60代の男のつぶやき

60代の男の行きつ戻りつ日記。バツイチオヤジの日常を過ごしていますが、なんて事のない日常を丁寧に楽しみながらの日記です。

桜に寄せて(桜三首)

2012年01月16日 | 日記
20年弱ほど所属している書道会の公募展が春にあります。
今までは毎年の展覧会はご遠慮していましたが、
震災もあり、生かせてもらえる事に感謝して
被害もなかった事にも感謝して
健康に過ごせる自分に感謝して
初めて参加する事にしました。

掛け軸の縦型が規定なので和歌を上中下と3首書くことに
しました。

上に
桜花 命いっぱいに咲くからに 命をかけて我が眺めたり
(岡本かの子)
三首の中では一番好きな歌です。
激しい感情が伺えますが、強い歌ばかりでも仕方ありません。

中には
春風の花を散らすとみる夢は さめても胸のさわぐなりけり
(西行 山家集)

下には
桜狩り 雨は降り来ぬ同じくは 濡るとも花の蔭に隠れん
(実方中将 拾遺集)

の桜に関する歌を集め「桜に寄せて・桜三首」と題しました。
紙は渋茶色の全体ぼかしで地味派手な紙です。

万葉集でも桜の歌よりも梅の歌が多いようです。
現代の日本人の桜ずきの感覚からすると少し不思議です。
昔は梅が流行りだったのでしょうか。
梅の歌は全体に穏やかな雰囲気を感じさせますが
桜の歌は少々エキセントリックなものが多いのが
興味深い感じがします。

桜はその美しさ、華やかさが極まって妖しく
なぜか悩ましい艶かしさもあります。
時には人の心を狂わせる要素を持ち合わせているのかも
しれません。

さて、作品はその艶かしい雰囲気が出ると面白いのですが
時間切れで書き込みが足りない物になってしまいました。
表具されたらどうでしょうね。