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ジュエリーショップ ナーズ日記

~彫金父さんの物作りな日々~
ジュエリーショップNA'sのジュエリー制作を中心にしたもの作りの身辺日記。

プードル(仔犬) 其の3

2010-08-06 | ジュエリー制作過程
キャストやさんからの吹き上がり。
バレル研磨無しの注文をしたはずなのに
少し、吹き肌ではなくなっていました。
おそらく研磨機に入れた後で、指示を確認して気が付いて、
あわてて取り出した。と言う感じかな~?



少しだけだから良しとして、先に進みました。
湯口を取って、・・・そう言えば湯口の位置もお父さんの指示通りでなかったんだ。

どういう指示をしたの?

裏に付けてくださいと指示したんだけど、横側、頭の上のあたりに付いて来たんだ。
ほんとは、クリクリの毛の部分だからそこには付けてほしくなかったんだけどね。

キャストやさんはどうしちゃったのかな?

ほんとにね。でも先行くよ。
湯口を取ったら、裏側の縁の部分を磨いて照りを出すでしょ。
あとダイヤを留める覆輪枠のパーツ、これを軽く仕上げて置く。
4mm幅のプレートが通るようなバチカンを手作りする。
このバチカンがぎりぎり通る丸管を作り、
赤ちゃんプードルの頭のてっぺんの裏に、これをロー付けする。
バチカンを通してバチカンの合わせ目をロー付けする。
ここまでが上の画像だよ。

目と鼻と首輪!

忘れてた。目と鼻と首輪も軽く磨いて置くこと!
それと打刻することを忘れないように。
NA'sとK18と001を裏側に刻印!

  001はナンデスカ?

ダイヤの重さ、カラット数。0.01カラットの意味。
数字が小さいから刻印しなくても好いんだけど、
打ってあれば本物のダイヤだって分かるでしょ?
そして、ダイヤをとめたパーツを首輪の穴に差し込んで
裏に飛び出した部分を小槌で叩き、カシメル!
最後に全体をバフがけして、洗って完成です。


写真も撮りました!

  可愛いです!

  見てね~!






プードル(子犬) 其の2

2010-08-04 | ジュエリー制作過程

前回のキャスト上がりです。



赤ちゃんプードルの毛並みを表現するために、
要らなくなった金属ポイントの先を少し加工して
丸鑿(まるのみ)の様な鏨を作って彫って見ました。

  丸ノミを使うとクルクルした毛が出来るの?

そのつもりで頑張ったらこんな感じになったけど
どうね?


  クルクルに見えるよ!体が特に。

そうだね、顔部分ももう少しクルクルがほしかったかな。
でも赤ちゃんプードルに見えるだろ?

  うん、ここまでは可愛く出来たよね。
それより横のパーツは何?

これはダイヤを留める為の覆輪枠(ふくりんわく)付きのパーツ。
メレダイヤを留めた後で、このパーツの丸線部分を
赤ちゃんの首輪の穴に差し込んで
裏でカシメル。

  カシメル?

裏に飛び出した部分(頭)を
小槌で叩いてつぶすと
ダイや付きのパーツは抜けなくなるんだ。
本来の意味は叩いて固定することをカシメルと言うらしいよ。
でも、このダイヤのパーツは左右に動くようにしてあるんだ。

  何のために?

そのほうが可愛いからでしょう!


―――取りあえずこの原型2型をキャストやさんにお願いしました。
18金のイエローで。―――


  見てね~!




猫チャーム その3

2010-07-30 | ジュエリー制作過程

これは、キャスト屋さんから18金で吹き上がって来た物を皮むきし、
一度軽く磨いたもので~す。

  “で~す”って軽いね。

うん、キャストの出来が良くて、なんのストレスも無かったからね。

  キャストの出来が悪いとどうなるの?

大きなスが出れば、火を当ててスを埋めたり、
小さなス(ゴマス)が密集してる場合などは
ヘラ等でゴマスを潰して照りを出したりと
時間がかかって大変なんだよ。

  なるほど。

次にネックチェーンを通すためのD管を裏側にロー付けして
火を当てたので酸洗いをし、その後電解研磨をして
NA'sとK18とダイヤのキャラメを打刻する。

  ペースが早いね!

うん、あと少しで完成だからね。次に、ヒートホームで猫チャームを固定し
ダイヤを留めます。すでに彫が入っているから簡単に留められるよ。


最終の磨きをして、超音波洗浄し乾かす。
ネックチェーンを通して撮影します。

  出来た出来た!


 見てね~!




猫チャーム その2

2010-07-29 | ジュエリー制作過程
この画像は、裏側の絵で原型としてはすべて終わったところなんだ。

途中の写真も無いと仕事の内容が分からないよ。

これから説明するけど、絵があるのとないのでは理解度が違うよね。
いつもブログにアップしようと思っている訳じゃないから、
途中の撮影を忘れるんだよ。

これから気をつけてね。

はいはい。では~、裏面だよ~、輪郭線の内側約0.5㎜位の幅で地金を残して、その内側をハツル。
(ハツル)は分かるよね?
リューター等の金属ポイントを使って、地金を削り取ること。
地金の厚さを大体0.7~0.8mm位にね。

ハツッタ後も何か仕事してる?

よく分かりましたね~。
猫の体毛を思わせるような“荒らし”を入れてみました。
が、どうかな?

どうかな。


次に…表面!

首輪(COLLAR)をダイヤで表現しました。

ちっちゃいのが3つですけど。

ちっちゃくてもダイヤです。屑ダイヤなどと言わないでよ。お父さんが使うダイヤは小さくても綺麗なものだけ。
原型に彫りも入れて、誰にでも留められる様にしてあるんだ。

ナコにも留められるでしょうか?

もう少しお父さんの手伝いが出来る様になれば留められるようになるさ。



見てね~!


猫チャーム その1

2010-07-28 | ジュエリー制作過程
こんどは、軽めのペンダントトップを作ろうと思うんだ。
まず、シルバーの地金を約1mmまで引き伸ばし、
デザイン画のコピーを貼り付ける。

また猫?たまには犬も・・・

分かってますよ。犬も作りますよ!そのうちにね。
つぎに、
貼り付けたコピーの糊が乾いたら、その輪郭線の外側を糸鋸で切り抜く。

輪郭線の外側?

キャストするとき、原型でゴム型を取るでしょ。
そこからワックスを取ると原型より多少小さくなる。
そしてワックスから18金に変わるときまた小さくなる。

だから?

だから原型を絵より大きめに作るんだよ。3%位かな。

なるほどなるほど。

つぎ、輪郭線を鑢などで整えたら裏をハツリます。


プードル(子犬) 其の1

2010-07-25 | ジュエリー制作過程
これってプードルに見えるかな。子犬が座っているのだけど、
上手に座れていない。そんな風に見えるかな?

プードルって、毛のクルクルした可愛い子でしょ?

そのつもりで描いたけど、なかなか上手く描けないな~。
・・・でも大丈夫。ワックスを加工する段階で調節するから。
とりあえず輪郭だけを決めれば・・・。


こんな風に、鑢や鏨(たがね)を使って掘り込んでいくんだ。
まだ途中だけど少し可愛くなってきた?

どうかな?もっと身体の毛がクリクリしてるんじゃないの?

確かに・・・。でも大丈夫。
キャストが上がって原型の段階でクリクリってするからね。

何だか、肝心なところを先送りしているようだね。

やっぱり分かりますか。

ーーーパープルのワックス原型はキャストやさんへーーー
ーーー数日後、シルバーになって戻ってきましたーーー


吹き上がりがこれだけど、これからどうするか?

どうするの?

体毛をクリクリに見せる為にはどうしようかね。
特殊な鏨でも作らないとだめかな。次回までに考えます。



見てね~!


仔猫(シルエット)ー鍍金(メッキ)上がり

2010-07-07 | ジュエリー制作過程
ホワイトゴールドのペンダントブローチ、
ロジウムメッキが付いて上がって来たよ。

メッキしない時と違ってる?


違うでしょ!上の画像のホワイトGと比べてみてよ。
色は白いし、照りも増しただろ?
ホワイトゴールドと言っても本来の色は
少し黒っぽいと言うか、暗っぽいんだ。
あるいは黄色味が強い白だったりするから
仕上げの白いメッキをかける必要があるんだよ。



地金の色がダイヤの白と一体になった感じだね。

仔猫(シルエット)はこれで終了です。
さらに画像が見たい方は、
こちらをどうぞ


見てね~!



仔猫(シルエット) 其の6

2010-07-05 | ジュエリー制作過程
ブローチピンをカシメたら、一通りバフをかけて仕上げると
こんな感じかな。

次は石留めでしょ?

仔猫をヒートフォームで固定して石留め開始!

ヒートフォームってなに?

熱いお湯につけると軟らかくなって、また冷えると硬くなる、物を固定するときに便利な道具の商品名。画像の中のブルーグレーの塊のこと。



頭のほうからダイヤが埋まってるね。

好きな所から留めていいんだよ。
尻尾からでも、お腹のあたりからでも好いし
やることは、一つ一つダイヤを留めるのに必要な
地金(爪として使う分)だけを残して
それ以外の余分な地金は鏨(たがね)で取り除く事!

そのままダイヤを沈めて、周りの地金を尖った鏨(たがね)で突っつけばいいんじゃないの?

突っつけばって、そんな簡単に言うね~。
まぁ、それでもダイヤは留まるけど。
それじゃ仕上がりが、ダイヤが沈んだ感じで
綺麗に浮き上がって見えないんだ。


                 これはホワイトゴールドです。
パヴェ留めにしたいからね。

パヴェ留め?

石畳のようにダイヤを隙間なく留めること。
そのためにはダイヤとダイヤの間に余計な地金がないほうが
綺麗に見えるだろ?
余計な地金を取り除くということは
ダイヤを浮き上らせ、綺麗に留めるためには必要なことなんだ。

1つずつでしょ?ダイヤは全部で何個あるの?
時間がかかる?

93個と大きいのが1個で94個。
君と遊んでられない位時間がかかるよ。

なるほど。それで散歩にも連れてってくれないんだ。

君が散歩を我慢したおかげで綺麗に留まったよ、パヴェ留め!
ダイヤが浮き上がって見えるよね。

ブローチとしてはこんな感じ。


ペンダント使いにするとこういう感じ。

可愛いかも。

かも? 可愛く出来たでしょ









仔猫(シルエット) 其の5

2010-07-04 | ジュエリー制作過程


これはホワイトゴールドだけど、これからブローチピンを作るところなんだ。

ブローチピンを作る?

そうだよ、お父さんの所(NA's=ナーズ)はオリジナルのブローチ金具を使っているからね。

面倒じゃないの?

手間がかかるけどね。画像にあるように、バネ材のスリッター線から、糸鋸でブローチピンとカシメの部分を一体で切り出し
鑢などで整形する。



これはイエローゴールドだけど、大体の形が出来ただろ?
後はカシメピンを通す穴を開け、ピン先を尖らせて
磨くと完成だよ。

やっぱり面倒だ!

しょうがないよ。短いピンを使おうと思ったら横の動きに強いものが必要だからね。
このピンをセットしてカシメれば後は石留めだよ。

そうだね、次はメレダイヤを留めるんだよね。

また明日ね。







仔猫(シルエット)  其の4

2010-07-02 | ジュエリー制作過程


キャストが上がって来ましたよ。イエローとホワイト。

今回は、よく光っていますね。

そう、バレル研磨を頼んでおいたのでね・・・。

バレル研磨?

うん、機械を使って表面の照りを出して(研磨する)もらったんだ。
全体にメレダイヤを留めて磨くから、今回は吹き肌の色はいらないんだ。そして、地金表面を締めるためにもね。
ここからはまたお父さんの仕事だよ。
まず、余分な湯口などの地金を取り除いて輪郭を決めて
全体を磨く。



全体を磨いたら、オリジナルの金具のパーツを仕上げて裏側にロー付けする。

ブローチ金具のほかに何か付いてるよ。

それは、ペンダント用のD管。

D管?

チェーンを通すための管だよ!

それって尻尾の裏側についてるやつでしょ?
もう一個前足の裏側に付いてるのは?

それは、服につけたときや、チェーンにぶら下げたとき
前倒れしない様に下駄を履かせたんだ。

下駄を履かせる?

持ち上げることをそう言うんだと思うよ。

思うよって、確かなことじゃないんだ。

そんなニュアンスで使ってたけど、
違ってたかな?

え~~~。

今日はここまでにしましょ。







仔猫(シルエット) 其の3

2010-06-29 | ジュエリー制作過程


昨日の続きだけど、ロー付けしたらそのロー付け面を
綺麗にして、ロー目が出ない様にする事。側面のことだよ。
そして、フラットのままだと面白くないので
全体を波打たせる。動きがあった方がいいだろ?

シルエットじゃなかったの?

シルエット・タ・イ・プだから!
ダイヤを留めたときのことを想像すると、
見る角度によってダイヤの輝きが違って見えると思うよ。
つぎは、ダイヤの下穴(したあな)を開けます。

下穴?

そう、光取りのために開ける穴のこと。ドリルの刃であける。
でも穴の位置を決めるのがなかなか決まらないんだ。

どうして?

なるべく地金が見えないようにダイヤをびっしり入れたいから、
ダイヤの大きさと位置決めに時間がかかるんだ。


こんな風に93個の下穴が開きました。ドリルの刃を折らないように慎重に、・・・
疲れました。

まだ続くの?

今度は皿もみ。

さらもみ?

ダイヤモンドを沈めるために、そのダイヤと同じ直径のドリル刃で
沈む分だけを削り取る作業を言うんだ。もちろん93個分ね。



そして最後に、君の心配だったボール部分の
ダイヤの覆輪枠(ふくりんわく)を作って仔猫の手の先にロー付け。
これが94個目のダイヤ。これで完成!

これが原型でしょ?

そう。これからキャスト屋さんにおねがいして
18金のイエローと、ホワイトでキャスト(鋳造)してもらうんだ
出来上がりが楽しみだね。

仔猫(シルエット) 其の2

2010-06-28 | ジュエリー制作過程
今日は輪郭線の内側に、一段厚みが増すように地金を張り込むところからだね。
これは、ペンダントの裏側の部分についてだよ。


こんな風にするんだけど。

どうやるのかな。

まず、昨日糸鋸で切り抜いたアウトラインを
鑢やリュ-ターポイントで綺麗に整えて
自分の線を決めること。

自分の線?



そう、デザイン画で引いた線を糸鋸で切ったでしょ。
でも微妙に前足が太いとか尻尾が太いとか、そこを鑢などで
調整して自分の納得いく線を決めるんだ。
それを、0.5mm位の板にのせてアウトラインを金属の針でけがく(罫書く)。

けがく?

線や点で印をつけるということ。
次は、そのけがき線の内側約6㎜位のところにフリーハンドで
線をけがいて、そのけがいた線のまた内側を糸鋸で切り抜く。

切り抜いた物は同じ猫の形でしょ?

そうです。一回りから二回り小さな同じ形の猫です。
でもこの小さな猫は要らないから捨ててください。
そして猫の形に抜けた板に
最初に決めた猫を、けがき線に合わせてのせロー付けする。
わかる?

よく分からない。写真がないし。

じゃあ、また明日にしよう。

仔猫(シルエット)…心配ないさ!

2010-06-26 | ジュエリー制作過程
これは何でしょう。黒い猫がたくさんいますが?

仔猫のつもりです。仔猫のシルエットを
ペンダントブローチにしようと思うんだけど・・・
体の向きや尻尾を立てることは決まっていて
後は、手足をどんな風にしようか色々描いているうちに
右手でボールを攻撃?しているところに決まりました。
画像の中程かな。

やっぱりボールなの?

好きなんでしょ?ボール。
君だって、いつもボールくわえているじゃない?

ボール大好き

だからやっぱり“猫にボール!犬にボールなのよ!”・・・

そして、デザインが決まったら原型作りだよ。



まず、シルバーの板をローラーで厚さ1㎜位まで延ばし
仔猫のシルエットを貼り付けて、その輪郭を糸鋸で切り抜くんだ。

ボールは?

ボールは後から付けます。心配ないさ!

心配だな。

次は明日だな。





猫パヴェブローチ&ペンダントトップ(製作過程⑤K18YG)

2010-03-13 | ジュエリー制作過程
キャスト上がりはこんな状態です。

ここから湯口を取り除き、裏側のヘリを磨きハツリ部分をダイヤのポイントで荒らす。

そこに、仕上げたブローチの金具(オリジナル)をロー付けし、ペンダント用の

D管をロー付けする。



こんな感じになります。先はまだまだです。(3/13)


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 〒321-0951 栃木県宇都宮市越戸町114-24
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仕上げ直し

2010-03-07 | ジュエリー制作過程
このシルバーのブレスレットは、約30年前にジョージ・ジェンセンのブランドとして

手に入れたものです。今回仕上げ直しするに当たり、刻印を良く見るとスターリングと

デンマークの二つの向き合った刻印しかありませんでした。



これだけではジョージ・ジェンセンとは言えませんよね

やっぱり騙されたのでしょうか


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