震災から1月たったあの日、僕は家の貯金箱に入っていた15万円を懐に入れバイクにまたがりました。橋は落ち、道はひび割れ、原発も安定しない。ガソリンも手に入るか分からない。でも、このタイミングで行かないと行けない、海で生きると決めている以上見なければいけないという気持ちがありました。
実際に陸前高田の地に立ち、呆然としました。帰省中の教え子に会い「多くの同級生を失った」と聞き、これは自分は何も出来ないと直感して、帰りのガソリン代だけ引いて現金を全てこの子に「全て使い切れ」といって渡しました。彼女はその後、盛岡の100円ショップでチャッカマン100個、爪切り、毛抜き、清掃用具を買い、大いに役立ったと胸を張って言ってました。これは良い刺激になりました。
三陸のシーカヤッカーを支援する目的で「3.11逗子CC基金」を立ち上げて、多くのカヤッカーからも協力してもらいました。そして4年が経ちました。この基金も当初の目的は達したと思うので、3月11日をもって解散しようと思います。いただいたお金の全ては三陸に送っています。基金の貯金箱は0円の状態で、さっぱりきれいです。
基金が解散しても、三陸や被災地の復興はまだ道半ば。そして、自然災害は今後も起こり続けるし、我々もしっかり備えないといけないでしょう。脇をしっかり閉めて、目を凝らし、あの日を忘れない、そんなスタンスで今後もやっていきましょう。
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