だせなかったLove Letter:2

2010-04-26 | 自作小説:私小説
鎌ヶ谷高校を選んだ理由は、特になかった。
ただ、自分が受かりそうな県立高校というだけだ。
中学時代の親友が、柏高校を受けるというので、
僕も柏高校を受けるつもりだった。
でも、僕の学力では、合格するかは運任せだった。
あまり裕福でない家庭だったこともあり、
確実に合格する県立高校を選ばなければならい。
そんなとき、鎌ヶ谷高校のことを知った。
通学範囲内で、十分合格できそうな学校だった。
そんな安易な理由で僕は、その学校を受験することにした。
人生を決める決断とは、
そんなたわいも無い理由なのかもしれない。
そして、僕は、鎌ヶ谷高校に合格した。
僕の中学から、男子が3人、女子が3人の合計6人が
鎌ヶ谷高校に入学することになった。
その中にひとり、わりと仲の良かったN原がいた。

合格して、最初に考えたこと。
それは、どうやって通学するかということだ。
通学圏内ではあるが、僕の家からは非常に不便な場所にあった。
通学方法は3つあった。

①東武野田線の増尾駅から通う方法。
②新京成線の常盤平から通う方法。
③自転車で通う方法

時間的には①と③が近い。
しかし、雨が降ると困ったことになる。
増尾駅は家から自転車で15分。
②は、学校の最寄駅から徒歩20分。
それに、常盤平までは家からバスがある。
雨を考えれば、②しかない。
僕は、①の方法を選択することにした。
15才の少年に雨などどうでもいい。
だが、N原は②を選択し、僕にもそうするように猛烈に勧めてきた。
優柔不断。
今も昔も変わらない僕の性格だ。
N原の申し出を断ることができず、
僕は②の方法を選択することになった。

そして、僕の高校生活ははじまった。


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