jogo式Canoe Life

死亡事故は減らせられる

 伊豆でシーカヤックの事故がありありました。4月5日にフェザークラフトの2人艇で子浦を出発。石廊崎を目指した山岳ガイドともう1人の方が乗ったカヤックが遭難。8日に山岳ガイドの方が遺体で沼津に漂着。数日後にカヤックも発見。もう1人の方は行方不明のままです。
 
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:nbn7AeFs6ZkJ:www.sut-tv.com/news/2018/04/post-2968.php%20&cd=2&hl=ja&ct=clnk&gl=jp

 報道や地元のカヤックガイドの方々からの情報、また海上保安庁アドバイザーの内田正洋さんが情報を公開してくれているので、概要は掴みやすいです。

 また、この数年は行政からも事故の報告書が出るので、全てを記録して事実関係を突き合わせると、事故の輪郭が明確になります。20年ぐらい前はほとんど事故の実態さえ分からず、先輩方はとても苦労されたでしょう。そして、いろいろな門をこじ開け続けた結果、現在のような分かりやすい状況が生まれているのだと思います。この点は後輩である我々は先輩方に感謝するべきです。

 なぜ事故の実態を知る必要があるのか。それはその中から教訓を引き出し、同じような間違いを犯さないようにするためです。僕は過去30年間に起きたシーカヤックの死亡事故24件(31人死亡)の情報を集め、事故の要因分析のため集計ソフトに情報を入れ続けています。そこから事故の共通項を引き出すことが出来ています。

 さらに、死亡事故と、生還事故を比べ、何が生きて帰って来れた要因か、また亡くなってしまった原因かを知ることが出来ます。そののなかから分かったことは、思い込みや誤った情報が流布していてそれが当たり前のように認識されていること。受け入れがたいが事実だけで数字とファクト(真実)として突きつけられている要因がいくつかあることが分かりました。

 何から始めればいいか分からないという書き込みを読んだのですが、まず死亡事故を減らしたいなら、死亡事故自体を正確に知るべきです。

 昨年起こった3件のうち、2件は報告書が公開されています。

北海道一周礼文島事故
http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2017/MA2017-12-5_2017hd0033.pdf

大分関事故
http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2018/MA2018-1-32_2017mj0044.pdf

 11月に起こった静岡のシットオン事故も近々報告書が出るでしょう。

 事故を減らすためには、日々弛まぬ努力が必要でしょう。また、事故削減のために責任のある人っていると思います。そういった人たちが行動し続ける。この辺がまず第一の対策と思ってます。


らないことが問題なのではない。知りもしないことを知っていると思い込むことが問題なのだ。マーク・トゥエイン

コメント一覧

jogo
 布施さん、ご無沙汰です。そうですか。宮田さんのブログの奥様の書き込み、僕も読んでいました。とても残念ですが、海での遭難死となりました(海では3日捜索して生還しなければ遭難死と考えます)。
 死なない方策、真剣に考えれば、事故は減ると思います。現状は、事故は減ってないです。
布施 宏
ご無沙汰しております。 fodsの頃お世話になった布施です。 今でも時々カナディアンとサーフカヤックに乗っています。
 最近山登りを始め、穂高岳山荘勤務 写真家・事業家の宮田八郎さんのブログが好きで見ていました。 穂高の山域で幾多の遭難救助をされていた方が、伊豆の海で未だに行方不明であり、残念です。海山川で死なないために 改めて考えさせられました。
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