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★どん底

2006-12-24 | 映画30年代
昨日23日「素晴らしき哉 人生」が見てみたくて近所のレンタルビデオ屋さんに行ったのですが、残念、借りられていました。旧作だから一度借りると1週間。しかもここの店には1本しか置いていないので、12月いっぱいは無理かな?と。。。CSで今夜9時から放送されるんですね?!嬉しいっ!ま、それは置いておいて。

ジャン・ルノワール監督の「どん底」を見ました。いやはや面白かったです。黒澤明監督の「どん底」は以前に見た事があったのですが、暗くてあまり好きになれなかった映画でした。でもこれは同じゴーリキ原作ですが、かなり手が加えてあって違う世界観になっています。貧しさや陰惨さは押し出されず、人生楽しいかもって思わせてくれる映画でした。ある意味、爽快で愉快。なんたってジャン・ギャバンとルイ・ジューベが出てるんですもんね。この二人いいです!
貧乏でも貧乏臭くならないギャバンのペーペル。そして爬虫類系顔ルイ・ジューベの男爵。
ルイ・ジューベは特にいいです。あの凄まじい悪人顔の彼の色んな表情を見れて幸せ。本当の男爵だったころのカクカクとしたぎこちない動き、一瞬キートンに見えちゃいました。最後の博打で負けて煙草に火をつける事ができない彼。何もかも失って木賃宿に来てからの人間らしいのびのびとした彼。あくびをしたりツバはいたり。そして有名な最後のセリフ「役者が首を吊った」の何ともいえない深さと説得力。力を込めて、良いと言いたいです。こんな気持ちにさせてくれたルイ・ジューベ大好き。
 
ゴーリキ原作「どん底」はロシアの木賃宿に住む底辺の人間たちの群像劇です。この映画も木賃宿の人々や舞台になってはいますが、博打に溺れ一切合切を無くした男爵と泥棒のペーペル。この二人の奇妙な友情とそれぞれの幸せにスポットが当たっています。原作にはない面白みです。木賃宿に来て人間らしさを取り戻してゆく男爵。抜け出して新しい生活に向かうであろうペーペル。
いやあ面白かったです。もう一回みたい。
(1936年/仏. 監・脚/J・ルノワール. 原作/M・ゴーリキー)



※一度コメントをいただいたオカシネマさんの「鈍底」のブログを見つけました。ゴーリキーの「どん底」を明治日本に舞台に置き換えた舞台のようです。お芝居、頑張って下さい。
超新星自由座「鈍底」
今月の26日(火)、27日(水)あさってから公演?!すいません。もうちょっと早くに...