日曜日、きれいな波が入った。
慌てて着替えて、カヤックを担ぎ海へ。
カヤックに乗り込もうとした時、足元に違和感を感じた。
サンダルをちんばに履いてきてしまった。前ばかり見て海岸まで来て
しまった。時には足元にも目を配らなければいけない。反省である。
高校生の時、村山塊多という洋画家の存在を知った。天才画家と言われたが、絵は全く売れず、あまりの貧乏から結核をわずらい、22歳で亡くなってしまったそうだ。塊多は夢中になるとそのことに没頭し、周りのことが全く見えなくなってしまう性格だった。銭湯に行くと、いつも考え事をしてしまい、必ず他人の下駄を履いて帰ってしまう。そのため最後は銭湯の入り口に、「塊多入浴お断り」と書かれてしまった。
また、詩人としても知られる。塊多の詩で一番好きなのはこれだ。
ためらふな、恥ぢるな
まつすぐにゆけ
汝のガランスのチユーブをとつて
汝のパレツトに直角に突き出し
まつすぐにしぼれ
そのガランスをまつすぐに塗れ
生のみに活々と塗れ
一本のガランスをつくせよ
空もガランスに塗れ
木もガランスに描け
草もガランスにかけ
魔羅をもガランスにて描き奉れ
神をもガランスにて描き奉れ
ためらふな、恥ぢるな
まつすぐにゆけ
汝の貧乏を
一本のガランスにて塗りかくせ。
