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企業再生請負人/技術戦略コンサルタント、田中 純の「経営・技術戦略実践講座」

イノベーションによる企業再生、経営・技術戦略、ドラッカー理論を一緒に考えていきましょう!

◆戦略は、号令だけでは実体化しない。武器や道具を作り組織を一体化せよ 【三枝 匡】

2010年09月21日 | 気になるひとこと&フレーズ
    ※一体となった推進体制を同時に作るのが、実務における戦略や改革の必須成功条件である...




◆気になるひとこと◆

---「頑張れ」の号令だけでは戦略は実体化しない。「武器」や「道具」を作り、組織の各レベルをつながなければならない---

                              ~三枝 匡 『V字回復の経営~2年で会社を変えられますか』



◆コメント◆

 かつて、ボストン・コンサルティング・グループの経営コンサルタント、事業再生プロフェッショナルとして名をはせた、現ミスミ会長の三枝匡(さえぐさただし)氏の言葉です。

戦略の具現化を生業とする私自身の経験に照らし合わせてみても、これは必須事項であると断言できます。

この類の戦略の失敗は、派手さに欠けるため、あまり表面化しません。しかし、実は、新戦略や組織改革の実現に失敗して破たんに至った会社をよく調べてみると、やはり上層部が、単に戦略を発布するにとどまり、「あとは、各部門・部署で“自主的に”で推進しなさい」といった姿勢に終始した結果、尻すぼみになって失敗に至ってしまったケースが少なくないのです。

 このような丸投げの姿勢は、大きく2つの問題を抱えてしまいます。

まず、モニタリングが徹底されなくなります。何故ならば、「今までやったことのない取り組み」に対して、改革前の(経験値や記憶に依存した)習慣やシステムを通して活動の進捗や成果をウォッチングすることになってしまう。

ゆえに、モニタリングの質や頻度、改善点に対する指導力が次第に弱くなり、最後は、なあなあになってしまうのです。


次に、「戦略の進化」がなされないという問題が出てきます。現代のタービュラントな経営環境下においては、「戦略は変化・進化するもの」という前提で、常に戦略に修正をかけ、戦略自体のイノベーションをはかりながらダイナミックに推進していかなければなりません。

そのためには、トップから戦略本部、ミドル、現場の末端まで、各層がそれぞれの役割を的確に遂行しているか、適切な結果は得られているかを測定するための、新しい戦略思想に基づいて最適化された、統一的な情報共有のしくみや評価システムが不可欠です。

たとえば、第一線で働く営業スタッフなどにも、新しい戦略思想が細部にまで反映された最新鋭のツール(新しい営業活動モデル、顧客診断ツール、顧客経済メリットの算定シート、再設計された営業日報・訪問管理表など)を付与し、あわせて徹底したトレーニングを行う、といったところまでこだわらなければなりません。


 経営学や戦略論においては、当初戦略の策定手法や分析フレームワークなどに関心が集まりがちです。しかし実務の世界においては、むしろシンプルかつ的を射た戦略を策定したうえで、ミドルから現場の日々の活動までをしっかりと管理し、いかに戦略を進化させながら(事業活動を高度化させながら)前進できるかが勝負の分かれ目となるのです。



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