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青森県も驚いたMOX(混合酸化物)で核兵器ができるという事実

2012-01-30 23:30:51 | 原発・放射能

青森県も驚いたMOX(混合酸化物)で核兵器ができるという事実

3月9日、訪日中の韓国の核拡散問題の専門家姜政敏(カン・ジョンミン)博士が、米国人の専門家二人とともに、青森県三村知事に対し、六ヶ所再処理工場が核拡散を制限しようという国際的努力に与える脅威について日本に存在すると見受けられる「独りよがりの安心感」に関して懸念を表明する書簡を送付しました。カン博士は、10日、青森県庁を訪れ、不明点について政府の説明が得られるまで同工場のアクティブ試験の開始を認めないよう知事に求める要請書を手渡しました。また、13日には、ピースボートを初めとする日本の5団体とともに経済産業省を訪れ、同様の趣旨の二階大臣宛て要請書を手渡しました。

米韓専門家3人の書簡概要

米韓の専門家ら、六ヶ所再処理工場のもつ核拡散問題上の懸念について青森県知事に書簡──日本政府の「独りよがりの安心感」を批判:六ヶ所再処理工場の製品(ウランとプルトニウムの混合酸化物粉末は核兵器に転用可能

カン博士の他、先月青森県を訪れた米国「憂慮する科学者同盟(UCS)」のエドウィン・ライマン博士及びプリンストン大学のフランク・フォンヒッペル公共・国際問題教授が署名した書簡は、六ヶ所再処理工場が核拡散に与える影響についての懸念を表明したマサチューセッツ州のエドワード・マーキー議員を初めとする6人の議員に対し加藤良三大使が2月14日に送った返答に言及し、返答が「六ヶ所工場においては、純粋なプルトニウム酸化物単体が存在することがないように、ウランと混合したMOX粉末(混合酸化物粉末)を生成するという技術的措置も講じられている」と、この混合酸化物が酸化プルトニウムと非常に異なり、核兵器用物質にするのが極めて難しいかのように述べているのは根拠がないと批判しています。

書簡は、ライマン博士が2月21日、エルバラダイIAEA事務局長の特別補佐官を務めたこともある外務省国際原子力室長の小溝泰義氏に面会した際に、マーキー議員らへの書簡におけるステートメントとIAEAの手引きの間の矛盾に関する日本政府の立場について説明を求めたが、小溝氏は、ライマン博士や米国議員らに対し日本政府の文書による回答を後日送るとの約束をすることをも拒否したとし、県として、政府の詳細な技術的説明を求めるべきだと指摘しています。そして、もし日本政府が、技術的に健全な説明を提供することができなければ、県は、六ヶ所再処理工場の運転開始を許すべきではないと述べています。

書簡は、最後に、カン博士が知事や県職員に本件やその他の関連した問題について説明する用意があるとして結んでいます。

カン博士略歴:

核問題アナリスト(ソウル)

1965年生まれ
ソウル大学原子力工学学士・修士号
東京大学原子力工学博士号
1998-2000年 プリンストン大学研究員
ピーター・ヘイズの主宰するノーチラス研究所の研究員
韓国「大統領持続的発展委員会」原子力問題諮問委員

最近の論文に、米国で提唱されている「核拡散抵抗性」再処理技術が実は「抵 抗性」が高くないことを分析したものがある。(プリンストン大学のフランク・フォンヒッペル教授との共同論文。「科学と世界的安全保障」誌。)

背景説明

  1. ポイント
  2. MOX(混合酸化物)と核兵器
  3. マーキー議員らの書簡後のやりとり整理
  4. 資料

1.ポイント:

六ヶ所再処理工場の運転が核核拡散に与えるマーキーらの書簡(1月26日)に対し、日本政府は、同27日発表の政府見解において

「六ヶ所工場においては、純粋なプルトニウム酸化物単体が存在することがないように、ウランと混合したMOX粉末(混合酸化物粉末)を生成するという技術的措置も講じられている」

と述べているが、

これは、「テロリストたちによる核兵器の獲得」についての懸念に応えるものになっていない。強い放射能を持つ核分裂生成物から分離されてしまったウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)からプルトニウムを取り出すのは簡単であり、IAEAの保障措置用語集(2001年版)にある「完成したウランまたはプルトニウム金属構成要素への推定物質転換時間」の表においても、二酸化プルトニウムと同じカテゴリーに入っていて、その転換時間は、1‐3週間とされている。

2.MOXと核兵器

六ヶ所ではウランとプルトニウムの酸化物を50:50の割合の「混合酸化物(MOX)」として取り出す。六ヶ所村に建設予定のMOX燃料工場では、この混合酸化物(MOX)にさらに劣化ウラン(ウラン238)を加えて「MOX燃料」を製造する計画。

1)MOXからプルトニウムを取り出して核兵器の金属構成要素にするのにかかる時間

──1-3週間(IAEA保障措置用語集2001年版)

そもそも、二酸化プルトニウムを金属プルトニウムにする技術を持っているような集団であれば簡単にMOXからプルトニウムを取り出して金属にできる。8kgのプルトニウムで核兵器が一発できるとして、混合物なら16kg盗めば良いわけで、重さにそれほど差ができるわけでもない。

2)さらに50:50のMOXは、金属にすればそのままでも核兵器になる。

混合酸化物を金属の混合物にすれば、そのままでも長崎型の核兵器に使える。(MOX粉末のままでも核兵器になるとの議論もある。)

3)MOX燃料からも金属プルトニウムを取り出して核兵器にできる。

MOX燃料の場合には、1体の重さが約500kg。プルトニウム富化度を6%とすると、30kgほどのプルトニウムが含まれていることになる。これを盗むのは、放射線の遮蔽をする必要がないから、トラックを使えば可能。

いずれにしても、六ヶ所で取り出したMOXが核兵器に使えないから核拡散につながらないと言うような日本政府の主張は、国際的には全く通用しない。マーキー議員らは日本が核武装計画を持っていると非難しているわけではなく、世界で現在以上に核兵器転用可能物質が蓄積されることが核拡散に与える一般的影響、テロリストによる奪取などを心配している。

参考:

『再処理の危険』ハロルド・ファイブソン
(プリンストン大学科学・世界安全保障プログラム上級研究政策科学者)

MOX燃料輸送と核拡散 ─ 原子炉級プルトニウムでできる核兵器

日本・核兵器・原子炉級プルトニウム

3.マーキー議員らの書簡後のやりとり整理

1)米国エドワード・マーキー議員ら日本大使館・加藤良三大使宛て書簡(1月26日付)

「私たちは、2006年の六ヶ所でのアクティブ試験を中止し、それを六ヶ所再処理工場の運転を延期するというより広範な合意の一環とするよう要請します。・・・なぜなら、このような行動が、核軍縮と核拡散防止を推進し、テロリストたちによる核兵器の獲得を防止するのに役立つだろうからです。」

2)加藤良三大使から米国エドワード・マーキー議員らに返答の書簡(2月14日付け)

(*基本的に1月27日に発表された日本政府見解の翻訳)

「六ヶ所工場においては、純粋なプルトニウム酸化物単体が存在することがないように、ウランと混合したMOX粉末(混合酸化物粉末)を生成するという技術的措置も講じられている。」

3)憂慮する科学者同盟(UCS)エドウィン・ライマン博士、外務省に(2月21日)

「このような混合物は、核兵器に直接使うことができるものです。さらに、この混合物は、分離プルトニウムと比べて、放射能が強くもなければ、取り扱いが難しいわけでもありません。このため、国際原子力機関は、この物質を、核兵器を製造にとって分離プルトニウムと同じ有用性を持つものであり、転用や盗難への脆弱性も分離プルトニウムと同じものであるとみなしています。」

4)外務省国際原子力室長の小溝泰義氏(2月21日)

*エルバラダイIAEA事務局長の特別補佐官

「専門家でないので答えられない。後日文書で回答することも約束できない。」

5)青森県担当者 ライマン博士に (2月24日) 

「IAEAがMOX混合物が核兵器に転用できるとしているとは聞いたことがない。しかし、六ヶ所に建設予定のMOX工場で作られるMOX燃料は、核兵器には転用できないのではないか。」

6)姜 政敏(カン・ジョンミン)博士 青森県担当者に(3月10日)

「このように混合酸化物が酸化プルトニウムと非常に異なり、核兵器用物質にするのが極めて難しいかのように述べているのは根拠がない。」

*カン博士は、青森県が日本政府に以下のように求め、回答が得られるまで六ヶ所再処理工場の運転を許可しないよう要望

      1. (1)MOXが核兵器に転用できないとの主張についての技術的に説明すること。
      2. (2)六ヶ所再処理工場における各年毎のプルトニウム累積貯蔵量の推移をグラフによって示すこと。
      3. (3)六ヶ所で使われるピューレックス法は核拡散につながり、廃棄物対策にもならないとする米国の国際原子力パートナーシップ(GNEP)構想を支持しながら、核拡散につながる六ヶ所再処理工場の運転を今開始しようとしていることの矛盾について説明すること。
7)青森県担当者  カン博士に(3月10日)

原子力政策大綱・・電気事業者の利用計画・・透明性の向上・・原子力委員会も妥当と認め・・平和利用に徹し・・

*これは基本的に1月27日発表の政府見解を読み上げていたに等しい。ただし、添付資料2)にあるように、政府見解は、1)原子力政策大綱 2)利用計画 3)MOX粉末という技術的措置 4)平和利用 5)核燃料リサイクル推進の決意という構成になっている。このうちの3)の議論には根拠がないとのカン博士の指摘に対し、他の部分を読み上げてみても何の反論にもならない。カン博士は、日本が核武装計画を持っているのではないかなどとは一言も言っていない。そもそも、カン博士は、青森県担当者に政府に代わって答弁することを求めたわけではない。青森県は、3)に関して政府の言い分を信じ込んでおり、IAEAの見解さえ知らなかったわけだから、県知事が県民に代わって、この件について詳細な技術的説明を求め、納得できる回答が得られるまで再処理工場の運転を許可すべきではないと提言しているだけである。

青森県担当者は、GNEPについては、日本政府は将来新しい再処理技術の開発をすることも検討しているとこれまた日本政府代表のような発言をしているが、これも今六ヶ所再処理工場の運転を開始することを問題にしているカン博士の指摘に対する応えに全くなっていない。この件でも、カン博士は、矛盾があるから政府に釈明を求めるように提言しているだけであって、青森県担当者に外交官の代わりをすることを求めているわけではない。

資料8)から明らかなように、この日の青森県担当者の対応は、経産省のそれに非常に似通っている。2月にライマン博士から、MOXが核兵器に転用できると聞かされたときは非常に驚いていたが、今回は、それについて県民を代表して政府に詳細な説明を求めるのではなく、論点を避ける政府の返答をただ繰り返すという方針を決めていたようである。

資料

米韓専門家の書簡

2006年3月9日

青森県知事 三村申吾殿

私たちは、六ヶ所再処理工場が核拡散を制限しようという国際的努力に与える脅威について日本に存在すると見受けられる「独りよがりの安心感」に関して懸念を表明するために、筆を執っている次第です。貴職が許可を与えられれば、貴県のこの工場は今月末にもアクティブ試験を始めてしまう可能性があります。最終的に使用済み燃料から4トン以上のプルトニウム──長崎型爆弾500発以上を作るのに十分な量──を分離するという試験です。

この「独りよがりの安心感」の1つの例は、加藤良三大使が2月14日にマサチューセッツ州のエドワード・マーキー議員を初めとする6人の議員に送った書簡の中に見られます。これは、計画されている六ヶ所工場の運転開始が核兵器の拡散にとって持つ意味合いについて懸念を表明した議員らへの返答として出されたものです。大使の書簡は、「また、六ヶ所工場においては、純粋なプルトニウム酸化物単体が存在することがないように、ウランと混合したMOX粉末(混合酸化物粉末)を生成するという技術的措置も講じられている」と、この混合酸化物が酸化プルトニウムと非常に異なり、核兵器用物質にするのが極めて難しいかのように述べています。

米国と日本が東海再処理工場にこの措置を導入することに同意したのは事実ですが、この措置は、酸化プルトニウムとの比較において、重要な核拡散抵抗性を提供するものではありません。そのことは、国際原子力機関(IAEA)の保障措置の手順にも反映されています。手順は、混合酸化物を製造する工場とプルトニウム酸化物を製造する工場の間で何も差がありません。この点に関して、私たちのうちの一人、エドウィン・ライマン博士は、2月24日に貴県商工労働部資源エネルギー課課長の桜庭洋一氏にお渡しした貴職宛の書簡で、次のように述べています。

「日本政府は六ヶ所再処理工場は、分離プルトニウムを作らず、プルトニウムとウランの50対50の混合物を作るから、保安リスクを伴わないと述べています。しかし、このような混合物は、核兵器に直接使うことができるものです。さらに、この混合物は、分離プルトニウムと比べて、放射能が強くもなければ、取り扱いが難しいわけでもありません。このため、国際原子力機関は、この物質を、核兵器を製造にとって分離プルトニウムと同じ有用性を持つものであり、転用や盗難への脆弱性も分離プルトニウムと同じものであるとみなしています。」

「六ヶ所再処理工場の運転開始を許可する前に、貴職は、日本政府に対して、なぜMOX混合物は純粋なプルトニウム酸化物よりも核兵器にとっての有用性が、大幅に低くなるかという点についての詳細な技術的説明を求めるべきです。もし日本政府が、技術的に健全な説明を提供することができなければ、貴職は、六ヶ所再処理工場の運転開始を許すべきではありません。」

桜庭氏は、MOX混合物と酸化プルトニウムを同様に扱うIAEAの手引きについて聞いたこともないと言われました。氏には、貴職の参考にと、IAEA保障措置用語集(1987年版)の日本語訳をお渡ししてあります。翻訳は、旧科学技術庁の監訳となっております。(現行の2001年版にある若干の改訂は、この問題に関する私たちの結論に影響を与えるものではありません。)

2月21日のライマン博士との会合において、マーキー議員らへの書簡におけるステートメントとIAEAの手引きの間の矛盾に関する日本政府の立場について説明を求められた外務省国際原子力室長の小溝泰義氏は、自分は技術的専門家ではないからと説明を断りました。エルバラダイIAEA事務局長の特別補佐官を務めたこともある小溝氏は、ライマン博士や米国議員らに対し日本政府の文書による回答を後日送るとの約束をすることをも拒否しました。

日本政府がこのような重要な問題に関しこうした誤情報を貴職や貴県職員、さらには青森県民に提供し続け、MOX混合物がプルトニウム酸化物と比べ核拡散の懸念が少ないとの主張に関し技術的正当化議論を出すことを拒否しているのは不幸なことであります。

もう一度繰り返します。六ヶ所再処理工場の運転開始を許可する前に、貴職は、日本政府に対して、なぜMOX混合物は純粋なプルトニウム酸化物よりも核兵器にとっての有用性が、大幅に低くなるかという点についての詳細な技術的説明を求めるべきです。もし日本政府が、技術的に健全な説明を提供することができなければ、貴職は、六ヶ所再処理工場の運転開始を許すべきではありません。

私たちのうちの一人、カン・ジョンミン博士が3月10-11日に青森県を訪れる予定ですので、貴職や貴県職員の方々にお会いして本件やその他の関連した問題についてご説明できれば幸いです。

エドウィン・ライマン
「憂慮する科学者同盟(UCS)」世界的安全保障プログラム上級科学者

フランク・フォンヒッペル
プリンストン大学公共・国際問題教授

姜政敏(カン・ジョンミン)
核問題独立アナリスト

カン・ジョンミン博士の青森県知事宛要請書

2006年3月10日

青森県知事 三村申吾殿

昨日、米国「憂慮する科学者同盟(UCS)」のエドウィン・ライマン博士及びプリンストン大学のフランク・フォンヒッペル教授とともにお送りした書簡にあるとおり、六ヶ所再処理工場が世界的核拡散問題に与える影響について日本政府が青森県に対して行っている説明には誤りがありますので、同工場のアクティブ試験の許可を与える前に、日本政府に以下のことを求めるよう要請します。

  1. MOX混合物がなぜ純粋なプルトニウム酸化物よりも核兵器にとっての有用性が大幅に低くなると考えるのかについて詳細な技術的説明を行うこと。
  2. 六ヶ所再処理工場でプルトニウムが分離され始めた場合、電力会社などの消費計画によってそれがどのように消費されていくのかを説明するため、六ヶ所再処理工場における各年毎のプルトニウム累積貯蔵量の推移をグラフによって示すこと。
  3. 国際原子力パートナーシップ(GNEP)構想は、六ヶ所再処理工場で採用されているようなピューレックス(プルトニウム・ウラン抽出:PUREX=plutonium-uranium extraction)法という再処理方式は核拡散の危険性が高いからユーレックス・プラス(ウラン抽出プラス:UREX+=uranium extraction+ )という新しい再処理法などの開発を目指すとしているが、日本がピューレックス法を批判するGNEPを支持するとしながら、核拡散の危険性の高いそのピューレックス法による再処理を六ヶ所で開始しようとしていることの論理的矛盾について説明すること。

姜政敏(カン・ジョンミン)

連絡先

130-dong, 504-ho
Seoul National University
Shilim-dong, Kwanak-go
Seoul 151-742, ROK

カン・ジョンミン博士の経済産業省宛要請書

2006年3月13日

経済産業省大臣 二階俊博殿

去る9日に米国「憂慮する科学者同盟(UCS)」のエドウィン・ライマン博士及びプリンストン大学のフランク・フォンヒッペル教授とともに三村申吾青森県知事にお送りした書簡(添付)にあるとおり、六ヶ所再処理工場が世界的核拡散問題に与える影響について日本政府が米国のエドワード・マーキー議員を初めとする6人の下院議員や青森県に対して行っている説明には矛盾がありますから、同工場のアクティブ試験の開始前に以下のことを行うよう要請します。

  1. MOX混合物がなぜ純粋なプルトニウム酸化物よりも核兵器にとっての有用性が大幅に低くなると考えるのかについて詳細な技術的説明を行うこと。
  2. 六ヶ所再処理工場でプルトニウムが分離され始めた場合、電力会社などの消費計画によってそれがどのように消費されていくのかを説明するため、六ヶ所再処理工場における各年毎のプルトニウム累積貯蔵量の推移をグラフによって示すこと。
  3. 国際原子力パートナーシップ(GNEP)構想は、六ヶ所再処理工場で採用されているようなピューレックス(プルトニウム・ウラン抽出:PUREX=plutonium-uranium extraction)法という再処理方式は核拡散の危険性が高いからユーレックス・プラス(ウラン抽出プラス:UREX+=uranium extraction+ )という新しい再処理法などの開発を目指すとしているが、日本がピューレックス法を批判するGNEPを支持するとしながら、核拡散の危険性の高いそのピューレックス法による再処理を六ヶ所で開始しようとしていることの論理的矛盾について説明すること。

姜政敏(カン・ジョンミン)

連絡先
130-dong, 504-ho
Seoul National University
Shilim-dong, Kwanak-go
Seoul 151-742, ROK

日本5団体経産大臣宛て要請書

2006年3月13日

経済産業省大臣 二階俊博殿

六ヶ所再処理工場の運転が世界的核拡散問題に与える影響に関する
米国エドワード・マーキー議員ら6人の下院議員及び
韓国核問題専門家カン・ジョンミン博士の懸念に真摯に応えるまで
六ヶ所再処理工場のアクティブ試験を延期するよう求める要請書

 去る1月27日、「米野党民主党のマーキー下院議員ら6議員は26日、日本原燃が使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)で計画する使用済み核燃料を使う試運転(アクティブ試験)をめぐり、核拡散上の「懸念」があるとして中止を求める書簡を日本政府に送った」との報道に際し、日本政府は、同日、内閣府、外務省、文部科学省、経済産業省の連名でこの書簡についての見解を発表しました。その後、2月14日、日本政府は、加藤良三大使名で6人の下院議員らに対し、この見解を基本とした返答を送付しました。

 見解及び大使の返答は、「六ヶ所工場においては、純粋なプルトニウム酸化物単体が存在することがないように、ウランと混合したMOX粉末(混合酸化物粉末)を生成するという技術的措置も講じられている」としていますが、これは、「テロリストたちによる核兵器の獲得」についての懸念に応えるものになっていません。強い放射能を持つ核分裂生成物から分離されてしまったウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)からプルトニウムを取り出すのは簡単であり、そのため、国際原子力機関(IAEA)保障措置用語集(2001年版)でも、MOXとプルトニウム酸化物は同じカテゴリーで扱われており、どちらも核兵器の「完成したプルトニウム金属構成要素への推定物質転換時間」は、1‐3週間とされているからです。日本政府の主張とIAEAの立場との矛盾について説明することを、エルバラダイIAEA事務局長の特別補佐官を務めたこともある外務省国際原子力協力室の小溝泰義室長は、自分は技術的専門家ではないからとして拒んでいます。

 見解及び返答は、さらに、電気事業者等が1月6日に公表した「プルトニウム利用計画」について原子力委員会が透明性の向上の観点から妥当である判断したと説明していますが、これは、マーキー下院議員らの書簡の懸念に応えるものになっていません。書簡は、日本の「余剰プルトニウムを持たないとの原則」を評価しながら、2003年末までに日本のプルトニウム保管総量が40.6トンに達している状況で「新しい再処理工場におけるさらなるプルトニウムの分離及び蓄積は、日本の方針に反するものであることは明らかです」と述べていますが、「利用計画」は、2004年末現在約43トンに達している日本の分離済みプルトニウムの利用について全く触れず、六ヶ所再処理工場で2005‐6年度に分離される予定のプルトニウムについて、MOX燃料工場の運転開始予定の2012年以降、いつか利用する意思があることを各社が宣言しているだけであり、約43トンのプルトニウムと今回発表された「計画」との関係が明らかにされていないからです。書簡が指摘している通り、高速増殖炉計画が頓挫している上に、2010年までに16‐18基の軽水炉で利用という計画が大幅に遅れ、軽水炉での利用が1基も実現していない現状からして、六ヶ所再処理工場の運転が計画通り進めば、日本の保有量は2010年末までに、約70トンの規模に達してしまいます。今後の消費計画が、すべてうまく行ったとしても、2020年の時点でこれが大きく下がらないことは、カン・ジョンミン博士らの研究も示しているところです。

 これらの点から、韓国の核問題専門家カン・ジョンミン博士の要請しているとおり、六ヶ所再処理工場のアクティブ試験の開始前に以下のことを行うよう要請します。

要請事項

  1. MOX混合物がなぜ純粋なプルトニウム酸化物よりも核兵器にとっての有用性が大幅に低くなると考えるのかについて詳細な技術的説明を行うこと。
  2. 六ヶ所再処理工場でプルトニウムが分離され始めた場合、電力会社などの消費計画によってそれがどのように消費されていくのかを説明するため、六ヶ所再処理工場における各年毎のプルトニウム累積貯蔵量の推移をグラフによって示すこと。
  3. 国際原子力パートナーシップ(GNEP)構想は、六ヶ所再処理工場で採用されているようなピューレックス(プルトニウム・ウラン抽出:PUREX=plutonium-uranium extraction)法という再処理方式は核拡散の危険性が高いからユーレックス・プラス(ウラン抽出プラス:UREX+=uranium extraction+ )という新しい再処理法などの開発を目指すとしているが、日本がピューレックス法を批判するGNEPを支持するとしながら、核拡散の危険性の高いそのピューレックス法による再処理を六ヶ所で開始しようとしていることの論理的矛盾について説明すること。
  4. これらについてマーキー議員らにも再度返答を送ること。

グリーン・アクション代表 アイリーン・美緒子・スミス
グリーンピース・ジャパン事務局長 星川淳
原子力資料情報室共同代表 伴英幸
原水爆禁止日本国民会議事務局長 福山真劫
ピースボート共同代表 川崎哲

連絡先
〒169-0075
東京都新宿区高田馬場3-14-3八達ビル2F
ピースボート共同代表 川崎哲

3月13日経産省の回答

カン博士及び日本側5団体の要請事項について、経産省担当者からだいたい次のような趣旨の見解が表明された。なお、1-3については、文書による回答を検討するとの約束がなされた。

  1. MOXの件は、保障措置、防護措置などの全体的措置の一部であり、1つだけ取り上げられては困る。盗まれないようにするので、盗まれた場合に、MOXと酸化プルトニウムの間で、どれだけ懸念に差が出てくるかというような質問には答えられない。盗まれないようにするから、「盗まれたら」などというのはない。
    IAEA保障措置用語集の見解については、反論はない。
    資源エネルギー庁原子力政策課企画官(国際原子力担当) 水元伸一氏
  2. ヨーロッパにあるプルトニウムを先に使うか、六ヶ所で分離されるプルトニウムを先に使うかといった判断は事業者が行うものであり、政府が指示をするようなものではない。余剰プルトニウムというのは量的概念ではない。[電気事業者が利用すると言っていれば、100トン、200トン、300トンと増えて行っても余剰と呼ばないのかとの質問に]利用計画がある限り、余剰プルトニウムではない。ただし、1万トンになっても余剰と考えないと主張していると思われると困る。
    資源エネルギー庁核燃料サイクル産業課企画調整一係長 宮本拓人氏
  3. 日本も新しい再処理技術について研究しているので、矛盾はない。
    資源エネルギー庁原子力政策課企画官(国際原子力担当) 水元伸一氏
  4. マーキー議員へは、大使の方から返答しているはずであり、要請の筋が違う。
    資源エネルギー庁原子力政策課企画官(国際原子力担当) 水元伸一氏
    (ピースボート川崎哲共同代表:我々は、返答は十分でないと考えている。)

転載元:http://kakujoho.net/rokkasho/kang_mox.html


ベラルーシにおけるチェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺ガンの現状

2012-01-27 12:40:22 | 原発・放射能

ベラルーシにおけるチェルノブイリ原発事故後の

小児甲状腺ガンの現状

 

菅谷 昭,ユーリ・E・デミチク,エフゲニー・P・デミチク

 

国立甲状腺ガンセンター(ベラルーシ)


 はじめに

 19964月,オーストリアのウィーンにおいてIAEA(国際原子力機関),WHO(世界保健機関),EU(欧州連合)の3者による合同国際会議,「チェルノブイリ事故から10年」が開催され,その時の総括として,現時点でこの事故と因果関係が明らかであると特定される健康障害は,小児の甲状腺ガンのみであると報告された1.一方,白血病やその他の疾病については,今後の経過をみないかぎり科学的に明確な結論をだすことはまだ時期尚早と述べている.

1990年以降,ベラルーシ,ウクライナ,ロシアのCIS3カ国における小児甲状腺ガンの著しい増加は共通の現象として確認されている.ちなみに,1995年末までに,この3ヶ国で約800名の小児が甲状腺ガンの治療を受け,そのうちの半数以上はベラルーシ共和国で発見され,外科治療が実施されている.さらにこの総括報告書には,1986年の事故当時15歳未満の小児から,科学的根拠の裏付けは乏しいものの,今後数1000人の甲状腺ガンの発生が予測されると記載されている.もしこれが事実であるとするならば,長期的かつ用意周到な対策を早急に立案し,その準備を講じておかないと,高度の汚染を被った国々では,近い将来,人類史上に類を見ない大きな禍根を残すことになりかねないであろう.

本稿では,ベラルーシ共和国における小児甲状腺ガンの実態に関する概略について述べる.チェルノブイリ事故後,甲状腺ガンが急激に増加をはじめると,ベラルーシ政府は,甲状腺ガン専門の診療・研究機関として,1990年保健省の管轄下に国立甲状腺ガンセンターを設立し,その責任者に,長年にわたりベラルーシにおける甲状腺疾患治療の第一人者として活躍してきた,ミンスク医科大学腫瘍学講座のデミチク教授を任命した.そして,ベラルーシ国内における小児甲状腺ガンの外科治療は,原則としてすべてセンターで実施されることが取り決められた.本稿の資料は,ベラルーシ国立甲状腺ガンセンターで手術を施行し,病理組織学的に甲状腺ガンと最終診断された症例に基づいて作成されたものである.

 

小児甲状腺ガンの現状

 ベラルーシ全土における小児甲状腺ガンの患者数は表1に示す通りである.すなわち,事故前11年間(19751985)ではわずか7名であった.しかし,事故後の11年間(19861996)では508名と著明に増加し,それは事故前に比べ72倍にも達している.一方,成人についてみると,前者では1342名,後者では4006名と約3倍に増加している.しかしこの場合には,診断技術の向上や検診機会の増加といった「見せかけ」の要因を考えると,必ずしも事故による被曝にともなう増加とは言えず,今後のさらに詳しい追跡調査を継続する必要がある.

表1 ベラルーシにおけるチェルノブイリ事故前と事故後の甲状腺ガン数

大人

(15歳以上)

子供

(15歳未満)

1975-1985

1342

7

1986-1996

4006

508

 

 

 


 

 甲状腺ガンセンターに紹介されてきた小児甲状腺ガン患者508名の出身地(州)を分類すると,ウクライナと接する高汚染州であるゴメリ州(268名:52.8%)およびブレスト州(122名:24.0%)からの小児が圧倒的多数を占めるという明らかな地理的特異性を示している(図1).

 

 

図1 ベラルーシにおける小児甲状腺ガンの地域分布(1986~1996年:508件)

 また,小児甲状腺ガン患者508名の誕生日を,チェルノブイリ事故を中心に3群に分類すると,事故前誕生例は497名(97.8%),事故当時誕生例は6名(1.2%),事故後誕生例は5名(1.0%)と,ほぼすべての小児が事故前に生まれていることが明らかとなった.さらに,1995年までの患者420名を基に,子供たち(手術時に15歳未満)の事故当時の年齢分布をみると,04歳が66.2%,59歳が31.4%,1014歳が2.4%と,半数以上の患者が乳幼児期に区分される極めて若年齢の小児であった(表2,図2).ただし,事故後に生まれた4名は除外してある.

 

表2 小児甲状腺ガン患者の事故当時の年齢分布

(1986~1995)

地域

人口

万人

小児甲状腺

ガン数

年齢別甲状腺ガン数

0 - 4

5 - 9

10 - 14

ブレスト州

152

97

68

27

2

ビテプスク州

130

7

4

3

0

ゴメリ州

167

225

149

72

4

グロードゥノ州

116

24

12

11

1

ミンスク州

141

20

14

5

1

モギリョフ州

127

21

14

6

1

ミンスク市

163

26

17

8

1

ベラルーシ全体

996

420

278

132

10

%

 

100

66.2

31.4

2.4

注:人口は1986年の値で大人も含まれる.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            図2 小児甲状腺ガン患者の事故時の年齢分布

 次に,ベラルーシ共和国における小児甲状腺ガンの発生頻度についてみると,事故前は小児10万人あたり年間0.1件と,世界のそれとほぼ類似の値を示していた.しかし,901.2件,922.8件,943.5件,954.0件,963.8件と明らかに上昇していることが判明した.そこで,これらの年度別発生頻度を,高汚染州であるゴメリ州に限定してみると,903.6件,9111.3件,9513.4件,9612.0件と,91年以降は世界的平均の100倍以上にも達している.またブレスト州でも,96年は7.3件であった.これは極めて異常な事態と言わざるを得ない.一方,非常に軽度の汚染州であるビテプスク州では93年以降0件のままである.

ここに示した幾つかの臨床科学的データは,ベラルーシ共和国で急増する小児甲状腺ガンが,チェルノブイリ原発事故による放射能汚染によって誘発された可能性を強く示唆している.なかでも,事故によって大量に放出された,ヨウ素131(半減期8日)などの放射性ヨウ素による甲状腺の被曝が最大の要因であろう.甲状腺では,ヨウ素を原料として甲状腺ホルモンの合成が行われるため,体内に摂取された放射性ヨウ素のほとんどすべては甲状腺に集まる.甲状腺に取り込まれた放射性ヨウ素による,局所的で集中的な事故当時の内部被曝の結果が,現在甲状腺ガンとなって現われていると考えるのが最も論理的である3,4.事故後に生まれ,ヨウ素被曝を受けていない子供たちに甲状腺ガンがほとんど認められていないことも,強力にこのことを裏付けている.しかし,発ガンのメカニズムに関する直接的な証明は現時点では極めて困難であり,またガン発生と被曝量との関連性についても今なお明確な結論が得られておらず,今後も詳細な基礎的検討が継続されるべきであろう.

ここで,最近の甲状腺ガン症例数の推移をみると,1995年に当ガンセンターで外科治療を受けた小児(15歳未満)は91例であり,96年は84例,97年は5月末までに27例と,漸次その数が減少する傾向にある.一方,93年頃より,15歳を超えた青年層の甲状腺ガン患者が増加してきている.具体的な数字を示すと,904例,9192年はいずれも1例,しかし,93年になると25例,9421例,9525例,96年は10月末までに26例に手術が施行されている.つまり,事故当時に子供であった人々の年齢増加とともに,甲状腺ガン患者の年齢も上昇する傾向が認められている.また,これら10代後半の患者においても,小児の場合と同様に,明らかな地理的特徴,すなわち,高汚染州であるゴメリ州とブレスト州出身の患者が全体の70%を占めていることが明らかとなった.

 今後は,これまで小児甲状腺ガンとして現われてきた事故影響が,10代後半,さらには大人の甲状腺ガンへと移行するであろうと推測される.

 

今後の問題点

若年齢の小児期に既に外科治療を受けた患者たちが,現在,思春期や青年期を迎えており,彼ら,ことに女の子たちは,間近に迫った結婚や妊娠,出産,そして生まれてくる子どもへの遺伝的影響などに大きな不安を募らせている.なかには,結婚や出産を回避しようとしている若年女子も見られている.

このようにチェルノブイリ事故による健康障害への影響は,今まさに始まったばかりである.今後,成長期にある小児のみならず彼らの親たちに対する臨床および社会心理学的ケアーの重要性がクローズアップされてくるものと考えられる.医療支援の取り組みの一環として,この方面からの教育的アプローチも考慮される必要があろう.

 

 文献 

  1. ONE DECADE AFTER CHERNOBYL: Summing Up the Consequences of the Accident, Proceedings of an International Conference, Vienna, 8-12 April 1996, IAEA STI/PUB/1001.
  2. Kazakov V.S., Demidchik E.P., Astakhova L.N. et.al., Thyroid Cancer after Chernobyl, Nature 359, 21-22, 1992.
  3. Socalow E.L., Hashizume A., Nerishi S. et al., Thyroid Carcinoma in Man after Exposure to Ionizing Radiation, N.Engl.J.Med., 268, 406-410, 1963.
  4. Maron H., Thomas S., Saenger E., et al., Ionizing Radiation and the Induction of Clinically Significant Disease in the Human Thyroid Gland, Am.J.Med., 63, 967-978, 1997

 


こんなのインチキ!福島『検出限界値を変更』みんな「ND」が可能 一ケタ操作で100万ベクレル違う!

2012-01-23 23:58:21 | 原発・放射能

こんな「インチキ」をやっているんだぞ!

~福島市セシウムは一体どのくらい降下してるんだ?~

【検出限界値を変更】すればみんな「ND」は可能

転載元:http://d.hatena.ne.jp/bakagaki/20120123/1327316986

http://www.pref.fukushima.jp/j/koukabutsu20.pdf
1月15日9時~1月16日9時: セシウム137:115MBq/km2
______________________________
f:id:bakagaki:20120123200216p:image:w640
_____________________________

「115MBq/km2」を記録した時の【検出限界値】

一ケタ操作で100万ベクレルちがうことになる!

【検出限界値を変更】すればみんな「ND」は可能だな、これは!

 

福島市セシウム~1月21日9時~1月22日9時:ND~平成24年1月23日 17時現在

~検出限界値は「変動」してた!!~インチキだぁ!? 

転載元:http://d.hatena.ne.jp/bakagaki/20120123/1327313561

定時降下物環境放射能測定結果(暫定値)(第26報) 平成24年1月23日 17時現在
http://www.pref.fukushima.jp/j/koukabutsu26.pdf
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=23853
福島市
1月21日9時~1月22日9時:
放射性ヨウ素:ND
セシウム134:ND
セシウム137:ND
検出限界値はいつも「一定」でなかった!
これで「正確なデータ」がとれるのだろうか?

※が、これは昨日のデータであり、現在ではない。
現在の「状況」は「明日」わかる。

過去のデータなどよく見よう!「検出限界値」を。
__________________________
f:id:bakagaki:20120123194542p:image:w640
__________________________

「検出限界値」が毎日「変動」してるのだ!
【関連】
12月の状態のグラフセシウム134+セシウム137)
11月から新年までの平均値
武田邦彦先生ブログより引用)←「よく読みましょう!」
全国のリアルタイム放射線量マップ(速報版)
http://atmc.jp/realtime/


チェルノブイリ事故から10年後、日本で乳癌死亡者数が激増

2012-01-21 12:50:35 | 原発・放射能

チェルノブイリ事故から10年後、日本で乳癌死亡者数が激増

放射性物質が体内に入ってから乳ガンを発症し死に至るまでに平均して11~2年かかるという。チェルノブイリ事故により降り注いだ「死の灰」が、どれほど地球を汚染したのか。そして福島第一原発事故により、チェルノブイリ事故時と比べ物にならない放射性物質が降り注いだ日本に、既に多くの健康被害が起こっている。しかし、それはまだ始まりにすぎない・・。

チェルノブイリ事故の日本への影響は、1週間以上経って現れている。つぎは、同年5月5日の朝日新聞(原子力安全研究グループのチェルノブイリ新聞切り抜き帖から)。

86/05/05 朝日 「日本各地で異常放射能
チェルノブイリ事故による放射能汚染が日本各地の広い範囲で確認された、と政府の放射能対策本部(本部長・河野洋平科学技術庁長官)が4日発表した。「放射能の強さは、ただちに健康へ影響を与えるものではない」としながらも、千葉市では、3日深夜から4日未明にかけて雨水1リットル当り1万3300ピコキュリーのヨウ素131の最高値を記録したのをはじめ、東京、神奈川、愛知、大阪、鳥取など15都府県で異常値を検出した。

日本の放射能対策本部が安全宣言を出したのは、6月6日のことで「5月4日に出した雨水を直接飲む場合は木炭等で漉す、野菜等は念のため十分洗浄してから食べる、などの注意呼びかけ」を解除した。 

86/07/02 朝日 「放射能汚染は東高西低
ソ連原発事故による放射能の汚染状況を、京大工学部原子核工学科、荻野晃也助手たちがまとめた。一定条件で採取した松葉のヨウ素131、セシウム137を測定したもので、北海道、中部など東日本が高く、瀬戸内沿岸や九州が低い「東高西低」傾向が明らかになった。松葉1kg当りの放射能量は、ヨウ素が、最低の長崎県で2600、最高の青森県で43200ピコキュリー、セシウムは220(鹿児島県)から13300(宮崎県)ピコキュリーだった。

チェルノブイリの「死の灰」は、ジェット気流などで運ばれ、青森・岩手・秋田などの東北に強く影響がでた。


1950年以来のセシウム137の秋田での降下量の記録である(たて軸の単位が不明確。ミリキューリーだが、面積や時間の表示が必要)。米ソなどが盛んに大気圏内核実験を行っていた60年代までと、中国が行った70年代と、突出して86年のチェルノブイリ事故の場合がある。その後は急減している。
放射性物質が体内に入ってから乳ガンを発症し死に至るまでに平均して11~2年はかかるという。日本の都道府県別の経年の乳ガンの死亡率が12人(10万人あたり)を超えているのは、つぎの6県だけである。青森・岩手・秋田・山形・茨城・新潟。次図は、この6県だけをプロットした乳ガン死亡率の経年変化である(肥田前掲書p118)。



(1.2)の最初のグラフと比較してみると分かるが、死亡率が6人を超えるのは1994年あたりで、全国平均も上の6県もそこまでは似たようなものである。がぜん違うのはそのあとの数年間(1996,97,98)のピークである。その数年間だけ死亡率が急に倍以上の12人を超えている。これは、チェルノブイリ事故からちょうど10~12年であって、乳ガンの潜伏期間に相当していると考えられる。

↑↑引用元:http://www.ne.jp/asahi/kibono/sumika/kibo/note/naibuhibaku/naibuhibaku1.htm

 

86/05/01 朝日 「異常な放射能:オーストリアなど
ポーランドでは29日から30日にかけて大量の放射能を含んだ雲が通過する北東部を中心に異常な放射能が検出され、一部では通常の20倍に達したという。一方、オーストリアでは、南部のケルンテン州全域で、通常の3-5倍、場所によっては17倍の放射能が測定された。

86/05/06 朝日 「帰国者45人が汚染
キエフ、モスクワ経由の観光旅行から5日、成田空港に日本人101人、在日外国人22人の計123人(3便)が帰国、検査の結果、体や荷物がチェルノブイリ事故による放射能で汚染されていた。科技庁放医研が同空港で帰国直後に調べたところ、体が汚染されていた人は45人、スーツケースなど86個も汚染されていた。このうち甲状腺に放射能が検出された8人は、同研究所で精密検査を受けた。

86/05/15 朝日 「市民の多くが脱毛
チェルノブイリ北方130kmのゴメリ市に住む女性は、モスクワの友人へのへの電話で、この数日間で頭髪が全部抜け落ちたと告げた。この女性によると、5歳の自分の子供をはじめ、人口30万人のゴメリ市民の多くの人も同じ目に遭ったという。

86/05/27 日本海新聞 「海藻からも放射能
チェルノブイリ原発から放出された放射能による汚染が、日本周辺海域にも広がっていることが、政府放射能対策本部の26日までの調査で分かった。対策本部によると、宮崎県北部の海底で採取されれたマクサから1kg当り7万ピコキュリーという高いヨウ素131が検出された。また、茨城県では、ヒジキから同989ピコキュリー、カジメから同3300ピコキュリー、神奈川県では、イソモクから同1400ピコキュリーなど。

86/06/30 毎日 「薬散布し“雲払い”」
29日付けの「プラウダ」によると、チェルノブイリ地域の上空ではこの一週間、航空機を使って雲を消散させる作業が専門家チームによって行われた。雨が降れば、放射能を帯びた地上のチリが地中に溶け込み、汚染が拡大するおそれがあるため。

86/07/03 原産 「英、羊の販売など禁止
英国政府は6月20日、南西カンブリア、北ウェールズの一部地域での羊の移動、販売、を3週間にわたって禁止すると発表した。何匹かの羊からkg当り4000ベクレル以上のセシウムが検出されたため。

86/07/03 原産 「75年に事故同型炉の欠陥を指摘
1975年に、レニングラードのRBMK-1000型原子炉の設計を研究するためソ連を訪れた英国の技術者チームは、同原子炉には、英国の許可基準に照らして判断した場合、いくつかの欠陥があると結論づけている。たとえば、緊急時に炉心内を直接スプレイする冷却システムがないこと、全面的な格納構造物がないこと、黒鉛炉心が機械的に不安定であること、圧力管破損に対する防護が不十分なこと、ボイド係数がプラスであること、などである。

86/07/12 毎日 「被ばく1.3‐2.6ミリレム
科学技術庁は11日、チェルノブイリ事故による日本への放射性降下物の影響をまとめた。セシウム137の降下量は、最も大きかった石川県で、1平方km当り7ミリキュリーだった。降ってきた放射能による推定被ばく線量は5月からの1年間で、外部被ばくが1人当り平均で1.3ミリレム、内部被ばくは成人平均で2.1ミリレムと計算された。

86/07/15 毎日 「西ベルリン表土放射能汚染
チェルノブイリ原発から約1000km離れた西ベルリンの表土は、日本の土の少なくとも50倍以上の放射能で汚染されていることを、日本国内に持ち込まれた土を分析した京都大学原子炉実験所の小出裕章助手が14日明らかにした。表土から検出された放射能は、1kg当り、ヨウ素131が6.78ベクレル、セシウム134が57.3ベクレル、セシウム137が124ベクレルなど。

86/08/19 朝日 「斑点状に濃い死の灰:ポーランド全土
チェルノブイリ事故によって放射能汚染されたポーランド各地に、「放射能が特別に強い地域」が多数生じていることが明らかになった。研究者たちはこの汚染の斑点を「ホットスポット」と名付け、核実験の死の灰による汚染では見られなかった現象と着目している。スポットの大きさは数10mから数100mとさまざま。

86/11/06 毎日 「スウェーデンで、いま何が
広大な北部スウェーデンの山野でとられたシカの肉から相次ぎ許容値(1キロにつき300ベクレル)をこすセシウム137が検出され食用が禁じられている。9月に入って処理された1万2900頭のうち1万預頭が穴に葬られた。ヘルシングランド湖でとれた魚は1万8300ベクレルものセシウムに汚染されていて、こちらも食用が厳禁となった。

 

チェルノブイリから、実に400マイル(640キロ)以上離れたオルシュニンでの被曝

結局、マリアさん一家で甲状腺に異状がないのは、父親ひとりだ。
ポーランドの北東部。チェルノブイリから、実に400マイル(640キロ)以上離れたオルシュニンでの被曝だった
それもヨード剤を飲んで、防護した上での被曝……。

 

チェルノブイリ事故後、8000キロ離れた日本で関係者がドギモを抜いた放射能汚染の実態

チェルノブイリの放射能はジェット気流に乗り、
わずか1週間で日本に到達した。

雨、大地、野菜、水道水、牛乳、母乳など日本国中ありと
あらゆるものが放射能で汚染された。

その中でも特に濃度が高かったのは、
ヨウ素131である。

千葉の雨水    13,300pCi
茨城のほうれん草 10,300pCi
福井のヨモギ   16,000pCi

8000キロも離れた日本で、
これほどの汚染値が検出されようとは誰も
予測できなかった。

測定値が壊れたかと思うほどの
放射能に数多くの関係者がドギモを抜かれたのである。

370Bq/kg = 10,000pCi


内部被曝:東京都民→6000Bq 南相馬→25万Bq…

2012-01-20 12:35:31 | 原発・放射能

内部被曝:東京都民→6000Bq 南相馬→25万Bq…

とある東京都民の内部被曝レベル

(画像は http://p.twipple.jp/zDHyrより引用。)

とある南相馬の酪農家の内部被曝レベル

(画像はhttp://twitpic.com/6475n7より引用。)
【動画】密着4か月 酪農一家 中学3年の夏は…08月03日(水)News Watch 9

ホールボディカウンターというのをご存知でしょうか。
これは、全身の内部被曝の状況について、ヨウ素131やセシウム134、セシウム137などのそれぞれ放射線核種を、Bq(ベクレル)、Sv(シーベルト)単位で数値化してくれるものです。

上の画像は、とある東京都民の方と、南相馬市の酪農家の方がそれぞれホールボディカウンターを受けた結果になります。
検査は北海道がんセンターで受けることができます。

 筑波や東大の放射線研究所などでも本来検査は可能なはずなのですが、某政府の方針で福島県の方に限ることになってしまったため、北海道がんセンターの院長が独自で計測を行うことにしたという噂があります。

東京都民の方の内部被曝レベルを見る限り、6000Bqは、一応致命的な数値というわけではないようです。
ヨウ素(I-131)  :検出せず
セシウム(Cs-137): 868 Bq、 4 μSv
セシウム(Cs-134):6373 Bq、42 μSv
内部被曝での被曝量は、46 μSv

問題は南相馬市の酪農家の方の内部被曝レベル。25万Bqは、どれだけのものなのでしょうか。
ヨウ素(I-131)  :検出せず
セシウム(Cs-137):129746 Bq、596 μSv
セシウム(Cs-134):122676 Bq、564 μSv
内部被曝での被曝量は、1160 μSv

ヨウ素(I-131)の半減期は8日間ですから、仮に摂取していても検出されないのではないでしょうか?セシウムに対し、全く摂取されていないというのは明らかに不自然です。

この結果プラス、常に発生し続けている外部被曝があります。

流通の発達した日本では、飲食物は手を変え品を変え、全国に拡散を続けていることでしょう。そう考えたとき、わずか4ヶ月で1mSvを超える内部被曝+外部被曝に晒され続けている南相馬市の状況は、そのまま東日本に広まるホットスポットの被曝状況に当てはまるかもしれません。

先日、投稿した首都圏土壌調査に見える汚染の実態 のホットスポットに該当する地域の方は特に、健康被害のでないうちに現状把握を兼ねて、ホールボディカウンターを受けておいたほうがいいかもしれません。

今後、被曝状況による健康被害が発生したとき、それを国家に立証するための証明になる可能性があります。薬害エイズをはじめ、水俣病やアスベストなど、今まで国が起こしてきた問題と同様、国家が保障を行う機会はかならず来るでしょう。その時のために、確かな証拠を残しておく必要があります。

お子さんのいらっしゃる家庭では、特に甲状腺がんの危険性を意識する必要がありますから、お子さんの生命を守るためにも、安全・安心を買う意味でも、是非検査を受けておくことをお勧めしたいと思います。数値にして観測することで、心配が杞憂であるのか、それとも本当に危険なのか、真実を知ることができるはずです。

8/12 気になる情報があったので追記。

ホールボディカウンターが隠蔽工作的に使われる事を心配している
(7月20日 放射線リスク欧州委員会 クリス・バズビー博士記者会見より)
http://www.youtube.com/watch?v=dKyiglcnlhk&feature=related#t=9m30s

【要旨】
ホールボディカウンターというのは過去の被曝問題に対しては役に立たない。
γ線の放出を測定するだけだが、深刻なのはα線とβ線を放出する核種です。
必ずしも各線種を放出する核種は同時に存在するわけではない。
それはチェルノブイリで分かっている。各核種は体の各部にバラバラに存在している。
体の各部にどの核種が存在するか測定し、構築したモデルと照らし合わせて検討することが必要。
日本政府がそういうプロセスを経て健康被害を見るか疑問だ。
ホールボディカウンターは被爆者を安心させるために使われており、
科学としては真面目なやり方とはいえない。隠蔽工作的な要素がある、
健康被害が出たときにホールボディカウンターの値が低かったので
放射線による被害ではないと主張してくるのではないかと心配している。

こんな話も…。

「捨てられた日本国民」 政府は本当のことは教えない。 国民がパニックになるから、だって

これは、ヨウ素やセシウムなどの放射性物質を体内に取り込んでおきる「内部被曝」についての資料で、「3月12日から23日までの12日間、甲状腺に0・2μSv(マイクロ=1000分の1ミリ)/時の内部被曝をした場合」(甲状腺等価線量)、どうなるかを示している。

そのデータは、恐るべきものだった。

「1歳児(1~3歳未満)→108mSvの被曝」
「5歳児(3~8歳未満)→64mSvの被曝」
「成人(18歳以上)→16mSvの被曝」

なんと、たった0・2μSvの内部被曝をしただけで、乳幼児は100mSv超に相当する、大量被曝をしたことになるという。

「このデータは3月25日には報告されていたものですが、何度も強く要請することで、最近になってようやく政府機関が出してきた。1~3歳児にとって、甲状腺への内部被曝は外部被曝の数万倍以上の影響があると考えなければならない。とんでもない数字ですよ」(民主党衆院科学技術特別委員長・川内博史氏)

転載元:sorakuma http://sorakuma.com/2011/08/11/2520


世界中の富を手中に収めている代表的な銀行家

2012-01-19 08:56:00 | 原発・放射能

このコンテンツは、2010年2月に名古屋国際センターで開催された講演内容を編集したものです。

「日本人の知らないニッポン」 オープニングビデオ ”UNION”  

「日本人が知らないニッポン」 -隠されてきた歴史から読み解く世界の成り立ち-
今回のテーマである「日本人が知らないニッポン」では、世界から見た近代・日本の歴史を振り返りながら、現在の世界の流れを読み解いていきます。
前回のイベント「新型インフルエンザ・ワクチンは打ってはいけない」同様、今回もこれまで慣れ親しんできた一般常識からかけ離れた内容や、テレビまたは新聞のニュースでは伝えられていない情報がたくさん含まれています。これまで一度も耳にしたことのない事柄や中にはとても信じられないような情報もあるでしょう。もし、そのような事柄に疑問をもたれたら、これを機会にご自分で一度調べてみるようお薦めいたします。いずれにせよ、このイベントから、世界を見る新しい視点を身につけていただけたら幸いに感じます。
それでは、本編に入っていきます。
2010年2月の時点で、最近日本の ニュースに出てくるものといえば、何でしょうか?
「普天間の米軍基地再編問題」「長引く不景気」「円高」「国家財政赤字」
「地球温暖化対策」また「JAL再建問題」など、問題が山積みです。
一方、世界に目を移してみても、よく耳にするのはアフガン・イラクにおける長引く
「対テロ戦争」「イランの核開発疑惑」「温暖化をはじめとする環境問題」
「波乱含みの今後の世界経済動向」など。
国内同様、世界にも問題は山積みです!問題の多さと複雑さゆえに、世界中のすべての問題が解決する日が来るのだろうか……と疑問に感じます。
専門家ですら解決できないこれらの問題、ましてや一般市民の私たちにできるわけがない。
到底、無理なことだと、考えることさえあきらめてしまいがちです。
「私たちには、所詮、関係ないと……」
でも本当にそうなのでしょうか?
たしかに、世界に起きている問題をひとつひとつ別々に見ていくと難しくみえます。
とても解決できないようにみえます。
また、日ごろのテレビのニュース番組を見ても、表面的なことばかりを専門家が難しそうに議論しているだけで、問題の「本当の根源」にふれることはありません。
そこで、今回は、あらゆる世界の問題の「本当の根源」を明らかにするために歴史を探ってみました。すると、大変驚いたことに「過去」「現在」そして「未来」までもが、一本の線で繋がり、とてもシンプルに掴むことができました。
そう、この言葉のとおり、まさに ” 歴史の中に未来の秘密があった ” のです!
歴史をさぐると言っても、学校で習う歴史や一般常識で耳にする歴史は、単なる「ひとつの説」
また「ひとつの見方」に過ぎません。しかし、歴史上の出来事にはいろいろな見方があります。
例をあげると、「明治維新」
一般には、幕末の侍が、倒幕側と幕府側の敵味方に分かれて戦い、最終的には手を結び、
近代化した今の日本の礎を作ったという美談。壮大なドラマになっています。
しかし、よく調べてみると、維新の背後には大勢の外国人や外国製武器の存在があります。
これら外国の存在なしに維新は起きなかった、といえます。
「明治維新」は、日本人だけで成し遂げたことでは、なかったのです!
どうやら、私たちには、自国の偉人を美化したい気持ちのあまり、自分自身のことが冷静に見えてないところが、あるようです。この時代を舞台にしたドラマが流行り、そのストーリーが真実であるとされがちですが、事実を大局的にとらえるには、あまりにも視野が狭いと感じます。
下の世界地図で見るとわかるとおり、現実に日本は世界の中ではこんな小さな国にすぎません。
世界の中ではこんな小さな島国の日本。私たちには、世界から日本を眺めてみる視点が必要です。そこでまず、世界のことをよくつかんで、それから日本を振り返っていくことにします。
世界の仕組みをしっかりと把握するために、何を元に探っていくかというと……
お金です。
お金は世界のすべてに関わっています。前述した「国内の不景気・円高・国家財政赤字・世界の経済不況」これらは、すべてお金の問題です。
また戦争にもお金が深く関係しています。戦争は一見すると、「政治・民族・宗教・国家間の問題」にみえますが、戦争を始めるには、大量の武器と兵隊を用意しなければなりませんから、大量のお金が必要です。
逆にお金がなければ、戦争をしたくても、戦争そのものが起こせません。
また一見無関係の環境問題でさえ、二酸化炭素排出権というお金の取引の問題です。これについては、また後ほど話します。
つまり、世界の問題はすべて、「お金」の問題なんですね。
そこでお金の流れから世界を探ってみます。すると複雑にみえる世界の諸問題の原因が、不思議なくらい簡単に浮かび上がってくるのです。
では、そもそも「お金」とは何でしょう?古くから、人々は生活に必要なモノを手に入れるための 「物々交換」には不便を感じていたようで、世界各地で、「価値を表す」ための様々な素材でできた「貨幣」を考案し、取引の際に用いてきました。
石でできたものから貝殻、金、銀、銅、また木製や陶器製のものまで作られていました。
中には刀の形をした刀銭というものまであったようです。
日本の歴史を振り返ってみても、「絹糸」「紙」「お米」「古代中国(明や宋)の銅貨」
「金の小判」や「銀の粒」など様々な素材の貨幣を流通させてきました。
そして、時代を経て、国々が貿易により交流が深まると、世界中で通貨システムが統一されていったのです。
現代の世界の国々で共通する通貨システムといえば、「紙幣とコイン」です。
どこの国も高額通貨には、「紙幣」を用い、低額通貨に「コイン」を用いていますが、 主役は何といっても「紙幣」です。
そして、この現在につながる紙幣による通貨システムは、中世ヨーロッパに起源をもちます。
紙幣が発明される以前のヨーロッパ諸国では、各国の国王や支配者が金・銀・銅でできた延べ棒やコインを発行し、国民はそれらで商取引をしていました。
中でも価値の高い「 金」は、柔らかいためにすり減ったり、盗まれる危険性があるために人々は丈夫な金庫を持った金庫番(当時の金細工職人や両替商)に自分の「金」を預けました。
そして、「金」を預けた代わりにその証明書として預り証を受け取ります。
そして後に、この「金」の預り証が、紙幣になっていくのです。
人々は、自分の「金」が必要な時に預り証を持って、金庫番の所に引き取りに行っていましたが、やがて、経済が発達してくると、商取引の際にいちいち金庫番のところに行くのが煩わしくなってきます。
そこで、人々は預り証でじかに取引をするようになります。預り証でモノを買ったり、モノを売ったときに預り証を受け取ったり……。
このように元々は、「金」の預り証であった「紙」が通貨としての機能を持ち始めたのです。
街の人々は、預り証で取引をするのが、あまりにも便利なため、ますます多くの預り証が市場に出回ります。こうして、預り証は人々の信用を得て、金庫番のところには、誰も自分の「金」を引き取りに行かなくなります。
その結果、自然と金庫番は、有り余るほどの「金」を手にするようになったのです。
そこで、金庫番は、はたと気づきます。

「ちょっと、待てよ。人々が一度に全ての金を引き取りに来ることはない。だから、預り証を勝手に発行してもばれないぞ!」
こうして元々は、「金」を預かる代わりに渡していた預り証。金庫番は、これを「金」を預けていない人にも発行し、利子をつけて貸すようになりました。これが銀行の始まりです。
 
その後、金庫番は一般市民に貸すより、国王に貸付するほうがはるかに儲かることに気がつきます。戦争のたびに、各国の国王は多額のお金が必要なため、銀行家に借りるようになりました。
戦争は、銀行家にとって一番うまみのあることでした。
もし国王が戦争に負けて借金を返せなくても、借金の担保である国王の財産・土地・建物・税金が銀行家のものになるからです。
こうして、戦争のたびに財産を増やし、力をつけた銀行家は、やがて王族と血縁を結び、いつのまにか貴族になっていったのです!
貴族となった銀行家は、さらに大きな権力をもち、手持ちの「金」よりずっと多くの紙幣を発行する権利を国王に認めてもらいます。
つまり、何の価値の裏づけもない紙切れに価値をつけて、人々にどんどん貸し出す権利を手に入れたわけです。
ただの「紙切れ」を貸す代わりに、人々からは家、お店、車、貴金属、宝石、家畜など価値のあるものなら何でも担保に取っていきます。それらは全て銀行家の財産になっていきます。
これが現在でも行われている「紙幣」と「銀行」の仕組みです。
この「お金の仕組み」がわかると、今の「世界の仕組み」と「本当の支配者」が理解できます。
そして、この現実の世界で、「紙切れの貸付、利子と担保の取り上げ」によって、世界中の富を手中に収めている代表的な銀行家が、「ロスチャイルド家」です。

 

転載元:http://www.thinker-japan.com/thinkwar.html


悪性リンパ腫多発地帯の恐怖

2012-01-18 23:22:00 | 原発・放射能

悪性リンパ腫多発地帯の恐怖

福井県敦賀原子力発電所の半径10キロ圏内調査区域で住民健康調査を行った結果、過去3年間の悪性リンパ腫発生率が全国平均の1.71倍、とくに敦賀半島対岸の風下地域では集中的に患者が多発し、この風下3集落の悪性リンパ腫発生率は、全国平均の10.05倍だった。


(「週刊プレイボーイ」特別取材班 1994年)


(速報)福島県および関東一円のセシウム降下量が危険なレベルに。フクイチで何かが起きている!

2012-01-09 12:52:46 | 原発・放射能

(速報)福島県および関東一円のセシウム降下量が危険なレベルに。フクイチで何かが起きている!

1月7日4分前 東海アマ @tokaiama 福島へのセシウム降下激増が止まらないらしい。大変な事態になってると電話が入った。後に詳細報告
 

<1月6日のツイートまとめ>
nobitatter 平澤薫
「120106:フクイチで何かが起きている。もし4号機なら大問題。」http://goo.gl/NzyRiセシウム降下量が福島を中心に各地で増大している。しかし報道はないし、国、東電もそれを伝えない。もし事故が起きても彼らからの情報は得られない。事故責任で避難するしかないのだ。なんてひどい国なんだろう。


山川健一 @Yamakawakenichi 7分
福島でセシウム降下量が急上昇している: 1月6日の夜、このブログを書いてます。 確認がとれているわけではないが、どうも東電福島第一の様子がおかしい。武田邦彦氏も「緊急速報」を出している。福島市のセシウム降下量が、1月2日に昨... amba.to/ysJ7tp


東海アマ @tokaiama 8時間
みなさん、フクイチ4号機が大量の放射能を放出しているのは間違いありません! 元旦の地震によるものと思われますが、3日以降、福島市内で軽く十倍以上になっている。今は強い季節風シーズンで9割以上は大平洋に流れてるはずなのに正反対の福島市内で激増してることは、漏れている量が半端でないと

新井哉 @araihajime 1時間
福島県原子力センター福島支所(福島市方木田地内)で採取した定時降下物環境放射能測定結果によると、1月1日9時~2日9時までNDだったセシウム137の値が2日9時~3日9時まで252MBq/km2と急上昇。
ameblo.jp/kikikanri-h-ar

東海アマ @tokaiama
4号機の核燃料は1年以上経ていても崩壊熱で千度を超えています。セシウムの揮発点(沸点)は670度で燃料棒内部で揮発状態です。これが崩壊すると高層に向かって上昇しセシウムプルームを形成、雨に乗って地上に落下汚染します。再び莫大な内部被曝を起こすでしょう。地元より200キロ圏が危険

まるじゅん @marujunkororin
私も残念ながら4号機は最近の地震でダメージを受けた可能性が高いと思う。政府と東電はいくら役に立たないからといって放っておくわけにはいかない。説明責任を果たすべきことを国民がわからせないと。ameblo.jp/c-dai/entry-11


佐々木 隼也 @junsantomato
「120106 東電会見 午後(4号炉・福島の定時降下物急増・3号機核爆発?)」をトゥギャりました。
togetter.com/li/237640

早川由紀夫 @HayakawaYukio
「2012年1月6日午後、東海アマさんのTL、小パニック」をトゥギャりました。
togetter.com/li/237639 

福島での放射性降下物のデータをグラフ化した。確かに異常な上昇と言わざるを得ない。 http://t.co/M272o62x

 

<1月5日のツイートまとめ>

nobitatter 平澤薫
「120105:新たな放射能汚染の報告。フクイチで何かが起きている」http://goo.gl/NzyRi東電や国は何かがあっても国民に知らせることはない。しかもデータを公表をしなくなっているだけでなく黙って後でデータを変更する始末。全く信用出来ない。

はなゆー(大地の怒り) @hanayuu
福島第一原発4号機プール崩壊(最悪の事態)なら170km圏内は強制移住、250km圏内は避難の計画→ yomiuri.co.jp/national/news/

fromChiba/NT @fromCS
稲毛で2011/12/26 ~ 2012/1/4こんな数値が観測されています。なぜでしょうか。jcac.or.jp/lib/senryo_lib

むひゃ?【雪湯団】 @muhya79
土日に放出するの? RT @kanatama1: なぜ、このタイミング ?“@kosumosu207: 文部科学省は、東京電力福島第1原発事故を受けて、公表している放射線量について、測定自体は週末も自動で行ってるのにもかかわらず、今後は土日祝日の公表を休止することを決めた。

兵頭正俊 @hyodo_masatoshi
【重要】福島で地震が起きている。福島第一原発4号機で何かが起きても、避難の指示など政府も東電もださないと思われる。危機への対応能力もない。近隣の方は避難に必要な身の回りのものをまとめ、避難ルートなどを考えておくべきだ。

きっこ @kikko_no_blog
福島第一原発4号機、いよいよ限界か?→ bit.ly/h6zfDE(ライブカメラ)

麻衣子 @jindawase
福島市で放射性セシウムが異常な上昇media.yucasee.jp/posts/index/10…  福島市内で1月2日午前9時~1月3日午前9時までは、セシウム134が180MB/平方キロ、セシウム137が252MB/平方キロとなった。それ以前と比べても、2日~3日の値は軽く10倍以上となっている。
 

 

フクイチ4号機は大変な事態!元旦M7地震で配管が外れセシウムが放出 福島市内セシウム降下量が4倍。未明まで閃光黒煙http://t.co/bPPTvpfe


兵頭正俊 @hyodo_masatoshi
【重要】武田邦彦「速報 福島中心にセシウム急増。マスク必要!! 福島県および関東一円のセシウム降下量は、事故後とほぼ同じぐらいのレベル。マスクをする必要。データは危険なレベル。マスコミが報道していないのは不思議。かなり危険」(1月6日)ht.ly/8k3Qz


さとし @satoshithem
#東電 #福島 #原発 RT @kskt21: みなさん、東電社員寮で異変が起きているようです。明らかに隠れて避難しているような気配です。東電の家族は3月12日にも地元住民に何ら知らせず、己達だけが非難をした前科があります。みなさん東電の社員家族の動きに注意を払って下さい。

宝珠山 継男 @tsghoh
①数日前に東電の社員が寮から逃げたこと。 ②ハッピーさんのツイートが正月以降ないこと。 ③最近配布されたヨウ素剤 ④福島で線量が急上昇

渡瀬義孝 @yoshitaka_w
福島でセシウム降下量が急上昇していること以上に、現場で復旧作業している @Happy20790 さんのツィートが1月1日以降途絶えていることのほうがはるかに気になる・・やはり4号機に何かあったのだろうか・・ #genpatsu #fukushima #福島

東海アマ @tokaiama
フクイチ4号機の大規模な放射能漏洩、今回もマスコミは黙殺、完全隠蔽姿勢。証拠は完全、報道はこれだけ 
news.nifty.com/cs/economy/eco… 
関東以北の妊婦さん、避難の準備を! 場合によっては日本海側か西日本に逃げることを考えてください。まだ避難レベルでないが冬型気圧配置でありながら東北北海道の広い範囲でセシウムが激増している。必ずマスクを! なるべく家から出ないこと! 福島市周辺は避難を始める必要があると思う

maria (脱原発に一票) @maria_sant2011
放射能汚染の主因は4号機燃料保存プールだと「ネイチャー」でスエーデンの学者が発表
bit.ly/AbB9QM 事故後、1ヵ月半以上「4号機」は火災とされ、爆発は頑強に否定され続けたわけだ。これが火災かどうか、見れば誰でもわかる…

いわた・きよし(岩田清) @Kiyoshi_IWATA
3月23日
yoshi-tex.com/Fuku1/pict20-4… 11月12日 yoshi-tex.com/Fuku1/20111112明らかに梁の傾きが変わっている!QT @ompfarm @jh8bss

TOHRU HIRANO @TOHRU_HIRANO
法則的には、細野ちゃんが会見で「4号機の会見」をしたら『逃げろ!』と言うサインだと思った方が良いね。3月に枝野ちゃんが「メルトダウンはしておりません。ただちに影響はありません」と同じだね。同じ手に2回もひっかかるのは、阿呆しかいないよね。もう学習したよ。もう、無駄な被曝はしない

ブリン 国は汚染区を封鎖して移住させろ! @no311nuke
正月、千葉でもセシウム5400万Bq/km2降下! 4号機は1~3号に貯蔵の2倍以上1535本の核燃料。何と未使用も。4号機は既に建物の体をなしてない為、もはや水素爆発も起きず、小出裕章「手の打ちようなく次々溶け、大量の放射性物質が大気に」
amba.to/zKnWhM

兵頭正俊 @hyodo_masatoshi
【重要】地震で福島原発4号機に異変が起きている。福島に11月や12月と比べ約4倍以上のセシウム降下が確認された。真相も避難の指示も、政府・東電はいわないと思われる。危機への対応能力も国民を守る気もない。近隣の方は避難に必要な身の回りのものをまとめ、避難ルートなどを考えておくべき。

問題は4号機だ。すでに、過去の事例から政府も東電も情報を隠蔽している可能性が高い。それで、きわめて短期間の避難を繰り返すやり方がある。家族の一部だけとりあえず避難する。様子を見る。何も起きなかったら戻る、ということの繰り返しだ。これだと家族の反対者を説得しやすい筈。

はなゆー(大地の怒り) @hanayuu
福島第一原発4号機プール崩壊(最悪の事態)なら170km圏内は強制移住、250km圏内は避難の計画→
yomiuri.co.jp/national/news/

 

 

速報 福島中心にセシウム急増  マスク必要!!

 文部科学省が16日に発表した福島県、並びに他県の データを見ると、福島県および関東一円のセシウム降下量は、事故後とほぼ同じぐらいのレベルに達しています。原因は不明ですが、とりあえず、マスクをする必要があります。 

今、緊急に調べています。結果がでたらすぐブログに上げます。念のための措置ですが、お子さんをお持ちの方はあまり外に出ないように。データの信頼性もチェック中です。

 データは危険なレベルです。マスコミが報道していないのは不思議ですが、1平方キロメートルあたり100メガベクレルを超えていて、かなり危険です。逃げる必要はありませんが、マスクをして外出は避けてください。

 しばらく後に葉物野菜が汚染されます。(データが正しければ) 

(平成2416日) 武田邦彦氏http://takedanet.com/2012/01/post_43b1.html


福島市で放射性セシウムが異常な上昇

 文部科学省が発表した福島市内の「定時降下物環境放射能測定結果」によると、同市内で検出されたセシウム134、137の値が異常に上昇していることがわかった。

 1月4日午後2時時点の測定結果によると、福島市内で1月2日午前9時~1月3日午前9時までは、セシウム134が180MB(メガベクレル)/平方キロ、セシウム137が252MB/平方キロとなった。

 その前日の1月1日午前9時~1月2日午前9時までは、134、137ともに、ND(検出限界値未満)だった。また、それ以前と比べても、2日~3日の値は軽く10倍以上となっている。

(@nifty ニュース 2012年1月5日(木)16時40分配信)

http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/yucasee-20120105-10032/1.htm

 

年末年始の線量 東北・関東で上昇
浪江町で2日午前 14.4マイクロシーベルト
 東北、関東各都県で昨年12月28日午前9時からことし1月5日午前9時に観測された最大放射線量は、昨年12月27〜28日に比べ各地で上昇した。文部科学省の集計によると岩手が毎時0.033マイクロシーベルト、栃木は0.056マイクロシーベルトにいずれも上昇。神奈川は横ばいだった。福島県浪江町で2日午前11時23分に14.4マイクロシーベルトを観測した。http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120106145210680

 

『光軍の戦士たち』より一部を転載させていただきました↓↓↓(01/09追記)

最初に、昨日の私の記事に寄せられたコメントを御紹介します。

11 ■避難の準備をしています☆

元旦の地震で4号機にガタがきたようですよ
倒壊が切迫しているようです。

そのせいで大量放出されたようです。

なので、小出教授のおっしゃるように倒壊したら
すぐに逃げられるように父に電話をして
連絡を取り合いました。

私は、父の田舎のある奄美大島に避難します。
今準備中です。奄美に行けば、親族のたくさんいる、沖縄も近いし。

震度4で、これですから、いつどうなるか時間の問題ような気がしてきたのです。

∞88ティアラ88∞参上!☆
2012-01-08 23:20:17


【東京都目黒区】甲状腺の異変を訴える人が増えている

2012-01-08 09:25:30 | 原発・放射能

【東京都目黒区】甲状腺の異変を訴える人が増えている

TOHRU HIRANO

TOHRU HIRANO

Designer:東京 目黒区
 
TOHRU HIRANO
 「甲状腺、ご相談ください()」
年末に薬屋さんに、いきなり張出されてた貼り紙。
今日、薬屋さんで聞いてきました。
『7月ぐらいから、甲状腺の腫れ?があるとい
う人が来て、10月から、若干、増えてきたので、
漢方薬をすすめてる』とのことです

「患者調査の中止を決めた地域では、すでに白血病が増えているかも」という憶測

2012-01-07 12:51:14 | 原発・放射能

 福島県全域、宮城県(一部)で患者調査をやらない理由

(突然患者調査を福島と宮城がとりやめた)この発表が、「患者調査の中止を決めた地域では、すでに白血病が増えているかもしれないのを隠蔽するためではないか」という憶測を読んでいる

 http://prepper.blog.fc2.com/blog-entry-110.htmlより転載

福島県全域と宮城県の一部地域では、調査実施の直前になって突然、患者調査を行わないことを決定しました。

津波で壊滅してしまった宮城県の一部では調査不可能というのは理解できますが、福島県全域で患者調査に協力しないというのは、どう考えても異常なことです。


まるで、福島県は治外法権のようです。

患者調査を行わないのは福島県の要望に国が沿ったもの

「厚生労働省における東日本大震災の対応状況」によると、「宮城県の一部地域及び福島県の全域について調査を行わない旨決定し、当該県へ連絡済み」とのこと。

患者調査は、3年に一度、実施されているもので、平成23年度(今年、実施されたもの)は9月から10月にかけて行われました。ところが、調査実施直前になって、宮城県の一部と福島県の全域が、突如、「やらない」と言い出したのです。

この発表が、「患者調査の中止を決めた地域では、すでに白血病が増えているかもしれないので、それを隠蔽するためではないか」という憶測を呼んでいます。

ここに傷病別の年次推移表があります。
白血病」の文字をクリックすると、白血病の推計患者推移を見ることができます。

平成23年度は、3年に一度の患者調査の年に当たっています。
その厚生労働省の協力への呼びかけでは、

(1)病院については、平成23年10月18日(火)~20日(木)の3日間のうち、病院ごとに指定した1日 としています。

(2)一般診療所及び歯科診療所については、平成23年10月18日(火)、19日(水)、21日(金)の3日間のうち、診療所ごとに指定した1日としています。

(3)退院患者さんについては、平成23年9月1日~30日までの1か月間としています。

となっています。

すで平成23年の分は調査が終了していて、24年の秋に公表される予定。

ただし、病院への患者調査実施日の前日(10月17日)になって、突如、厚生労働省における東日本大震災の対応状況なる“怪文書”をアップして、「全国のうちで、福島県全域、宮城県の一部だけ除く」と告知したのはなぜか?

医学部出身のおしどりマコさんが、いつものように専門知識を駆使して電話で、記者会見の席上で緻密な特攻取材をかけています。

おしどりマコさんの記事を読めば、「たらい回し」にされている状況が分かります。
対応に出た役人たちは、なんとなく奥歯に物の挟まって言い方で回答しているのですが、確信的なことには触れなかったようです。

「福島県の全域、宮城県の一部の患者調査をやらない」という発表は、下のリンク先に入っています。

社会保障審議会>統計分科会
2011年10月20日 第17回社会保障審議会統計分科会資料(平成23年10月20日開催)
○資料5

この資料を見て、マコさんが質問している内容は、下記リンク記事に詳しく上がっています。

平成23年度の患者調査で宮城県の一部と福島県が除外される件

ポイントをまとめると、以下のようになります。

--------------------------------------------------------

●「福島県の全域、宮城県の一部の患者調査をやらない」ことについては、総務省(人口動態調査のまとめを行っている)も了承している。
なぜ総務省が了承したのかは不明。


●電話に出た厚生省の職員の話によると、

「調査を実施するにあたり、医療施設のほうも被災をしていて保健所も被災による復興作業で、そういうことで、とても調査できる状況ではないということですね。

もう一つは、限られた医療施設…一部地域では施設が全壊したり半壊したりしている状況もございますので、通常の状況ではない調査結果の偏りということも考えられますので、正確な推計ができないということで、除外をしております」

とのこと。

管理人:
厚生労働省の話によると、「福島県は調査ができる状態ではない」というのが理由。

それでは、テレビの旅番組で、福島の中通りや会津の温泉宿を紹介したり、中通りで行われる数々の催し物(ふくしま駅伝も、そのひとつ)を盛んに紹介していたのはなぜか?

「福島は復興に向かって一直線」をアピールしたいからではないのか?
それなのに、福島県は全域で健康調査をしない、ということでは、いくら福島復興をアピールしても、誰も信じない、ということになってしまい、逆効果。

やっていることが、まったくチグハグで、福島県は何かとんでもないことを隠そうとしているのではないか、と疑わないほうがおかしいのです。

--------------------------------------------------------

●厚労省の人:
「厚労省だけではなくて、福島県、宮城県と協議をして県庁のほうと両方で決定いたしました」。

マコさん:それなら同じく医療施設が被災している岩手県は、なぜ患者調査をやるのでしょう?

厚労省の人:
「岩手県も被災しているが、岩手県側は、それでも患者調査には対応できる」と言っている。

マコさん:岩手県は患者調査に協力できるということですね。分かりました。
では、患者調査をやらないとしている宮城県の一部の地域とは、どこでしょう?

●厚労省の人:
一部というのは、宮城県の沿岸部-石巻と気仙沼エリアのことです。

マコさん:なるほど、宮城県の中でも、特に津波の被害がひどかったところですね。

では、福島県の内陸部-会津の辺りなどは、宮城の内陸部と同じようにあまり被害は受けてはいないと思うのですが、なぜ福島県は全域で患者調査をやらないことにしたのか。

●厚労省の人:
原発の周辺の人たちが福島県の内陸部に避難をしているので、医療機関が、そういう人たちの診療に追われている状態があるので、患者調査によって、さらに医療機関に負担をかけたくない、ということで。

マコさん:では、宮城の内陸部より福島県の内陸部の方が状況が大変であるという判断ですね

●厚労省の人:
一概に比較はできませんけども、福島県を含む協議の中で、調査は不可能であるということで判断した。

マコさん:なるほど、それは福島県と協議をしたということで。

●厚労省の人:
はい。

管理人:
以上から、福島県で今回の患者調査を行わないことにしたのは、福島県からの要望に沿ったもののようです。


--------------------------------------------------------------

マコさん:
この患者調査の県側の担当部署は、どこでしょうか?

●厚労省の人:
福島県も、宮城県も、「健康福祉部」というところです。

マコさん:
どういう方法で調査をやるのでしょうか?

●厚労省の人:
あらかじめ設定していた調査日に医療機関にかかった患者さんや、入院している患者さんの症状を調査票に記入していただく、という形です。

マコさん:福島の震災後の疾病状況などを知りたかったので、今年は調査を行なわない、ということで…。

●厚労省の人:
「えー、患者調査はもちろん、被災地の健康状況、福島や宮城の情報をできるだけ把握する必要があるということは重々わかっておりますが、先ほど申し上げたよ うにデータの正確性、あとまあ、調査に対して自治体の協力を得られなかったという状況なわけなんですけども…。

別途災害による健康状況をフォローする 調査が内閣府のほうで行なわれておりますので、そちらの結果等をご参照していただければ、全くその被災後の健康状態が国の方ではわからない、というわけで はございませんので」。


管理人:
つまり、早い話が、福島県は国の患者調査には協力しない、と言ったわけです。


-------------------------------------------------------------------

これで、福島県の患者に関するデータは一切出てこなくなってしまう。唯一の健康調査は、被爆状況を調査する県民健康管理調査のみ。これは佐藤雄平と山下俊一が私物化している。福島県民は、県内で白血病が増えても、知ることができない

マコさん:別途災害による健康状況をフォローする 調査が内閣府ということですが、それは内閣府のどこの部署で行われているのですか?

●厚労省の人:
福島県と提携をしてる形で、県民健康管理調査を行なう被災者生活支援チームです。

管理人:
なるほどね。
被災者生活支援チームは、内閣府の組織でありながら、経済産業省内におかれています。
この組織は、「生活支援」と銘打ってはいますが、実態は、「被曝を評価するチーム」です。

厚労省の担当者が言ったように、「災害による健康状況をフォローするもの」ではなく、あくまで「被曝調査限定」なのです。
ですから、病院にすでかかっている人や、入院している人を対象に行う患者調査とは直接的なつながりはないのです。

で、患者調査に福島県が協力しないので、内閣府が福島県と提携して行っているという県民健康管理調査のほうでやろう、ということになっている、というが厚生労働省の担当者の理解しているところ。

しかし、本当のところ、「福島県と内閣府が提携」しているというのは、“金づる”として内閣府が協力しているというだけであって、調査の実施については国は口を出さず、あくまで福島県の県民健康管理調査検討委員会が独自に行っているもの。

県民健康管理調査検討委員会の座長は、日本のメンゲレ、山下俊一が努めていて、「県民の調査だけやって、治療や、早期予防対策は一切やらない」という組織。

ヒロシマ、ナガサキの原爆で自力で歩けないほど火傷を負った住民を呼び寄せて、体に負担をかける検査を何度もやりながら、一切の治療をしなかった悪魔的組織・ABCCの残党である放射線影響研究所が深く関わっていることが知られています。

その山下俊一を県民健康管理調査検討委員会の座長に据えたのは、佐藤雄平です。

今、福島県では、「放射線被曝データだけよこせ、それに県民が協力するのは当たり前だ!」という、まるでファッショのような構図があるのです。

この県民健康管理調査事業には、国から700億円以上の予算が割り当てられているのです。

つまり、福島県は国が行っている健康調査には協力しないので、今回の全国的な患者調査の対象外になっている。
その一方で別に国から莫大な予算を引き出して県民200万人に対して、ほとんど意味のない県民健康管理調査をやっているのです。

福島県庁は、国の金が使い放題。

しかし、県民健康管理調査は、停滞して、うまく行っていません。
高濃度汚染地帯の住民からでさえ、調査票の回収率が50%というのですから、すでに事実上、失敗です。

佐藤雄平、山下俊一、それに無能な県庁職員たちで、自由に税金を使っているのです。
どうも、ことはこれだけではないようです。

この先に本当の暗黒があるのでしょう。

おしどりマコさんは、この問題を次回も追及するようですので、彼女のブログは要チェックです。


「被曝をどう避けるか」専門家の詳しい話

2012-01-06 14:48:55 | 原発・放射能

講演「被曝をどう避けるか」要旨

「被曝をどう避けるか」  講演資料
        講師:岡山 博、
       仙台赤十字病院呼吸器科、東北大学臨床教授
        主催:放射線被曝から子どもを守る会
        日時:2011年12月17日
        ところ:仙台市医師会館ホール

以下は、講演会「被曝をどう避けるか」講演の主なスライドをまとめたものです。

被曝をどう避けるか
l 放射線と身体への影響についてお話します。
l 医学知識を知ると深く理解できるが、知らなくても、大丈夫。
l 被曝を避ける事と、医学的知識は別の話です。
l 同じ知識を持っていても「放射線を避けるな」と言う人も「避けろ」と言う人もいます
l 学ぶと言うことは、鵜呑みにする事ではなく、本当にそうかと自分で考え、判断すること
l 被曝をどう考えるか、避けるためにどうするかを議論しましょう。
l 講演途中でも、質問や意見、歓迎します。
                      

1. 放射線とは何か
2. 汚染の状況
3. 被曝と生体への影響
4. 被曝を避けるために・議論
   ・被曝の危険性はどの程度か
   ・被曝の避け方
       家庭が、社会ができること
   ・環境除染した放射能をどうするか
   ・農漁業者を守るには?
   ・心配するなという専門家の意見?
          など 何でも


I, 放射線・放射能とは何か

放射線の作用

紫外線に似ている。いろいろな物質(分子)を変性させる。
例えば
l 印刷されたインクの色があせる
l プラスチックなどぼろぼろになる
l 生体内でも蛋白やDNAやいろいろな物質が変性する。
l 細胞障害ややけど(急性・短期的傷害)
l 老化、癌、生殖機能、先天異常を増やす(長期的傷害)

放射線の作用
l アルファ線、ベータ線、ガンマ線
     放射性物質から出る。
放射性物質の種類で
l どの放射線が出るか、
l いつまで出し続けるかは
       原子によって決まっている。

放射線を出す性質は分子ではなく原子の性質。だから
微生物や化学反応でなくしたり減らすことはできない。
放射性元素の性質で時間とともに減少するのを待つだけ(半減期)
除線は、放射能を移動させることしかできない。

放射線の種類
放射性物質から出るエネルギー。
高熱を出し続ける鉄球と考えるとわかりやすい
 ・α線:陽子2個と中性子2個の粒
 ・β線:もっと小さな電子1個の粒
 ・γ線:紫外線の続き(電磁波)

原発のしくみ    
U235+n→U236→A+B+2~3n
・ウランの原子核に中性子が衝突すると、
衝突の仕方で何種類もの大きさの2つの原子核と2~3個の中性子に分裂する
・ウランの量と密度が高いと、連鎖反応してごく短時間で爆発、少ないと中性子が核に衝突せず、すり抜けて、反応は停止する。この中間の微妙なところで反応させて熱を取り出す
・火薬を使って水を沸かすことと似ている。多いと爆発、少ないと反応停止し、中間は難しい。
・核分裂で約100種の放射性物質が作られ
・1億倍の放射線と熱が出る
・原子の種類で、アルファ、ベータ、ガンマ線を、いつまで出し続けるかが決まっている。

放射線核種
   名称      記号   半減期  放射線の種類
ヨウ素-131     131I    8日    ベータ線、ガンマ線
セシウム-137    137Cs   30年    ベータ線、ガンマ線
ストロンチウム-90  90Sr   29年    ベータ線
プルトニウム-239   239PU   2万4千年  アルファ線
カリウム-40      40K  13億年   ベータ線、ガンマ線

放射性ヨウ素とセシウム137はアルファ線を出さない
アルファ線を出すものはラジウム、ウラン、プルトニウム

II. 放射能汚染の状況

爆発後初期~3月末
l 膨大な放射能ほこり。風に乗って散らばった。
l 大きなほこりはゆっくり地面に落ち、小さなほこりは空中に浮遊、世界に拡散。雨や雪が降ると、放射能ほこりはまとまって落下した
l 呼吸で吸い込み、食物として摂取し、被曝してしまった。
l 最も多かったのは、ヨウ素。
   今は3月末比で 1/100万以下に減少。
   甲状腺癌の原因。
癌は確認できる5mm以上に育つまで、癌になってから早いものでも5年以上かかる。
l セシウム、ストロンチウムなども拡散

この時期に行うべきだった被曝対策
l 高度汚染の可能性がある地域からの避難
l 被災者に安全な水、食料を届ける。汚染飲食禁止
l ヨウ素剤服用
l 避難しない人への指導
・ 汚染食品飲食制限
・ 外出・外気ほこりを避ける。マスク。
・ 体についた放射能を流す。シャワー
・ 家にほこりを持ち込まない。

外国大使館、東電、国内大企業、マスコミが行った自己防衛対策(正しい)
l 東電、東北電力は社員家族を福島から緊急避難指示
l 多くの大使館は、自国民の日本からの退去や
      関西への避難、汚染食品回避を指示
l 震災、原発対策のために宮城県沖に出動したアメリカ空母は、放射能汚染を避けるためすぐに、宮城県沖から撤退
l 多くの大企業は本社機能を東京から大阪に移転
l 震災報道のため、仙台に拠点を作ったCNN(米)とBBC(英)放送は、すぐに拠点を山形と秋田に避難
l 国内大手マスコミ記者は、原発50km以内から撤退。

政府や自治体、東電が実際に行った事
l 東電、東北電力、政府は、震災当日に、7時間半後の原発爆発と、その後の大爆発、深刻な放射能汚染を予測していた。
l 東電や東北電力は社員と家族を、緊急に福島から避難させた。社員家族から連絡されて、福島県から避難できた一般住民も多い。
l 一般住民には知らせなかった。
l 政府とマスコミは「汚染はわずかだ、危険は無い。落ち着け、あわてるな、家に留まれ」と避難を抑制。危険性を指摘する発現は「不安を煽る」として発言や報道を抑圧した。
l その結果、沢山の人が被曝した
    ・被曝回避の機会を失った。
    ・子どもを雪であそばせた。
    ・マスクもしなかった。
    ・汚染された地域や自家栽培の野菜を食べさせた。
・ヨウ素剤を服ませなかった
・汚染を心配する人を異常者扱い。自由に物言えぬ社会。
その裏で電力会社・大企業、マスコミは
    危険を知り、社員避難や会社機能の大阪へ移転など正しい対策をとっていた!

原子炉事故の破局的進行や、高度被曝が10%の可能性で予想される時
・「重大な被曝を受ける可能性がある」と
          対策や避難を進めるべきだが
・「高度被曝の可能性は低い。落ち着くように」と
          説明し、避難や対策を遅らせ、抑制した
  
   オバマ大統領は、ハリケーンの時、
   「判断を遅らせて被害を増やすな、
   すぐ決断し避難せよ」と住民に呼びかけ、指揮した

   最悪の被害を確認してから行うのは、
   危険対策ではなく、判断責任回避し住民に被害拡大

汚染状況、汚染予測を知らせなかった
・汚染を過小評価する解説を氾濫させた
・日本気象庁の発表データを使って、ドイツ、スイス、オーストリア、台湾などの
気象庁が日本の放射線汚染予測図を毎日時間を追って発表。
日本人のために、日本語の発表も

・日本政府と気象庁は緊急時のために作った放射線汚染予測を公開しなかった


外国の反応など
l ウクライナ医学アカデミーロガノフスキー氏「チェルノブイリでの経験がある。協力できると日本大使館に出向いたが門前払いされた」
l ドイツ救援チーム3月14日、急きょ帰国した。「日本政府は事実を隠蔽し、過小評価している。」と早期帰国の理由を語った。
l ドイツ首相も「日本からの情報は矛盾している」と繰り返した。(2011年3月16日 読売新聞)
l 被災地のために外国から、緊急供与された放射能測定器40000個が、羽田空港倉庫に保管されたまま、配布されなかった
l 「子どもたちを20mSvの放射能にさらすのを、今すぐやめてください」在フランス日本大使、仏市民団体「原発をやめる会」他からの抗議の手紙受け取りを拒否(8月31日)
l 安全だと強弁して事故を起こした責任者が今も、原発事故処理を仕切っている
l 原発事故の危険性を主張し、事故時の対策を研究・要求してきた国内の専門家は今も排除したまま
l
現在の大気の汚染状況
l 3月爆発後、空中に拡散した放射能粒子は地面に降下するか世界中に拡散した
l 当初と比べ、ずっと少なくなった。しかし
l 今も事故原子炉と原発から放射能が拡散している。
l 原子炉周辺のがれきや地面に落ちた放射能ほこりが乾いて風で舞うこともある。
l 普通の状態であればマスクの価値は下がった

現在の地表の汚染状況)
地表に落ちた放射能
l 雨水で流れ、乾いたところに残る。
l 水がたまって乾いた所のごみや枯れ草に吸着している。雨が降るたびに少しずつ解けて流れ、地面にしみこんでいる。
l 土にしみこんだセシウムの一部を植物は吸い上げる。葉についた、ほこりや雨の中のセシウムの一部は直接吸収される。
l 水道水の汚染はおそらく少ない

現在の海の汚染状況
  汚染水を大量に海に放出している
l 海水・海底・ヘドロと、海草・魚が汚染され続けている。
     ・ヨウ素:80日で 1/ 1000 160日で1/100万に
           減る。海草に蓄積。甲状腺に集まる
     ・セシウム:魚や貝の肉。水に溶ける。
           福島海底ヘドロから大量セシウム
     ・ストロンチウム: ほとんど未測定。
           海底、魚の骨に蓄積。食べると骨にたまる。
l 時間とともに全国に拡散拡大する。
     ・日本周囲太平洋は注意

現在の地表汚染状況と食物
l ヨウ素:大量に放出されたが、放射能はなくなっている
l セシウム:大気中セシウムは葉からも吸収された。土やホットスポットのごみ、枯れ草に付着。土中セシウムは植物に吸収される。何十年も続く。海や沼のセシウムは植物や虫、魚に吸収される。
l ストロンチウム:汚染された植物や飼料を食べて、動物に吸収され、骨に蓄積され放射線を出し続ける。牛乳や小魚など骨に注意

今は、何から被曝するか
l 空気中に浮遊する放射能ほこりは少ない。
l 環境放射線は地面に積もった放射能ほこりからのセシウム、ストロンチウム。放射能ごみをなめたり、ほこりが舞い上がると吸入し内部被曝の原因になる。外部被曝もある。除染
l 放射能や毒物被害を避ける方法は、毒を避けることが基本。毒を採った上でどう減らすかではない。
l 食物中のセシウムと、ストロンチウムが重要。


放射線規制
放射線暫定規制値
厚生労働省  3月29日に緊急とりまとめ
 ・放射性ヨウ素:年間2mSv(甲状腺等価線量としては年間50mSv)
 ・放射性セシウム:年間5mSv
    という実効線量が安全とした

食品放射能暫定基準
暫定基準とは
・緊急事態で、水や食物が手に入らない時、「害を承知で、食べるのもやむをえない」制限
・食べ物が無くてもこれ以上は、食べてはいけない上限。安全な基準ではない。
  ・飲み物の暫定基準は:海洋投棄を禁止されている原発からの汚染廃水より高い

現在の暫定基準はヨーロッパの緊急時規制値とほぼ同じ
おかしいのは
・汚染地域に、汚染されていない飲食物を緊急に供給しない
・原発爆発直後のまま、緊急事態として続けている
 ・有害だが緊急時には一時やむをえない値を「安全」という
・被曝を避けるのではなく拡散・拡大させる姿勢と政策。
・汚染されていない地域にも、汚染食品を意図して拡散

食品放射能測定
l 国や自治体が食品放射能を測定した。
l 農作物はよく洗い、魚は頭と内臓を取ってから測定するように指示
l 暫定基準以上の作物が出たら一時出荷停止にし、なるべく早く解除した。暫定基準以下は安全と宣言
l 同じ地域の、測定しなかった畑の作物や、別の種類の作物は出荷停止しない。
l 給食など「勝手に」測定することを実質的に禁止した。
l 汚染の危険を指摘する発言や行動を抑圧
l 危険性を話題にすることを「風評」と嘘扱い

食品衛生法
l 第6条 有毒な疑いがある食品は、販売、製造してはならない。
l ただし、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。

文部科学省は
「市場に流通している食品は、安全という前提。
給食に限って何かをすることは考えていない」


食物や環境放射能の基準
   許容量:法律で決まっている
l 許容基準を定める目的は; 被曝と被害を少なくするため(世界各国、国際機関、日本の法律全て) 。
l 緊急時暫定基準: 安全な水や食料がない緊急時に、害を承知でやむを得ず許容する量。緊急時でもそれ以上は摂ってはいけない。安全を意味しない。
l 鉛や水銀、農薬などの毒物規制は、毒を摂取させないための基準。有害とわかっている量よりはるかに低量で規制=安全管理の原則

ドイツ放射線防護協会
l 「放射線汚染された食品やゴミを汚染されていないものと混ぜて『安全である』として通用させることを禁止する国際的な合意がある。日本の官庁は希釈禁止に抵触している」(2011年11月)

電離放射線障害防止規則
l 「放射性物質」とは、40Bq/cm2を超えるもの
l 汚染した場合、標識し
  ・1mで0.01ミリシーベルト毎時以下、
  ・4Bq/cm2 (約400Bq/kgの土、100Bq/kg枯草)
             以下、になるまで除去
l 第29条 清掃を行なうときは、じんあいの飛散しない方法で。
l 第33条 貯蔵はかぎ閉鎖の貯蔵施設
l 第35条 焼却は、気体がもれるおそれ、灰が飛散するおそれのない構造の焼却炉

暫定基準値は、法律違反
『放射線障害防止法、3条』;一般人の許容放射線量は年間1ミリシーベルト以下とする。

放射能の単位
l ベクレル:1秒間に放出される放射線の回数
l シーベルト(旧 REM):
さまざまな仮定・推測をして計算した体に与える影響の大きさの値
     実効線量、性質の異なる危険性を、無理に同じ単位で表す
     換算法: 核種に対する実効線量係数をかける
     例)100 Bqのヨウ素131を1回、経口摂取
        実効線量係数0.022 (成人)をかける。
         100 Bq× 0.022= 2.2 μSv

セシウムを毎日摂取した時の計算
1年あたりミリシーベルト
  =(1日に食べるBq)×(365日)×0.0073
毎日100Bq 食べると 1年で約1ミリシーベルト*
  =100Bq×0.0073=0.73ミリシーベルト

60kg の成人が毎日食べ続けて平衡状態に達した時の
体内セシウム放射能
  凡そ(1日に食べるBq)x約100
毎日100Bq 食べると約1年で
  =10000Bq に落ち着く (Kは60kg 成人で4000Bq)

III. 放射線被曝と生体への影響

内部被曝の経路
l 呼吸: 放射性の微粒子や気体を吸い込む
l 飲食物: 放射性物質が付着した飲食物を摂取する
l 皮膚や傷口から吸収

内部被曝の危険性
l 放射線源からの距離が近い
      1cm では 10m の100万倍被曝する
l 体内に、長期間残る
l 同じ部位の細胞が繰り返し被曝する
       蛋白や遺伝子変異、炎症を起こす
       老化、骨髄機能抑制(感染、出血、貧血)
       癌、先天異常、遺伝的障害

放射線核種による生体影響の違い
l ヨウ素
     甲状腺に集まる →甲状腺腫・甲状腺癌   
     半減期 8日
l セシウム 
     細胞内の水に多く溶けて分布→さまざまの癌
     半減期 30年、 生物学的半減期 1~2ヶ月
l ストロンチウム
     カルシウムに似て骨に分布
                   →白血病・リンパ腫
     半減期 29年。Cs137出れば、Sr90存在

被曝の身体への影響、特にDNA損傷と癌について
癌とは何か
l 正常の細胞は
   常に必要なだけ、新しい細胞が増殖し、古い細胞が静かに自ら死んでいく(皮膚では、ふけや垢になる)
l 細胞が死ななくなって細胞の数が増え続けるのが癌

癌のでき方
l 1人の人では、どの細胞もまったく同じ遺伝子を持ち、変化しない
l ①細胞増殖を始める、②止める
  ③自殺させる、    ④間違ったDNAの修復
      に関係した数十個の遺伝子がある
l 1個の細胞内で、これらの遺伝子が3~4個が、間違って異常DNAに変わると、増殖が止まらない、自分で壊れない癌細胞になる

遺伝子に対する、確率的傷害作用
l 多くの毒物は
    毒の量が多いほど障害の程度が強くなる
    微量では生体に影響は無い

l 放射線被曝による長期障害は遺伝子(DNA)変異
    被曝線量が増えると確率的に傷害の頻度が増える.
    被曝線量が減ると傷害の頻度が減るだけ
    
    20ミリシーベルトの被曝で1000人に1人が癌で死亡する.
    同量の放射能を1000人で分けても10万人で分けても1人が癌で死亡

ベラルーシ甲状腺癌を、どう評価するか
   15歳以下  7人 → 407人  58倍
   55~64歳  54 人→ 326人  6倍

「50倍に増えるほど危険だ」と考えるか
「わずか1万人に数人増えただけだから気にするな」と考えるか
放射線専門医が専門家として判断し、その結論で国民を教育する問題か?

甲状腺癌は少ない癌だから少し増えてもわかった。
わかるまでに20年かかった。
放射線被曝とは関係なく、10万人に270人死亡する肺癌などでは、被曝で少し増えても証明できない

    (参考)
日本の年間死亡数
   114万人
   907人/10万人

日本の癌死亡
    34万人/年
    273人/10万人
    全死亡の30%

日本の肺癌死亡
     65000人/年
  男70歳~
    500人/10万人

イギリス核再処理工場 周囲の白血病増加
「他にも多い地域があるので放射能の影響とはいえない」という反論

1950~89年に乳がんが2倍以上になった地区(郡)
アメリカ
   ほとんどが原子力施設160km以内

原発周辺で小児白血病が増加
    ドイツ政府の大規模調査 2007 で確定
放射線かどうかは未検討
    
IV. 被曝を避けるために
食品からの被曝を避けるために

l 摂取した放射能の害を減らすことよりも、
     摂取しないことが基本
l 汚染食品を避ける
l 汚染可能性ある地域のものは、
     計測された値を知り、自分で評価する
     判断を他人に任せない

汚染食品の考え方
1) 「暫定基準以下だから安全」は誤り
2) 「安全安心を示すための測定」はあてにならない
    低そうなものを選んで測定している
    高く出たら隠す、過小評価する傾向
    全体の傾向を意味しない
3) 「汚染を発見して、流通や摂取を避ける」目的の測定が必要
4) 現状では、安全確認できないものを避ける
5) 「安全か?」と他人に評価まで頼るのはやめ、測定値を知って、自分で判断する

食品による内部被曝の避け方
   家庭でできること
1.汚染食品を避ける
2.食べる量を減らす。特に過食傾向の人
3.調理法
4.排泄を促す(過剰に重視すべきではない)

 放射線元素による違い
l ヨウ素
    半減期が短いので、今はなくなっている
l ストロンチウム
   ほとんど測定していない
   吸収されると、骨に固まって、いつまでも残る。
   とにかく避ける。汚染牛乳、小魚、魚の骨
   調理法で解決できない
l セシウム  現在最も多い。これは工夫できる

汚染食品の避け方
1) 安全と確認できない食品を避ける
   ・ 汚染地域の農作物
   ・ 日本周囲太平洋の海産物
   ・ 「国産」と言う表示など産地表示があいまいなもの。
   ・ 国産の加工食品。産地ではなく、加工所を表示している
   ・ 外食

2)  「安全か?」と他人に頼るのは止め、
    測定値を知って、自分で評価する

食品の選び方
・誰に従って安全と思うのではなく、
      ・放射線の値を聞いて
      ・安全性は自分で判断する
・ 基準値以下というのは安全を意味しない
・ 測定値を隠す人の安全説明は、さらに危ない。

他人の安全を軽視し、消費者に情報や事実を教えず、判断させず、安全という評価を強制する人を信頼すべきではない

セシウムを避ける調理法
l セシウムは生きた細胞内の水に多く溶けている。カリウムに似た分布
l 生野菜、果物、肉、魚は細胞が大部分。染み出して流し去らなければ、全て残る。
l 細胞を殺し、水につけておくと細胞から外に染み出す
l 葉野菜100g を1Lでゆでると1/10に、もう一度ゆでなおすと、1/100に減る。大根や芋など大きな塊は染み出すのに時間がかかる
l マカロニをたっぷりの水でゆでると約20%に減る。水を替えてゆでなおすとさらに減る
l 米をとぐと、ぬかの分を減らせる。といだ後、一晩水につけ翌日2回水を替えてから炊くとさらに減らせると思う
l 乾燥食品や、焼く料理は、水がなくなるだけでセシウムは全て残る

ヨウ素の避け方
l 今はほとんどない。
l また原発から放出されたら、多いときは逃げる
l 多くない時は、風下であれば吸入注意、外に出ない。窓閉め、喚起やめる。インフルエンザ用マスク。
l 食物注意。特に海草に集まる
l 大量被曝可能性高いときはヨウ素(ヨード)剤内服

ストロンチウムの避け方
l 少し面倒なのであまり測っていない。
l カルシウムに似て、骨に集まる。骨に固まって動かないので、隣の同じ細胞が放射線を浴び続ける。白血病など血液の病気の原因
l 魚・かに・貝類と、それを食べる魚の骨はさらに濃縮。牧草・骨粉を食べた家畜のミルク、骨
l 福島海底の泥からセシウム大量に検出されたストロンチウムも多いはず。
l 汚染の可能性ある魚、特に骨を食べない。小魚
l 日本周囲の太平洋は汚染の可能性高い

個人で避けた汚染食品はどこへ?
l  自分で避けた食品は?
     廃棄されない。
     業者が安く買って使う;加工食品、外食産業  
l  食べたら1000人に1人が癌で死ぬ放射線を
     1万人で分けて食べても1人が死ぬ
     =癌を起こす確率的作用
l  薄めて流通する汚染食品の全体量を増やすと→癌は増える。だから
l  汚染食品を作らせない、流通させないことが最も大切

放射能許容量を考える基準
l 被曝を避けたいか、それとももっと被曝させたいか
l 何のために
l どの程度まで被曝受け入れると判断するか
l 俗論や無責任な解説を排除する。

   以上が放射能をどこまで受け入れるか
         を考える基準。
           だから、
  事実と根拠は聞くが、評価・判断は自分でする

食品の放射能測定の目的
食品の有毒物や放射能を測るのは
     毒物を食べさせないため
・ところが今の日本は
   「これくらいは安全だからもっと食べろ」
   「不安に思うのは知識不足で、過剰反応」
   「食べても安全だ」と言うために、
            測定している
岡山博
仙台赤十字病院呼吸器科医師、東北大学臨床教授
転載元:http://hirookay.blog.fc2.com/blog-entry-13.html

『東京電力の発表は、まさに嘘の百貨店だ』広瀬隆 福島原発1号機だけで12月まだ毎時1000万Bq放出

2012-01-06 14:37:57 | 原発・放射能

東京電力の発表は、まさに嘘の百貨店だ

事故を起こした福島原発内部がどうなっているか何もわからないのに、
東電と国は、日本の国民をバカにするにもほどがある。
たわごとを並べるな!

福島原発4基の危険性は、現在も変わらない。

いつまた大惨事を起こしても不思議ではない状態にある。
燃料棒が瓦礫のように崩れて取り出せないので、今後、
数十年かかっても、事故を収束できる見通しがまったくない。
福島原発の原子炉4基からは、現在も大量の放射性物質が
放出されている。

10月14日に1号機だけ仮設カバーが完成した。

ところが収束宣言をした翌日の朝の新聞に、このような記事が・・

驚いたことに、カバーをした1号機から、12月になっても、
毎時1000万ベクレル=1ヶ月で72億ベクレルの放射能が
放出されている。

3基合わせて大気中だけで432億ベクレルの放出が続く。

しかも、「水素爆発の不安消えず」


東電と国は、大気放出量が減った、などと相変わらずの気休めを
言って国民を安心させているが、累積沈着量はますまず増え続けている。

福島県内では、雨が降るたびに空中の放射能が落とされ、地面の
空間線量が上がるのだから、トテツモナイ汚染した空気を吸っている。

福島の現地の人たちが、私にこう言う。「除染なんかできっこない」
なぜかって聞くと、「除染しても、雨が降ってまた放射線量が上がってくる」

2011.12.23_広瀬隆3/6
http://youtu.be/h6tI2G_2fmI より

 


「医師が見た被爆者の生と死~原爆被害、隠蔽と放置の12年間~」(肥田 舜太郎 先生)

2012-01-04 19:16:48 | 原発・放射能

「医師が見た被爆者の生と死~原爆被害、隠蔽と放置の12年間~」

20000909日 肥田 舜太郎 先生

 アメリカは、被爆後に日本の各大学医学部が行なった調査資料を取上げて持っている。

いまだ公開されていない。被爆による恐ろしい被害の実態を知り尽くしているといえる。

http://homepage3.nifty.com/kikigaki/gakusyuu00.htmlより一部転載↓↓

<爆風と熱線による死>

 私が一番、最初に被爆者の死にぶつかったのは194586日、原爆投下の12時間後でした。私はその日の早朝、たまたま6キロ離れた戸坂という村の農家に往診に出ていて被爆しました。藁葺屋根の農家は潰れましたが、火傷も怪我もせず、壊れた農家から這い出て、きのこ雲の立ち上る広島市内へ引き返しました。太田川の川沿いの道を、市内までちょうど半分のあたりで、市内から逃れてきた最初のその人に会ったのです。

 遠くから見た時は、 人間だと思いませんせした。近くで見ても人間には見えませんでした。真っ黒に焦げたドロドロの肉の塊で、腫れあがった大きな目と、口が顔の下半分の恐ろしい形相。それが私に手をのばして、目の前でばったり倒れました、あっ、人間だったと思って、近寄って「しっかりしてください」と言ったのは覚えていますが、あとは声もでなかった。脈をとろうとしましたが、手首には皮膚がない。この人、ぼろを着ていると思っていたら素っ裸で、剥がれた皮膚がぼろのように垂れ下がっているのです。おろおろしているうちに、ぴくぴくっと痙攣して、うごかなくなりました。それが私の見た最初の被爆者の死でした。 

 猿喉川(広島市内を流れる太田川の七本の支流の一つ)の工兵橋、ここから先が市内というところまで行って、河原といわず、道路といわず、焼け爛れて、倒れている者、座っている者、死んでいる者、川を流れて行く者、どこを見てもまともな人間の姿は在りません。最初に感じたのは恐ろしいとか気の毒だとかということではない。感じたのは、無力感です。医者として自分にはすることがない。医者だから何かしなくてはならない。薬はありませんでしたが聴診器を当てるぐらいのことは出来たわけです。だけど何をしていいか分からないわけですよ。そんなことで間に合うような人は一人もいないわけですから。正直に言うと、どんどん死んでいく大群の中でぼんやりしていました。川へ飛びこんでは流されていく、その川の中に突っ立ったまんま、何にもしないでその様子をボーッとただ見ていました。軍医だから病院へ帰る任務がある。けれど火で市内には入れない。うろうろ迷って立っていました。

 そのうちに自分を説得して、こんなところにいてもしょうがない。この人たちはみんな村へ逃げるから、村に戻れば何か出来るに違いないと思って、手を合わせて詫びるように拝んで、戸坂村へ引き返しました。

  村の中はもう被災者でいっぱいでした。戸坂村でも大部分の家は爆風で壊れていますから入るところがない。乾いた道路とか農家の軒先の空き地、学校の校庭や役場の広場、乾いた土のあるところに被災者が転がって寝ています。後から来た被災者は、寝ている被災者、死んでいる人の上を乗り越えて奥へ行こうとしています。何といいますか、地獄としか言いようがありませんでした。

 次から次へ負傷者が村へ入ってくる。後で調べたら3万人入ったそうです、人口が約1800人という小さな村ですから入るところがありません。みんな乾いて地べたへ転がっていたわけです。

 一番、最初にやったことは治療ではなくて、食事を与える準備でした。私は軍医学校で戦地での軍医の仕事を習った時、「一度に大量の患者を収容したときは治療よりも先ず食事のことを考えろ」と教えられました。村長以下、村の幹部に命じて、村に疎開させてあった陸軍の米を出させ、むすびを沢山作らせました。ところがこれが失敗だった。顔が焼けただれて、むすびを食べられるようなのは一人もいない。それで慌てて、むすびを鍋に戻してグツグツ煮てお粥にしました。

 村民はその日、早朝から中学生以上が男女とも広島へ招集されていて、老人と小学生だけが村に残っていました。それで小学生を集めて、上級生の男の子二人にお粥を入れたバケツを持たせ、女の子にしゃもじを持たせて寝ている者の口にお粥を流しこむことから初めました。

  夕方頃、軍医が3人来て、私と一緒に応急手当をはじめました。今から思えばとても手当なんて言えるものじゃありません。乱暴そのものです。ガラスが方々へ刺さっている。三角に割れたガラスが、尖った方を先にして皮膚の下をクルッと回って刺さっています、それを狭い入り口から抜き取るのは大変な仕事です。切れた傷口は縫わねばなりません。道具がなく、一時は縫い針を火で焼いて、ヨ-ドチンキにひたした絹糸を通し、ヤットコで挟んで縫合しました。

 どんどん死んでゆきます。一目見て、火傷がひどく、大怪我をしている者で死の近いものは一目で分かりますから、助かりそうもない人は避けて通る。今から思うと、医者として一番間違ったことでした。複数の患者に出遭ったら重傷者から治療するのが医師の倫理です。それを重傷者は目を逸らせて軽そうな人を選んで歩きました。

 そんな中で一人、目を逸らせ損なった兵隊がいました。私を必死に見つめるその人と目を合わせてしまい、思わずその人の傍らに膝をつきました。地べたにじかに倒れていました。ボロボロに破れた軍服のズボン、上は裸です。焼け爛れて呼吸も苦しそうでした。何もしようがない。顔を見ると左の頬だけが白く焼け残っていました。何となくそこへ私の手をもっていって、そっと触れたんです。そうしたら、カーッと目を光らせて見ていたのが、目の光がスーッと柔らかくなって。優しい人間の目になったんです。そしてカクンと頭が落ちて息が絶えました。私が手を触れたのが慰めになったのか、とにかく人間らしく死んだ、私にはそう思えた。今でもその時の夢を見ます。人間でなく、捨てられた物のように、無数の被爆者は死んでゆきました。

<急性放射能症による死>

 私たちが目を逸らせた重傷者は23日のうちに大半が死に、あとは、治療すれば助かると思えた負傷者で、これからは医者の働きどころと、多いに張り切った矢先に、生き残った負傷者の中から、不思議な症状の急病が出はじめました。

 熱が出とからと呼ばれて行って見ると、ポッポと汗を出している。四国の部隊から応援に来た軍医が体温計を持っていたので、それを借りて測ってみると5分計で1分も経たないうちに39度にあがりました。発熱なので口の中を見ると扁桃腺やその回りが真っ黒に壊疽をおこしている。普通、風邪などでは扁桃腺は真っ赤に炎症を起こすのが、真っ黒に腐りはじめている。身体の組織が生きながら腐って死んで行く病気です。傍にいたたまれないほど臭い匂いが特徴です。そのうちに、瞼の裏や鼻や口から血が出はじめた。何の血だろうと考えているうちにワーッと血を吐かれた。びっくりして、よく見ると火傷していない白い肌に紫色の斑点が出ている。死んでいった被爆者と同じです。そのうち苦しがった患者が頭に手をやったら、触れたところの髪の毛が取れてしまった。高熱、口中の壊疽、出血、紫斑、脱毛という、教科書にもない症状です。医者の誰一人も経験したことのない症状がでて、早い者は数時間、遅い者でも数日のうちに死んでしまいました。

 この爆弾は火傷と大怪我で人が死ぬだけでなく、ピカに当たった人はこういう病気のこういう死に方をするんだということを、医者だけでなく、被爆者もみんな34日の間に経験したわけです。「血がでて、毛が抜けたら駄目」。みんながそう思いました。これが後に分かった急性放射能症です。普通、内臓の病気は心臓とか腎臓とか肺臓とか、一つの臓器が病気になるのですが。ピカの強烈な放射線で多くの臓器が同時にやられてしまう。多臓器の同時発病という今までに医者が経験のしたことがない発病の仕方でした。しかし、そんなことも 10年も20年も経って分かったことで、当時は全く原因が分からなかった。こう言う死に方が被爆の年の暮れまでずっと続きました。

 <残留放射能による死(低線量放射線障害)>

 ところが、当日は広島にいないで、直接、原爆に遭っていない人の中から、被爆者と同じ症状の病気になり、死ぬ者も現れて、私たち医師を動転させました。

 被爆の翌日から広島市内には肉親や知人の安否を尋ねる人たちが、ぞろぞろ焼け跡を歩きはじめました。瓦礫の原を、骨や生焼けの肩や半分崩れた頭蓋骨の上を踏んで歩きます。そのうちに、「負傷者はもし生きていたら、近在の村々に収容されている」ということが分かり、私のいた戸坂村にもこういう外来者が毎日、多数訪ねてきました。

 この頃には九州や四国の軍隊から多数の軍医や看護婦が薬や器材を持って応援に来てくれ、戸坂村にも医師の数は私をいれて29人になり、看護婦も100人近くになりました。しかし、総計で3万を越えたといわれる在村患者には、間に合うどころか手も足も出ない有様だした。この頃には小学校の校庭や役場の広場や大きな農家の前庭などの空き地に筵を敷き詰め、その上に日除けのよしずを張って直射日光を防ぎ、それが病床で、負傷者を寝かせていました。

 そんな中を尋ねてきた人が大きな声で「何々さーん」と大きな声で名を呼んで歩く。顔が焼けていて見分けがつかない者が多いので、名前を呼んで探すのです。稀に巡り会える者もいるし、「○○さんは、○○で見た」と消息の分る例もありましたが、無駄足を踏んで次の村に移って行く人が多かったようです。

 被爆をしていないのに、被爆者と同じ症状を出した症例に出会ったのは、2週間かそれ以上たったある日の午後でした。 

 私の担当していた病室(村の中のある一画を自分の病室と決められていました)、部屋ではなくて、村の中の一画(道路や橋や樹木を目印に分けた)を担当病室として、毎日、看護婦を連れて回診するのです。その中に屋根の一部が壊れた土蔵があって、涼しいので重症患を入れていました。そこを一日二回、朝と昼、最初に回診していました。

 その日、朝は何もなかったのですが、午後の回診時に、土蔵の真中にきれいな着物を着た婦人が横たわっていました。着ている衣類で一目見て非被爆者と分ります。隣に寝ていた重症の兵士(3日後に死にました)が「軍医殿、お忙しいでしょうがこの奥さん、診であげて下さい。熱出しているから」といいます。昔の人は親切でしたね。本人は仰向けになって寝ているだけで何にも言いません。気分が悪かったんでしょう、きっと。

 私は殆ど不眠不休で、ろくに寝てもいません。忙しいのに風邪ぐらいでと内心思いましたが、傍によって口を開けて喉を見、胸を開けて聴診器を当て、「風邪だろうからこれを飲んで寝てなさい。二、三日でよくなる」と、解熱剤を一包渡して帰りました。その夫人は3日間、寝ていました。大したこと無いと思っていたので、その間、何も尋ねませんせした。4日目の朝、まだ寝ているので。気になって傍へ寄ってみたら、胸の合わせ目の白い肌に紫色の斑点が出ている。これはと思って、「奥さんはどうしたんですか」と聞きました。本人の言うには「一年前、松江で県庁職員の主人と結婚。直ぐに広島県庁に転勤になり、宇品に間借りしました。一年経ち、臨月になって七月初めに松江の実家に帰り、出産しました。ラジオが『広島に特殊爆弾が落ちて相当な被害が出た模様』と、それだけしか言わない。新聞も同じ文句が書いてあるだけ。心配していたら、広島から松江に逃げてきた人が『広島には誰も生きていない。家は全部焼けた』と言うのを聞き、心配になって出て来た」のだと言う。原爆が落ちて一週間目に広島の焼け跡に入り、宇品から県庁から爆心地の方をぐるぐる回って、一週間目に今度は村を歩き始めた。そして10日目に戸坂村へきて、土蔵の中で旦那と巡り合ったのだというんです。

 旦那の方は、早出して県庁の地下室で書類探しをしている時、いきなり天井が落ちてき下敷きになり、右大腿骨折で骨が外へ突き出る大怪我をした。地下室なのでピカには遭っていない。周りにいた仲間がみんなで担ぎ出してくれ、ぼつぼつ火が出始めた市内から逃げ出して、親戚だったこの家の土蔵で横になっていた。衛生兵が回ってきて、当時は包帯もなかった時なので、骨が突き出た太ももを無理やり引っ張って元に戻し。ぼろ切れを巻いて、竹の棒を当てて荒縄で縛ってくれた。これでも副木治療という応急手当なんです。「そのうちにくっつくから、歩けるようになったら這ってでも帰れ!とういうんで、後は何もしてもらえず、寝ているところへ奥さんが着たという次第です。奥さんは看病したくても本人が一応、元気なので、周りの重傷患者の手伝いをしてくれていました。

 そのうち熱が出始め、風邪だと思っていたら斑点が出てきた。私にも何が起こったのか訳が分りません。そうこうしているうちにだんだん悪くなって出血が始める、吐血する、下血する。髪の毛は抜ける。県庁で原爆に遭っている旦那の方は大隊骨折以外は何ともないのに、松江から爆発後一週間たって元気で出て来た夫人の方がおかしくなっている。旦那が気違いみたいになって。奥さんの看病をしましたが、 だんだん症状が重くなって、とうとう死亡しました。

  似たような症例は一人や二人じゃありません。死亡例は戸坂村では3-4例でしたが、発病者は多数ありました。当時、私たち軍医の間では、出血のあることから腸管伝染病を疑い、夜半、内密に死体解剖を行なって検査しましたが、チフスでも赤痢でもないことが確かめられました。

 今から思うと、後から市内に入ったこの人たちの症状は、体内に摂取した放射性物質からの低線量放射線による体内被爆に起因する慢性放射能症でしたが、それは二十年も経った後に分ったことで、加害者のアメリカは現在でもまだ、体内に摂取された放射性物質からの放射能は微量なので、人体には無害であると主張し続けています。

 <沈黙の中に>

 私はその年の11月末、山口県の柳井市の伊保庄村に国立病院を作って、そこに被爆者を集めて治療を行ないました。広島から船で運んだ患者と、山口県各地に帰っていた被爆者が、国立病院ができたというので集まってきました。病院とは名ばかりで、建物は病室で七輪に薪をくべて暖房をとるような古兵舎だし、設備も無い、資材もない、食い物も薬も乏しい。米軍の直接占領下におかれた敗戦国で本当に惨めな状態でしてが、それでも必死になって患者を診療しました。

 重傷者の大部分は次々死に、家へ帰れる者は帰って行き、帰るところのない者だけが病院に残るようになりました。元気な者は点呼が済むと海岸で(病院の庭の先が海でした)一日中、魚釣をやっていました。

 そんな中に、無口で何にも喋らない患者がいました。どの医師が診察しても一言も口をきかない。病気は慢性腎臓炎。満州の大連の陸軍病院に入院し、内地へ転送されて広島陸軍病院に入院した患者です。腎臓炎は症状は軽く、食餌療法だけでの指示でしたが、入院後、6日目に原爆に遭いました。病室の中で被爆したので火傷もせず、偶然、私のいた戸坂村へ逃げ。結局、柳井まで一緒に行動したわけです。主治医の私が色々、聞いても「はい」とか「いいえ」とか短い返事をするだけで、何も言わないのです。分かっているのは名前だけ、どこの生まれか、戦地はどこへ行ったのか、何を聞いても返事をしません。

 それがある日、突然、自殺してしまった。首を吊ったんです。同室の者が早朝、便所に行って、表の松の枝に下がっているのを見つけ、大騒ぎになりました。理由も、何も分らず仕舞いのまま、形ばかりの葬儀があって、後は何事もなかったように海辺の病院の日が過ぎてゆきました。

 何ヶ月か経って、たまたま事務長と用談した時、「先生には話しておいた方がいいと思う」と、自殺した患者の話をしてくれました。そう言えば、自殺のあった日に、「親身になって診たのだから、死ぬくらいなら一言、相談してくれてもよさそうなのに」と事務長にこぼしたことがありました。 患者の遺骨を受取りに来た本籍の村役場の助役から聞いたのだが、他言は無用と断った事務長の話は、「患者は中国戦線に従軍中、間違って戦死の公報が役場に入った。家では葬式を出し、農家の長男の跡取だったので、彼の弟が嫂と結婚して後を継ぎ、子供も生まれている。そこへ彼が突然、生還してきた。事情を知った彼には帰る家はなくなっていたわけです。相談されても答えようのない、酷い話じゃないですか」「一言、相談してくれても」と自惚れていた私を叩きのめした一人の被爆者の死でした。

<アメリカによる原爆被害の隠蔽>

 昭和22年(1947年)、私は国立病院の医者でしたが、労働組合の役員をしていました。そんな私に広島の開業医の叔父から手紙が来ました。

叔父は宮島の傍の五日市で開業していました。終戦後、広島の被爆者がいっぱい受診し、外科医だったので私の知人や友人でガラス片を抜いてもらった者が沢山いました。

 私が労働組合の役員をしていると知って、私に厚生大臣に会って、「広島で生き残った医者は数が少ないし、被爆者の治療の方法が全く分らない。アメリカは被爆後、日本の各大学医学部が行なった調査資料を取り上げて持っている。それを公開してもらって欲しい。それと、治療法がわかっていたらそれを教えてくれるよう頼んでもらってくれ。アメリカは来年、広島に病院を作るらしい(ABCCのこと)。噂だが、そこでは検査だけをして治療はしないと聞いている。治療もするように厚生大臣に頼んで欲しい」と書いてありました。

 私は早速、厚生大臣に会いに行きました。当時の厚生大臣は林譲治という自民党の大臣で、私は団体交渉で始終、会っていましたから、その時も大臣が会ってくれて、こういうわけだと叔父の手紙を見せ、「GHQの担当の者に頼んで欲しい」と言うと、「そんなこと出来ない」と言下に断られました。天皇陛下でも簡単には会えないマッカーサー総司令官にそんなことが出来るか、と動こうとしません。それでも根気よく頼むと「そんなに言うなら、厚生大臣の代理と名乗ってお前が行け」といわれ、売り言葉に買い言葉というわけで私が行く羽目になりました。

 日比谷交差点の角の第一生命ビルに星条旗が翻っていて、正面玄関に衛兵が立っています。「軍医に会いたい」というと何かベラベラと英語で言われた。早口でよく分らない。「そのうちに「予約はあるか」と訊いていることが分り、「ない」というと「ダメ」と断られた。

 陸軍病院の営門でも兵隊に面会にくる家族に、衛兵は規定を教えて断るのですが、何度も来て顔馴染みになると人情が通って、中には入れないが、相手を営門まで連れ出して会わせることを知っていたので、何回も通えば道は開けると日参しました。三日目に同じ衛兵と顔を合わせ、「用件はなんだ」と聞くから「医者に会いたい。大事な用だ」と言うと、「連れてきてやる」と昼食休みに若い軍医中尉を連れてきて会わせてくれました。準備した英語のメモに身振り手振りを交えて話すと。原爆関係は軍事機密でそんな問題は自分の権限外だと言う。困っていると、どうしてもと言うんなら上官に会わせるという。

 ちょうど朝鮮戦争が始まる直前でGHQが右傾化した時でした。占領直後、総司令部は日本を民主化するという任務もあって、労働運動を指導したり、農民組合づくりを応援したり、かなり民主的なメンバーが来ていましたが、朝鮮戦争を始める直前から右翼化が強まり、民主的な運動をしめつける方向に大転換した時期でした。

 呼び出されて会ったのは軍医の高官でしたが、医者なので紳士的に話をしてくれました。しかし結論は「資料の公開は不可能である。被爆者の疾病を隠蔽した事実も学会の研究を禁止した事実もない。念のため調査するから二週間待て」と言われた。やがて呼び出しがあり、「総司令部で調査の結果、隠蔽も禁止も全く事実無根である。従って、今後、そのような言動は一切しないように。万一、そのようなことを喋る時はその責任はお前が取らねばならない」と慇懃無礼に威嚇されて帰りました。

 猛烈に腹が立ちました。アメリカが落した爆弾で、死んだ者は別としても、なんとか助かっている者が診断もつかず、治療法も不明の病気で苦しんでいる。日本の学者が苦労して調べた資料を没収し、研究を禁止した上、日本の医師の協力要請を拒否する。理不尽な占領権力の傲慢さに、腹の底から憤りが全身に燃えあがりました。私はアメリカの無法と闘うため共産党に入ろうと決心しました。当時、被爆者の問題など、誰も相手にしてくれず、占領権力に真正面から立ち向っていたのは共産党しかなかったのです。

 

http://blogs.yahoo.co.jp/x_csv/20382700.htmlより転載↓↓

「最初に下痢がはじまります」肥田舜太郎、被曝について語る @donbarakun

 
肥田舜太郎が福島第1原発事故での被曝について語る
肥田舜太郎[ヒダシュンタロウ]
1917年、広島市生まれ。1944年、陸軍軍医学校卒。軍医少尉として広島陸軍病院に赴任。
1945年8月6日、原爆被爆。被爆者救援にあたる。
全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)の創立に参加。全日本民医連理事、埼玉民医連会長、埼玉協同病院院長などを歴任。
現在、全日本民医連顧問、日本被団協原爆被爆者中央相談所理事長。この間、海外渡航32回のべ33か国で被爆の実相を語り、核兵器廃絶を訴える。
 
 
書き起こし

原発で漏れる放射線と原子爆弾ででる放射線も
まったく同じです。
 
マッチの火は消える、消す事ができる。
 
あらゆるエネルギーは消す事ができる。
 
ところが、放射線のエネルギーは、
絶対に消す事ができない。
 
あれだけ事故を起こした原子力発電所も、
あそこで燃やしたプルトニウムは、そのまま熱を持って燃え続ける。
人間には消す事はできない。
 
このような難しいエネルギーを科学の方法で無理やり
使っている。最初に使ったのは、爆弾だった。
 
爆弾をつくるための機械、工場は、
戦争が無くなれば、使うことはなくなる。
 
しかし、なんとかこの工場を使うことは出来ないかということで、
無理やり、電気を起こす工場にしたのだ。
 
わずかずつですが、
原発からは水にも空気中にも放射能を出し続けるのです。
 
そして、それはすべて、土や海などに溜まっていくのです。
 
原発作る側の人は、人間に放射線があたったときに、
どんな影響があるのかわかっていない。
 
既に、東北の人達は下痢が始まっている。被爆の最初の症状です。
 
これは、薬をつかっても止める事ができないのです。
 
現在、元気な人も含め、放射線の病気が始まってくるのは、
この秋から来年の春にたくさんでてくると思われる。
 
しかし、下痢になったことを今の医学で証明する事ができない。

理由は、放射線のつぶは、定規の1ミリの60億分の1である。

これが体の中に入って悪さをする。
細胞の中のさらに、60億分の1のところを今の医学では、
みつける方法がないのだ。
 
直すこともできない、消すこともできない、
特別なエネルギー。
 
なぜ、このような原発を選んで電機を発電しなければ
ならないんだろう。
 
放射線は、まだ人間が自由にコントロールできない
エネルギーなのです。
 
ひとたび、原発事故をおこせば、
何百万人という人が・・、
今、東北で苦しむことになる。
 
それは、みなさんの明日に、それが無いとはいえないのだ。
 
絶対に国民の力で原発、核兵器を無くそう!
 
人類が長生きするためには、世界中でこれを実現しなければならない。
 
アメリカやドイツ、フランスでは、自国民をすぐに80キロメートル圏より外に
逃げさせたが、それは、それぐらいでないと将来が危ないことを知っているからだ。
 
日本の政府は何もしらない、とぼけたことをやっている。
 
日本国民の力を結集し、
世界から核兵器をなくそう!
  
これからの自分達の将来、自分達の子供達、孫に
放射腺の恐ろしさや不安を感じさせる事が無い国に
つくりかえないといけない。
 


放射能汚染廃棄物を大気中ばら撒く『環境省』最悪方針一放射能がれき焼却処理

2012-01-03 23:56:25 | 原発・放射能

放射能汚染廃棄物を大気中ばら撒く『環境省』

最悪方針一放射能がれき焼却処理

放射性物質は、焼却することによってチリ状となって大気中に放出され

焼却施設から風下に運ばれ、ホットスポットをつくることになる。

焼却しても決して無くならないのが放射性物質だからだ。

そして、焼却施設の周辺住民は被爆し続けることになる。

多くの国民を平気で被爆させる方針を決定した環境省の責任者は、

犯罪者としてこの問題を問われるべきだ。

 

<究極の有害物の焼却・埋め立てという最悪の方針捷示>

環境省は、福島県内の136箇所の仮設置き場の放射能汚染されたがれきの処理方法として、約30%ある可燃ごみは市町村の焼却炉で燃やし、残りの約70%の不燃ごみは除洗すらせず、埋立て処分する方針を決めた。環境省の肝いりで作られた「災害廃棄物安全評価検討委員会」(=有識者検討会)の第3回検討会(6月19日)がこの焼却・埋立てと言う通常処理の安全性を確認したとマスメディアに流した。

<ごみ焼却は大気を捨て場とする処理方法>

しかしちょっと待って欲しい。福島のがれきの放射能汚染は、第1原発から今も放出されている放射性のチリや灰が付着したものである。「放射性物質及びその汚染物質」は、究極の有害物である。通常の廃棄物と同様に焼却や埋立て処理してよいと言うのは、誰が聞いても首をかしげる方針である。ちなみに放射性物質は、焼却したからといって無くなる訳ではない。むしろ微細なチリとして大気中に飛散させ、清掃工場周辺部を汚染する。その上焼却灰に濃縮された形で残し、保管一つを取っても後処理を困難にする。清掃工場周辺の人はたまったものではない。
同様に放射性物質を飛散させることができるからと、がれきに向かって工業用の扇風機で風を吹きかけたり、消防用の放水ホースを使って水を吹きかけ、周辺に飛散させたとしたらどうだろうか?その風や水を吹きかけられる方にいる人は、きっと反対するに違いない。
“火”“風”“水”を使って飛散させる事は、放射性物質の拡散でしかなく、これで何事かが前進したとするのは、世界の笑いものになる。

<ごみ焼却炉は放射性物賞の分解除去装覆ではない。>

これまでの事例でも高濃度有害物の処理は、市町村の焼却炉や通常の汚染除去プラントでは、除去できない事が分かっている。
例えば850度以上の高温度で殆ど分解されると言うダイオキシンでも、大阪能勢町の焼却炉から見つかった高濃度のダイオキシンは、焼却炉で分解処理することができず、ドラム缶に入れて長い間保管した。八王子の農薬会社跡地が高濃度の水銀で汚染されていた問題では、水銀回収プラントを設置し、土壌の除洗を行った。汚染土壌を順番に高温度に加熱し、土壌から水銀を蒸発させ、その蒸発させた水銀を冷却して回収し、その排気を放出するプラントである。ところが、汚染度が高く、水銀を回収した跡の排気中の水銀濃度が高く、その排気を吸った周辺住民が、倒れたり体調が悪くなって大騒ぎになった。
市町村の焼却炉は、元々有害物の除去装置として造られたものでない。市町村の街中から排出される可燃ごみの量を減らす減容化のための手段に過ぎない。バグフィルターなどの除去装置は、焼却の過程で産み出される有害物や吐き出される有害物を除去するための装置に過ぎず、高濃度に放射能汚染されたものを除去分解できない。

<世界で初めての暴挙>

放射能汚染廃棄物を焼却炉で燃やせば、放射性物質を拡散させる。これは原発による放射能汚染の2次被害をもたらす事であり、私も入っている廃棄物循環学会の専門家なら分かることである。正直言って世界で初めての暴挙である。

ところが、マスメディアは、「毎日」以外焦点を外している。焼却灰の埋立ても問題であるが、焼却しなければ焼却灰はでない。福島県内には、バグフィルターを備えた清掃工場は12箇所あるが、そこで燃やされ始めれば、福島第1原発に加え、放射性物質の発生源が、一挙に13箇所に増やしてしまう事となる。清掃工場の焼却炉で燃やされ、チリ状に分解された放射能の灰は、除去装置でもとりきれず、周辺部に降下する。汚染は、年間の風向き方向や煙突の高さによって、高濃度に汚染される場所が決まってくる。新たなホットスポットが作りだされることになる。

<焼却処理しようとしているがれきは、汚染基準を越えている>

今回の環境省の方針の最大の問題点は、バグフィルター等を備えた焼却炉で燃やせば、がれきの放射能汚染のレベルにかかわりなく、汚染は解消されると方針化した点である。がれきの汚染レベルについて何の注釈もなく、136箇所のがれきは燃やしてよいとしているのだから実質何でもOKとしていることになる。

では、今回焼却炉で燃やしてよいとしているがれきの放射能汚染の実態は、どのようになっているか?
有識者検討会に提出されている資料(*4)から読み取ってみると、環境省の調査の結果、がれきの放射能汚染は、・1m離れたところでの空間線量率が、約0.2~2.4〃Sv/h(毎時マイクロシーベルト)
・放射能濃度(C s134+C s137)が約0.1~5B r/g(1グラムあたり0.1ベクレル~5ベクレル)100~5000B r/kg(1キログラムあたり100ベクレル~5000ベクレル)となっている。
このがれきの空間線量率は、政府が当初示した基準値である「年間20ミリシーベルト、毎時3.8マイクロシーベルト」の値と比較すると136箇所とも絵に書いたように下回っている。

しかしこの政府の20ミリシーベルトという基準値は、首相の参与の小佐古敏荘東大教授が、涙の辞任会見を行い、否定した値である。国際的には、6月22日に千葉県の野田市が、住民の要望を受け、定めた「年間1ミリシーベルト、毎時0.19マイクロシーベルト」の値がICRP(国際放射線防御会)の定めた基準である。

今回焼却してよいとするがれきの空間線量率は、時間当たりは、すべて0.19〃Sv/hより大きく、10倍近い汚染度のものもある。

また放射能濃度も、従来放射性廃棄物の判断の基準としていたセシウムのクリアランスレベル0.1Br/g(1グラム当たり0.1ベクレル<=1キログラム当たり100ベクレル>)の1倍から50倍もある。

つまり環境省が、今回焼却処理してよいと言うがれきは、国際的基準や従来の国内基準から見れば、取り扱いを注意して行わなければならない放射能汚染廃棄物である。

<放射能汚染廃棄物の焼却実験なしの机上の空論>

今回燃やそうとしているがれきは、明らかに放射性廃棄物として認定される有害物である。それにもかかわらず、/環境省の方針では、a「バグフィルターを設備として備えている市町村の焼却炉で燃やしてかまわない」とした。

福本勤精華大学講師一工学博士は、放射性物質を焼却すれば微細なチリとガスが発生し、これらがバグフィルターで除去できるかどうか実際の焼却炉を使って実証実験する必要があるという自身の見解を関係者に送っている。ところが今回有識者検討会に提出されたどの資料を見ても、実証実験した報告資料はなく、バグフィルター付きの焼却炉で燃やせば、周辺環境や生命・健康に影響ないとしている。

私は、廃棄物学会(現在は廃棄物資源循環学会)に入会して約20年になる。その経験から言えるが、もし環境省が放射能汚染廃棄物をバグフィルター付き焼却炉で燃やしてよいと学会に報告したとすれば、実験例がなく、理由の希薄さゆえに多くの疑問が出され、結論の撤回を求められることは間違いないといえる。

実際環境省の担当者に、放射性物質を焼却処理し、バグフィルターで確実に取れるという実験を誰かやった事があるのか、と聞くと驚いた事に、これから実証実験をするという。

* 4 第3回有識者検討会資料「図12災害廃棄物の放射能濃度の上限と平均放射線量」

↑↑引用元:http://www47.atwiki.jp/tsunamiwaste/pub/aokiyasusi0717.pdf

 

汚染がれきの焼却施設から、放射性物質が放出されている証拠が発見された

放射性物質が通り抜け福島市の「あらかわクリーンセンター」では、集塵機能の高い「バグフィルター」を使っていたにもかかわらず、「バグフィルター」を通り抜けたとみられる放射性セシウムが大気中に放出される寸前の煙突部分で検出された。環境省が放射性セシウムの捕捉に有効とする「バグフィルター」が放射性物質を捕捉しきれなかった衝撃は大きく、関係者に困惑が広がっている。

焼却施設で爆発などのトラブルが発生すれば、風下の首都圏全域に放射性物質が飛散の恐れ

 清掃工場内や焼却炉が放射性物質で汚染されるため、事故やトラブル発生の際、修理等の対応が困難になる可能性が高い。さらに焼却施設や焼却炉で故障やトラブルによる火災が発生したり、爆発で破損した場合、施設周辺だけでなく東京都内など首都圏全域に放射性物質が飛散、降灰する恐れもある。

↑↑引用元:http://ameblo.jp/kikikanri-h-arai/entry-11121128807.html


原子力安全・保安院資料『使用済燃料貯蔵施設の遮へい設計方針』

2012-01-03 14:40:15 | 原発・放射能

                                資料第50AB-1-4 号
リサイクル燃料貯蔵株式会社
リサイクル燃料備蓄センター
遮へい機能について
平成22 年1月
原子力安全・保安院
i
目 次
1. はじめに........................................................ 1
2. 設計方針........................................................ 2
(1) 要求事項..................................................... 2
(2) 金属キャスクの遮へい設計方針................................. 2
(3) 使用済燃料貯蔵建屋の遮へい設計方針........................... 2
3. 遮へい設計...................................................... 5
3.1 金属キャスクの遮へい設計....................................... 5
(1) 遮へい構造................................................... 5
(2) 予備的遮へい解析............................................. 5
(3) 予備的解析結果............................................... 5
3.2 使用済燃料貯蔵建屋の遮へい設計................................. 7
(1) 遮へい設備................................................... 7
(2) 機器の配置................................................... 7
(3) 一般公衆の線量............................................... 7
4. まとめ.......................................................... 8
図 表
第1表 外部放射線に係る基準........................................ 9
第2表 金属キャスクの予備的遮へい解析結果......................... 10
第3表 遮へい設備の主要仕様....................................... 11
第1図 遮へい設計区分概略図....................................... 12
第2図 金属キャスクの予備的遮へい解析フロー図..................... 13
第3図 金属キャスクのモデル化の概要............................... 14
第4図(1) 遮へい設備(遮へい壁)の主要仕様........................ 15
第4図(2) 遮へい設備(遮へいルーバ)の主要仕様.................... 16
添付資料-1 金属キャスクの予備的遮へい解析について

1. はじめに
使用済燃料中間貯蔵施設における金属製の乾式キャスク(以下「金属キャ
スク」という。)は、使用済燃料集合体を貯蔵する機能を有するとともに、使
用済燃料集合体の事業所外運搬に使用する輸送容器の機能を併せ持つ乾式容
器であり、本体胴、蓋部、バスケット、中性子遮へい材等で構成されている。
また、使用済燃料貯蔵建屋は、鉄筋コンクリート造の建物であり、金属キャ
スクを最大288 基収容することができるとしている。
本資料は、リサイクル燃料備蓄センター使用済燃料貯蔵施設における基本
的安全機能の一つである遮へい機能について取りまとめたものである。

2. 設計方針
(1) 要求事項
金属キャスクを用いる本使用済燃料貯蔵施設においては、遮へい機能を
確保するために「金属製乾式キャスクを用いる使用済燃料中間貯蔵施設の
ための安全審査指針」に示される以下の要求事項を満足するように設計す
るとしている。
a.使用済燃料貯蔵施設は、直接線及びスカイシャイン線による一般公衆の
被ばく線量が十分に低くなるように適切な放射線遮へいがなされるととも
に、放射線業務従事者の作業条件を考慮して、十分な放射線遮へいがなさ
れること。
b.金属キャスク以外のものに遮へい機能を期待し、その遮へい材にコンク
リート等を使用する場合は、遮へい材の温度をその遮へい能力が損なわれ
ない温度以下に保つ設計であること。
 

(2) 金属キャスクの遮へい設計方針
金属キャスクは、使用済燃料集合体からの放射線をガンマ線遮へい材及
び中性子遮へい材により十分に遮へいする能力を有する設計としている。
金属キャスクは、輸送用キャスクを兼ねているため、「核燃料物質等の工
場又は事業所の外における運搬に関する規則」等の輸送関係法規に定めら
れた以下の基準を満足するよう設計するとしている。
・金属キャスク表面の線量当量率 2mSv/h 以下
・金属キャスク表面から1mの位置の線量当量率 100μSv/h 以下
また、設計貯蔵期間中における金属キャスクのガンマ線遮へい材及び中
性子遮へい材の放射線照射等による遮へい性能の低下を考慮しても上記の
基準を満足するよう設計するとしている。

(3) 使用済燃料貯蔵建屋の遮へい設計方針
リサイクル燃料備蓄センター周辺の一般公衆並びに放射線業務従事者等
の線量の低減を図るため、遮へい設備を設けるとしている。
遮へい設備は、使用済燃料貯蔵建屋の遮へい壁、遮へいルーバで構成す
るとしている。

a.放射線業務従事者等の放射線防護
放射線業務従事者が受ける線量が経済産業省告示「実用発電用原子炉の
設置、運転等に関する規則の規定に基づく線量限度を定める告示」に定め
られた限度(100mSv/5 年、50mSv/年)を超えないようにすることはもちろ
ん、放射線業務従事者等の立入場所における線量を合理的に達成できる限
り低減できるように、放射線業務従事者等の作業性等を考慮して、所要の
放射線防護上の措置(遮へい、機器の配置等)を講ずる設計とするとして
いる。
b.遮へい基準
使用済燃料貯蔵建屋内の遮へいは、放射線業務従事者等の関係各場所へ
の立入頻度、滞在時間等を考慮した上で、第1表に示す外部放射線に係る
基準を満足する設計とするとしている。
遮へい設計区分概略図を第1図に示す。
c.周辺の放射線防護
リサイクル燃料備蓄センターからの直接線及びスカイシャイン線による
一般公衆の線量が経済産業省告示「実用発電用原子炉の設置、運転等に関
する規則の規定に基づく線量限度を定める告示」に定められた限度(1mSv/
年)を超えないようにすることはもちろん、合理的に達成できる限り低く
なるように遮へい設備を設けるとしている。
d.放射線の漏えい低減対策
遮へい設備に開口部又は配管その他貫通部がある場合には、必要に応じ
て、放射線漏えいの低減措置を講ずるとしている。
e.遮へい設計に用いる線源強度
遮へい設計に用いる線源は、使用済燃料集合体を収納した金属キャスク
とし、その基数は、事業開始以降、金属キャスクの基数及び配置がいずれ
の状態においても最も厳しい条件となるよう、使用済燃料貯蔵建屋貯蔵区
域では最大288 基、受入れ区域では最大9基(たて起こし架台1基、仮置
架台7基、検査架台1基)を適切に配置するとしている。
金属キャスクの線源強度は、敷地境界外の線量が保守的な評価結果とな
るように、コンクリートの透過率を考慮してエネルギスペクトルを設定す
るとともに、金属キャスク表面から1m位置における平均の線量当量率が
100μSv/h となるように規格化するとしている。また、金属キャスクから
の放射線の線質を全て中性子又は全てガンマ線とした条件においてそれぞ
れ評価し、保守的な評価結果を採用するとしている。
f.遮へい材
遮へい材としては、主としてコンクリートを用いるが、その他必要に応
じて鉄等を用いる設計とするとしている。
遮へい材となるコンクリートは、その遮へい能力が損なわれない温度以
下に保たれるようにするとしており、コンクリートの基本特性に大きな影
響を及ぼすような自由水の逸散が生じない温度及び構造材としての健全性
を維持するための温度を考慮して、コンクリートの温度が65℃以下となる
ように金属キャスクの発熱量を管理するとしている。
なお、遮へい解析及び平常時における一般公衆の線量評価においては、
コンクリート中の自由水の存在は無視(絶乾状態)するとしている。

3. 遮へい設計
3.1 金属キャスクの遮へい設計
(1) 遮へい構造
金属キャスクは、遮へいのために以下の設計上の配慮を行うとしている。
a.金属キャスクは、ガンマ線遮へいと中性子遮へいの機能を有する。
b.ガンマ線遮へい材は、金属キャスク構造体(胴、外筒、蓋及び底板)
を構成する低合金鋼等で構成する。
c.中性子遮へい材は、水素を多く含有するレジン並びにレジン及びプロ
ピレングリコール水溶液(以下「PG水」という。)で構成する。
(2) 予備的遮へい解析
金属キャスクの予備的遮へい解析においては、以下に示すとおり、線源
条件に基づき、金属キャスクの表面及び表面から1mの位置における線量
当量率を求め、それぞれ2mSv/h 以下、100μSv/h 以下となることを確認す
るとしている。
金属キャスクの予備的遮へい解析フロー図を第2図に示す。
a.線源条件
使用済燃料の線源強度は、燃料型式、燃焼度、濃縮度、冷却期間等を
条件に燃焼計算コードORIGEN2を使用して求めるとしている。ま
た、軸方向の燃焼度分布を考慮した保守的な線源強度を設定するとして
いる。
燃料集合体の構造材については、照射期間、中性子束、冷却期間等を
条件に放射化計算式を用いて求めるとしている。
b.金属キャスクの線量当量率評価方法
金属キャスクの線量当量率は、金属キャスクの実形状を軸方向断面に
二次元で適切にモデル化し、「a.線源条件」に示した線源強度に基づ
き、二次元輸送計算コードDOT3.5 等を使用して求めるとしている。
金属キャスクのモデル化の概要を第3図に示す。
(3) 予備的解析結果
予備的解析結果によれば、金属キャスクの表面及び表面から1mの位置
における線量当量率は、それぞれ2mSv/h 以下、100μSv/h 以下を満足す
るとしている。
金属キャスクの予備的遮へい解析結果を第2表に示す。

3.2 使用済燃料貯蔵建屋の遮へい設計
(1) 遮へい設備
遮へい設備の主要仕様を第3表及び第4図に示す。
a.遮へい壁
遮へい壁は、建屋側壁、天井、貯蔵区域区画壁等のコンクリート壁で構
造材を兼用するとしている。
b.遮へいルーバ
遮へいルーバは、使用済燃料貯蔵建屋貯蔵区域における排気口までの経
路に設けられたコンクリート製の平板で、排気口からの放射線の漏えいを
低減するとしている。
(2) 機器の配置
金属キャスクは、使用済燃料貯蔵建屋の貯蔵区域に配置し、その入口に
は迷路又は遮へい扉を設けるとしている。
(3) 一般公衆の線量
使用済燃料貯蔵建屋貯蔵区域に収容されている金属キャスク288 基から
の直接線及びスカイシャイン線について評価した結果、敷地境界外におけ
る一般公衆の実効線量は、年間約2.8×10-2mSv であり、経済産業省告示「実
用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則の規定に基づく線量限度等を
定める告示」(第3条)に示されている周辺監視区域外における線量限度(年
間1mSv)を十分に下回るとしている。

4. まとめ
本使用済燃料貯蔵施設の遮へい設計は、要求事項を満足しており、妥当な
ものと判断した。

 

 

             第1図 遮へい設計区分概略図   

 

上記以外の図表はこちらを参照⇒http://www.nsc.go.jp/shinsa/shidai/dai50bukai/ab1/siryo4.pdf

 

中性子線はなぜ人体によくないか?

放射線被曝で問題になるのが、さえぎる事のできない中性子線です。
放射線が人体を通過するとどういうことになるのでしょうか?通過するのだから別に問題ないじゃないかと思われるかもしれません。ただ通過するだけでは問題ないのですが、通過する時に細胞の分子を変化させるのです。エネルギーを持った放射線は分子の中の電子を弾き飛ばし分子構造を変えてしまいます。細胞は元に戻ろうとしますが、分子構造を変えてしまうので元に戻りません。症状としては火傷みたいになります。たんぱく質に変化が生じるわけです。ちょうど電子レンジの中に入ったようなものでしょうか?
http://www.tamagoya.ne.jp/potechi/1999/19991222.htm