今年もあと少しになってきました。ここ最近の報道を見ていると、新型コロナウイルスの変異種がヨーロッパやアフリカで確認され、この変異種では感染力が七割増しになったと言われています。また国内でも感染者数が上げ止まらず、東京都で１０００名／日にもまもなくなるでしょう。
こんな状況に来ても、公明党から出ている赤羽国交大臣は、GOTOホゲホゲキャンペーンを年明けにも再開したい旨、発言しているの事には、ほとほと呆れ返りますが、そもそも菅総理大臣や政権中枢にいる人たちも、例年通りの忘年会と言う様な会食を繰り返していましたので、その危機感の無さでは、国民に対して知事や医療関係者が自粛を呼びかけても、その言葉が響く事はありません。
政治家は本来、国のリーダーであり、そのリーダーとは国民に範を示す立場にあるはずです。しかし今、この国の国会議員の中に、この事を理解している人は皆無な様に見えるのです。
よくネットでは菅総理を始め、政権にいる人達を指弾して、政権交代を望む声が見えます。しかし今の日本で政権交代をしたからと言って、日本の抱える様々な問題が少しでも改善に動く可能性があるとは思えません。
安倍元総理の「桜を見る会」は不起訴処分になり、秘書の不祥事という事で収まりそうです。先日まで忘年会を繰り返して、この感染症に何も主導権を発揮しない菅総理。GOTOホゲホゲにご執心な赤羽国交相。何れもが選挙区で当選した国会議員です。
つまり彼らは形として国民の信任を得ている立場です。
それはつまり彼らの行いが情けないという事は、それを選出した選挙区の人々のレベルが同様に情けないという事であり、敷衍して考えれば今の日本の政治が不甲斐ないというのは、それはつまり国民が不甲斐ないという事になるのです。
つまり政治の姿とは、その国の国民の縮図であるという事なのです。
民主主義社会とはそういう事です。
かくいう私も創価学会という宗教団体に絆されてしまい、公明党の票を集める事に加担していました。だから赤羽国交大臣やグルメレポーターと揶揄される遠山氏、その外の公明党議員の情けない言動を見聞きするにつけ慚愧の念に駆られます。
日本という国は太平洋戦争が終わり、七十年に渡る平和の中で、経済優先で走り続け、ひたすら国が富む事を考えて走ってきましたが、その結果が今の日本の政治の状況であり、この日本社会とも言えるのではないでしょうか。
２０２０年は間もなく終わります。２０２１年は若しかしたら、今年以上に様々な出来事が国の内外に起きる時代なのではないかと、私は個人的に危惧しています。
本来、人類という種族がこの先にもこの地球上で生き残るのであれば、戦争などは起こしている場合ではなく、もっと人類が平和で生きていける様にならなければダメでしょう。そしてその上で人類社会の在り方に智慧を使わなければなりません。しかし悲しいかな、今の人類社会は「国家」という単位で構成されたモザイク社会となっていて、その社会には「資本」が血流の様に流れています。そして人はその「資本」の奪い合いの為に「国家間」で未だ戦争を許容している社会に生きています。
単に人々が口々に「平和」を唱えるだけでは、世界の平和を実現できる訳ではなく、この人類社会の構造を理解した上で、どの様に平和を構築していくのか、そこを議論しなければならないのです。
その為には人々の中には、人類社会への洞察力が必要でしょうし、その為には歴史への理解も当然必要になります。そしてこの歴史とは国家の歴史を越えて、人類の種族に対する歴史理解も必要となります。
これは何も人類社会だけの事ではなく、国という単位についても同様な事が言えるのです。国の平和を理解するためには、国の仕組みの理解と共に、その国の歴史への理解が当然、必要になります。
私は今の日本の抱える問題に「頓服」の様に速攻で対処できる方法は無いと思っています。日本の政治家の多くは、自分達の権益には敏感に反応しますが、国の危機管理には極めて希薄な認識しか持っていません。そしてこれは日本国民にしても同様で、自分達の権益には機敏であっても、国を始めとする社会に対しては希薄な認識しか持っていない様に思えるのです。
今年に起きた、新型コロナウィルス禍というのは、そういう事に気付きを与えるには十分な出来事ではないかとも思えますが、どうもこの事に気付いている人はあまりいない様に見受けられます。
今の国際社会では、これ以外にも様々な問題が発生し始めている様ですが、日本国内ではそれは見えない様にされているようです。
２０２１年は、一人ひとりが「屹立した思考」のもとで「賢明に生きる」という事が、より求められる一年になるかもしれません。私はその様に感じていますが、皆さんは如何でしょうか。
ふと年末に感じた事を、つたないですが文書として少し書かせてもらいました。
