Cafe シネマ&シガレッツ

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★34丁目の奇跡

2006-12-22 | 映画40年代
「サンタクロースはいるの?」と幼い子どもに尋ねられたら何て答えますか?私だったら「うん。いるよ」って言うと思います。新潟の田舎育ちの私はサンタさんなんて信じてなかったんですが、東京育ちのRちゃんは小学校の4年生くらいまで信じていたそうです。そこら辺は親の努力や環境のせいなんでしょう。小学生時代のクリスマスの朝、目覚めたら枕元にサンタさんのプレゼントとして、お釈迦様の伝記が置いてあった事があります。幼い私はクリスマスにお釈迦様かよ?!と突っ込みを入れる事も出来ず、嬉しそうな演技を強いられました。とほほ。
クリスマスにはこんな無粋な事をする親でしたが、その両親や地方性のおかげで閻魔様や地獄、化け猫、雪女、山姥やらは身近に感じていました。感謝。

この映画はまさに、実在しないけど存在する"サンタクロース"をめぐるお話です。自分は、子どもに夢や愛を贈るサンタクロースだと信じているおじいさん。サンタクロースその物のおじいさんはクレイジーではないかと州の裁判にまでかけられられるのですが、「サンタは存在するのか?」という問いに世論を巻き込み、そして何と...いる?! と言う答えがでます。そのおじいさんは本物のサンタか偽物か最後まで分かりません。とても不思議な気分にさせてくれる映画です。アメリカンな現実なのにファンタスチック!そのサンタのおじいさんに関わってくる登場人物やお話も良いです。娘と2人暮らしの現実主義でキャリアウーマンのお母さん。そしてお母さんに影響を受けた現実主義な女の子。近所に住むそのお母さんに恋する弁護士。お母さんは、サンタさんと彼に出会って「真実とは何?」という事を学んでいきます。彼とお母さんの恋愛発展劇、面白いですよ。女の子はこまっしゃくれていても子ども。本物かどうか真剣に見つめ悩み、ホント可愛いです。おじいさんの暖かい思いによって変わってゆく2人は、まさにサンタクロースマジックです。おじいさんをサンタクロースとして雇ったデパートの社長の商戦もかけたサンタさんへの考え方。掃除の少年の心優しさ。そして頭の悪い嫌な精神科医。みんな個性的でチャーミングです。中でも好きなのが、サンタ裁判で世論と現実の間でどうしたらいいか悩む州の裁判官。こんな公な場所でいて欲しいけど「いる」とも言えない立場、面白いですよ。この時期に見るには最高の映画です!

見えないけれどあるんだよ。見えないけれどいるんだよ。
見えない世界もヒトの真実。

94 年にも同題でリメイクされています。昔そっちを見ていたので、自分的印象はリメイク版「34丁目の奇跡」の方が強かったかな?

(1947/米 監/ジョ-ジ・シ-トン)