の窓から見える丘の上に立つ一本の木をひたすら見つめ続ける
『倫敦(ロンドン)から来た男』などのハンガリーの異才タル・ベーラが監督を務め、たった二人の父娘の孤独な日々を描いた深遠なドラマです。
2011年第61回ベルリン国際映画祭 銀熊賞(審査員グランプリ)・国際批評家連盟賞 受賞
私が見に行ったときは、キネマ旬報ベストテン発表 外国映画の1位になったからか、
結構、満員な人の入り具合でした。
哲学者ニーチェの逸話を下敷きに、寒村に住む貧しい父娘と疲れ果てた馬の最期の6日間を
描いています。
ニーチェの逸話というのは、1889年、トリノの広場でニーチェは、鞭打たれる馬車馬を見つけると駆け寄り、泣きながら馬の首をかき抱き卒倒し、そのまま発狂して、ついに正気に戻ることなく最後の10 年を狂気の淵で過ごしたと言われている。。
これは逸話なんだよね。
とにかく6日間を会話もろくになく2時間半描かれているこの映画はある意味すごい!!
とにかく生きるために最低限の生活を送っている親子。
神は6日間で創造したといわれているけど、この映画は6日間で絶望の世界に落ちたって話ですね。
映画は絶対に好き嫌いわかれると思いますよね~
とにかく映画は会話もろくになく、映像もモノクロ、音は爆風の音と、
悲壮感たっぷりのBGM。何か特別なエピソードがあるわけでもない、
2人は生きるために最低限の食事(じゃがいもに塩をかけて食べる)をとり、
爆風の中水汲みにでかけたり、仕事にでかけたり、、
それが1日たつごとに何かがちょっとづつおこっていきます。
まず、馬が動かなくなり、食べなくなり、そして井戸の水が枯れてしまい、
引っ越す場所もなく、ランプがつかなくなり、、爆風がやんでも太陽はのぼらず、
火を失う。。。それでも父親は生きるためにじゃがいもを食べろと娘に言うんだよね。。。
いやーーーこの世界すごいよ。
光がなく、火もなく、水もなく、生きる気力もなくどうやって生きていくの?
ってか、とにかくどんどん絶望感がひろがっていくんだよな。。。
でもこの映画1位をとったのかもしれないけど、好き嫌いわかれそうだよな~
Nakajiの満足度 ★★★(3.5) 1/13 劇場鑑賞 6 作目
![]() | ニーチェの馬 [DVD] |
タル・ベーラ,ヴィーグ・ミハーイ,クラスナホルカイ・ラースロー | |
紀伊國屋書店 |