原発の危険性を訴えたら、電力会社の人間に監視・尾行された
ずっと助手のまま
立命館大学特命教授の安斎育郎氏は、原発ムラのエリートコースである東大大学院工学系研究科の博士課程を修了した後、反原発の立場で東大医学部に残ったが、助手のまま17年間を過ごした経歴を持つ。安斎氏の証言。
「原発推進派と批判派の溝は深いと思います。原発に批判的な発言をする反体制派だと見なされると、学内でも様々なアカデミックハラスメントを受けた。講演に行けば、電力会社の人間が尾行につく。同じ電車に乗ってくるし、だいたいいつも同じ人間だからわかるんです。講演内容を録音して、私の主任教授などに届ける係の人までいましたから。そうなると研究室でも安斎とは口を利くなということになる。京大の小出さんや今中さんたちのグループも同じような経験をしているはずです。
僕は電力会社から留学を勧められたこともありました。『3年間アメリカに行ってくれ。全部おカネは出すから』って。それほど目障りだったんでしょう。さすがに命の危険を感じることはなかったけれど、反原発で生きていくというのは、そういうことなんです」
迫害され続けた京都大学の原発研究者(熊取6人組)たち 危険性を訴えたら、監視・尾行された {経済の死角 現代ビジネス [講談社]}
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2462