原子力資料情報室 http://cnic.jp/files/445p1-5.pdf
国と東電が、できることなら永遠に遠ざけておきたい話は、東電・福島第一原発1~3号機の重要な設備や機器が、“想定外”の大津波とは無関係に、「地震動」によって重大な損傷を負ったとすることだ。
なぜなら、もし福島第一原発1~3号機のいずれか一つにおいてでも、たとえばなにがしかの重要な配管が地震動で破損し、その破損部から冷却材が格納容器に噴出するような「冷却材喪失事故」(LOCA)が起きていたことがわかれば、「原発中枢構造の耐震脆弱性」という、地震国日本の原発の安全性を根底から揺るがす深刻な問題が浮上するからだ。
そしてそうなれば、津波対策と電源対策を既存の原発の運転再開・運転継続の条件としている現政府の基本方針が根本的な見直しをせまられるだろうし、中部電力・浜岡原発を動かすことは、事実上永久にできなくなるだろう。
しかし、いつまでも事実を覆い隠すことはできまい。これまでに東電が公表してきた各種データから判断するかぎり、少なくとも1号機に関しては、地震発生時に原子炉系配管が冷却材喪失事故を起こした可能性がきわめて高い……