国際税務研究ブログ

こんにちわ、TOKYO在住の税理士、木村俊治と申します。国際税務のことについてアレコレ書いています。木村国際税務研究所も

ニュージーランドはタックスヘイブンじゃないよ

2011-09-16 18:03:52 | 国際税務問題

□ニュージーランドはタックスヘイブンじゃないよ
でも、国内に信託会社を作ってタックスプランニングののりものにする計画は着々と進行してるってことらしいゼ 。
「WHY?」
オフショアに乗り物を作るタックスプランニングの神髄は、ず~と昔からオンショアにそれと同じものを作ることの方が有利だといわれてるんだ。
たとえば、英国の非居住者会社、パートナーシップや、アイルランド、シンガポール、米国のデラウエア州立会社あるいは米国LLCなど多くある。この中にニュージーランドオフショア信託と云うオンショアの会社を加えるのさ 。
オンショア拠点〔国内会社〕は税率ゼロを適用する立派な課税企業(免税企業)だ。OECDのタックスヘイブンいじめが始まって、皆タックスヘイブンからオンショアーへ避難してきたっていうから面白い 。
ニュージーランドオフショアトラストという国内会社は評判のいい、比較的税率が高い国の投資家から出資を受けて国内に設置するもので、その出資者の国との租税条約で免税とされている 。
「WHERE?」
ニュージランドは南太平洋の主権国だよな、政治的に安定してるし、経済状態もいい。独立国で法治制度もしっかりしている 。

「WHAT?」
ニュージーランド“オフショア”ってのは誤記なんだよ。正しくは“ニュージーランド外国信託会社”で、ニュージランド籍の信託なのさ。この信託に通常はニュージーランダーの出資を仰ぐ。通常はニュージーランド居住者の信託財産をあづかっている 。
ニュージランドは信託課税には独自の政策で臨んでいる。信託投資家(名義人、受益者が外人か国内居住者かって観点で区別しない。信託設置人(受託会社)がニュージーランド国内であれば課税法人になる。この点が狙われる要因なのだ 。
1988年以来、ニュージーランオフショア信託がニュージーランドのセトラー(信託設定者)がニュージーランドの居住者でなくても、たいてい、ニュージーランド居住者の信託であるためニュージーランドの信託としたのさ 。
「HOW?」
「Taxation Treatment」税金の取り扱い
ニュージーランドオフショア信託はニュージーランドの税法に依拠しない。ニュージーランド国外源泉所得である限りはね。ただし、国外源泉であっても信託した居住者は申告するよ。受益者も居住者であれば申告を要す・・・ってなもんだ 。
受益者はもっと面白いヨ。信託の受益者がニュージーランド非居住者の場合は、ニュージーランド国内源泉所得だけが課税だよな。でもニュージーランド国内で発生したキャピタルゲインは非課税だ 。→わかれなければ、ジュンキサラギの「外国法人」の税務をよんだらいい。ちょっと高いが読むだけの価値があるヨ。国外所得も全キャピタルゲインも源泉税フリーで送金できる。信託財産ベースで被信託者(信託をした者)、受益者(信託の利益を享受する者として指定された人)は税金がゼロ、ゼロなんだ。
ニュージーランド国内所得はニュージーランド税法が適用されるけれど、トラスティ(被信託者)は課税されない。トラスティの居住判定が居住者、非居住者にかかわらずだ。だが、ニュージーランド非居住者のセトラー(信託設置者)は課税される。たとえば、クック・オフショアーの国際信託会社は、ニュージーランドの非居住者なので、ニュージーランドでは課税なのさ。ニュージーランダーはセトラー(信託設置者あるいは受託者)であっても、信託のトラスティ(被信託者)かベニフィッシャリィ(受益者)とみなされ、セトラーとしての課税もない 。→被信託者の納税義務を代理履行する日本の信託制度「法人信託課税」みたいな制度がないことを云ってるらしい。
ニュージーランの法律で設立設置した信託会社(ニュージーンランド法を根拠として設立した「国内営業」を主体とするプロパーな信託会社をいう)はこうはいかない(ニュージーランドオフショア信託のようではない)。セトラー・トラスティ・ベニフィシャリィとも含めて居住者扱いとなる 。→全世界所得課税・キャピタルゲイン非課税。
一方、ニュージーランド・オフシャア信託はこの地場信託に比べると“外国の信託”なので、特に外国法人課税税制のルール(たとえば、ニュージーランド国外所得には課税しないなどの条項)に従わない。→多分だが、ニュージーランド税制上のオフショア信託(セトラー・トラスティ・ベニフィシャリィ)は、内国法人とみなされ、全世界所得課税の対象であるのに外国法人のように国内所得のみ課税扱いで国外所得は免税なのだ ・・・と思う 。
「Tax Treaties」 
租税条約はどうなってるの?ニュージーランドは租税条約のネットワークを持ってるよね、日本ばかりじゃなく、アメリカ、カナダ、「おっと忘れていた」兄貴のオーストラリアも
また、シンガポール、イタリア、フランス、英国、最近はフィンランドなんかも
オフショア信託がニュージーランド居住者扱いされるということは面白いことになるんだ。租税条約の相手国として、他の国で組成しているとしてもニュージーランド居住者扱いを受けることになる 。→通常は、その国の居住者法人かどうかはその国の「定義」によるのでニュージーランドのオフショア信託は、クックにあってもニュージーランド信託として租税条約の恩恵を受けることができる・・・らしい。そして面白いことにニュージーランド税法上は外国法人課税の税制下に置かれる→この辺は厳密に確かめたわけではないので財務省国際租税課に聞いてくれたまえ。「電話してくれないか?」いい加減にしろヨ。

 NZの信託契約はこの辺のところを念頭において契約される。租税条約相手国から配当された場合は、租税条約の優遇措置を受ける(たとえば、源泉税率の逓減、PEなしの事業所得の相手国での免税措置など)→「むずかしいって?」ごもっとも、この辺は日本でも高等技術であるので、読者レベルでは必ずしも理解できなくても頭が悪いなという評価にはならないので安心していいよ。「そういう問題じゃない」という方は、繰り返しで恐縮だが拙著「外国法人の税務」の理解がいる 。
「WHAT ADVANTAGES?」
次のとおり 。
? ニュージーランド外所得の免税
?ニュージーランド国内所得 は税制上の不利益を受けない 。
?受取人が居住者の場合、トラスティ・ベニフィシャリィレベルでキャピタルゲイン課税はない 。
?ニュージーランドは政治的、経済的に安定。
?ニュージーランド信託法は平衡法・コモンローの解釈の下にあるが、近代的な裁判制度が採用される 。
?ニュージーランドの職業専門家、官僚制度はすばらしい!→必ずしも賛成ではないがね。→『ワインボックス殺人事件』
?そういう信託制度ならタックスヘイブン信託より増しだろう 。→ま~そうとも・・・
?
?それがこの信託のポイントなんだよ !→「・・・・」
?租税条約の利用価値も膨らむだろう 。→「?!・・・・・」
?保管管理型信託や信託委託業、あるいはノンーニュージーランド信託との共同信託などの枠を広げることにもつながるだろう →筆者も理解できない。そんなものはどんなものなのか。
「FOR WHOM?」
だれのためにそれはあるのか-決まってる。金持ちのためだ。いろんな場面に使えるじゃないか。ゼロ・タックス・プラニング用の拠点をタックスヘイブンにつくるとかさ
特にキャピタルゲイン税がニュージーランドにないんだからその信託だって課税にならないだろう 。
資産目減り保護の観点からは法制が発達して整っているニュージーランド、多くの国と租税条約を結んでいるニュージーランド、素晴らしいニュージーランド♪♪
ニュージーランド移住前にアメリカ、カナダ、オーストラリアなどで信託契約をしてしまう。その後ニュージーランドの居住者になる。彼女はベニフィッシャリィだ。オフショア信託のベニフィッシャリィだ -
「WHAT ELSE?」
オフショア信託は商売上のトラストにも使える 。
あるニュージーランド企業は、企業をまるごと信託に出すとする。→自己信託型。その企業信託はオフショア信託だから国外所得やキャピタルゲインは課税されない!租税条約は適用される。いいことづくめ。→日本ではこの方法を「事業信託」といって、通常の法人税課税が行われるのでちっとも面白くないヨ。→なお、日本の事業信託が新しい別個の企業として租税条約が適用されるのかについては明らかでない 。ニュージーランド企業は私企業でも信託会社になって、信託者(トラスティ/ィベニフィッシャリィ)から信託を受けることが可能だし、それをまた、他の信託に信託し、トラスティになるのも可能だ。→裁判所の裁判の国際私法適用(ジュリスデクション)でそういう判決がでているらしい。勿論未確認です。
「WHY NOT?」
国々でそれぞれ裁判管轄、解釈が違うじゃないか。ニュージーランドのそれはループホールをふさぐように作用することがあるってことさ。→私の理解では、国際私法は、裁判の場合の双方のコンフリクトを整理するための片方サイドの裁判ルールであって、双方に共通のルールっていうことではありません。ニュージーランド当局が課税したいがため、ループホールを国際私法上のルールを勝手に解釈して作用させるということで解決する危険性は、ニュージーランドでなくてもどの国でも起こり得ます。
注目すべきことにニュージーランドはオフショア信託がループホールだとは考えていないと云うことです。信託税制をループホールを塞ぐため国内税制のリーガルポジション(法的見解)を変えようとはしていない・・・のです。→日本は法人信託税制の導入により、今まで信託は被信託者の財産でただ、あづけているだけなので、信託財産単体での納税という考え方を変更して、財産単体を信託を受けた人が(内国法人として)確定申告をする必要に迫られている。ただし、その信託セトラーが日本に営業所を持っていない場合だけ、外国法人として扱われる 。→ちょっと無理でしょうか?
  ニュージーランド破産法を念頭において、債務者(信託財産を引き受けた人)じゃなく債権者(信託財産を信託した人)の方に有利に働くことも考慮されるべきです。ですが、たとえば、クック諸島での共同トラスとの形成についてはクック信託資産の持株会社をサモア国際事業会社などに設置するなどの注意深い共同トラストを形成すべきことは勿論です。→何が勿論なのか理解できません。つまりこういうことでしょうか?→クックにトラストを作り財産を入れる。→その信託ファンドの持ち主をサモア何とか会社にする。→ニュージーランド等の本当の財産保有者へ利益を分配する。→こういう多段階を踏まないとニュージーランドじゃ課税になる?→やっぱり理解できないな 。
「NZ Source Rulesニュージーランド国内源泉ルール」
ニュージーランド居住者信託に関して若干の通達が出されている。-その例、租税条約の情報交換条項は限定的適用→朗報ですね。

 租税回避嗜好者にとっては・・。夫婦共有の財産を別居を条件に分離して管理するような管理の仕方や、少なくともその資産の在り方を機密扱いにし全面的に秘密を保持することなど
「SO WHAT?」
このようにニュージーランドオフショア信託はタックスプランに有効ですが、また、ニュージーランドに移住した人、あるいはこれから移住したという人たちに信託財産の管理設定にも考慮がいるということだろうね。
「一体、幾らでニュージーランドへ移住できるんだい」

 シンガポールでさえ、移住費(現地の国債を買う)は1億円を超える(中国人の場合)そうだ 。
なお、以上の内容を信じて行動しても私は全く責任を負いませんのであしからず 。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿