潮流や波の影響だろうか、浜の端っこに１０ｃｍほどの厚さの絨毯のように、海草が堆積している。よく見ると「天草」だった。「あまくさ」ではない。「てんぐさ」だ。
天草は寒天の原材料。ゼリーや和菓子を作る時に使われる。最近はその腸内浄化やダイエット効果の高さから、健康食品としても注目されている。
宝物を見つけた気分だ。コンビニ袋に入るだけ持って帰ってきた。
さて、ここからが大変。天草は、持ってきてすぐ使えるわけではない。処理と加工が必要だ。
まず、徹底的に洗う。そして、天草とそうでないものを分ける。木っ端、葉っぱ、ビニール片、違う種類の海草。さらに、天草にも種類があり、ゼリー成分をあまり出さない種類の「にせ天草」も排除する。そうすると体積が半分になる。
その後、天日で干し、乾いたら濡らし、また天日干し。これを繰り返していると色が白くなってくる。白髪のように真っ白になるまでこれを繰る返す。白くなったら出来上がりだ。
