ただの映画好き日記

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ハリウッド・サーティフィケイト / 島田荘司 著

2011-07-21 | 本 島田荘司


  ハリウッド・サーティフィケイト

  島田 荘司 著     角川書店 / 2001.8


  LAPDに持ち込まれたフィルム。
  そこには、ハリウ ッドの有名女優、パトリシア・ クローガーが惨殺される様が映 っていた。
  そして発見された死 体からは、子宮と背骨が奪われ ていた! 
  彼女の親友で女優の レオナ・マツザキが犯人探索を 始めた。
  その過程で、女優志望 のジョアンと出会う。
  彼女は記 憶を失っており、何者かの手に よってその体から子宮が摘出さ れているというのだ。
  事件との 奇妙な符合を覚えるレオナ。
  そして、第二の殺人が発生し……。
  なぜ女優の子宮は奪われたか?







久々の分厚い枚数でした。
やはり、長編は読み応えがあって嬉しい!

舞台はハリウッド、登場人物はもちろんアメリカ人。
日本人が書く外国人もの(?)って、髪の色は金髪でも眉毛は黒いという、なんとも無様な感じになると思うのですが、島田荘司さんは眉毛も金髪だったと思います。
雰囲気としては、翻訳本を読んでいる感じで違和感はありませんでした。

前半は、レオナの行動がやはり謎で(全てに意味はありましたが)、読むのが疲れてしまったのですが、そこをちょっとだけ我慢すればあとは一気でした。

子宮や卵巣が狙われている!というにわかに信じられない犯罪は、いわゆる、クローン臓器に繋がる事件であり、それが解明されていく様は、やはり島田荘司さんならではでした。

奥が深い。
メッセージが感じ取られる。
島田荘司の醍醐味はこれでしょう。

ただ今回は、御手洗潔の謎解きではないので、やはり、ちょっと物足りないというか、なんか違う。
御手洗さんはちょっぴり出てきます。
レオナ自身は私としては苦手なキャラ。
だけど、御手洗さんを愛しているレオナを認めることはできる。
そんな複雑な心境もありつつ、御手洗さんの登場シーンは、電話ではあったけど全然物足りなかった~。
もっとレオナのときめきが欲しかったな~と思いました。

レオナの事件解明は、島田荘司さんにしては物足りないです。
それまでの御手洗シリーズではあり得ないような、いくら無鉄砲なレオナとはいえ無理があるような気がしました。
他にも、LAPDのエドを部下に従えたり、エドの相棒であるキャシーはどうしちゃったのかな~とか、突っ込みどころがちょっとありました。

さてさて、この本が発売されたのが2001年。
この事件の2年後にまた大事件が起こる……ということで終わっているけど、10年が経つ今も発表されていないのは寂しいな。

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