Good News

その日の説教で語られる福音を、ショートメッセージにしました。毎週更新の予定です。

7月15日のGood News

2018年07月16日 | Good News
「主のみ翼の陰に」(マルコによる福音書4章26〜34節)

イエスさまによる二つのたとえ話しです。まず一つ目のたとえでは、神の国の伸展が一粒の「種」の成長にたとえられています。土に蒔かれた種は、やがて芽を出し、成長するが、どうしてそうなるか人は知らない。土はひとりでに実を結ばせる…と言われています。確かにそのとおりです。この春、教会の花壇のあいたスペースに何でも植えていいですよと言われたので、何種類かの花の種を蒔きました。すると、すぐに芽が出て、茎が伸び、葉っぱもついてきました。もうすぐ花も咲きそうです。何も手入れらしい手入れもせず、水も雨まかせ。それでも、種は芽を出して成長しています。驚くべき種の持つ力です。ここで言う「種」とは、イエスさまが語られた「福音」のことです。イエス・キリストの福音は、福音そのものに力が秘められていますから、人間の手を介さずとも大きく豊かに成長していくのです。かえって私たちが下手に手を入れ、種の成長を妨げるようにことをしてしまうと、花は咲かないし、実も結ばない。つまり、やれ伝道だ、宣教だといって、人が下手に手を出すと、ろくなことはないのです。私たちはむしろ、キリストの福音を勝手にねじ曲げないこと、福音を骨抜きにしてしまわないことが肝要でありましょう。

二つ目のたとえ話では、具体的に「からし種」が取り上げられています。からし種とは、パレスチナの地方で自生または栽培される黒からしのことです。初夏になると黄色の十字の花をつけ、その種は古来より重要な商品とされてきました。大きいものでは高さが3〜4メートルまで成長すると言われていますが、その種はゴマ粒のように黒くて小さなものです。このからし種の驚くべき成長が、神の国の広がりにたとえられているのです。まさに使徒パウロがコリントの教会の人々に書き送ったように、ごく小さなからし種を大きく豊かに成長させてくださるのは、神なのです。「わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です。ですから、大切なのは、植える者でも水を注ぐ者でもなく、成長させてくださる神です」(第1コリント3章6〜7節)。私たちは何か事がうまく進むと、ついつい自分が一生懸命にやったから、自分が頑張ったのだからと、なんでもすぐに自分の功績にしてしまいがちですが、神の働きがあってこその豊かな実り、収穫であることを忘れてはなりません。

私たちの「信仰」は、最初は小さなからし種のようなものです。洗礼を受けたばかりの頃は、誰もが吹けば飛ばされてしまうようなちっぽけな信仰しか持っていません。何かあると、すぐに折れそうになり、元気がなくなってしまう…それでも、神が私たちに与えてくださった信仰は、決して枯れることなく、少しずつ、確実に成長していくのです。そのことを信頼して、神への感謝と賛美を日々ささげてまいりましょう。