脱原発・放射能

利権によって動かない組織、我々の力で変えて行こう

原発の危険性を訴えたら、電力会社の人間に監視・尾行された

2011-07-31 21:40:50 | 原発・放射能

原発の危険性を訴えたら、電力会社の人間に監視・尾行された

ずっと助手のまま
 立命館大学特命教授の安斎育郎氏は、原発ムラのエリートコースである東大大学院工学系研究科の博士課程を修了した後、反原発の立場で東大医学部に残ったが、助手のまま17年間を過ごした経歴を持つ。安斎氏の証言。

「原発推進派と批判派の溝は深いと思います。原発に批判的な発言をする反体制派だと見なされると、学内でも様々なアカデミックハラスメントを受けた。講演に行けば、電力会社の人間が尾行につく。同じ電車に乗ってくるし、だいたいいつも同じ人間だからわかるんです。講演内容を録音して、私の主任教授などに届ける係の人までいましたから。そうなると研究室でも安斎とは口を利くなということになる。京大の小出さんや今中さんたちのグループも同じような経験をしているはずです。

 僕は電力会社から留学を勧められたこともありました。『3年間アメリカに行ってくれ。全部おカネは出すから』って。それほど目障りだったんでしょう。さすがに命の危険を感じることはなかったけれど、反原発で生きていくというのは、そういうことなんです」

 

迫害され続けた京都大学の原発研究者(熊取6人組)たち 危険性を訴えたら、監視・尾行された {経済の死角 現代ビジネス [講談社]}
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2462

 


1日あたり153兆ベクレルを放出していた 4月5日時点 政府情報隠し

2011-07-31 20:27:07 | 原発・放射能

<政府情報隠し>

1日あたり153兆ベクレルを放出していた 4月5日時点

【IWJスクープ】
岩上安身連続ツイート @iwakamiyasumi

◆今日、私が福島みずほさんにインタビューしたあと、羽田空港へ向かっている時刻に、川内議員、辻議員らが主催する東日本大震災の勉強会が、院内で開かれ ていた。取材していたのは、ウチの中継カメラだけ。他の記者やカメラマンは一人もいなかった。ところが、ここで爆弾発言が。

◆勉強会に出席していた鳩山前首相が、原子力安全委員会の小原規制課長に放射能が実際にどれだけ放出されているか質問。それに対して、小原課長、「一日あたり、100兆べクレル」 と、ぽろり。そんなに多いとは、誰も聞いてないぞと、一時騒然。

◆ これまでの発表では、一時間あたり1テラベクレル、即ち1兆べクレル。一日では24兆べクレル。実際には、その数倍の放出量だというのだ。この勉強会のあ とに、小原課長が伝えた正確な数値は、ヨウ素131が、一時間あたり6990億べクレル。一日あたりでは16兆7760億べクレル。

◆セシウム137は、一時間あたり1430億べクレル。一日あたりは3兆4320億べクレル。セシウムはヨウ素に換算すると40倍なので、一日あたりは137兆2700億べクレル。合計すると、153兆7120奥べクレル。これは4月5日時点での大気中への推定放出率。

◆ さらにこの日は、他の議員から、「福島第一原子力発電所の所長は、なぜ、東京勤務なのか、3月11日の震災当日、東京にいたのか。事故直後には、非常用電 源が一つ動いていたから、これを使えば現在のような状態にならなかったはずだ」 という暴露発言も出た。これに対し、保安院職員らは沈黙。

◆本当かどうか、チャンネル5の録画を見てもらえばわかる。さらにこのあと、正確な数値を安全委の小原規制課長は、出している。RT @purakin @iwakamiyasumiさんが凄いツイしてる。これが本当だったら避難区域は今のままでいいのか?
cf.
http://www.ustream.tv/recorded/14168194


★転送・転載の際は、この記事のURL
http://insidejobjp.blogspot.com/2011/04/100.html
を必ず入れてください。

一人でも多くの人々に読んでもらうため、
これを読んだあなたも周りの人々に知らせてくださいね。  

 

http://www.asyura.com/11/genpatu9/msg/695.html


放射能を取り込まない、取り込んでも排出しやすい体を作る食べ物

2011-07-30 23:16:38 | 原発・放射能

放射能から体を守る食べ物

放射能を取り込まない、取り込んでも排出しやすい体を作るという食べ物について調べてまとめました。

目次

放射能から体を守るには、口に入れないのが一番ですが、完全に口に入れずに生きるのは残念ながら難しそうです。それに、私もそうですが、すでに食べてしまった覚えが相当ある方もいらっしゃると思います。くよくよして免疫力を下げるよりは、食べてしまったものは仕方ないと開き直って、取り込んだ悪いものを排出しやすい体づくりをするのがよいようです。

また、放射能に汚染された食べ物を食べないように気をつけすぎていると栄養のバランスが偏って、結果放射能を蓄積しやすい体になってしまうそうです。体が勘違いして取り込みやすい放射性物質とその性質を知って、もし口に入ってしまっても体に吸収されないように予防することも大事です。

大雑把にまとめると、

  • 放射性セシウムとストロンチウムを吸収しないためにカリウム、カルシウムを多く摂る
  • 体内に入ってしまった放射性物質を早く排出するために、ペクチン、水溶性食物繊維、酵素を多く摂る
  • 何かの栄養素を一度にたくさん摂るよりは、日々のバランスの良い食事と適度な休息で体調を万全にしておく

が大事なことのようです。(※すべて汚染されていない食品が前提です。買い物の時気をつけること(放射能を家に持ち帰らない)放射能を減らす食品下処理法もあわせてご覧ください)

さて、体が勘違いして取り込みやすいのは

  • 放射性ヨウ素→ふつうのヨウ素
  • 放射性セシウム→カリウム
  • ストロンチウム→カルシウム

です。体に取り込まれる前に先回りして、これらのミネラル類で体を満たしておくことが大事です。

また、体に蓄積する主な放射性物質は主に以下のようになっています。半減期が長くても、体内から早く汗や排泄物として代謝できると、影響は少なくて済みます。

  • 皮膚
    クリプトン85(物理学的半減期約11年)
  • 甲状腺
    ヨウ素131(物理学的半減期約8日。8割が取り込まれずにすぐ排出される。甲状腺での生物学的半減期は約120日。その他の臓器で約12日)

  • プルトニウム239(物理学的半減期約 24,000年)
  • 肝臓
    コバルト60(物理学的半減期約 5年)
    セリウム144(物理学的半減期約 284日)
  • 腎臓
    ウラン(物理学的半減期を迎える前に寿命) 
    ルテニウム106(物理学的半減期約1年)
  • 生殖器
    セシウム137(物理学的半減期約30年、約70日で代謝?)
    プルトニウム239(半減期24,000年)
  • 筋肉
    セシウム137(物理学的半減期約30年、約70日で代謝。チェルノブイリの追跡調査では被爆後筋肉の癌が増えたという報告はない)

  • ストロンチウム90(物理学的半減期約29年。生物学的半減期約49.3年。摂取量の1〜2.5割が骨に移行)
    ジルコニウム(物理学的半減期約64日)
    プルトニウム(物理学的半減期約を迎える前に寿命)
    ラジウム226(物理学的半減期約1,620年)
    炭素14(物理学的半減期約5,600年)

私が今回「買い物の時気をつけること」、「放射能を減らす食品下処理法」、「放射能から体を守る食べ物」としてまとめた記事は、主にネットや本、時々電話による問い合わせによる情報からまとめられたものです。
ソースが怪しい、科学的根拠が薄い、と感じられる方も多いと思います。私もできるだけ精度の高い情報を集めたいし、これからも情報を集め続けるつもりです。が、それ以前に、じゃあソースや科学的根拠がはっきりするまで何もしないのか?というとそうじゃないですよね。できるだけ危険リスクを減らして暮らしたいというのは、生き物として当然の欲求だし、守るべき家族があれば、できることはなんでもやっておきたいというのが素直で切実な感情だと思います。

科学者というものについて考えてみると、彼らは既知の情報から断言できることをまずは言い、希望や安易な予測は言わないという訓練を受けた人たちです。放射光関連の物理学者の知人たちに時々意見を求めて話をしますが、そのことを強く感じます。物理学者はメディアへの露出が多いですが、物理学者は放射性物質が人体に及ぼす影響の専門家ではないです。さらによく考えてみればこれまでの世の中は幸いにも放射性物質がばらまかれた時の行動として、これは常識、というのは確立されていませんでした。そして、福島の原発事故は、これまでにない規模の事故だということは、多くが認めるところです。

私たちに個の生命体として与えられた時間は短いです。はっきりしたことを科学者たちが断言するのを待っていられないというせっかちな気持ちは、やはり生活の中の工夫にぶつけるのがよさそうです。

最後に紹介している武田先生の動画でも言われているように、民間療法の世界にどんどん近づいていきます。でも、近代医療に比べて民間療法がすべて間違っていたということって、思い返してみるとあまりないです。「民間療法は科学的にも正しかった」型の話はよく聴きます。近代医療が発展をはじめたのはつい最近のこと。伝統医療は人間の体について長い間注意深く観察し、身近なもので何とかするための知恵を蓄積してきたもの。そして、放射性物質被害はここ数十年の間に始まったこと。どっちが正しいなんてことは、今の時点ではわからないです。そもそも対立させて考えることでもないです。双方の知恵を寄せ集めて、自分がどうしたら満足か、安心するか、それに尽きるのではないでしょうか。

近いうちに実際の献立やレシピ、あと掃除や洗濯のこともまとめる予定です。(まとめました→放射能を身の回りから減らす掃除について放射能と衣類、洗濯、お風呂など

特に参考にしているサイトを最後に載せています。併せてご覧ください。

※この記事は今後も加筆修正していきます。間違いや他に参照するべきというものがあれば@metok(twitter)までお知らせください。また、下処理買い物の際の注意もまとめていますので、あわせてご覧ください

全般

  • どの食品も、注意深く選んで買い下準備しておく
  • 高カリウム、高カルシウム、高ペクチン食がいい
  • ストレスを減らす、規則正しく暮らすなどして免疫力が下がるようなことをしない
  • 酵素が大事。
    放射性物質を取り込む→放射光を出す→放射光が細胞やDNAを傷つける→細胞が癌化する→酵素があれば癌細胞を修復する ので。
  • 便秘に気をつける。体によいものを摂っても腸にずっと老廃物が溜まっていればそこで放射線を出し続ける。腸を整えて、老廃物の体内滞在時間を減らす。乳酸菌、食物繊維、発酵食品を多く摂る。

ヨウ素

  • 放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれるのを防ぐため摂取する
  • 大人の体に25mg存在し、乾燥昆布に含まれるヨウ素は2〜4mg/gと言われる
  • 成人の一日の必要量は0.15mg。許容限度量は3mg。
  • 過剰に摂取すると、甲状腺機能障害になる。顔のほてり、頻脈、多汗多飲など。そのため、ヨウ素剤の服用は注意深く行うこと。
  • うがい薬やヨードチンキ、イソジンには他の薬剤やアルコールが多く含まれるため、飲むとかえって消化器官を荒らす。消化器官が荒れると放射能が入りやすくなる。
  • 昆布やわかめ、魚、塩、味噌などに多く含まれる
  • 汚染されていないものが前提。下処理買い物の際の注意も参照

カリウム

  • 放射性セシウムが体内に取り込まれるのを防ぐため摂取する
  • 人の体内には4000Bqの放射性カリウムがある。カリウムの多い食品には放射性カリウムも多いが、体内のカリウム量は大きく変化しないように代謝で調整されるので、食品の放射性カリウムは特に気にせず食べればよい
  • 子どもは大人よりずっと早く放射性セシウムを排出できる
  • 調理によって失われやすい。煮物の場合約30%失われる。
  • 塩を摂り過ぎるとナトリウムと一緒に排出されてしまう
  • コーヒー、酒、甘いものもカリウムを減少させる
  • 腎臓機能が低下している人は過剰に摂取すると高カリウム血症を引き起こす場合がある
  • パセリ、豆味噌、こんぶ、バナナ、メロン、アボカド、ホウレンソウ、ザーサイ、納豆、きゅうりのぬか漬け、里芋、モロヘイヤ、にんにく、にら、しそ、あゆ、さつまいも、大豆、あずき、魚類、肉類、ベーキングパウダー、ひじき、インスタントコーヒー、切り干し大根 など に多く含まれる
  • カリウムは空腹時に一番体に取り入れられる
  • 汚染されていないものが前提。下処理買い物の際の注意も参照

カルシウム

  • ストロンチウムが体内に取り込まれるのを防ぐため摂取する。
  • 良質なタンパク質を摂取すると、カルシウムの吸収率を高める。また、ビタミンDを多く摂るとカルシウムの吸収が高まる(汚染されている食品を摂取している場合はストロンチウムも吸収されやすくなる)
  • 過剰に摂取すると有害。1日1000mg程度がよい。
  • 女性は出産時、更年期にカルシウム不足になりがちなので、これらの時期は多めに摂取する
  • 桜えび、チーズ、しらす干し、油揚げ、しそ、大根の葉、豆味噌、ごま、あゆ、パセリ、モロヘイヤ、牛乳、小魚、海藻、大豆 など に多く含まれる
  • 汚染されていないものが前提。下処理買い物の際の注意も参照

水溶性食物繊維

  • 水溶性食物繊維は重金属イオンを吸着するので、セシウム等の排出を促進する。
  • ペクチン、アルギン酸、グアーガム、グルコマンナンなど
  • エシャロット、かんぴょう、抹茶(粉)、にんにく、ごぼう、納豆、レモン、カレー粉、ピュアココア、唐辛子、切干大根、海藻のヌルヌルした部分 など に多く含まれる
  • 汚染されていないものが前提。下処理買い物の際の注意も参照

ペクチン

  • 放射性物質を排出する作用がある
  • 水溶性食物繊維の一種。腸内の乳酸菌を増やし、有害物質の排出を促す
  • ペクチンは放射性物質以外のビタミンやミネラルも排出する作用があるので注意。サプリメントで摂取する場合は、マルチビタミンやマルチミネラルと併用する。またペクチンは薬効を減らすこともある。下痢を起こすこともある
  • ペクチン剤を飲む場合は1日3〜4gまで。再摂取する場合は1ヶ月以上の期間をあけてから飲む
  • りんごペクチンがセシウム137の排出を促す
  • あまり熟していないりんご、すもも、いちご、さくらんぼ、レモン、オレンジ、柑橘類の皮、にんじん、パプリカ、なすび、西洋かぼちゃ、あんず、スイカ、グリーンピースなどに多く含まれる。ジャムにできる果物はすべてペクチンが入っている
  • 各食品の可食部分(皮や種を取り除いた部分)100gあたりに含まれるペクチンの量
    グリーンピース 2.5g、パプリカ 0.6g、じゃがいも 0.5g、なすび 0.4g
    りんご 1.2g、すもも 0.9g、桃 0.7g、オレンジ 0.6g、ぶどう 0.6g(詳細はベラルーシの部屋ブログを参照)
  • りんごペクチンはチェルノブイリの子どもに処方されている
  • 生で食べてもよいが、さらに吸収のよいりんごペクチンの作り方
    1 りんごを小さなサイコロ状に刻む
    2 少量の水を入れた鍋で潰れるくらい柔らかく煮る
    3 ジャム状になったら茶こしでこして、下に落ちてくる液体がペクチン
  • 皮ごと焼きリンゴにしても吸収されやすい 
  • 汚染されていないものが前提。下処理買い物の際の注意も参照

ビタミン類

  • 放射線障害の前に摂っておくことが大事らしいが、ビタミンの錆びやすさ(電離のしやすさ)で、細胞やDNAの身代わりになってくれる(防衛医科大の実験では放射性物質の投与ではなく放射線の照射が行われているようです。今私たちが相手にしているのは放射性物質で、一時的な放射線の照射とは性質が異なります。放射性物質は常に放射線を出しているので、どんなタイミングでもビタミンを摂取しておくとより安心そうです)
  • 食材を放射能を減らすやり方で処理した場合は、カリウムやビタミンB群などの水溶性の栄養素も失われるので、それを補う。
  • 水溶性ビタミンのビタミンB1はインスタントラーメン、青のり(乾)、豚ヒレ肉、大豆(乾) など、ビタミンB2はドライイースト、レバー、うなぎ など、ビタミンB6はにんにく、酒粕、とうがらし などに含まれる。
  • 汚染されていないものが前提。下処理買い物の際の注意も参照

鉄分補給

  • 体内の鉄分が不足しているとプルトニウムが蓄積されやすくなる。プルトニウム消化器官からは吸収されない。呼吸器官から吸収・蓄積されると肺がんの原因になる。プルトニウムは30kmは飛ばないらしい。原発から30km以上離れたところに住んでいるひとは、それほど気にしなくてもいいらしい。
  • 青のり(乾)、ひじき(乾)、きくらげ(乾)、レバー、パセリ、豆味噌、しじみ、抹茶、ピュアココア などに含まれる。
  • 汚染されていないものが前提。下処理買い物の際の注意も参照

酵素

  • 放射能の影響で傷つけられ癌化する細胞やDNAを修復する効果がある。放射能が身近に(あるいは体内に)あると、体は修復のためにどんどん酵素を消費するので、どんどん補ってやる必要がある。
  • 酵素は生の食品、果物(特にパパイヤ、パイナップル、いちご、キウイなどに多い)や野菜(特に発芽野菜に多い)、玄米、発酵食品(ぬか漬け、納豆、味噌など。味噌については下の味噌の項目参照)に多く含まれる
  • 野菜や果物のジュースは絞って15〜25分以内に飲まないと酵素が失われる
  • 熱で効果は失われる。50〜70℃が限界。食品によって酵素が活性化する温度はちがう。酵素が活性化する至適温度の目安は、動物の酵素:35〜50℃、植物の酵素:40〜60℃、好熱姓細菌:80〜100℃。
  • 激しいスポーツは酵素を浪費する。疲労を感じたら体を休め、体力の温存と回復につとめる
  • 肉は消化される際酵素を大量に必要とするので控えめにする
  • 体温が低いと体内酵素の働きは急激に低下する
  • 果物は食前か食間(食事と食事の間)に食べるのが効果的

乳酸菌

  • 腸を整えるために摂る
  • 体によいものを摂っても腸にずっと老廃物が溜まっていればそこで放射線を出し続ける。腸を整えて、老廃物の体内滞在時間を減らす。乳酸菌に限らず、食物繊維や他の発酵食品も多く摂る
  • ヨーグルト、甘酒、漬物などに豊富
  • 牛乳の安全性が不透明なので、ヨーグルトは絶対安心だと思える牛乳とヨーグルトで自作するか、豆乳のものがより安心。市販のヨーグルトを食べるときは、乳清をしっかり水切りしてから食べる(牛乳に含まれている放射性物質の90%以上が乳清に移行する)

具体的な食品について
あちこちでいいとされている玄米、塩、味噌について、また、他の栄養豊富な食品や、避けるべき食品について。

玄米

  • 発芽させてから炊くと、消化しやすくなる
  • 胚芽の部分に農薬を貯めやすいので、無農薬有機栽培のものを選ぶとよい
  • 手に入らなければ、玄米を水に浸すとき昆布を1切れ一緒に入れておくと農薬の害が軽減されるらしい
  • 酵素、食物繊維(不水溶性が2.3g/100g、水溶性が0.7g/100g)が豊富
  • 今年収穫分からは、ストロンチウム、セシウムは穀類の籾、玄米の胚芽に多くつくため産地に注意して選ぶ。精米すると多くは除去できる(→放射能を減らす食品下処理法 も参照)

  • 天然塩でミネラル補給
  • 放射能によって奪われた細胞の電子を補う作用がある
  • 摂り過ぎるとカリウムの排出を促してしまう

味噌

  • 特に豆味噌がよい
  • 発酵させた味噌の大豆タンパクの消化吸収率は高い
  • カルシウムカリウムヨウ素ともに豊富
  • 酵母菌が生きている味噌を買うこと
  • 味噌の酵素は20℃以上で活性化し、48℃以上で死にはじめる
  • 大豆はセシウムを吸収しやすいため(一説にはりんごを1とした場合、160倍)注意が必要

乾物

  • 乾物は生の状態に比べ、ミネラルやビタミン類の栄養のほか、うまみも濃縮されている
  • 100gあたりのミネラル含有量が多いのは、乾燥して水分が抜けてかさが減っているため。たとえばかんぴょうなどの乾物だけを100gなどの量を摂るのは難しいので、日常の食事に少しずつ上手に取り入れる
  • 干しぜんまい、干しわらびなどもミネラル豊富だが、より一般的な乾物についてのみ紹介する
  • 切干大根:100gあたり3200mgのカリウム、540mgのカルシウム(牛乳の約5倍)などが含まれている。葉酸やナイアシンなどのビタミン類も豊富
  • かんぴょう:100gあたり1800mgのカリウム、250mgのカルシウム(牛乳の倍以上)などが含まれている。葉酸も豊富
  • 高野豆腐:100gあたり660mgのカルシウムが含まれている。高野豆腐1枚(約20g)に含まれているカルシウムは129mg。これは絹ごし豆腐1丁(300g)、牛乳100gに匹敵する。また、植物性タンパク質も豊富で日持ちするため、いざという時の避難袋に入れる食料としてもおすすめ
  • 干し椎茸:100gあたり2100mgのカリウムなどのほか、ビタミンDも豊富。市販の干し椎茸は機械乾燥のものがほとんど。使う前に天日にしばらく当てることで、ビタミンDが増える。きのこ類は放射性物質を吸収しやすいので、購入の際は産地に注意する

精製されていない砂糖

  • 精製されていない砂糖やはちみつにはミネラルが多く含まれている
  • 精製されていない糖類の比較
    黒糖:100gあたり1100mgのカリウム、240mgのカルシウム(牛乳の倍以上)、4.7mgのなどが含まれている
    きび砂糖:100gあたり140mgのカリウムなどが含まれている
    和三盆糖:100gあたり140mgのカリウム、27mgのカルシウムなどが含まれている
    はちみつ:100gあたり14mgのカリウムやその他のミネラル、ビタミン類、熱処理されていないものには酵素が含まれている
    メープルシロップ:100gあたり230mgのカリウム、75mgのカルシウムなどが含まれている

避けるべき食べ物

  • 精製された砂糖、添加物、農薬
  • 肉、牛乳、卵、乳製品、揚げ物は消化酵素が大量に必要なので、控えめにする。多くとると胃腸に負担になる。

その他

  • 食べ物の陰陽を意識して食べる。放射性物質は極陰性と分類される。バランスをとるために陽性の食品を摂る。豆味噌は陽性。 → 参考:食べ物の陰陽(食べ物の陰陽分類は古くから培われてきた知恵です。ただ、最近登場した放射性物質が極陰性に分類されている根拠について調べたところ、反論記事を見つけましたのであわせてどうぞ)
  • 液体ゼオライト(沸石を含む液体飲料)の飲用 → チェルノブイリ事故の際使われたという話の真偽は不明。薬事法違反による逮捕者あり(このことが、効果がまったくないと言い切る根拠にはなりませんが。飲む人の考えや判断によると思います。)
  • マイタケエキス。どちらかというとがん対策で使われてきた。開発者である神戸薬科大の難波教授が開発した製品を取り扱う会社は少ない。
  • にんじんジュース。どちらかというとがん対策で使われてきた。にんじんに含まれているβカロチンが抗癌作用と免疫力強化の働き。自分で作るのがよいらしい。生のにんじんに含まれている酵素がビタミンCを失活させるので、レモンと一緒に絞るなどしてビタミンCを補うとよい。
  • ラディオガルダーゼ。放射性セシウムの生物学的半減期を大幅に短縮。主な副作用は低カリウム血症。家畜にも使える。
  • クロレラ、スピルリナ。チェルノブイリ事故の際に放射線障害を軽減するためにつかわれた。
  • アルギン酸。海藻に含まれる多糖類。食物繊維の一種。海藻のヌルヌルした部分に含まれる。放射性ストロンチウムと結びやすい性質がある。ストロンチウムの体外排出を助ける。株式会社キミカという企業がサプリメントを開発。07/01からネット販売が始まる。
  • ケフィア。発酵乳飲料。NKGケフィア粉末に放射線防御作用が期待される。
  • 活性炭:水中の放射性物質を吸着する効果あり。
  • プルシアンブルー。青色顔料。体内の放射性セシウムの排出を促す。成人に効果が大きい。副作用あり。高い内部被曝をした際に有効。医師の処方が必要。

休息と気の持ちよう

  • 徹夜をしたり、体を酷使したり、ストレスが多い生活をしていると、免疫力が低下して、放射能の影響を受けやすくなるようです。疲れを感じたらよく寝てよく休むことが大事です。
  • 普段から言われているように、病は気から。放射能が放射能がと思い詰め過ぎると、それはそれで免疫力を下げて、放射性物質を取り込みやすい体になってしまうそうです。残された道は、強く明るく生きていくことだけのようですね。

 

転載元:http://metok.org/post/6882357484


行政は定められた処分法を一切せず、家畜を腐敗化(南相馬市の酪農家から悲惨な叫び)

2011-07-30 22:49:24 | 原発・放射能

http://blog.livedoor.jp/ukedo311/archives/3595942.html

是非、真実を伝えて欲しいとの事で
今回、南相馬市小高区摩辰の酪農家の方からの
情報を掲載させてもらいます。

浪江の情報ではないのですが、
南相馬なので掲載させてもらことにしました。

まず以下の写真は南相馬市小高区摩辰のある酪農家の
牛舎の写真です。

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連日ニュース等で報道されている20km圏内は立ち入り禁止地域に
指定されている南相馬市小高区。

圏内の住民は退避指示で人は住んでいません。
残してきた家畜や馬、ペットが気がかりで一時帰宅された方は
今日までたくさんいらっしゃいます。

ここで酪農を営んでいた方は行政から
殺処分をしたからこの書類にサインをしてほしいと迫られました。

酪農家の方は行政からその話をされたあと一時帰宅された。

そして自宅牛舎へ行くと 散在したままの
自宅牛舎が残されていたそうです。

行政による殺処分法は 死んだ家畜に石灰を撒き ブルーシートを被せる です。



それが この状態。

これがそれをやったと言えるのか? 

崩れ落ちた尾てい骨が朽ち果て 
腐敗した肉塊は黒く液状化し、激しい腐臭を漂わせ、白骨化した背骨が佇んでいる。

行政は定められた処分法を一切することなくこれを放置。



それをあとから言われないよう、お役所仕事お得意の 書類作成の手続き を酪農家に迫った。
サインをし、どう処分され、どう変わったのか見にいったら・・・。


ここで酪農を営んでいた方はもうここに帰ってきたくないそうです。。
もう、悲しくて 悲しくて 声をあげても届く気がしない。。。
だけど、この写真がなによりの証拠。
行政は何もしてくれていない。
このずさんな行政の対応をひとりでも多くの方に知ってもらいたい。
その想いひとつでこの写真を撮りました。 

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昨日、浪江町20㌔圏内の家畜を殺処分するよう説得する場が
設けられたとのことなんですが、殺処分を前提とする説明会を開き、
署名をするよう促されたとの事なんですね。

報道陣達を部屋から出して2時間の話し合いを行ったとの事です。


セシウム137、自然界には存在しなかった。1960年代から水爆実験で海水のセシウム濃度が100倍に

2011-07-30 22:03:55 | 原発・放射能

2011年7月27日 厚生労働委員会 児玉龍彦・東大教授 参考人質疑 (書き起こし)http://famasaki.com/japan/20110729105723/

山口和之(民主党)
民主党の山口和之と申します。福島県出身です。たくさんのお話ありがとうございました。色んな方が色んなことを言うので、実際どこが正しく、どこが安全で、どこが大丈夫で、何が大丈夫かと、まったく国民と同じ目線になっている自分がいます。まず少しずつお聞きしたいんですけども。ひとつとして、今回出ませんでしたけど、ホルミシス効果というのが、話が出たりします。例えば一万人のデータを採って、ある程度の線量の放射線を浴びた場合ですね、逆に健康であるという話があるんです。まず、これを肯定されるか、否定されるかというのをお聞きしたいんですけども。まずは明石先生と児玉先生にお聞きしたい。よろしくお願いします。

児玉龍彦
私どもから見ますと、先ほど申し上げましたように、放射線や何かを当てると、例えばp38というMAPKだとか、NF-κBというシグナル系の分子が動きます。それで、これは短期的には様々な効果をもたらしまして、それを健康にいいとか悪いとかいう議論は様々あります。しかし、こういう状態を長期的に続けますと、我々は慢性炎症と呼んでいる状態になりまして、慢性炎症は例えばガンの前提の条件になったり、様々な病気の原因になるということが、よく知られています。

山口
どうもありがとうございます。そうしますと、たいがいは放射線による害の方が、あるだろうという風にみなさんの意見をそう思いましたけれども、そうしますと、線量の問題が先程らい出ておりました。あとは内部被曝という話が出ておりましたけれども、まずは線量のところで、お聞きしたいんですが。明石先生、それから唐木先生等は、まあ大丈夫だと、安心できますよという話だったんですけれども。児玉先生の方から、ああいうお話があったんですけれども、唐木先生と明石先生の話はデータに基づいて出ていまして。埋もれて、ある程度低いところでは埋もれて、分からないところが出るんでしょうけれども、それ以降については有意な差があって出ているということがありましたけれども、それに対する何かご意見みたいなもの、児玉先生お持ちだったらお聞きしたいんですけれども。

児玉
放射線がですね、人間の遺伝子を傷害します。その時に人間には2万5千の遺伝子がありますが、一定の数のDNA修復に関係する遺伝子、DNAの保護に関わる遺伝子というのがあります。それで普通はこれがやられないとですね、低線量のものは大体問題なく修復されるということが分かっています。
だけれども、先ほど例えばα線でやられてるp53だとか、それから我々最近ガンゲノムシークエンスというので肝臓ガンや様々なものを遺伝子配列全体を決定して、いわゆるドライバーミューテーションという最初にガンを作っていく方向に起こってしまう変異が、何で起こるかというのを研究しておりますと、例えばp53のような、最初のDNAを守っていたり、そういうところに関わる遺伝子を壊すと、ガンになるということが分かっています。そうしますと、実際には2万5千の遺伝子の中で、どこがやられるかということは、極めて確率論的になってきます。
ですから一般に分かるのは、統計学的に非常に沢山の人を集めて、例えば後でチェルノブイリの時の甲状腺のように、最初はですね、多分長瀧先生の方がご存知だと思いますが、笹川財団で調べた時に、5万人ぐらいまで調べた時に、「有意な差がない」と言われたんです。ところがですね、それが今になってはコンセンサスとして「6千人の甲状腺ガンと15人の死亡例が生まれている」という風に変わってきています。
私もともとですね、こうした問題に興味を持ちましたのは、自分はコレステロールの方が専門でして、コレステロールの薬を作る時にも、たくさんの論争がありました。それで私は医学者として今一番感じておりますのは、どこの線量が安全かという議論と、国の政治的な関わり方を分けていただいて、国は、要するにコレステロール論争の時に一番大事だったのは、「コレステロールを下げる薬をやって心筋梗塞が減るかどうか」という問題です。それで今日の厚生委員会でも考えていただきたいのは、学問論争に対して厚生委員会で結論を出したり考えたりする必要は、私はないと思っています。
国民の健康を守るために、どういうことができるかという時に、まずセシウム137というのは、自然界には1945年以前に存在していないものです。原発と原爆で生まれて、それが1960年代の初めに水爆実験によってピークになったものであります。その時に猿橋勝子さんという女性研究者が、海水のセシウム濃度が100倍になっているということを、微量線量計で確認して、これでアメリカへ行って、その公開実験というのをフォルサム博士とやって、これが大気圏内の核実験禁止の大きな学問的根拠になりました。その後セシウムはずっと減ってきていたのが、またそれを遥かに倍する量に今上がろうとしている時であります。そうしますと、その線量議論の問題というよりも、元来自然界にないセシウム137というのが膨大にまかれて、ガンマカウンターで簡単に分かるような量に散らばっている。しかもそれが広島原爆の20倍の量まかれているという事態に対して、国土を守る立場から是非積極的な対応をお願いしたいというのが、基本的なお願いです。

山口
どうもありがとうございました。結論付けるつもりはないですし、県民、国民はどうしてたかというと、一番不安な、一番安全、一番危険なところを聞いて動いているというのが、今実態ではないでしょうか。だから、安全だと思って聞いていらっしゃる方もいらっしゃいますし、中には線量が少ないところであっても子どもを連れて県外に避難されてる方も沢山いらっしゃると思います。やはり不安でしょうがないと思うんですけれども。避難区域の住民が戻れる条件、いま避難区域になってますけれども、先生方で「こういう条件にしたら、避難区域に戻れるだろう」「今でも十分戻れるよ」という場合もあるでしょうし、先生方によって違うでしょうが、避難区域に戻れる条件を少し教えていただきたいんですが。ちょっと時間がなくてですね、聞きたいこと沢山あるので、簡潔にちょっといただければと思うんですけれども。どなたでも結構です。

児玉
私が一番申し上げたいのはですね、住民が戻る気になるのは、行政なり何なりが一生懸命測定して、除染している地域です。ですから測定も除染もなければ、「安全だ」「不安だ」と言われても、信頼できるところがありません。ですから、「この数値が安全」「この数値がどう」ということではなしに、行政の仕組みが一生懸命測定をして、その測定に最新鋭の機械を投じて、除染に最新鋭の技術をもって、そのために全力でやってる自治体が、一番戻るのに安心だと思います。

山口
どうもありがとうございました。もしですね、ウシの基準であったり、お米、これから作物つくっていかなきゃならないし、果物の基準とかもありますけれども、今は厚生労働省で基準を作って、「これぐらい食べても5ミリシーベルト超えなければ大丈夫ですよ」という、先ほどお話があったかもしれませんけれども、農家で米を作るとかですね、果物を作るだとか、何かそういった作る段階での基準などはございますでしょうか。どなたかお願いできますでしょうか。

児玉
入り口の方で基準を決めるというのは、非常に厳しいと思っています。生物学的濃縮というのは、様々な元素が身体に入ると、トランスポーターとか結合タンパクというので、極めて特殊な集積の仕方をしますので。ですから、出てきた農産物をきちんと見るという仕組みを、徹底的に作っていかなくてはならないと思います。そうするとですね、やっぱりラインのような格好で、どんどんイメージとして、農産物が、量がチェックできるような仕組みが実際にはあるんですが、まだほとんどこういうものの測定に使われていませんので、そういうものを全国の産地に緊急に整備していかないと、今回の稲ワラのようにやっぱり想定外の場所での濃縮事件というのは、自然界では山ほど起こります。ですからやっぱり、出口の食物の出ていくところでのチェックというのを、緊急に物凄く良くするというのが大事になると思います。

吉野正芳(自民党)
現地でもですね、各小学校単位ごとに、それぞれの専門家の先生方をお招きして、放射線の勉強会、本当に参加の数は何百人、小学校単位ですから何百人という方が、来るんですけども、何回やっても同じなんですね。ですから、これは本当にどうすれば不安を取り除くことができるのかなと。例えば私はですね、科学的なことでいくら説明しても、理解しても、自分の頭で理解しても、身体がついていかないという。こういう状況下に置かれていますので、もうその方は、避難できる方は避難してください。そしてそれに対する支援をしていく。避難できない方は、きちんと家庭での防護策と言いますか、それを我々政治の方はやるべきだなと私自身は思っているんですけれども、その辺はいかがでしょうか。あの、熱い児玉先生。

児玉
要するにあの、信頼感というのは言葉で説明を聞いて生まれるんではない、と思います。私も毎週南相馬に行っていますが、南相馬の例えば、方たちが本当に汚染してる学校や何かを案内してくれるのは、一回目じゃやっぱりないんですよね。そのだから、支援に来ている人がただ一回だけ来て帰っていってしまうのは、かえって問題をひどくするだけで、やっぱり本当に持続的にやっていこうとすると、一緒に測って一緒に考えて除染していく、避難されたい方は避難を応援する。そういうのがすごく大事ではないかと思っています。
それで南相馬に行って、私どもが最初に言われたのは、やっぱりそのさっき言った、「線量の低いところから高いところへ、スクールバスで子どもが、千人超え移動させられている」ということで。それで実際に地域を見ても、ひとつの学校を見ても、さっきから「何ミリシーベルトだったら安全ですか?」という議論は、私現実味がないと思うのは、例えば2マイクロシーベルトの学校を測っていても、一箇所に行くと33マイクロシーベルトなんです。ですから、その時に一体何ミリシーベルトをその土地とするかという問題が出てきてしまいますから、やっぱり高いところがあったら、「必ず刈り取っていきますよ」と、「測って一緒にやっていきますよ」と、「不安があったら相談に乗りますよ」と、「農産物があったら最新鋭の科学機器を集めて、最高の検査メーカーが来てやりますよ」というような体制がない限り、安心できないというのが当たり前ではないかと。ですから今もとめられているのは、最高の施策が福島県民に与えられるように、国会で是非考えていただきたいということであります。

高橋千鶴子(日本共産党)
ありがとうございました。最後に児玉参考人に伺いたいんですけれども、まさしく今日、内部被曝の問題がずいぶん話題になりました。また遠距離被曝ということも、いま沢田先生からだいぶ指摘されましたので、そういう観点でずっと除染作業もやってらっしゃる先生から一言うかがいたいと思います。

児玉
私、放射線取扱者に1977年になりまして、1995年から放射線取扱主任として、除染と規制に関わっております。それで今まで科学技術庁告示、平成12年から我々がやらされていたことを、ひとつだけご報告しておきます。それは、
例えば妊娠可能な女子については、第五条四項で内部被曝を1ミリシーベルト以下にする。それから、第六条第三項、妊娠中である女子の腹部表面については、前項第四号に規定する期間につき、2ミリシーベルト。これを規制されてこの規制を守るべく、三十年やって参りました。ところが、福島原発の事故で、広島原爆20個分の放射線が撒き散らされた途端に、このような基準がすべて反故にされている。
先ほど福島県の議員から「どのようにしたら安心か」というご質問がありました。私は安全に関しては
、基準を決めたら、危機になったら、それを変えていく格好では、ダメだと思います。いま今年できないかもしれないけれども、来年までにその基準に持っていく、再来年までにはこうするとうことがなければ、住民が安心できるわけがないではありませんか。そのためには最初から申し上げている通り、広島原爆20個分の、天然にないセシウム137を撒き散らした東電と政府の施策を反省し、これを減らすため全力を挙げる以外に安心できる解決などありえないのです。そのことを抜きにして、どこが安全だという議論をいくらやっても、国民は絶対に信用しません。

阿部知子(社会民主党)
引き続いて、ウシのセシウム汚染をはじめとして、今朝でしたか、腐葉土にもやはりかなり高濃度のセシウムがあるということで、単にウシだけでなく、及ぼす影響は全食品にかかわってきていると思います。また海への汚染もありますので、今後魚への汚染ということも避けて通れないと思います。その中で先ほど唐木委員のお示しいただきました参考資料の中にですね、例えばウシについてですけれども、全量、全体、全個体検査や抜き取り検査は、かなりこれは困難というか、不適切であるというような表現でありましたが、これも二週間ほど前、NHKスペシャルでやっておりましたベラルーシでの取り組みは、チェルノブイリ事故25年をたっても、各学校で子どもたちのミルクや野菜の放射性レベルを点検するということでございました。
やはり私はここまで食品汚染がひろがってきた場合には、やはりなるべく口に入る身近なところで検査するという体制、それがどこまで身近にやれるかはまたあると思いますが、そうした考え方に立つことが重要ではないかと思いますが、この点について唐木参考人と、あと児玉参考人は先ほどラインの測定でずっとフォローしていくというような技術も、我が国の現状においては可能ではないかという風なお話でしたので、もう少しご披瀝をいただきたいと、各々お願いいたします。

児玉
今おそらくやられているのは、かなり旧式なやり方なんですが、ゲルマニウム半導体というので、周囲を6センチぐらいの鉛で遮蔽した中にモノを置いてやられています。それで今日、半導体の検知器というのは、かなり多数の種類が改良されておりまして、私が最先端研究支援でやっておりますのは、PETという機械でやっているのですが、PETで検出する時には内視鏡の先でも検出できるぐらいの感度の高いものを開発しております。それで、そういうのを集めていて、今やられているのはむしろイメージングに変えている。ですから、ゲルマニウムの半導体というのはスペクトラムを出して、長いスペクトラムを全部見るんですが、例えばセシウムに絞って、この線量を見るんであれば、半導体検知器の検出感度が今ずっと良くなってますから、画像型にすることが簡単にできています。
それで、例えばその画像型のひとつのイメージみたいなものは、米軍から供与されてヘリコプターに載って地上の汚染(調査)をやるのに、いま色んなところで、今日あたりは茨城県をやってると思いますが、検知器で地上を写すようなものが、ずっとやられております。それで農産物を沢山やろうとする場合には、ライン化したところで多数のものをできる仕組みをやらなくてはなりませんから、イメージングの技術を基礎にして、半導体を集めたようなもののセンターを沢山つくって、流れ作業的に沢山やれるようにして、その中でハネるものをどんどんイメージで、こう画像上で、これが高いと出たらハネていくような仕組みを、これは既存の技術ですぐできますものですから、そういうものを全力を挙げてやっていただきたいと思っております。これを生産地にかなりのところ作る必要があると思っています。

阿部
私もいま先生が言っていただいたように科学は謙虚にあらねばならないと思います。そして先ほど児玉先生のお話で、チェルノブイリ膀胱炎と呼ばれるものが20数年たって初めて疫学的にも有意に出てくるということを見ると、やはり実は甲状腺ガンも子どもの場合もそうでしたが、最初否定されておりましたから、きちんと科学はいつもその可能性を否定せずに向き合うと。最後に児玉先生にひとつお願いしたいと思いますが、アイソトープセンターこれは全国にございますが、これを今回の除染に活躍させるために何が必要かお願いします。

児玉
五月に全国のアイソトープ総合センター会議というものがありまして、そこで色いろ議論をしていた時に、文科省の放射線規制室の方が、おっしゃってたのは、「福島原発以来のRIは、RIではない」と。「我々は国民の健康に責任を持つという仕事をやっているのではなくて、法律に決められた放射線取扱者を規制することが仕事だ」という風におっしゃっていました。それで、ある面で私非常に違和感を感じたんですが、もう一方では例えば文科省の法律の規制室の方は、従来の規制に従ってやらざるをえない。それで、高い線量のものが少量あるということに対応した法律体系はありますが、低い線量のものが膨大にあるという、それをどう除染していくかということに関する法律がほとんどなくて、今も汚泥問題、その他すべて問題になっているのは、ここであります。それで、しかしながら現在の全国のアイソトープ総合センターなんかは、旧来の法的規制のまんまで何らのこれらの組織、例えば先ほどゲルマニウムの機械が足りないというお話がありましたが、そんなものは全国に沢山あります。ところが、そこへの持ち込み、持ち込んだ廃棄物の引き取り、こういうのが法律的にまったくない。
だから今も東大のアイソトープセンターでやっているのは全部違法行為だと申し上げました。この場合にはセンター長である私と専任教官と事務主任の上で審査委員会を設けて、内部でチェックして超法規行為を勝手にやっているというのが現状であります。それでそういう法律を一刻も早く変えて、測定と除染というのに是非立ち上がっていただきたい。それなくして親の安心もないし、しかも先ほどから長瀧先生たちがおっしゃっている原爆型の放射能の常識というのは、これは原発型の常識の場合にはまったく違います。それから先ほどおっしゃいました、長瀧先生のおっしゃった一過性に核医学で治療をやるというのも、これも形式が違います。我々たとえば抗体にイットリウムをくっつけて打つと、ゼバリンという医薬がありますが、あれは一過性にもかなりの障害を起こしますが、それでもガン細胞をやっつけるためにいいからやっているということであって、正常者にこれをやることは、とても許されない。無理なものであります。
それで、ですから私が申し上げたいのは、放射線総量の全体量をいかに減らすか、これは要するに数十兆円かかるものであり、世界最新鋭の測定技術と最新鋭の除染技術をただちに始めないと、国の政策としてまったくおかしなことになるんです。いま我々がやっている、たとえば幼稚園で除染します。除染して高圧洗浄器でやりますと、側溝に入ります。側溝をきれいにしています。しかしその側溝の水はどこへ行くかというと、下流の農業用水になっています。それでイタイイタイ病の時の経験は、カドミウムの除染を下手にやりますと、二次被害を引き起こします。ですから国の政策として国民の健康を守るためには、総量の問題をまず考えてください。緊急避難とひとつ、総量の問題ふたつ、これを是非議論よろしくお願いします。

柿澤未途(みんなの党)
最後に一点だけ。児玉参考人におうかがいをしたいと思います。細野原発担当大臣が、すでに避難区域の解除と帰宅ということを、就任早々おっしゃられて、今度も無人ヘリを飛ばして現地の調査を行って、場合によっては早期に解除して住民帰ってもらおうと、こういう話が出てきています。しかしチェルノブイリの強制移住レベルを上回るような高濃度の汚染地域が、東京23区全体を上回る800平方キロメートルに広がっている中で、今の状況でこの非難区域を解除するということが、正当化されうるのかということを、児玉参考人にご見解としておうかがいをしたいと思います。

児玉
まずですね、20キロ、30キロの地域というのは、非常にまだら状になっています。それで南相馬、私が一番よく存じております南相馬の場合ですと、南北ではなくて東西に線量が違います。それで飯館村に近い方は20ミリシーベルト以上で、現在避難が開始されている地域。それでこちらの方は、海側の方は、それよりもずっと線量が低いところがあります。それでこうした場合には、自治体が判断した方が、今は20キロ、30キロ圏は、病院は休診、学校は休校ということが、一応指示となっております。それをやっぱり学校を開いて、一番低い線量のところで子どもが授業できるようにするとか、そういう判断は、やっぱり自治体の判断でできるようにした方がいいと思います。ですから今の線引きの問題という話よりも、実際にいかに子どもの被曝を減らしたり、地域を復興していくかという問題がまず一個あります。
ただそこでもうひとつの問題は、地元で聞きますと、商工会や何かから、今は強制避難ですから補償が出ています。だけれども避難区域が解除されたら、補償がなくなってしまうということで、実際に私が南相馬に行っている間も、住民の中で非常に大きな意見の違いが生まれていて、見ていてとてもいたたまれない思いがいたしました。それで是非避難の問題と、それから補償の問題を分けて、それで先ほどおっしゃった避難の解除というのは、要するにどういう問題があるかというと、高い線量のところはこれは除染しないと非常に危険です。それで今そういう問題になっているのは主に年20ミリシーベルト以上の被曝を受けてしまう地域であると思いますから、そこに関しては引き続き強制的な避難が必要であると思っていますし、ここの地域をどう除染していくかということは、東電なり我々科学者なり日本政府がとてつもない十字架を背負っていると思います。そのことを住民の判断だけに押し付けるのは、とても難しい問題があると思っておりまして、20ミリシーベルト以上の地域に関しましては、やはり是非とも国でここの避難している人たちの生活の保障と、それから除染の努力をどのように詰めるかという見通しを、本当に必死に考えないといけないと思っています。
それで20キロから30キロという現状の同心円が、それを正確に示しているかと言うと、今はそうではなくてむしろ地域復興の妨げになっている面がありますから、地元自治体との相談の上で、そこの地域のさまざまな行政、生活上の問題に関しては、子どもやお母さんが一番安心できるようなものにするということを一刻も早くやっていただきたい。それで細野大臣はある面ではそういう意見を反映している面があると思います。もう一方では、それを補償問題とどういう風に結びつけるかという議論がないと、やはりこれはもう一方で非常に大変な問題が生まれてしまいますので、やはり今は強制避難でないと補償しないとか、住民が被害を立証できないと補償しないというような格好は、もうマズいんではないかと私は思っております。

 

補足


土壌汚染現在1138Bq/kgから5695Bq/kgで将来起こり得ること。「チェルノブイリ」より抜粋

2011-07-30 18:11:30 | 原発・放射能

http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/568.html

チェルノブイリのZone of living with periodical monitoring (定期的なモニタリングを伴う生活地域)は、Cs-137が37000Bq/m2-185000Bq/m2です。
Bq/m2÷65=Bq/kgとすると、569Bq/kg-2846Bq/kgとなります。

現在の土壌Bq値が2年で半減するとしたら、現在値は1138Bq/kg-5695Bq/kgあたりでしょうか。65がもっと大きな値なら、現在値はより少なくなります。
関東にも存在する値です。行政が何の手も打たずに風評と唱えている場所もあります。

居住リスクを考える一つの手がかりとして、チェルノブイリの該当する汚染地帯で起きた健康被害を、ヤブロコフ博士編著「チェルノブイリ----」から抜粋邦訳します。
旧ソビエトの論文らしく具体的な数値が省かれていて、郷愁をそそられますが、参考にはなるかと。

糞英語が苦手というだけで、御用学者にはぐらかされ、偽りの安全を押し売りされ、被験体とされている、被曝地の同胞に友愛をこめて。

(以下抜粋訳 significantは有意と訳しました。英文はnoticeable,marked等と使い分けています。)

第2章 チェルノブイリ破局の公衆衛生public healthへの影響

5.1. 血液・リンパ系疾患

5.1.1. 血液と造血器官の疾患

5.1.1.1. Belarus
3. 血液学的異常の発生率は、1Ci/km2以上のレベルのCs-137によって汚染された地域の1,220,424人の新生児において、有意に高かった。(Busuet et al.,2002) p.58

5.1.2. 心臓血管系疾患

5.1.2.1. Belarus

 10. 帝王切開出産時の失血量は、Cs-137 1Ci-5Ci/km2レベルの汚染地帯に住むGomel Province出身女性の方が、汚染されていない地域に住む女性に比べて、有意に多かった。(Savchenko et al.,1996) p.62

11. Cs-137 1Ci-5Ci/km2レベル以上に汚染された地域に住む10歳から15歳の少女は、低汚染地域に住む少女に比べて、大脈管の血管運動神経反射に示される後肢への血液供給が有意に異常だった。(Khomich and Lysenko,2002;Savanevsky and Gamshey,2003) p.62

5.2. 発生学的変化

5.2.1.1.3. Russia

10. 染色体異常の発生頻度は、Cs-137レベル 3Ci/km2以上に汚染されたチェルノブイリ地帯の個体において、2倍から4倍だった。(Bochkov,1993) p.68

11. 重度に汚染されたBryansk ProvinceのNovozybkovとKlintsy地区,そして、Tula ProvinceのUzlovaya駐屯所Stationに住み続けた、子宮筋腫(myomas)に罹患した女性の、T-locus(TCR)変異を伴うリンパ球数と染色体異常数は、放射線汚染レベルと相関していた。
(tABLE5.10-- Novozybkovsky District 708Bq/m2, Klintsovsky District 322Bq/m2, Uzlpvaya Station 171Bq/m2 ) p.69

5.2.1.1.4. 他の国々

 1.YUGOSLAVIA. 破局数ヶ月後に妊娠した新生児において、染色体異常数は4.5%(1976-1985平均)から7.1%へと増加した。(Lukic et al.,1988) p.70

2.AUSTRIA. 1987年にその地で検査された17名の成人において、染色体異常数は4倍から6倍に増加していた。さらにその内の、破局前と1年後に検査された2名は11倍に増加していた。(Pohl-Ruling et al.,1991) p.70

3.GERMANY(南部地域). 1987年から1991年に検査された29名の子供と成人において、染色体異常数は2倍から6倍に増加していた。(Stephan and Oestreicher,1993) p.70

4.NORWAY(北部地域). 1991年に、遺伝子異常数の10倍の増加が、56名の成人において統制群と比較して見い出された。(Brogger et al.,1996;Schmitz-Feuerhake,2006参照) p.71

5.2.1.2. 遺伝子変異

5.2.1.2.1. トリソミー21 (ダウン症候群) 

 2.GERMANY. 西ベルリンで、1986年5月に妊娠した赤ん坊babyにおいて、ダウン症候群を伴った新生児数は2.5倍に増加した。(Wals and Dolk,1990; Pperling et al.,1911,1994;and others;Figure5.3) 南部ドイツではトリソミー21事例数の増加は、羊水穿刺診断により判定された。(Sperling et al.,1991;Smitz-Feurhake,2006) p.71

 3.SWEDEN. ダウン症候群を伴った新生児数は、スウェーデン東北部において30%増加した。東北部はチェルノブイリ放射性核種により最も汚染された地域だった。(Ericson and Kallen,1994) p.71

4.GREAT BRITAIN. チェルノブイリにより汚染された地帯の一つであるスコットランドLothianにおいて、ダウン症候群を伴う新生児数は倍加した。(Ramsey et al.,1991) p.71

5.3. 内分泌系疾患

5.3.1. 内分泌系疾患データの概観

5.3.1.1. Belarus

10. タイプⅠ糖尿病の発生は破局後ベラルーシ全土で増加した。(Mokhort,2003) そして、重度汚染された地域においてその程度はさらに凄まじかった。(Table5.21) p.79

11. 検査された1,026,046名の授乳していたnursing母親たちの内、Cs-137汚染1Ci/km2以上の地帯出身女性の方が、糖尿病発生率が有意に高かった。(Busuet et al.,2002) p.79

13. 1993年から2003年に汚染地帯で、50歳未満の男性と全年齢の女性に、非毒性な単結節と多結節の甲状腺腫と自己免疫甲状腺炎が原因の、病的状態が有意に増加した。(National Belarussian Report,2006) p.79

15. 1-5Ci/km2の放射能汚染地域(Gomel City)に住み続けた若い女性の、月経サイクルの第1と第2相の血清中において、取り込まれたCs-137レベルとプロラクチン濃度の間に相関があった。それとともに、第2月経サイクル相の取り込まれたCs-137とプロゲステロン濃度にも相関があった。(Yagovdik,1998) p.79

5.3.1.2. Ukraine

1. 内分泌系疾患(自己免疫甲状腺炎・甲状腺機能亢進・糖尿病)の顕著な増加が、全汚染地帯で1992年に始まった。(Tron'ko et al.,1995) p.80

4. 汚染地帯では少女の思春期の始まりが遅れ、女性の月経サイクルは乱れた。(Vovk and Mysurgyna,1994;Babich and Lypchansksys,1994) Sr-90とPuに汚染された地帯では、少年の思春期は2年遅れ、少女では1年送れた。しかし一方で、Cs-137に汚染された地帯では性的発達は加速された。(Paramonova and Nedvetskaya,1993) p.80

6. 1986年から1993年にかけて汚染地帯の16.000名以上の妊婦を評価したところ、破局2年後、有意に高レベルな甲状腺刺激ホルモンと甲状腺ホルモン(TSH and T-4)が明らかにされた。 1988年から1990年にかけて、主要な甲状腺ホルモンは標準値に近かった。しかし、1991年から1992年にかけてTSH,T-4,T-3のレベルは減少した。1993年になると妊婦および新生児の甲状腺機能亢進が初めて観察された。(Dashkevich et al.,1955;Dashkevich and Janyuta,1997) p.80

7. 汚染地帯に住む50歳以上の女性の約30%が潜伏性甲状腺機能不全だった。(Panenko et al.,2003) p.80

9. 糖尿病の有意な増加が汚染地帯で破局数年後に観察された。(Gridjyuk et al.,1998) p.80

5.3.1.3. Russia

1. ホルモン不均衡(エストラジオール・プロゲステロン・黄体刺激ホルモン・テストステロン)が、汚染地帯で破局5から6年後に広範に広がった。(Gorptchenko et al.,1995) p.80

 5. 汚染地帯の合計17.7%の妊婦が、閉経および生殖能力喪失と結びついた、プロラクチンレベルの有意な増加を示した。(Strukov,2003) p.81

5.3.2. 甲状腺機能障害

 すべての汚染地帯で非悪性甲状腺疾患の著しい増加があった。(Gofman,1994;Dedov and Dedov,1996) 関連した疾病は次を含む。傷woundsと潰瘍の治癒遅滞、毛髪の成長遅滞、虚弱、脱毛、呼吸循環器系感染へのかかりやすさ、夜盲、めまい頻発、耳鳴り、頭痛、疲労、精力減退、食欲欠乏(アノレクシア)、子供たちの成長遅滞、男性の性的不能、出血増加(月経過多を含む)、胃酸欠乏(アクロリドリア)、軽貧血。p.83
 
甲状腺機能亢進症候群の内、疾病として必ずしも記録されないが、汚染地帯で頻度が増して見られたものは次。顔面と瞼の膨張、寒さへの感受性の亢進、発汗減少、眠気、舌膨張、発話の速度低下、荒くしゃがれた声、筋肉痛、減衰したあるいは傷害された筋肉運動協調、間接の硬さ、乾燥して荒れ青ざめて冷たい皮膚、貧弱な記憶、遅い思考、呼吸困難(ディスプニーア)、聾(Gofman,1990;and others) p.83

甲状腺の病変は副甲状腺の病変と密接に結びついている。副甲状腺機能は、甲状腺手術を受けた個人の16%で破壊されていた。(Demedchik et al.,1996) 副甲状腺障害に帰される多数の症候群がチェルノブイリ地帯で観察された。それらの中には次のものが含まれていた。男性と女性の性腺機能不全、正常な身体・性的発達の障害、下垂体腫瘍、骨粗しょう症、脊椎圧迫骨折、胃十二指腸潰瘍、尿路結石、カルシウム胆のう炎。(Dedov and Dedov,1996;Ushakov et al.,1997) p.83

5.3.2.1.Belarus

6. 調査は、Cs-137 1Ci-15Ci/km2レベルの汚染地域出身母体の、4から5月齢胎児の43%に甲状腺病理を発見した。(Kapytonova et al.,1996) p.84

5.3.2.4. 他の国々
POLAND. チェルノブイリ・フォールアウトにより汚染された国土の南東部分に住む、検査された21,000人の個人の内、2人に1人の女性と10人に1人の子供が肥大した甲状腺を持っていた。いくつかの居住地では、甲状腺病理は住民の70%に見られた。(aSSOCIATED pRESS,2000) P.86

5.3.3. 結論

現在までの1つの重要な発見は、甲状腺癌各1症例あたり、約1,000症例の他種類甲状腺病理が存在すると言うことだ。ベラルーシだけでも、最大150万人が甲状腺疾病の危機に瀕していると、専門家は推定している。(Gofman,1994;Lypyk,2004) p.87

5.4. 免疫システム疾患

5.4.1. Belarus

11. Cs-137 1Ci-5Ci/km2レベルに汚染された地域出身の、検査された1,313名の子供たちの中のある者たちは、免疫システムに問題を起こしていた。その問題は、低下した好中性食細胞活動、減少したIgAとIgM、増加した赤血球凝集、を含んでいた。(Bandazhevsky et al.,1995) p.88

15. 母乳中の免疫グロブリン IgA, IgM, IgG, A(sA)のレベルは、汚染地域において有意に低かった。急性呼吸器ウイルス感染(ARV)、急性気管支炎、急性腸感染、貧血症は、汚染地域出身の母乳養育の乳児において、数倍多かった。(Zubovich et al.,1998) p.88

5.4.2. Ukraine 

8. 内部そして外部放射線放射の神経ホルモン反応への影響は、明らかに異なっている。内部放射による自己免疫反応の漸進的な進展がある一方、外部放射による急激な展開がある。(Lysany and Lyubich,2001) p.90

5.6. 泌尿生殖器系疾患と生殖機能異常

5.6.1. Belarus

10. 1Ci-5Ci/km2に汚染された地域(Gomel City)の未出産女性の月経機能異常は、卵巣嚢胞変性と子宮内膜増殖の増加と結びついていた。卵巣の大きさは血清中テストステロン濃度と相関していた。(Yagovdik,1998) p.97

5.6.4. 他の国々
 3.CZECH REPUBLIC. チェルノブイリ・フォールアウトに最も罹災したチェコ共和国ボヘミアとモラヴィアにおいて、月ごとに生まれる男子数は600ヶ月の観察中1度だけ変化した。(1950-1999) 1986年11月、長期間の人口統計学的傾向を基に期待されるより、457人少ない男子が生まれた。この変化は、破局の時に子宮内7-9週間の赤ん坊に生じた。P.102

5.これ以外の諸国. 誕生時の男女性比率への、長期間にわたる慢性的な破局の影響が、デンマーク・フィンランド・ドイツ・ハンガリー・ノルウェー・ポーランド・スイスで、1982年と1992の間に生じた。男子の比率は増し、1987年に性差比は1.0047(95%CI:1.0013-1.0081,P<0.05)であった。ドイツにおける1986年と1991年の男子の比率と、地域レベルの放射能被曝との正の相関は、mSv/yearあたり1.0145という性差比に反映されている。(95%CI:1.0021-1.0271,P<0.05) (Frentzel-Beyme and Scherb,2007 p.102

5.7. 骨と筋肉の疾患

5.7.2. Ukraine

2. 胎盤に0.9-3.25Bq/kgレベルで取り込まれたCs-137は、管状骨構造の弱さと脊柱軟骨の破壊に導く。(Arabskaya et al.,2006) p.102

5.8. 神経系および感覚器官の疾病とそれらのメンタル・ヘルスへの影響

 30数年前、神経系はイオン化放射線に対して最も耐性があるシステムだとみなされていた。しかし、これは明らかに大線量に関してだけ当てはまる。(Gus'kova and Bsisogolov,1971) そこで、チェルノブイリ・フォーラム(2005)の報告は、あらゆる神経学的病気・亢進したレベルの鬱状態・心理的問題を、心的外傷後ストレスに帰着させた。(Havenaar,1966; Havenaar et al.,1997a,b)
チェルノブイリの破局以来、低線量そして低線量率の放射線が、神経系の精密な構造・高次神経系活動・視角眼球構造、さらにすべての汚染地帯に広がった神経心理学的異常に対して、甚大な影響を有することは明白である。脳の放射線感受性を支持する、ますます増加する証拠がある。

チェルノブイリの破局後22年を経て、低レベル・イオン化放射線が、中枢神経系と自律神経系の双方に変化をもたらすことは明らかだ。そしてそれは放射線が引き起こす脳病理
に凝縮する。(概観はLoganovsky,1999参照)中枢神経系(CNS)のある部分は、特に放射線障害を受けやすい。

5.8.1. 神経系疾患

5.8.1.1. Belarus

2. 神経系と感覚器官の疾病に由来する病的状態が、すべての汚染地帯で顕著に増加した。(Lomat et al.,1996) p.105

6. 破局後10年、神経系異常は汚染地から退避した10代の間で、病的状態の2番目の原因だった。検査された2,335名の10代において1,000人あたり331人の事例があった。(Syvolobova et al.,1997)p.105

7. 成人の神経学的および精神医学的異常は、汚染地帯で有意に多かった。(31.2 vs.18.0%) 短期記憶障害と注意失錯が16歳から17歳の高校生に見られた。これらの条件の危篤性seriousnessは汚染レベルと直接的に相関していた。(Ushakov et al.1997)p.105

5.8.1.2. Ukraine

11. 破局後最初の6年間、特に1990年以降、汚染地帯で成人の神経系の病的状態が著しく増加するのが観察された。(Table5.24)p.107

5.8.1.4. 他の国々

3.SWEDEN. 1983年から1988年に生まれた562,637名のスウェーデン人に関するデータ・セットの包括的な分析が明らかにした事によれば、破局の最中に子宮内にいた群は、破局期間の直前直後に生まれた群よりも、学業成績が劣っていた。この障害は受胎後8から25週に被曝した群で最大だった。さらに、よりたくさんのフォールアウトを受けた地域で生まれた生徒に、より多くの損傷が見られた。8つの最も影響を受けた市出身の生徒は、高校入学資格を得ることが有意に(3.6percentage points)少なかった。(Almond et al.,2007) p.112

5.8.2. 感覚器官の疾病

5.8.2.4. 他の諸国

 2.NORWAY. 新生児の白内障が破局1年後に2倍の頻度で生じた。(Irgens et al.,1991) p.115

5.12. 先天性奇形

5.12.1. Belarus

5. いわゆる「きれいな」地域(1Ci/km2以下)と呼ばれる場所の約24%の子供たちが、先天的奇形を伴って生まれる。Cs-137汚染が1Ci-5Ci/km2レベルの汚染地区では値は30%、15Ci/km2以上の汚染レベルを伴う地区では先天的奇形の割合は83%に達した。(Table5.67) p.125
(訳注 1Ci-5Ci/km2=3,7000Bb/m2-185,000Bq/m2, ÷65で、569Bq/kg-2,846Bq/kg)
(訳注 15Ci/km2=555,000Bq/m2, ÷65で、 8538Bq/kg)

5.12.4. 他の国々
 4.CZECH REPUBLIC. チェルノブイリ前3ヶ月、記録された先天奇形の比率は約16.3(1000人誕生につき)、そしてチェルノブイリ後3ヶ月は18.3だった。1986年から1987年にかけて先天奇形率は有意に増加した。約26%の増加、1000人あたり15から19へ。(UNICEF,2005:from table1.2, calculation by A.Y.) p.130

6.FINLAND. 1987年2月と1987年12月の間、先天的奇形の事例数は、適度にmoderately汚染された地域と高度に汚染された地域において、それぞれ、10%と6%期待値より高かった。より発生数が多い下位グループは、中枢神経系異常と四肢減少limb-reduction異常を含んでいた。(Harjuletho et al.,1989,1991)  p.130

8.GERMANY. The Jena Regional Malformation Registryは、1986年と1987年に、1985年と比べて先天奇形の増加を記録した。個別の奇形は続く数年間で元に戻った。(Lotz et al.,1966, by Hoffmann,2001)奇形増加は、中枢神経系奇形と腹壁異常で最もはなはだしかった。みつくち/口蓋破裂に関する、GDR Malformation Registryの全国的な分析は、1980年と1986年の全国平均と比較して、1987年に9.4%増加したことを明らかにした。(Zieglowski and Hemprich,1999) この増加は、チェルノブイリ・フォールアウトにより最も影響されたドイツの北部3province(州・県)で、最も著しかった。(Hoffmann,2001) p.130-131

11.NORWAY. 1983年5月から1989年4月に妊娠した全新生児のデータは、チェルノブイリからの計算された総放射線量と脳水症のような先天奇形との間に、正の相関を見い出した。ダウン症候群とは負の相関があった。(Terje Lie et al.,1992;Castronovo,1999)p.131

6.2. 甲状腺癌

6.2.1. どのようにして人々は甲状腺癌になるか

6.2.1.4. 他の諸国

 I-131だけでなく、他の放射性核種も、甲状腺癌を引き起こし得ることに注意することは重要だ。

 1.AUSTRIA. 甲状腺癌数の増加は1990年に始まり、汚染された地帯では1995年に特に多かった。(Weinish,2007) p.170

2.CZECH REPUBLIC. 1976年から1990年にかけて甲状腺癌患者数は毎年2%上昇した。1990年以降この癌の発生率は男女込みで年4.6パーセント有意に増加した。(95%CI:1.2-4.1,P=0.0003)女性の値は男性に比べて著しく高かった。チェルノブイリ事故以来、チェコ共和国だけでも、メルトダウン以前に期待されていたより426人余分に発生した。(95%CI:187-688)(Murbeth et al.,2004;Frentzel-Beyme and Scherb,2007)破局後、甲状腺癌発生率は、年齢と性別に依存して、最大5%の追加的各年増加を示した。(Frentzel-Beyme and Scherb,2007) P.172

6.3. 血液白血病癌

6.3.4. 他の国々

 1.GERMANY. 西ドイツで1986年7月1日と1987年12月31日の間に生まれた幼児において、白血病の発生率は1.5倍増加した。  P.180

2.GREAT BRITAIN. 1987年にスコットランドで4歳以下の子供たちの白血病は37%増加した。(Gibson et al.,1988; Busby and Scot Cato,2000; Busby,2006)p.180

7.1. 出生前死亡率の増加
7.2. 出産直前、乳幼児、学童期の死亡率
7.4. 全般的死亡率
 (訳者--これらは北半球のほとんどの国で増加し、高汚染地帯で著しいのですが、この投稿の趣旨に沿った物を1つだけ記載します。)

7.4.3. 全般的死亡率 ロシア

 Lipetsk Cityの全般的死亡率は、そこではCs-137地表汚染は5Ci/km2未満だったが、1986年から1995年にかけて、67%増加した。(1,000人につき7.5人から12.6人へ、Krapyvin,1977) p.207


(以上 抜粋和訳)


福島原発事故>熱量からの計算では広島原爆の29,6個分に相当するものが漏出

2011-07-29 23:02:15 | 原発・放射能

みんな楽しくHappyがいいhttp://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-626.html より転載

児玉先生のような方がいらっしゃる事に感動しました
このような先生の意見は広く国民が聞くべきだと思います
感動しましたので、できるだけ完璧に書き出しました。ლ (。◕潤ョε 潤ョ◕。ლ)

内容の書き出しはしましたが
できれば生の声でお聞きください。


2011年7月27日 (水) 衆議院厚生労働委員会
「放射線の健康への影響」参考人説明より
児玉龍彦(参考人 東京大学先端科学技術研究センター教授 東京大学アイソトープ総合センター長)

約16分映像 http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=O9sTLQSZfwo



次に児玉参考人にお願いいたします

私は東京大学アイソトープセンター長の児玉ですが
3月15日に大変に驚愕いたしました

私ども東京大学には27か所のアイソトープセンターがあり
放射線の防護とその除染の責任を負っております
それで、私自身は内科の医者でして放射線施設の放射線の除染などに
ずっと、数十年かかわっております

3月15日に、ここの図にちょっと書いてあるんですが
我々最初に午前9時ごろ東海村で5μシーベルトという線量を経験しまして
それを第10条通報という文科省に直ちに通報いたしました
その後東京で0,5μシーベルトを超える線量が検出されました
これは一過性に下がりまして
次は3月22日に東京で雨が降り、0,2μシーベルト等の線量が降下し
これが今日に至るまで高い線量の原因になっていると思っています

それでこの時に枝野官房長官が
「さしあたって健康に問題はない」という事をおっしゃいましたが
私はその時に実際はこれは大変な事になると思いました

何故かというと
現行の放射線の障害防止法というのは
高い線量の放射線物質が少しあるものを処理することを前提にしています


この時は総量はあまり問題ではなくて、個々の濃度が問題になります
ところが今回の福島原発の事故というのは
100キロメートル圏で5μシーベルト
200キロメートル圏で0,5μシーベルト
さらにそれを超えて足柄から静岡のお茶にまで及んでいる事は
今日みなさん全てがご存じのとおりであります

我々が放射線障害を診る時には、総量をみます
それでは東京電力と政府は一体今回の福島原発の総量がどれくらいであるか
はっきりした報告は全くされておりません

そこで私どもはアイソトープセンターのいろいろな知識を基に計算してみますと
まず、熱量からの計算では広島原爆の29,6個分に相当するものが漏出しております
ウラン換算では20個分の物が漏出していると換算されます

さらに恐るべきことにはこれまでの知見 で
原爆による放射線の残存量と原発から放出された者の放射線の残存量は
一年に至って原爆が1000分の一程度に低下するのに対して
原発からの放射線汚染物は10分の一程度にしかならない

つまり、今回の福島原発の問題はチェルノブイリと同様
原爆数10個分に相当する量と原爆汚染よりもずっと多量の残存物を放出したという事が
まず考える前提になります

そうしますと、我々システム生物学というシステム論的にものを見るやり方でやっているんですが
現行の総量が少ない場合にはある人にかかる濃度だけを見ればいいのです
しかしながら、総量が非常に膨大にありますと
これは粒子です
粒子の拡散は非線形という科学になりまして
我々の流体力学の計算でも最も難しいことになりますが
核燃料というのは要するに砂粒みたいなものが合成樹脂みたいな物の中に埋め込まれています
これがメルトダウンして放出するとなると
細かい粒子が沢山放出されるようになります

そうしたものが出てまいりますと、どういうようなことが起こるかが
今回の稲藁の問題です

たとえば、岩手のふじわら町では稲藁57000ベクレル/kg
宮城県のおおさき17000ベクレル/kg
南相馬市10万6千ベクレル/kg
白河市97000ベクレル/kg
岩手64000ベクレル/kg
ということで、この数字というのは決して同心円上にはいかない
どこでどういうふうに落ちているかは
その時の天候、それから、その物質がたとえば水を吸い上げたかどうか

それで、今回の場合も私は南相馬に毎週700㎞行って
東大のアイソトープセンター、現在まで7回の除染をやっておりますが
南相馬に最初に行った時には1台のカウンターしかありません
農林省が通達を出したという3月19日には
食料も水もガソリンも尽きようとして
南相馬市長が痛切な訴えをウエブに流したのは広く知られているところであります

そのような事態の中で通達1枚出しても誰も見る事が出来ないし誰も知ることができません
稲藁がそのような危険な状態にあるという事は全く農家は認識されていない
農家は飼料を外国から買って、何10万と負担を負って
さらに、牛にやる水は実際に自分たちと同じ地下水を与えるようにその日から変えています

そうすると、我々が見るのは
何をやらなければいけないかというと
まず、汚染地で徹底した測定が出来るようにするという事を保証しなくてはいけません
我々が5月下旬に行った時先ほど申し上げたように1台しか南相馬に無かったというけど
実際には米軍から20台の個人線量計がきていました
しかし、その英文の解説書を市役所の教育委員会で分からなくて
我々が行って教えてあげて実際に使いだして初めて20個の測定が出来るようになっている
これが現地の状況です

そして先程から食品検査と言われていますが
ゲルマニウムカウンターというものではなしに
今日ではもっと、イメージングベースの測定器というのが遥かに沢山、半導体で開発されています

何故政府はそれを全面的に応用してやろうとして全国に作るためにお金を使わないのか

3か月経ってそのような事が全く行われていない事に
私は満身の怒りを表明します



第2番目です
私の専門は小渕総理の時から内閣府の抗体医薬品の責任者でして
今日では最先端研究支援というので30億円をかけて抗体医薬品にアイソトープを付けて癌の治療にやる
すなわち人間の体の中にアイソトープを打ち込むという仕事が私の仕事ですから
内部被曝問題に関して一番必死に研究しております

そこで内部被曝がどのように起きるかという問題を説明させていただきます

内部被曝というものの一番大きな問題は癌です
癌がなぜ起こるかというとDNAの切断を行います
ただし、ご存じのとおりDNAというのは二重らせんですから
二重らせんの時は非常に安定的です
これが、細胞分裂をする時には二重らせんが一本になって、2倍になり4本になります
この過程のところがものすごく危険です

そのために、妊婦の胎児、それから幼い子ども、成長期の増殖が盛んな細胞に対しては
放射線障害は非常な危険をもちます

さらに大人においても増殖が盛んな細胞
たとえば放射性物質を与えると髪の毛
それから貧血、それから腸管上皮の
これらはいずれも増殖分裂が盛んな細胞でして
そういうところが放射線障害のイロハになります


それで私どもが内部に与えた場合に具体的に起こるので知っている事例を上げます

これは実際には一つの遺伝子の変異では癌は起こりません
最初の放射線のヒットが起こった後にもう1個の別の要因で癌の変異が起こるという事
これはドライバーミューテーションとかパッセンジャーミューテーションとか細かい事になりますが
それは参考の文献を後ろに付けてありますので
それを後で、チェルノブイリの場合やセシウムの場合を挙げてありますので
それを見ていただきますが

まず一番有名なのはα―線です
プルトニウムを飲んでも大丈夫という東大教授がいるというのを聞いて、私はびっくりしましたが

α―線はもっとも危険な物質であります

それは
トロトラスト肝障害というので私ども肝臓医はすごくよく知っております
ようするに内部被曝というのは先程から一般的に何ミリシーベルトという形で言われていますが
そういうものは全く意味がありません


I131は甲状腺に集まります
トロトラストは肝臓に集まります
セシウムは尿管上皮、膀胱に集まります
これらの体内の集積点をみなければ全身をいくらホールボディースキャンやっても全く意味がありません

トロトラストの場合の、このちょっと小さい数字なんで大きい方は後で見て欲しいんですが
これは実際に、トロトラストというのは造影剤でして
1890年からドイツで用いられ1930年ごろからは日本でも用いられましたが
その後20~30年経つと肝臓がんが25%から30%に起こるという事がわかってまいりました

最初のが出てくるまで20年というのは何故かというと
最初にこのトロトラスト、α―線核種なんですが
α―線は近隣の細胞を傷害します
その時に一番やられるのはP53という遺伝子です
我々は今ゲノム科学というので、人の遺伝子、全部配列を知っていますが
一人の人間と別の人間は大体300万箇所違います

ですから人間同じとしてやるような処理は今日では全く意味がありません

いわゆるパーソナルライフメディスンというやり方で
放射線の内部障害をみる時も
どの遺伝子がやられて、どういう風な変化が起こっているかという事をみるということが
原則的な考え方として大事です

トロトラストの場合は第一段階ではP53の遺伝子がやられて
それに次ぐ第二第三の変異が起こるのが20~30年後かかり
そこで肝臓がんや白血病が起こってくるという事が証明されております


次にヨウ素131
これヨウ素はみなさんご存じのとおり甲状腺に集まりますが
甲状腺への集積は成長期の甲状腺形成期が最も特徴的であり小児におこります

しかしながら1991年に最初ウクライナの学者が「甲状腺がんが多発している」というときに
日本やアメリカの研究者はネイチャーに「これは因果関係が分からない」ということを投稿しております
何故そんな事を言ったかというと1986年以前のデータがないから
統計学的に有意 だという事を言えないということです

しかし、統計学的に有意 だという事がわかったのは
先程も長瀧先生からお話しがありましたが20年後です
20年後に何がわかったかというと
86年から起こったピークが消えたために
これは過去のデータが無くても因果関係がある
という事がエビデンス(evidence 証拠・根拠)になった
ですから、疫学的証明というのは非常に難しくて
全部の事例が終わるまで大体証明できないです

ですから今 我々に求められている
「子どもを守る」という観点からは全く違った方法が求められます
そこで今行われているのは
ここには国立のバイオアッセイ研究センターという化学物質の効果をみる福島昭治先生という方が
ずっとチェルノブイリの尿路系に集まる物を検討されていまして
福島先生たちがウクライナの医師と相談、集めて
500例以上の、前立腺肥大の時に手術をしますと、膀胱もとれてきます
これをみまして検索したところ
高濃度汚染地区、尿中に6ベクレル/ℓという微量ですが
その地域ではP53の変異が非常に増えていて
しかも、増殖性のぜん癌状態
我々からみますとP38というMAPキナーゼと
NF-κB(エヌエフ・カッパー・ビー)というシグナルが活性化されているんですが
それによる増殖性の膀胱炎というのが必発でありまして
かなりの率に上皮内のがんができているという事が報告されております

それで、この量に愕然といたしましたのは
福島の母親の母乳から2~13ベクレル
7名で検出されているという事が既に報告されている事であります

次のページお願いします

我々アイソトープ総合センターでは
現在まで毎週700キロメートル、
大体一回4人づつの所員を派遣しまして南相馬市の除染に協力しております
南相馬でも起こっている事は全くそうでして
20K30Kという分け方が全然意味がなくて
その幼稚園ごとに細かく測っていかないと 全然ダメです
それで現在20Kから30K圏にバスをたてて1700人の子どもが行っていますが
実際には避難
その、南相馬で中心地区は海側で学校の7割で比較的線量は低いです
ところが30キロ以遠の飯館村に近い方の学校にスクールバスで毎日100万円かけて
子どもが強制的に移動させられています
このような事態は一刻も早く辞めさせてください

いま、その一番の障害になっているのは、強制避難でないと保証しない
参議院のこの前の委員会で当時の東電の清水社長と海江田経済産業大臣がそういう答弁を行っていますが
これは分けて下さい

保障問題とこの線引きの問題と子どもの問題は
直ちに分けて下さい


子どもを守るために全力を尽くすことをぜひお願いします

それからもう一つは
現地でやっていますと除染というものの緊急避難的除染と恒久的除染をはっきり分けて考えていただきたい

緊急避難的除染を我々もかなりやっております
たとえばここの図表に出ておりますこの滑り台の下
滑り台の下は小さい子が手をつくところです
が、この滑り台に雨水がザーッと流れてきますと
毎回濃縮します
右側と左側とズレがあって、片側に集まっていますと
平均線量1μのところだと10μ以上の線量が出てきます
それで、こういうところの除染は緊急にどんどんやらなくてはいけません

それからさまざまな苔が生えているような雨どいの下
ここも実際に子どもが手をついたりしているところなのですが
そういうところは、たとえば高圧洗浄機を持って行って苔を払うと
2μシーベルトが0,5μシーベルトまでになります

だけれども、
0,5μシーベルト以下にするのは非常に難しいです

それは、建物すべて、樹木すべて、地域すべてが汚染されていますと
空間線量として1か所だけ洗っても全体をやる事は非常に難しいです
ですから、除染を本当にやるという時に
いったいどれだけの問題がありどれ位のコストがかかるかという事を、イタイイタイ病の一例で挙げますと
カドミウム汚染地域、だいたい3000ヘクタールなんですが
そのうち1500ヘクタールまで現在除染の国費が8000億円投入されております
もし、この1000倍という事になれば、いったいどのくらいの国費の投入が必要になるのか

ですから私は4つの事を緊急に提案したいと思います

第1に
国策として、食品、土壌、水を、日本が持っている最新鋭のイメージングなどを用いた機器を用いて
もう、半導体のイメージかは簡単です
イメージ化にして流れ作業にしてシャットしていってやるということの最新鋭の機器を投入して
抜本的に改善して下さい
これは今の日本の科学技術力で全く可能です

2番目
緊急に子どもの被ばくを減少させるために新しい法律を制定して下さい
私のやっている、現在やっているのはすべて法律違反です
現在の障害防止法では各施設で扱える放射線量、核種等は決められています
東大の27のいろんなセンターを動員して現在南相馬の支援を行っていますが
多くの施設はセシウムの使用権限など得ておりません
車で運搬するのも違反です
しかしながら、お母さんや先生方に高線量の物を渡してくる訳にもいきませんから
今の東大の除染ではすべてのものをドラム缶に詰めて東京に持って帰ってきております
受け入れも法律違反
全て法律違反です

このような状態を放置しているのは国会の責任であります
全国には
例えば国立大学のアイソトープセンターは
ゲルマニウムをはじめ最新鋭の機種を持っているところは沢山あります
そういうところが手足を縛られたままでどうやって
国民の総力を挙げて子どもが守れるのでしょうか
これは国会の完全なる怠慢であります

第3番目
国策として土壌汚染を除染する技術を民間の力を結集して下さい
これは、たとえば
東レだとかクリタだとかさまざまな化学メーカー
千代田テクノとかアトックスというような放射線除去メーカー
それから竹中工務店とか様々なところは、放射線の除染などに対してさまざまなノウハウを持っています
こういうものを結集して現地に直ちに除染研究センターを作って

実際に何10兆円という国費がかかるのを
いまだと利権がらみの公共事業になりかねない危惧を私はすごく持っております


国の財政事情を考えたらそんな余裕は一瞬もありません
どうやって除染を本当にやるか
7万人の人が自宅を離れてさまよっている時に 国会は一体何をやっているのですか

以上です





続きを読むに初めて聞いた専門用語など、少し調べて書きました

アイソトープ
ひとことで言うと原子は、地球上のすべてのものを構成する目には見えない小さな粒のこと。
カリウム、鉄、酸素、炭素などたくさんの種類があって、それぞれの役目を果たして活躍しているのです。
そしてその中に、化学的性質は同じでも、重さが少しだけ違う原子(元素)があります。
これらの元素を同位元素(アイソトープ)と呼びます。

同位元素の中には「活発な状態の原子」から「落ち着いた状態の原子」に変わろうとする時に
放射線を出す放射性同位元素(ラジオアイソトープ)というものがあります。
自然界には、ウラン、ラジウム、カリウムなど約90種類の元素があり、
一方同位元素は原子炉などで人工的に作り出されているものを含めると約2,000種類以上もあります。

ちなみに放射線を出すアイソトープを含んだ物質を放射性物質、放射線を出す能力を、放射能といいます。


抗体医薬品
がん細胞などの特定の細胞だけを狙い撃ちにする抗体を利用した医薬品
抗体医薬品とは、特定の細胞や組織(物質や分子)にだけ効果がある抗体を利用した医薬品のことです。
抗体医薬品は、がん細胞などの表面に出ている、異物であること示す目印(抗原タンパク質)を
ピンポイントでねらい撃ちするため、治療効果と副作用の軽減が期待できます。
そのため、効果的かつ副作用の少ないがん治療が可能になることが期待されています。


トロトラスト
二酸化トリウムコロイドを主剤とするX線
造影剤トロトラストは、わが国では広島、長崎の原爆に次ぐ大規模な放射線による健康障害をもたらした。
体内に注入されたトロトラストは肝臓や骨髄などに沈着しα線を長年月にわたって放出する。
数十年経過後、肝がん、肝硬変や白血病を発症し、死亡率も高いことが明らかにされている。


福島 昭治(ふくしましょうじ)
食品安全委員会添加物専門調査会座長、中央労働災害防止協会日本バイオアッセイ研究センター所長
名古屋市立大学医学部卒。医学博士。
大阪市立大学大学院医学研究科長兼医学部長、都市環境病理学教授等を経て現職。
化学物質の発がん性、特にリスクアセスメントを研究領域とし,発がん物質のしきい値,
ヒト発がん物質ヒ素の実験的証明,がんの化学予防などについて焦点を絞って研究
また,実験的膀胱発がんおよび膀胱の病理,特にチェルノブイリ事故後の膀胱病変を追究している
著書多数。

MAPキナーゼ
分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(英:Mitogen-activated Protein Kinase)
全身の細胞に広く発現しており、様々な細胞の機能発現において重要な働きをしている。
単にMAP(マップ)キナーゼと略して呼ばれることが多い。


NF-κB(エヌエフ・カッパー・ビー
NF-κBは免疫反応において中心的役割を果たす転写因子の一つであり、
急性および慢性炎症反応や細胞増殖、アポトーシスなどの数多くの生理現象に関与している。
NFκB活性制御の不良はクローン病や関節リウマチなどの炎症性疾患をはじめとし、
癌や敗血症性ショックなどの原因となり、特に悪性腫瘍では多くの場合NF-κBの恒常的活性化が認められる。
さらにNF-κBはサイトメガロウイルス (CMV) やヒト免疫不全ウイルス (HIV) の増殖にも関与している。


http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.php?deli_id=41163&media_type=wb 
国会審議テレビ中継のビデオが観られます


説明・質疑者等(発言順): 開始時間 所要時間
 牧義夫(厚生労働委員長)  9時 01分  02分
 明石真言(参考人 独立行政法人放射線医学総合研究所理事 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会放射性物質対策部会委員)  9時 03分  12分
 唐木英明(参考人 日本学術会議副会長 東京大学名誉教授)  9時 15分  14分
 長瀧重信(参考人 長崎大学名誉教授)  9時 29分  16分
 沢田昭二(参考人 名古屋大学名誉教授)  9時 45分  15分
 児玉龍彦(参考人 東京大学先端科学技術研究センター教授 東京大学アイソトープ総合センター長)  10時 00分  16分
 今中哲二(参考人 京都大学原子炉実験所助教)  10時 16分  16分
 山口和之(民主党・無所属クラブ)  10時 32分  21分
 吉野正芳(自由民主党・無所属の会)  10時 53分  20分
 坂口力(公明党)  11時 13分  21分
 高橋千鶴子(日本共産党)  11時 34分  21分
 阿部知子(社会民主党・市民連合)  11時 55分  22分
 柿澤未途(みんなの党)  12時 17分  25分

 


”想定外”のためならなんでもする 東電「シュミレーション解析」騙しのテクニック

2011-07-28 22:22:12 | 原発・放射能

 原子力資料情報室 http://cnic.jp/files/445p1-5.pdf

国と東電が、できることなら永遠に遠ざけておきたい話は、東電・福島第一原発1~3号機の重要な設備や機器が、“想定外”の大津波とは無関係に、「地震動」によって重大な損傷を負ったとすることだ。

なぜなら、もし福島第一原発1~3号機のいずれか一つにおいてでも、たとえばなにがしかの重要な配管が地震動で破損し、その破損部から冷却材が格納容器に噴出するような「冷却材喪失事故」(LOCA)が起きていたことがわかれば、「原発中枢構造の耐震脆弱性」という、地震国日本の原発の安全性を根底から揺るがす深刻な問題が浮上するからだ。

そしてそうなれば、津波対策と電源対策を既存の原発の運転再開・運転継続の条件としている現政府の基本方針が根本的な見直しをせまられるだろうし、中部電力・浜岡原発を動かすことは、事実上永久にできなくなるだろう。

  しかし、いつまでも事実を覆い隠すことはできまい。これまでに東電が公表してきた各種データから判断するかぎり、少なくとも1号機に関しては、地震発生時に原子炉系配管が冷却材喪失事故を起こした可能性がきわめて高い……


福島第一原発は日本国内で最悪 世界的にも最悪クラスの「危険な原発」だった! 東電の内部文書

2011-07-27 22:11:11 | 原発・放射能

ロイター通信は26日のスペシャル・レポート、東電の福島第一原発(フクイチ)が2004年から2008年の5年間において、作業員の被曝対策の面で「国内最悪の原発」と、東電自身が内部文書で評価していたと報じた。 ⇒ http://uk.reuters.com/article/2011/07/26/us-fukushima-hazardous-idUKTRE76P73920110726?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter

 また海外の原発との比較では、フクイチは2003年から2005年において、インドのタラプール原発、米国・エリー湖岸のペリー原発に続き、世界で3番目に危険な原発だった、と東電自身が評価していた。

 米国の同じ型の炉(GE社製、沸騰水炉)との比較では、フクイチの各炉は2001年において、米国平均の2.5倍もの被曝を作業員に強いていた。その差は2009年までに、1.7倍に縮まった。

 ロイター通信はさらに経産省のデータを検証した結果、「フクイチ」の非正規作業員らは過去10年間において、国内の他の原発の作業員の平均より73%も多く被曝していたことが分かったと報じた。
 これは東電正社員(作業員)の3倍。それを平均した「フクイチ」作業員の被曝量は、、米国の同型炉の平均被曝量を3分の1近く上回る。

 このため、「フクイチ」の各炉(各号機)は過去5年間において、それぞれ300人近くの作業員太を10~20ミリシーベルト、被曝させていた。それだけの被曝は、米国の同型炉では、各炉平均22人に過ぎなかった。

 この日米の差に関しロイター通信は、米国の電力会社は模擬炉を建設して作業員を訓練するなど対策にあたっていることを挙げている。

 こうした中で東電は2007年に、国内最悪のフクイチの作業員被曝を10年がかりで、2017年までに国内平均レベルまで引き下げる計画を立てていた。

 「フクイチ」の被曝安全対策が劣悪だったことに関し、米政府の科学アドバイザーを務めたこともあるナジム・メシュカティ南カリフォルニア大学教授は「今回の人災の根本的な原因は(東電の)非効率的な――お粗末の典型ともいえる――安全策の実施状況とその記録に見出だすことができる」と指摘している。

 これに関してロイター電は東電の内部文書のひとつに、東電の現場マネージャーが作業員の被曝対策より、経費削減を国際基準の最低のところまで下げようとしがちである、との記述があると指摘している。 


福島避難区域の豚1万頭は「他県産」化けて全国の食卓へ!【福島避難区域の豚1万頭】

2011-07-27 12:55:50 | 原発・放射能

福島避難区域の豚1万頭は「他県産」化けて全国の食卓へ!【福島避難区域の豚1万頭】


2011年07月26日 00:00
7月15日、熊本県が豚から初めて放射性セシウムを検出したと発表した。牛肉だけでなく、豚肉までセシウムに汚染されたものが全国各地に流通していることが明らかになったのだ。

地元紙記者は「今回、解体された豚は、福島県川俣町で飼育されたものなのです」と語るが、福島県の養豚組合の担当者は「牛と違い豚には個体識別番号はありませんので、出荷地が生産地になってしまいます」と説明する。つまり、移送された豚は「福島県産」とはならず、食肉として出荷された地域からの「他県産」となってしまうということだ。

前出の養豚組合の担当者は「これまで緊急時避難準備区域と計画的避難区域から約1万頭が県外へと移動しています。出荷されたのは、主に長野県や群馬県、新潟県、熊本県など。いずれも避難先の県産として出荷されています」と明かす。

政府や県はこの事実を知った上で、豚の県外移動を認めている。食卓を守るために消費者が頼るのは産地表示。だが、「○○県産」だから大丈夫、というような判断は信用できなくなっているということなのだ。本誌では、飼育業者が食肉流通の実態を激白!

 

被曝危険牛4300頭は“検査なし”で全国出荷された【放射能】


2011年07月19日 00:00

福島第一原発から30キロ圏内の緊急避難準備区域内にある、福島県南相馬市原町区。ここから出荷された牛肉から、1キロあたり500ベクレルを超える放射性セシウムが検出されたのだ。これは、最大で暫定基準値の6.8倍にもなる数値だ。

牛がセシウムに汚染された原因はセシウムを含んだ稲わらを与えたためだと言われている。しかし、原町区で畜産業を営む男性は「県からも組合からも、稲わらが駄目だって聞いていなかったんです」と話した。

今回、セシウムを検出した東京都中央卸売市場食肉市場は「全部の牛に検査を行うのではなく、決められた対象のみを検査しています。福島県では牛の体表検査を行い、水やエサの安全性はチェック表をつくり、生産者ごとに聞き取り調査を行っています。こちらではそのチェック表を信頼するしかありませんでした」と語った。

農水省によると、計画的避難区域と緊急避難区域からそうした調査のみで出荷された牛は約4300頭にものぼるという。体表検査では、牛の内部被曝まではわからない。つまり、4300頭は“放射性検査なし”で出荷されてしまったのだ。

食卓に安全を取り戻すためにも、早急な国の対処が望まれる。本誌では、混乱をきわめる食肉流通の今を徹底追跡!

  

 

 

放射能汚染食品 “規制値超え”野菜は中京&関西にも出荷されていた!!【放射能汚染食品】


2011年04月12日 00:00

原発からの放射能漏れは収まらず、福島県、茨城県産をはじめ、多くの野菜、魚介、原乳、卵などから放射性物質が検出されている。4月4日、厚生労働省が発表した震災後の912件の食品調査結果によると、75%以上の702件で放射性物質が検出されていた。

本誌はこうした公的資料をもとに、これまで放射性物質が検出された食品を調査。その結果、放射性物質の規制値を超えているにもかかわらず、すでに市場に出荷・流通している食品があったということがわかったのだ。

東京都で流通していた千葉県旭市産の春菊は、放射性ヨウ素が規制値の2倍強の4300ベクレル。長野県では、茨城県鉾田市産のほうれんそうが2倍強の4100ベクレル。愛知県や京都府でも茨城県産の規制値越え野菜が検出されるなど、判明しているだけで5件もあった。

検査情報を注視しながら、私たち自身が注意深く食材を選ばなければならない今、本誌が調査した「汚染食品」89品目の“産地&危険度”全リストから、汚染拡大のプロセスまでを全公開!

 

 

政府・原子力安全委員会が作成していた「1年後の放射能汚染MAP」【政府】


2011年04月19日 00:00

「(福島第一原発の周辺には)当分住めないだろう。10年住めないのか、20年住めないのか、ということになってくる」。4月13日、管直人首相がそう漏らしたと報じられた。

後日、首相は自らの発言ではないと否定した。だが、その直前の10日、内閣府に付随する審議会の原子力安全委員会が「事故発生から1年間で放射線がどのくらいの総量で、どの地域に拡散するか」を予測した資料が配られていたのだ。

政府は現在、子どもの被曝量について「年間10ミリシーベルト以内に抑えるのが望ましい」と従来の目安地を引き上げた。それでも、1年後の予測だと、福島第一原発から50キロ以上も離れた伊達市や福島市もその数値を越えていたのだ。

110ミリシーベルトを越える被曝量に晒される可能性のある福島県内の住民の市町村人口を合計すると、約55万人にのぼる。菅首相の“20年住めない”発言はこうした予測数値を念頭に置いた上での言葉だったのだ。1年後の放射能汚染MAPの全容は本誌で公開!

 

放射能汚染 200キロ圏外でも急増中!「ホットスポット」最新出現エリア!【放射能汚染】


2011年05月24日 00:00

福島第一原発から200キロ圏外にある千葉県松戸市。5月10日、日本共産党・うつの史行市議がこの地で放射能を測定したところ、1時間に1・28マイクロシーベルトという驚愕の数値が検出された。

この数値は年間被曝量に計算すると、11ミリシーベルト。法律で定められた被曝限度の1ミリシーベルトをはるかに上回るのだ。こうした200キロ圏外でも高い放射線値が検出される飛び地「ホットスポット」が急増中だという。

そのほか、千葉県柏市にある東京大学柏キャンパスでは4月9日に0・59マイクロシーベルト、千葉県流山市美田では4月13日に0・537マイクロシーベルト、東京都葛飾区金町では5月8日に0・50マイクロシーベルトなど、各地で高い数値が検出されているのだ。

さらに、中部大学の武田邦彦教授は「側溝、雨どいの落ちるところ、芝生、草むらなど、あなたの身近にも放射性物質がたまる『ミニホットスポット』もあります」と警鐘を鳴らす。東日本大震災から2カ月、新たに出現した最新高濃度エリアを本誌で総力取材!

 

女性自身[光文社女性週刊誌] - http://t.co/UGokUJQ より転載


“流通の闇に消える 福島産「被爆食品」” 地元在住記者が苦渋の告発!

2011-07-26 12:47:37 | 原発・放射能

“流通の闇に消える 福島産「被爆食品」”
地元在住記者が苦渋の告発!
  別冊 宝島

以下 宝島から転載

原発難民が手がけるタケノコの産地偽装

 ところが一方で、こうした汚染山菜を福島県民以上に食べているのは首都圏の消費者かもしれない。というのも、出荷制限を受けている時期に裏ルートで首都圏にどんどん出荷されたからだ。圏内では、どのスーパーも「福島県で採れた今年の山菜は扱わない」と言っていたので、地元で食べるのは自分で採った一部の山菜好きに限られる。
各種山菜を都内の卸業者に送り届けてきた会津地方の男性は、「今年は放射能のおかげで競争相手が少ないから採り放題だった」と前置きして、こう打ち明ける。「福島県産だと、卸業者も『それでは売れない』と言うので、話し合ったすえ、新潟、山形県産にして出荷することにした。セリ(卸売市場)にかけるわけじゃないから、そんなことはどうにでもなるわけさ。本当の産地を言ったら、店が買ってくれないから仕方ないよ。俺だって生活がかかってるしな。でも放射能汚染をネタに卸業者に買い叩かれたから、去年の半値にもならなかった。」

浜通りのある男性も同じ手口で地元産山菜を首都圏の業者に売り払ってきた。
「10年以上前から付き合いのある業者から『東日本大震災と放射能騒ぎで東北産の山菜が品不足だ。関東のスーパーではタケノコが一本800円模するので、そっちで何とか調達できないか」と言われた。浜通りではタケノコから基準値オーバーのセシウムが検出され、県が採取、出荷自粛を呼びかけていたけど、自粛したら俺たち一家が干上がってしまう。竹林の持ち主が『竹がこれ以上増えたら手に負えなくなる。どんどん採ってくれ』と言うので、3日に一回のペースで東京に運んだ。
もちろんトラックでね」
男性は、原発事故後に設定された屋内退避指示圏(緊急時避難準備区域)の住民だが、いち早く家族とともに地元を離れ、原発から南25~68キロメートル圏に位置するいわき市に避難。すでに東電から仮払い補償金100万円を受領。
そしてアパート暮らしの原発難民として最初に手掛けたのが、タケノコ転売だと言う。タケノコは福島県産ではなく、すべて新潟、山形、青森県産として売り、都内の業者も「了解済み」だった。・・中略・・。男性は現在、同じ原発難民の友人と組んで施設栽培のイチゴを取り扱っている。「イチゴは出荷制限を受けていないけど、放射能騒動の影響で売れ行きがガタ落ちだ。福島県民が福島県産を警戒しているんだから、どうしようもない。それで浜通り、中通りのイチゴ農家からブツを安く買い集めて東京に運んでいる。横浜と名古屋に運んだこともある。タケノコと同じで福島県産とは言えないので、千葉、埼玉、栃木県産として売っている。売値は関東産の相場の半分だから、買取業者は大喜びだよ」
男性は別れ際、「戦後のドサクサのなかで闇商売をやっているようで、ヘンテコな後ろめたさを感じることもあるよね」と呟いた。
「闇商売、ここに極まれり、じゃないの。産地偽装は犯罪だから」と言うと、「アンタも人が悪い!」と捨てゼリフを残してトラックで走り去った。

転載 終わり


牛肉からも高濃度の放射性セシウム検出 放射能が身体に与える影響を考える (ダイヤモンド社)

2011-07-26 12:45:09 | 原発・放射能

――崎山比早子 元放射線医学総合研究所主任研究員・高木学校メンバー インタビュー

福島第一原子力発電所の事故から4ヵ月が経過した。当初、漏れ出た放射能による汚染は福島原発周辺の市町村だけと伝えられていた。しかし、その後の自治体などの調査で、国が定めた避難区域以外にも一般の人の年間被ばく限度を超える可能性のある汚染地域が存在することが明らかになり、住民は不安をつのらせている。

6月6日、筆者が共同主宰する「日本の医療を守る市民の会」では、被ばくについての正しい知識を市民に届けるために、元・放射線医学総合研究所主任研究員で医学博士の崎山比早子氏(「高木学校」メンバー)の講演会を開催した。今回は、その崎山氏に改めて放射線が身体に与える影響についてインタビューした。

■被ばくに安全な「しきい値」など存在しない

――福島第一原発事故の対応策として、国はこれまで1mSv(ミリシーベルト)だった一般の人の年間被ばく限度を、緊急時ということで20mSv(暫定基準値)まで引き上げました。福島の母親たちを中心とした運動によって、子どもの被ばく限度は1mSv以下を目指すことになりましたが、避難地域に指定されていない伊達市や川俣町などには年間被ばく量が外部被ばくだけで20mSv以上に達する地域が点在しています。低線量被ばくは「CT検査1回分の線量だから大丈夫」「広島の原爆被害者の調査でも100mSv以下ではがんは増えていません」という専門家もいますが、本当に健康への影響はないのでしょうか。

 放射線被ばくの障害は、被ばくした線量によって急性障害と晩発障害に分けられます。一度に大量の放射線を浴びると、短時間で嘔吐、下血、吐血、紫斑、脱毛などの急性障害が現れますが、いちばん軽い症状はリンパ球や白血球の一時的減少です。これが出始める100~250mSv付近が、急性障害の「しきい値」(この線量以下ならば被ばくしても急性症状がでないという値)となっています。 

 福島第一原発事故のあと、テレビで政府関係者や専門家が「ただちに健康に影響を及ぼす線量ではないから安心」と繰り返したのは、この急性障害を引き起こすような線量ではないということでしょう。

 100~250mSv以下の低線量被ばくは、すぐに目に見える形で健康被害が出るわけではありません。だからといって安全なのではなく、被ばく後、数年~数十年たってから、がんをはじめとしたさまざまな病気になる危険性があるのです。これを晩発障害といいます。

 アメリカの原爆障害調査委員会(ABCC)が始め、その後、放射線影響研究所が引き継いだ広島原爆被爆生存者約9万人に行った生涯追跡調査によると、がんの他に、心疾患、脳血管疾患、消化器疾患、呼吸器疾患も増加することが明らかになっています。この人たちの平均被ばく量は200mSvですが、半数以上は50mSv以下です。とくに、がんの死亡率は被ばく線量が多いほど増加しますが、この線量以下ならば被ばくしても害はないという「しきい値」は見つかっていません。

 広島・長崎の被爆者追跡調査は世界でも信頼性の高い研究として評価されており、国際放射線防護員会(ICRP)もこの調査結果に基づいて「発がんには『しきい値』はない」という勧告を出しています。また、米国科学アカデミー(BEIR VII)、国連科学委員会(UNSCEAR)、欧州放射線リスク委員会(ECRR)も、低線量被ばくの「しきい値なし直線説」を採用しています。それなのに、日本の医療者の中にはABCCの調査結果を無視するような発言をする人がいるのです。もしも「100mSvで害がない」というなら、この調査を上回るしっかりとした科学的根拠を示すべきだと思います。

――1986年のチェルノブイリ原発事故のあとで、子どもの甲状腺がんが増えたと聞くのでとても心配です。どれくらいの割合で増えたのでしょうか。

 チェルノブイリ原発の事故が起こる前までは、ベラルーシ共和国では小児の甲状腺がんは年間数人でした。ところが、事故の4年後の1990年には15歳未満の子どもの30人程度に甲状腺がんが見られるようになり、1995年には90人近くまで増えています。これは原発事故の影響といって間違いないでしょう。

――被ばくをすると、なぜ、がんになるリスクが増すのでしょうか。

 がんは遺伝子の異常によって起こる病気で、複数の遺伝子の変化が積み重なってできるものです。がんが高齢者に多い病気なのは、長く生きている間に環境中にある化学物質、放射線などによる変異が蓄積するからで、環境中に放射能が増大すると、その変異を促進すると考えられています。

 人間の身体は約60兆個の細胞によってできており、細胞は日々生まれ変わっています。ひとつひとつの細胞には身体の設計図となるDNAがあり、細胞が分裂するときは設計図通りに複製されて新しい細胞に伝えられます。放射線を浴びると、このDNAに傷がつきます。細胞はDANの損傷を修復しようとしますが、複雑な損傷で、数が多くなると修復できなくなります。

 1999年に東海村で起きたJCO臨界事故では、作業員の方が1万7000~2万mSvもの高線量の被ばくをし、修復不可能なほどDNAに損傷を受けました。本質的な治療は切断されたDNAを正しくつなぎ合わせることですが、そのようなことはできるはずもありません。被ばくの当初はほとんど異常がないように見えましたが、細胞が入れ替わる時期から皮膚がむけおち、腸管からの下血、感染症が始まりました。そして、最新の治療を受けましたが、83日後に亡くなりました。主治医は「医療の限界を痛感した」と言っています。

 低線量の被ばくでも、本質的に細胞に与える損傷のメカニズムは同じで、身体の設計図であるDNAに傷をつけてしまうということです。年間被ばく量1mSvということは、1年かけて全身の細胞のDNAに平均して1本の放射線が通るということを意味します。そのときにできた傷が正しく修復できないと、異変をもったままDNAが複製され、次の細胞に受け継がれていくことで、将来的にがんを発症する可能性がでてきます。20mSvの被ばくだと平均20本の放射線が通ることになり、それだけDNAが損傷されて異変の可能性が高まり、発がんのリスクも高まることになります。

 さらに、放射線被ばくの影響は、がんだけではなく、さまざまな病気の発症にかかわっているという研究データもあります。

■セシウムの高線量地域では子どもに高血圧、糖尿病、白内障などの症状が見られる

――被ばくによる障害は、がんのほかに、どのようなものがあるのでしょうか。

 1997年にベラルーシ共和国のゴメリ州で、10歳までに死亡した子ども52人を病理解剖して、セシウム137の臓器別蓄積量を調べた研究論文があります。
(Bandazbervsky Y.I. Swiss Med Wkly 133,2003)

 日本の専門家の中には「セシウムは骨格筋にしか蓄積されない」という人もいるのですが、この論文によると、骨格筋より甲状腺に圧倒的に高いセシウムが蓄積されています。その他、副腎、膵臓、胸腺にも高線量のセシウムが蓄積されていますが、これらはすべて身体の成長や代謝に重要な働きする内分泌系です。ここに高線量のセシウムが貯まると、ホルモン分泌も悪くなったりして、成長を妨げることになります。そのため、なかなか身体が大きくならなかったり、虚弱体質の子どもが増えたそうです。ゴメリ州には糖尿病の子どもも多いのですが、膵臓にセシウムが蓄積することで、インシュリンの分泌に影響を与えていることも考えられます。

 内分泌系以外にも、小腸、大腸、腎臓、脾臓、心臓、肺、脳、肝臓にもセシウムは蓄積しており、呼吸器疾患や消化器疾患を繰り返したり、脳神経疾患、先天異常、白内障などもあるそうです。また、高血圧、低血圧、心電図の異常など心臓血管系の疾患が多いという調査結果もあり、まるで高齢者のような病気を患う子どもがいることにも驚きます。脾臓などの免疫系にも蓄積が見られるので、免疫機能が低下し、感染症を起こして病気になりやすくなります。疲れやすく、ひとりで2つ以上の病気を抱えている子どもが多いのも特徴です。以前は全体の80~90%の子どもが健康だったのに、チェルノブイリ原発事故以降は20%程度しか健康な子どもがいなくなったということです。

 放射性セシウムは、カリウムやナトリウムと似た性質なので、これらが蓄積する器官にはセシウムも蓄積しやすいという考えもありますが、こうした病気が出る原因はまだはっきりとは分かっていません。しかし、チェルノブイリの今は、25年後のフクシマの姿です。私たちはチェルノブイリから多くを学び、子どもたちの健康を守るための努力をしなければならないと思います。

――被ばくの影響を少しでも取り除くにはどうすればいいでしょうか。

 放射線の強さが半分に減少するまでの期間(半減期)は、それぞれの放射性物質によって異なります。たとえば、プルトニウム239は2万4100年ですから、呼吸などによって取り込まれると、一生、体内で放射線を出し続けることになり非常に危険です。しかし、セシウム137の物理的半減期は30.2年で、人間の身体の中で実際に減少していく生物学的半減期は100~110日です。さらに、新陳代謝の活発な乳児は、大人の5分の1の期間で放射線量が減少していきます。

 ベラルーシで、汚染のない環境に子どもを移して、汚染されていない食べ物を与えて、体内のセシウムの量を測定したデータがあります。この時、同時にりんごの乾燥粉末(15~16%のアップルペクチンを含む)5gを、1日2回、服用させているのですが、3週間後には体内のセシウムが62.6%減少しています。

 福島のお子さんも汚染のない環境に移住できるのが理想ですが、それが難しい場合は夏休みだけでもいいので、汚染のない地域にいる親戚やボランティア団体が開催しているサマーキャンプなどのところに行かせられるといいと思います。

 チェルノブイリ原発事故によるセシウムの汚染が高い地域で、肉(牛肉、豚肉、羊肉)、きのこ類、ベリー類、牛乳を摂っている人は、これらをまったく摂っていない人に比べて、体内汚染の値が約3倍も高いという研究があります。ロシアとは食文化が違うので、これをそのまま日本に当てはめることはできませんが、肉類や牛乳、きのこ類などを食べるときは汚染がないかどうか注意することが必要だと思います。

 体内被ばくを避けるためには、できるだけ放射能で汚染された食品を食べないようにするしかありませんから、国や行政は食品の放射能測定をもっときめ細かく行うべきだと思います。チェルノブイリ原発事故のときは、放射能汚染の高い地域には汚染されていない食品を送って、優先的に食べてもらおうという運動がありました。日本の一部でも、そのような運動が起こっています。

――福島第一原発の事故のあと、「ヨウ素剤は副作用があるので飲まないように」と発言をした専門家もいましたが、ヨウ素剤はそれほど副作用の大きな薬なのでしょうか。

 放射性ヨウ素が体内に入る前から直後までにヨウ素剤を飲めば、甲状腺に入る放射性ヨウ素の93%を抑えられます。しかし、6時間後の服用では10%に減少してしまうので、ヨウ素剤は事故が起きたらすぐに服用することが大切です。

 万一の事故に備えて、フランスやドイツ、ベルギーなどでは、原発の周囲5km以内には各家庭にヨウ素剤が事前に配布されています。ところが、日本の原子力安全委員会のヨウ素剤検討会では、「誤った服用による副作用をさけるために家庭配布はしない」と決めたのです。

 しかし、ヨウ素剤には副作用はなく、チェルノブイリ原発事故のとき、ポーランドでは1050万人がヨウ素剤を服用しましたが、副作用の報告はされていません。日本でも家庭配布していて、爆発後すぐにヨウ素剤を服用していれば、もっと被ばくを避けられたかもしれないと思うと、とても残念です。ただし、飲み過ぎると甲状腺機能を抑えてしまうので、続けて服用するのは避けてください。飲み過ぎた場合は、服用を止めれば元に戻ります。

 こんなにも苛酷な事故が起きたというのに、今だに原発が稼動している地域があります。万一の事故に備えて、ヨウ素剤の配布のあり方は早急に見直すべきだと思います。


<プロフィール>
崎山比早子(さきやま ひさこ)
医学博士。マサチューセッツ工科大学研究員、放射線医学総合研究所主任研究官を経て、1999年から高木学校のメンバーに。高木学校は、プルトニウムの危険性を訴え続けた物理学者の故・高木仁三郎氏が、市民の立場から問題に取り組む市民科学者を育成するために1998年に創設した団体。


<参考文献>
●Bandazbervsky Y.I. Swiss Med Wkly 133,2003
●「受ける?受けない? エックス線 CT検査 医療被ばくのリスク」(七つ森書館)

 

ダイヤモンド社 http://diamond.jp/articles/-/13135


今後10年に福島第一200キロ圏内で20万人、今後50年には40万人もの超過ガンが発生するとの予測

2011-07-26 00:51:11 | 原発・放射能

ECRRクリス・バズビー論文「福島の破局的事故の健康影響」日本語訳 Japanese Translation of ECRR Chris Busby's Paper "The Health Outcome of the Fukushima Catastrophe"

This entry introduces a Japanese translation of a paper written by Dr. Chris Busby, Scientific Secretary of ECRR (European Committee on Radiation Risk) "The health outcome of the Fukushima catastrophe - Initial analysis from risk model of the European Committee on Radiation Risk ECRR." See this LINK for full original text in English.  Translation is by Hiroko Suzuki and Satoko Norimatsu, and supervised by Michiyuki Matsuzaki, M.D. Also see an interview with Chris Busby in the Asia-Pacific Journal: Japan Focus "Fukushima Is Worse Than  Chernobyl - on Global Contamination," of which an abbreviated translation was run in the July 8 edition of a Japanese weekly magazine Shukan Kin'yobi.

7月17-21日、日本各地で講演や記者会見を行ったECRR(欧州放射線リスク委員会)のクリス・バズビー氏が、3月30日に出した論文は、今後10年に福島第一200キロ圏内で20万人、今後50年には40万人もの超過ガンが発生するとの予測をしました。多くの関連記事や専門家インタビューで引用されているにも関わらず、まだ公式日本語訳が用意されていませんでした。今回、バズビー氏の許可を受け、北海道の内科医、松崎道幸さん監訳、翻訳家の鈴木宏子さんと、Peace Philosophy Centre の乗松聡子の翻訳で、日本語訳を発表します。

(クリス・バズビー氏についてのこのブログの関連過去記事は、『週刊金曜日』7月8日号に掲載されたインタビューをご覧ください。バズビー氏の来日時の講演の記録は、きくちゆみさんのブログ木下黄太さんのブログをご覧ください。)

日本語版は下方に画像ファイルで掲載しますが、Google Doc からのダウンロードは、以下のリンクからどうぞ。

ここをクリック → 『福島の破局的事故の健康影響 欧州放射線リスク委員会(ERCC)のリスクモデルに基づいた解析第一報 』

英語の原文はここにあります。
http://www.bsrrw.org/wp-content/uploads/2011/04/fukusima-health-ECRR.pdf

以下、この論文の「結論と勧告」を抜粋します。

1.ECRRリスクモデルにより福島事故の100キロ圏の住民300万人に対する健康影響を検討した。100キロ圏内に1年居住を続けることにより、今後10年間で10万人、50年間でおよそ20万人がガンを超過発病すると予測された。直ちに避難を行うことでこの数字は大きく減少するだろう。100キロ圏と200キロ圏の間に居住する700万人から、今後10年間で10万人、50年間で22万人が超過発ガンすると予測された。これらの予測値は、ECRRリスクモデルおよびチェルノブイリ事故後のスウェーデンでの発ガンリスクに関する疫学調査に基づいて算定されたものである。

2.ICRPモデルは、100キロ圏での超過発ガン数を2838人と予測している。したがって、福島事故によるガンの最終的な超過発生数が分かるときに、どちらのリスクモデルが適切かの答えがでるだろう。

3.日本の文部科学省が公表したガンマ線量の公式データは、一般的に承認された科学的手法を用いて、測定箇所の地表汚染レベルを逆算するために使用できる。その結果、IAEAは汚染レベルを明らかに低く見積もった報告を行っていることが分かった。

4.放射性同位体別の地表汚染レベルの測定を緊急に実施することが必要である。

5.100キロ圏の北西部に居住する人々は直ちに避難し、その地域を立ち入り禁止とすべきである。

6.ICRPリスクモデルを廃棄し、すべての政治的決定をECRR www.euradcom.orgの勧告に基づいて行うことを求める。これは、2009年のレスボス宣言に署名した著明な放射線リスク専門家が出した結論である。

7.一般国民から意図的にデータを隠した者に対しては、調査のうえ法的処罰を与えるべきである。

8.メディアを通じて今回の事故の健康影響の過小評価をもたらす行為を行った者に対しても調査のうえ法的処罰を与えるべきである。


ぜひこの論文が幅広く読まれるように広めてください。バズビー氏の予測は、その数字の深刻さから、攻撃を受けることもあります。しかし論文の結論が気に入らないからといって否定する理由にはなりません。その結論に導くまでの前提条件と方法論、分析と結論を把握した上で、専門家から一般まで幅広く読まれ、内容が議論される必要があります。そういう意味でもこの日本語版の意義は大きいと信じます。

全文はこちら⇒http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/07/japanese-translation-of-ecrr-chris.html


上記で紹介した資料の「表3」の一部を抜粋

3月21日 ・・福島原発から56~200km圏の測定を実施した。福島県内2ヶ所で、ガンマ線量と、ベータ・ガンマ線汚染レベルの測定を繰り返した。・・線量率は2-160マイクロシーベルト/時だった・・

 

 


福島第1原発事故の収束作業中に死亡した男性作業員 両耳が濃い紫色に変色

2011-07-24 22:30:13 | 原発・放射能

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110712ddm041040196000c.html

 東芝(本社・東京都港区)の協力企業から派遣され東京電力福島第1原発事故の収束作業中に心筋梗塞(こうそく)で死亡した男性作業員の遺族が、「発症は短期間の過重業務が原因」として週内にも労災を申請することが11日、分かった。同原発事故の収束作業をめぐる労災申請は初めてとみられ、労働基準監督署の判断が注目される。
【西嶋正信】

 作業員は5月14日に死亡した静岡県御前崎市池新田、配管工、大角信勝さん(当時60歳)で、タイ国籍の妻カニカさん(53)が、東芝の労災保険窓口となっている横浜南労働基準監督署(横浜市)に労災申請する。

 東芝などの説明によると、大角さんは浜岡、島根原発などで作業経験があり、収束作業を請け負った東芝からみて4次下請けにあたる御前崎市内の建設会社の臨時雇いだった。

 5月13日から午前6~9時のシフトで集中廃棄物処理施設の配管工事などを担当し、2日目の14日午前6時50分ごろ、特殊のこぎりを運搬中に体調不良を訴えた。福島県いわき市内の病院に運ばれ、午前9時半過ぎ、心筋梗塞での死亡が確認された。作業の被ばく放射線量は計0・68ミリシーベルトと少なく、被ばくの影響はないとされた。

 一方、大角さんが体調不良を訴えてから病院に着くまで2時間以上かかるなど救急体制の不備が指摘され、以降、東電は現場に常時医師を配置する措置を取っている。東電、東芝からカニカさんに見舞金や補償は支払われていない。代理人の大橋昭夫弁護士は「大角さんは防護服とマスクを装着する過酷な環境で働いていた。命がけで作業に従事した大角さんにあまりに冷たい対応」と話し、遺族が証言する遺体の状況から死因もより詳しく調べてほしいという。カニカさんは「健康上の特段の問題はなかった」とも話し、東電と東芝に損害賠償を求めることも検討している。

 労災申請について東電は「(大角さんの死と)業務との関連性は高くないと考えている」と話している。また東芝広報室は「労働と心筋梗塞との因果関係は不明で、今の段階では労災だったかどうかは判断できない」としている。

 ◇「危ないと知らず送り出した」 悔やむ妻に補償なく
 「危ないところとは知らずに夫を送り出してしまった」。大角さんの妻カニカさんは悔やむ。配管工として全国の原発を転々とし、溶接で作業服によく穴を開けて帰ってきた。福島へ行く前日の5月10日、カニカさんは新しい作業服2着と靴や帽子などを買い、旅行かばんに入れた。

 11日午後8時ごろ、福島第1原発の宿舎に到着した大角さんから電話があった。

 「寂しい?」

 「現場は暑いから気をつけてね」

 「僕を心配しないで、自分のことを心配しなさい。あと2年働く。お前は言葉(日本語の読み書き)も分からないから、2年後は一緒にタイで農業をしよう」。それが夫婦の最後の会話だった。

 「いつも私をかばってくれる思いやりのある夫でした」とカニカさんは声を震わせる。「最後まで私のことを心配してくれていました。たった3日で死んでしまうなんて……」

 15日朝、福島県内の警察署で夫の遺体と対面した。両耳が濃い紫色に変色、ほおやあごに傷があった。でも、病死とされ、遺族には何の補償もない。

 カニカさんは弁当製造のパートとして働いている。朝5時に家を出て職場に向かい、帰りは午後7時、残業があると午後10時ごろになる。1カ月の手取りは13万円ほどだ。家にはテレビはない。「夫がいないと道も分からない」と心細さに涙する。「ただいま」「おう、お帰り」という夫婦の会話を思い出す。

 今でもカニカさんは1人で暮らすアパートで「ただいま」と声をかける。でも、返事は返ってこない。

【西嶋正信】

毎日新聞 2011年7月12日 東京朝刊  


紫斑

紫斑、すなわち皮下出血は、急性放射線疾患の症状の一つです。原爆被爆後数日から数週間にかけて、重度被爆者は発熱、吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢を伴う血便、脱毛、紫斑または点状出血、のどまたは口内のただれ(鼻咽頭潰瘍)、歯ぐきの衰退および潰瘍(壊死性歯肉炎)を経験しています。これらの症状の発生時期はそれぞれ異なりますが、一般的に、重度被爆者においては早くから発生しました。

http://www.rerf.or.jp/glossary/purpura.htm


「フクシマ」事故前、「配管破断による溶融貫通」想定シミュレーション(アニメ動画)を制作

2011-07-24 19:49:10 | 原発・放射能

http://www.youtube.com/watch?v=wwYk62WpV_s&feature=player_embedded 約5分

↑↑↑「フクシマ」事故前、同じ型の原子炉(沸騰水・マークⅠ型)での「配管破断による溶融貫通」想定シミュレーション(アニメ動画)を制作していた

 

書き起こし

今からごらんいただく映像は、沸騰水型の設計基準を超えるような

いわゆるシニアアクシデントを想定し、視覚的に説明したものです。

この例では二十数時間におよぶ事故の経過をおよそ5分にまとめたものです。

防災用事故シナリオ理解のための教材(BWRマークI)

それでは、

原子炉圧力容器に繋がる大きな配管が破断し、

大量の放射能が環境に放出される様子をごらんいただきます。

これは、

事故発生後に制御棒が完全挿入されたことにより、原子炉が停止し、

その後、炉心を冷却するためのすべての注水に失敗するケースです。

 

書き起こしおわり、全文は映像で・・。

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 冷却停止から、たった3時間で核燃料、圧力容器を貫通 !放射性ガスの環境放出まで「わずか20数時間」!