翌日、日課の海岸散歩をしていると、対岸の伊豆半島がきれいに見えた。そして下田まで見えた。岩地って、下田のすぐ裏だよなあ・・。伊豆が僕を呼んでいた。こっちに来いこっちに来いと。
この時、レースだけではもったいない、漕いで行こうというアイデアが浮かんだ。夜にH女史に漕いで行ってレースに参加することを打診した。
その夜、地図を広げた。昨年のGo Westの旅(逗子~大分国東半島)の時に使った地図だ。岩地まで130km。ポイントは相模湾の横断と石廊崎越えだった。
日程は6月1日から3日の3日間。そして4日はレース参加。帰りは、三浦からレースに参加する人にカヤックを搬送してもらおう。
週間予想天気図を見ると、大きな海況の荒れはないように見える。
自分の日程と岩地までコース取りを、いくつか卓上演習して地図に書き込んでいく。昨年の旅の時は、僕はシーカヤックビギナーだった。今は少し自信がついたので、より沖を行くコースや、きわどいコース取りも候補に入れられた。
経験を積むほど選択肢は増える。大胆にもなれる。しかし反面、慎重さも備わる。
1日目になるべく距離を稼ぎ、2日目、3日目は南伊豆や西伊豆の海を堪能するため、のんびり漕ごう、というプランを立てた。
しかし、実際はそんなに甘くなかった。予定はツーリング中に大きく変わっていくのであった。

石廊崎を西に回りこむと、信じられない絶景が待っている。