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コリアエイド① 政府に批判的報道 ハンギョレ新聞社説

2016-06-08 01:18:07 | 韓国

韓国政府に批判的なハンギョレ新聞の記事です。

ハンギョレ新聞 2016年6月4日

アフリカ歴訪3カ国で試験運営国際開発協力団体「恥ずかしすぎる

保健・食品・文化トラックなど10台・ビビンバ・Kポップ映像などを提供・政府「訪ねて行くサービス」 に対して批判が殺到

「月1回の食べ物で死亡率下げられるのか」国際援助の規範にも反する。

「韓国を自慢するためのショーに過ぎず、援助ではない」

朴槿恵大統領とケニアのマーガレット・ケニヤッタ大統領夫人が5月31日、ナイロビのケニア国際コンベンションセンター(KICC)で開かれた「コリアエイド」事業の試験運用イベントに参加し、

フードトラックの調理師らと話している=ナイロビ/聯合ニュース

 

政府が朴槿恵(パククネ)大統領のアフリカ歴訪を機に「新たな韓国型開発協力(ODA)モデル」と大々的に宣伝している「コリアエイド」(Korea Aid)

が、国際開発協力関連団体の強い反発に直面している。

政府は、この事業を朴大統領のアフリカ歴訪の3大成果に挙げているが、

開発協力団体は「韓国 を自慢するためのショーに過ぎず、援助ではない」と即時廃棄を求めた。

さらに、3日にハンギョレが取材した結果、コリアエイドは5月初めまでは政府の2016~2017年の国際開発協力総合施行計画に盛り込まれておらず、

朴大統領のアフリカ歴訪に合わせて急遽用意されたイベントだとする批判が高まっている。

コリアエイドは今年初め、朴大統領が直接出したアイデアをもとに進 められたとされる。

政府は5月25日、外交部、文化体育観光部、農林畜産食品部、保健福祉部が合同で出した報道資料で

「最貧国と脆弱層が多いアフリカ地域の開発協力を強化 している」とし、

「保健、食品、文化でトラックを活用した移動型開発協力事業のコリアエイドを推進している」と発表した。

政府は、コリアエイドを開発協 力+文化

▽保健・食品・文化要素の包括

▽訪問サービスを備えた「新たな韓国型開発協力モデル」

と規定した。

政府は、朴大統領が訪問したエチオピア、ウガン ダ、ケニアの3カ国に国別に

「保健3台(検診1、救急車2)+食べ物4台(フードトラック3、冷蔵トラック1)+文化1台(映像車)+支援するための2台 の計10台の車

で構成されたコリアエイドを試験的に実施した。

下の写真は調理用トラックです。ビジネス街に来ているランチ販売の車と同じようです。

これで何人分の食事が賄えるのでしょう。月1回で。

韓国型開発協力プロジェクトの「コリア・エイド」のために

エチオピア、ウガンダ、ケニアに用意された保健・調理・映像サービス提供車両
↑これがODA?小規模すぎませんか?1ケ国10台ですからね。

食べ物はビビンバなど米料理を中心に、

文化は平昌(ピョンチャン)冬季五輪とK-POP・ ビーボーイなど韓国文化の映像を中心に、

保健は胎児の超音波撮影や保健キットなどを提供した。

朴大統領は、5月27日(現地時間)、アフリカ連合(AU) の特別講演で

コリアエイドを「アフリカの人たちと心でコミュニケーションし、共感できる新しい開発協力モデル」と強調し

歴訪した3カ国で初めてのモデル 事業の現場を訪れた。

政府は今後、月1回の試験事業を実施し、2017年の後半からすべてのトラックをこれらの3カ国に渡す計画だと明らかにした。

医療スタッフと会話する朴大統領

しかし、ODAウォッチや参与連帯などの市民団体は

援助の趣旨と国際規範を無視した、顔から火がでるほど恥ずかしい。その場限りのイベントであり、韓国 による援助の恥さらし」、

「韓国国際開発協力の歴史の後退」と批判し、「即時廃棄」(参与連帯)と「全面的な再検討」(ODAウォッチ)を求めた。

「月1回食べ物を提供するだけで、死亡率を下げられるのか?」

「救急車1台で何ができるのか?」

「平昌オリンピックとK-POPを知らせるために、なぜ政 府の広報予算ではなく、開発協力資金を使うのか?」

などの批判がコリアエイドに殺到している。

特に二つが問題になっている。

第一に、韓国は、2010年に経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)への参加を契機に、

「援助を受ける 国から援助する国へ」と生まれ変わって以来、援助をめぐる国際社会の規範に基づいて体系的な開発協力システム作りに努め

てきたが、コリアエイドはこれまで の努力からかけ離れた明白な後退と指摘されている

国際開発協力の基本的な原則を明示した「援助効果にかかるパリ宣言(2015年)」は、

援助する国(ド ナー)と援助を受ける国(パートナー国)の「相互説明責任(Mutual Accountability)」が「開発協力事業の成否」を決めると

強調している。

開発協力は、パートナー国の開発戦略などを基に、その国のリーダシッ プ(Ownership)と政策主導性(Alignment)を高めなければならず、

「国民の支持を確保・強化するため、透明性が必須要件」という宣言 だ。

これにより、韓国などの国際開発協力への参加国と団体は、イベント的な事業や建物や物品などのハードウェアを提供する事業を超え、

援助を受ける国のシ ステムや能力などのソフトウェアの強化に焦点を合わせるために、活動の原則を改善してきた。

第二に、体系的な検討を経ていない「上の指示による急ごしらえのイベント」という批判だ。

黄教安(ファンギョアン)首相は5月30日の第26回国際開発 協力委員会で

「2017年国際開発協力総合施行計画」を確定し、「コリアエイドなどの主要な事業を効果的に支えるようにした」と明らかにしたが、

会議の 議題には「コリアエイド」や「移動型プロジェクト」などの事業計画・方向に関する情報がなかったことが確認された。

参与連帯で活動するイ・ヨンア氏は「韓 国の開発協力事業がコリアエイドのようなイベントで後退する事態を防ぐため関連団体が対策を協議している」と

語った。

 

ハンギョレ新聞社説 2016年6月5日

朴槿恵(パククネ)大統領のアフリカおよびフランス歴訪は、時期や内容などすべての面で「無駄な首脳外交」そのものだった。

国内は経済と環境、安全すべての面で総体的な難局に陥っており、国外では朝鮮半島をめぐり緊迫した日々が続いている。

にもかかわらず朴大統領はのんびりアフリカの国々を歴訪し、「セマウル運動」を自画自賛しているというのだから呆れてしまう。

 朴大統領がアフリカ歴訪中に積極的に進めた「コリアエイド」(Korea Aid)が、その代表的な事例だ。

政府が「新たな韓国型開発協力(ODA)モデル」と広報しているこの事業は、医療機器、食品、映像機器などを移動式トラックに載せ町を巡回してサービ

スを提供するものだ。

このプロジェクトは、オーナーシップ(Ownership)、アライメント(Alignment)、調和化(Harmonisation)といった国際社会が用意した開発協力の原則と

基準をすっかり無視しているうえ、地元住民たちの意見やニーズも全く考慮していない。

  保健分野の計画を見ると、それぞれの国に車3台を支援し、「巡回診療」をしながら地元住民を検診し、衛生教育などを行うというのが計画の骨子だ。

地元住民が切実に求めているのは、このような一過性の診療ではなく、村単位の保健所の拡充などを通じた日常的な医療サービスの改善であることを

考えると、方向を完全に間違っている。

ビビンバと国産米で作られた加工製品などの韓国料理を提供し、貧困層の栄養状態を改善するという計画はさらに嘆かわしい。

韓国とは別の種類のお米と食べ物を主食とする地元住民の食文化を無視した一種の「韓食広報事業」に過ぎない。

文化協力の名のもとに、平昌(ピョンチャン)冬季五輪の映像、K-POPミュージックビデオ、韓国映画などを映像トラックで上映するのも、韓流を広める事業

と開発協力の事業を混同した浅はかな発想だ。

 コリアエイドは、政府の「2016~2017年の国際開発協力総合施行計画」に5月初めまで含まれていなかったが、朴大統領のアフリカ歴訪をきっかけに

突然推進されたという。

朴大統領が直接アイディアを出したという話も聞こえてくる。

国際開発協力への理解がない政府省庁が、大統領の思いつきを裏付けるのに気を取られているから、このように開発協力とかけ離れたイベントが作られ

た。

国際的な恥さらしだ。

政府に批判的な新聞なので、当然批判が多いですが、写真をいろいろ見てる限り規模が小さく国家レベルのODAとは思えないです。

今は試験運用との事ですので、これから相手国にマッチするよう改善していくと思いますが。

それにしても発想のセンスが貧弱。

コリアエイド②に続く

 最後までお読み頂きましてありがとうございます。