ベラルーシ、死体解剖からの報告
「子供の心筋や甲状腺に蓄積するセシウム」
木下黄太のブログより転載
こちらの記事が「ベラルーシの部屋のブログ」という、ベラルーシの状況がよくわかるブログに引用されていたのをみたところ、「内臓に蓄積するセシウム」というタイトルで別の興味深い記事がありました。断片的な情報は知っていましたが、セシウムが大きく、大人も子供も健康を害している状況について書かれています。ベラルーシのゴメリ医大のバンダジェフスキー元学長の『人体に入った放射性セシウムの医学的影響』という報告がベースのようです。この情報については、皆さんが、いちはやく知る必要があると判断したため、「ベラルーシの部屋のブログ」から引用しました。セシウムが内臓に多く蓄積される事。心臓、腎臓、肝臓。子供の場合、心臓の心筋や甲状腺に多くセシウムが蓄積されるし、大人よりも蓄積は多くなるという事。さらに、伝染病死者にセシウムの蓄積が多いことなど。死体解剖によって判明した事です。なにが恐ろしいのかという事をきちんと理解して欲しいですし、外部線量のみで判断をすることが如何に意味のないかということを知っていただきたいです。
http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67fe1ec5c06aed002949e053da5deb87
ベラルーシはウクライナよりも汚染程度がひどく、情報開示も当初遅れていた事はよく知られています。こういった現地で長年活動をしている方の実感が伴った報告を、冷静に受け止めてほしいと思います。ゴメリと福島、さらに関東の高濃度汚染地域の放射性物質の汚染に差はほぼありません。そのことを前提に考えてください。宜しくお願いします。
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ベラルーシの研究では「セシウムは全身の筋肉に平均して分布(蓄積)するのではなく、内臓に多く蓄積する。特に心臓、腎臓、肝臓に多く蓄積する。」とされています。
(中略)
ベラルーシのゴメリ医大では内臓に蓄積されたセシウム137をかなり正確に測定することができました。
それは、ゴメリ市で病死した人(大人も子どもも含む)を解剖して、内臓をそれぞれ取り出してから、個々に測定し1キロ当たりのベクレルを計算して、また内蔵を元の場所に戻し、縫い合わせて遺族に返す、ということを行ったからです。
1997年に死亡した大人と子どもの内臓のセシウム137の分布については元ゴメリ医大の学長だったバンダジェフスキー氏が発表した「人体に入った放射性セシウムの医学的影響」という著書(日本語に訳されています。)で、発表されています。
それによると、大人は比較的平均してセシウムが内臓に分布するのですが、子どもはとびぬけて甲状腺に高い値のセシウムが蓄積しています。1キロあたり1200ベクレルです。大人では約400ベクレルです。
このほか大人は蓄積が少ないのに、子どもは多い、という内臓は心筋(大人約150ベクレル、子ども約600ベクレル)、小腸(大人300ベクレル弱、子どもは700ベクレル弱)です。
このほか、心臓や血管の病気で死亡した人の心筋と、消化器官の病気で死亡した人の心筋を比べると、前者のほうが多くのセシウム137の蓄積が見られました。
伝染病で死亡した人と、血管と消化器官の病気(主に胃と十二指腸の潰瘍)で死亡した人の肝臓、胃、小腸、すい臓と比べると、前者のほうが多くのセシウム137の蓄積が見られました。
このような病死者の死体解剖による個別の内臓のセシウム測定は、世界的にも珍しいです。
検体になりうる人がたくさんいたベラルーシだからできたことではないでしょうか。