だせなかったLove Letter:3

2010-04-28 | 自作小説:私小説
高校生になったら、絶対にしたいことが2つあった。
ひとつは、中学時代、部活動していなっかった僕は、
絶対に部活をしようと思っていた。
理由は単純だ。女の子にもてたい。
それだけだ。
中学時代の友人の多くは、野球部に在籍していた。
そして、もてていた。
僕は、もてなかった。
その理由は、部活をしているか、していないかだけ。
そう思っていた。
安易な発想だ。実際は、部活をすればもてる、
という考えが間違いであることに気づくのに、
それほど時間はからなかったのだが。
大事なことは、どの部に所属するかだ。
それについて、後ほど書くことにする。

もう、ひとつは、彼女をつくること。
2つといっても、
結局のところ、女の子にもてたいだけのことでしかないのだが。
中学時代。いや正確には、
小学校から好きだった女の子に告白できずにいた。
彼女は都内の女子高に入り、
僕とはもう交わることのない別世界にいた。
大げさな表現だが、そのときの僕には、そう思えた。
年数にすれば5年間好きだったわけだ。
ほんの少しの勇気さえあれば、
彼女にできるところまで来たことが、
何度もあった。
そのたび、僕は逃げていた。
そう、本当に何度もだ。
僕は逃げ、たぶん、彼女はその度に、
僕に失望したことだろう。
でも、何度も訪れるチャンスが、
さらに僕を弱気にさせたのかもしれない。
次がある。次こそは。
今思うと情けないが、それが僕の精一杯だったと思う。
多少の後悔は今でもある。
だからこそ、新しい場所で、新しい自分を作る。
そんな思いに駆られていた。

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