風
2013-06-21 | 使徒
それは突然起こりました。激しい風のような音でした。それは天から聞こえました。弟子たちがおおぜい集まっていた家の全体に響くものでした。その人数は定かではありません。先にあったように、百人を超える数がそのまま一つ屋根の下にいたとは思えませんが、まとまった人数がそこにいたことが推測されます。それはいわばひとつの礼拝でした。それが安息日であったのかどうか、当時の設定は分かりませんが、ただ間違いないのは、それが当時の祝日であったことと、このときが記念すべき機会として用意されたものであったということです。なお、ここでの「風」は、いわゆる霊を表すこともある語とは違います。やや似た響きの語ですが、むしろ純粋に風を表す語です。それが霊の音であるという認識をまだ誰もしていなかったことを表しているものと思われます。この轟音とともに「そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった」(使徒2:3)という描写があります。この辺り、4節まで「そして」が溢れています。事がスムーズに流れている様です。それは常識的には異常事態です。しかし、神の計画の中ではごく自然にスムーズに動いている様子であるのです。炎のような舌が一人一人に及んだとされます。あまりマンガ調には描きたくない情景です。